真の本性(ニヤリ)
カチャ・・・
部屋の扉が静かに開き、テンカワアキトはそっと部屋の中に入ると再び静かに扉を閉めた。
そして、そのまま音を立てずにベッドのほうに歩いていく。
ベッドの上ではこの部屋の主がすやすやと幸せそうに眠っていた。
まるで、これから楽しいことが訪れることを知っているかのように・・・
やがて、ベッドの側についたアキトは、ベッドの横に跪き、眠り姫に目覚めの時を告げた。
「イネスさん。朝ですよ、起きて下さい。」
気持ちのよい朝のまどろみの中にいたイネスは、王子様の声に薄く目を開く。
「おはようございます。イネスさん。」
朝、起きて一番最初に目に入る光景が、アキトの笑顔という素晴らしい一日の始まりにイネスは微笑を浮かべる。
「さあ、起きて下さい。イネスさん。」
アキトはそうイネスを促すが、イネスの返事は、
「いや。」
の一言だった。
「いや・・・といわれても。」
アキトはイネスを見たまま困ったような表情を浮かべる。
「いつものように起こしてくれなきゃ、いや。」
そういったイネスの頬がうっすらと薄紅色に染まっている。
一方、アキトの方も顔が赤くなっている。しかし、そのまま何も言わず、そっと身体をベッドの上にのりだすと、
左手をイネスの頭の後ろに回し抱き起こしながら耳元で一言ささやいた。
「朝だよ、アイちゃん。」
そしてアキトはイネスの唇を自らのそれで塞いだ。
「んっ。」
一瞬、イネスは瞳を大きく開いたが、すぐにうっとりとまぶたを閉じる。
まぶしい朝日の中、人影がひとつになったまま時間だけが過ぎてゆく。
10秒・・・
20秒・・・
30秒・・・
どこからかNHKの将棋番組の残り時間カウントの声が聞こえてきそうだ(^^;
1分後アキトはイネスから身を離し、イネスの瞳をじっと見つめたまま告げた。
「さあ、起きようね、アイちゃん。」
「うん。お兄ちゃん。」
うっとりとしたままイネスが答える。
その返事を聞いたアキトは、自らの腕でそのままイネスの身体を起こした。
そして、イネスが自分でベッドから出るのを見届けたアキトは
「それじゃ、朝食の支度があるからこれで失礼しますね。」
そういいおいて、イネスの部屋を後にした。
まったく遮られることのない太陽の光がまぶしい一日のはじまりであった。
ここは、太平洋上に浮かぶ海上都市である。
基本構造は円形で、直径は10kmをゆうに超える。
大戦後、太陽系最大のコングロマリットとなったネルガルが、
その総力を上げて建設した海上に浮かぶ遺跡技術研究所・・・ということになっている。
まあ、それは嘘ではない。
嘘ではないが・・・、真実を全て語っているわけでもない。
この研究所の実情を知るものは、この海上都市をこう呼んでいる。
[テンカワアキトと彼の妻達の愛の巣]
あるいは、ただ[テンカワハーレム]と呼ぶことのほうが多いかも知れない。
全ての戦いが終わった後、テンカワアキトは大切な人達の前から、姿を消そうとした。
これまでの戦いで積み重ねてきた、自らの罪をあがなう時がきたと考えたためである。
だが、彼がそういう行動をとるであろうことは彼を愛する女性陣によって既に予測されていた。
そして、彼女達はその行動を阻止するための準備を十二分に整えていたのである。
十重二十重の罠にがっちりと囲まれていながら、囲まれた当人だけが全く気づいていないという、
はたからみるとひどく滑稽な状況であった。
・・・まあ、じつにアキトらしいといえばその通りなのだが。
そして、テンカワアキトが行動を起こそうとした当日・・・
テンカワアキトは彼女達の罠にものの見事に捕まり、当初の予定とは全く反対のこと、
すなわち彼を愛する女性陣全員を妻とすることになったのである。
如何に大戦中、最大最強の英雄と呼ばれた彼であっても、単純な戦闘行動ならともかく、
それ以外の戦いで彼女達全員を敵にまわしては勝ち目はなかった。
むろん、この時代に一夫多妻が認められているわけがない。
だが、既に彼女達は政府より特別重婚許可証を得ていた。
その許可証を得るために太陽系の流通・経済が止まったとか、
政府のお偉方の恥部や暗部が報告書になって各々当人に届けられたとかいう噂があるが、真偽のほどは定かではない。
ただ、テンカワアキトが複数の妻を得たという結果だけが残ったのである。
しかし!
本当の問題はそれからだった・・・
テンカワアキトの妻になったことで理性のたがが外れたのか、妻達の彼の愛を巡る戦いが激化したのである。
ある時は、居住する市の全ての電脳ネットワーク上で・・・
またある時は、市街地上空でのエステバリスの空戦が行われ・・・
さらにある時は、金融マーケットにおける経済戦争が発生し・・・
げに恐ろしきは、異性を巡る女の戦いである。
続発するテンカワアキトをめぐっての前代未聞の騒動に頭を痛めた元大関スケコマシことネルガル会長アカツキは、
オモイカネとダッシュ、さらにはディアとブロスにこの問題を解決するための手段の検討を指示した。
既に高度な人格と呼べるものを備えていたオモイカネとダッシュは内心[やだなあ]と思って
あまり乗り気ではなかったが、まだまだ子供といえるディアとブロスは嬉々としてこの問題の検討に取り組んだ。
その検討の結果、遺跡技術研究用に名を借りた海上都市の建設とテンカワアキト夫妻達の移住が決定した。
要するに、ネルガルの土俵内であれば多少の騒動は問題にならないというじつにみもふたもない判断である。
さらに、問題をおこしはするものの優秀な人材である彼女達を、
理想的な環境にまとめて置いてしまえという考えもあったようだ。
ただ、このまま移住するだけでは戦闘の場所が移動するだけで根本的な解決には程遠いため、
次善の策として新たなシステムが開発された。
それがテンカワアキト愛情取得システム、略してTAシステムと呼ばれるものである。
内容はごく単純で、テンカワアキトと一緒に過ごし、彼に甘える権利を公平にポイント制で管理しようというものだ。
仕組みを簡単に説明するとこうなる。
テンカワアキトとどのように過ごすかを設定した権利が複数設けられている。
そして、それぞれの権利を取得するにはTAポイントが必要である。
TAポイントは一ヶ月ごとに一定のポイント数が各人の口座に加算され、
彼女達はそれぞれ好きな日の好きな時間にTAポイントを払って権利を取得する。
権利を得た妻が、アキトにルール内でどのように甘えようとも他の妻はそれを邪魔してはならない。
このシステムが提示されたとき、これまでの自分達の行動に多少は忸怩たるものがあったのか、
当初予想されたよりも割合素直に受け入れられた。
・・・それなりの被害は当然あったが。
また、若干1名、彼女達の夫が最後まで抵抗を示したようだが、彼にも有利な点があることを懇々と説得され、
しぶしぶ納得したようだ。
・・・まあ、その説得の内容は、他所では脅迫と呼ばれるものだったらしいが。
ちなみにいくつか愛情を得る権利の内容例ををあげると、次のようなものがある。
・朝、起こしてもらう権利(起こし方はお好みのまま)
・好きな食べ物を注文できる権利(食堂には全自動調理器がセットされている)
・食事を食べさせてもらえる権利(食べさせ方はお好みのまま)
・一緒にお風呂に入る権利(混浴の温泉と思ってもらえれば。ただし、男性はアキトのみ)
・マッサージをしてもらえる権利(どんなマッサージもお望みのまま)
・それぞれの部屋で一夜を共に過ごす権利
ただし、一夜を過ごす権利にはスペシャルオプションがあり、16歳に満たないルリとラピスは
このスペシャルオプションを使うことが出来ない。
これについてはルリとラピスがどんな手段を用いてもアキトがうなずくことはなかったのである。
まだまだたくさんの権利が設定されているが、全部記載していると切りがないし、
新い権利が日々検討されているので、この辺で止めておこう。
新しい権利は、月に一回、妻会議(笑)にかけられ、その採用の是非を決定する。
ちなみに可決するには妻達のうち三分の二以上の賛成が必要であるが、今までに新しい権利が否決されたことはない♪
なお、アキトの向こう三ヶ月のスケジュールと妻達の権利の取得状況及び全員の現在の持ちポイント数は、
不正のない様に公表されている。
また、権利の取得には、共同取得も認められている。例えば、サラとアリサの姉妹が二人で
「アキトと一緒にお風呂に入る権利」 を取得する場合、それぞれ必要なポイントの半分づつを出せばよい。
共同取得はアキトを独占することはできなくなるが、より多くの時間を共にすごすことが可能になるというメリットがある。
更に、自分の持つポイントを他人に渡すことも可能である。
例えば、イネスが実験のため特殊な装置の製造をレイナに依頼した場合、
レイナはその報酬としてTAポイントを要求することができるのだ。
つまり、彼女達にとってTAポイントはもっとも交換価値の高い代物なのである。
なお、基本的に権利の取得は早い者勝ちではあるが、偏りが生じないよう毎月の統計が取られ、
オモイカネとダッシュによる分析及びそれに基づく是正措置がとられるようになっている。
何しろテンカワアキトはひとりしかいないし、さらに、仕事で長期間屋敷を留守にしなければならない場合などにも
対処する必要がある。
特にメグミやホウメイガールズなど芸能活動を行っているものにとっては重要なことである。
また、通い妻も若干1名存在するので、このことも考慮しなければならない。
そのため、是正措置は、基本的には長期間アキトから離れていた者に優先権が与えられるようになっていると
思ってもらえばいいだろう。
現状を要約し、現在のテンカワアキトの説明を簡潔にするならば・・・
そう、テンカワアキトは「残りの人生全てを妻達に差し押さえられている」というのがもっとも適切であろう(笑)
さて・・・
そんなわけで、アキトは今日も忙しい。
本日こなしたお努めをざっと見てみると・・・
・ラピス&アリサと共に食事をする。最初は「あーん」だったが、最後は口移しになっていた。
・リョーコと一緒にデートに出かける。帰ってきたときは、何故かリョーコはお姫様抱っこ状態だった。
・メグミに全身マッサージを施す。最終的に、彼女は衣類を何も身に付けていない状態でマッサージを受けていた。
もちろん、全身マッサージである。
・ルリと一緒にお風呂に入る。彼女の全身を丁寧に洗い、さらに膝の上に抱いた状態でお風呂につかる。
正確には風呂というよりも温泉というべき規模なので、当然、お風呂の中では、タオルは身に付けていなかった。
ただし、いずれも最後の一線は越えていない。
最後の一線を越えられるのはスペシャルオプション使用時のみとルールに定められているのだから(爆)
そして、本日最後のお努め♪
現存する権利の中で、獲得するのにもっとも多くのポイントを必要とする「一夜を共に過ごす権利」を取得したのは、
今日はエリナであった。
もちろん、スペシャルオプション付き・・・でだ。
ちなみに、スペシャルオプションなしであれば、格段に少ないポイントでこの権利を獲得することが可能であり、
オプションなしでのこの権利の取得回数は、ラピスとルリがダントツで一位争いをしている(笑)
さて、待望の権利を取得したエリナの寝室では・・・
「ねえ。お願いがあるの。」
ベッドの傍らに立ち、潤んだ瞳でアキトを見つめながらささやくエリナ。
「どんなお願いですか?」
「今日は乱暴に愛して・・・」
「はっ!?」
エリナの台詞を聞いたアキトの目が丸くなる。
「ねっ?」
「そんな・・・出来ませんよ、そんなこと。」
エリナから視線をそらせつつ、アキトはそう答える。
「嘘・・・」
「嘘じゃありません。」
「私、知ってるんだけどな♪」
ギクッ!!!
何故か硬直するアキトを、相変わらず潤んだ瞳の中にいたずらっぽい光を浮かべながらエリナが覗き込む。
「ねえ。他のひとにはしてあげて、私にはしてくれないの?」
そのいたずらっぽい声と同時に拗ねた気配が漂っているのをアキトは感じ取った。
自分の妻達を拗ねらせると後が大変なことはそれはもう重々承知しているアキトである。
彼にとって安全な退路は存在せず、苦渋の選択肢のうちどちらかを選ばざるを得なくなったということを
理解せざるを得なかった。
僅かな逡巡の後、覚悟を決めたアキトは妻に向かって呼びかけた。
「エリナさん。」
「いや。」
既にどこぞで聞いたような返事である(笑)
「いやって、何がです?」
「今晩は、エリナって呼んで。」
はあっ。
思わず脱力しかけたアキトだったが、大きくため息をつくと、エリナの両頬をそっと挟み、
引き寄せる。
「エリナ・・・
お前が望んだことだ。もう、取消はきかないぞ。」
この時のアキトの声は普段の優しい夫の声ではなく、屈強な一匹の雄の声だった。
ごくり・・・
我知らずつばを飲み込むエリナ。
だが、次の瞬間エリナの唇は貪るようにアキトに食いつかれていた。
「んんんぅぅっ!」
思わず目を白黒させるエリナだったが、そんなことには全くかまわずにアキトはエリナの口腔内を己の舌で吸い尽くす。
あまりの強引さにアキトから咄嗟に離れようとするエリナだが、
エリナの身体はアキトの両腕によってしっかりと拘束され身動きひとつままならず、
さらに、いつのまにかアキトの左足がエリナの股を割っていた。
「んっ・・・くぅっ、ふっ、んんんっ!」
それでも、何とか身動きしようとするエリナだが、アキトの肺の中の酸素を吸い尽くすような猛烈なディープキスと
口腔内を這い回る巧妙な舌のテクニックに、徐々にしびれたように身体の動きが鈍っていく。
しばらく後、アキトの腕の中には、全身の力が抜け、くたりとしたエリナがいた。
アキトが支えていなければ一人で立っていることも覚束ないようだ。
そんなエリナの耳元にアキトが顔を寄せる。
「エリナ・・・
これからが本番だ。望み通りに愛してやるよ。」
ささやくと同時にエリナの襟元に手をかけると一気に服を引き千切る。そして、間髪いれず下の方も引き裂く。
「きゃあぁぁぁ!」
さすがにエリナが悲鳴をあげ、己が両手で身体を隠そうとするが、アキトは巧妙にエリナの両腕を押さえ込みそれをさせない。
結果、シルクのブラジャーとパンティの上に破れたスーツをまとわりつかせているという、
どこか扇情的な格好のエリナができあがった。
「あ、アキト、もう少しだけ、その・・・」
「だめだ。」
自分の格好が恥ずかしいのか、小声で何かを頼もうとするエリナだったが、アキトは全く聞く様子を見せず、
再びエリナの唇を塞いだ。
「うっ、んんっ。」
今度のキスは先ほどのものに比べると穏やかなものだった。
それに安堵したエリナはわずかに強張っていた身体の力を抜く。だがその瞬間。
「あうっ!」
アキトの右手が素早くフロントホックのブラを外し、イネスやユリカに比べれば小さいとはいえ、
十分な張りと艶そして大きさを持った胸を鷲づかみにした。
更に、二、三度感触を楽しむかのようにもんだ後、丘の頂部にある桜色の突起を指で挟むと一気に捻りつぶした。
「うううんんんんんんんっっっっ!!!」
エリナの瞳に演技ではない本物の涙が浮かぶ。
だが、唇をアキトに塞がれ何も喋ることができず、両腕はいまだ抑えられたままである。
そのままアキトの右手が、エリナの胸の上で舞い、そして踊り始める。
「んっ!
くふっ・・・んんっ!!
はっ・・・んっ・・・んんんっ!!」
その度にエリナがくぐもった声を上げる。
それからしばしの間、部屋の中はエリナのうめき声をBGMに、時が流れた。
そして、ようやくアキトがエリナの唇を開放した時、その頬にはくっきりと涙の流れた跡が月明かりに光っていた。
「うっ、ひどいわ、アキト・・・」
うっすらと涙を浮かべたままエリナがアキトに文句をいう。
だが、少々様子がおかしい。
文句をいうエリナの顔は、まるで火を噴いたかのように桜色に染まっているのだ。
「本当にそう思ってる?」
アキトはエリナの瞳の涙を手で拭ってやりながら尋ねる。
「当たり前じゃない!」
「ふーん。こんな風になっているのに?」
「あうっ!!!」
エリナの意識がアキトの方に向いている間に、涙を拭っていた右手がいつの間にか下方に移動しており、
それが動いた瞬間、くちゅっという湿った音と共にエリナの身体が硬直した。
「さあ、どうなんだ?」
「あっ、やっ・・・あひゃっ・・・や、やだっ・・・あんんっ。
あっ!んんぅぅぅっ!あんんぅぅぅぅぅっ!」
アキトは質問を続けるが、一緒に右手が的確に動いている。
そして、右手が動くたびにくちゅっくちゅっという湿った音がする。と同時にエリナの悲鳴が上がる。
しばらくの間、アキトが質問する声とエリナの悲鳴が続く。だが。
「あ・・・んんぅ・・・や、やだぁ・・・
はうっ!だ、駄目ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ひときわ大きな悲鳴と共にエリナの身体が、まるで高圧電流を流されたかのようにピーンと強張る。
時が止まったかのような気配が辺りを満たし・・・
そして、数秒後、エリナは一気に脱力した。
そのまま床に崩れ落ちそうになるのをアキトが優しく腕の中に抱える。
アキトの腕の中で、エリナはまるでフルマラソンが終わったばかりのように荒く胸を上下させていた。
しばらくその様子を優しく見つめた後、アキトはそっと尋ねた。
「どうでした、エリナさん?」
「はあっ、はあっ、はあっ・・・
あ、アキト君、どうやってこんな技術を身に付けたの?」
いまだ整わない呼吸の下から、潤んだ瞳をアキトに向けながら一番気になっていたことを尋ねる。
「もちろん、一生懸命勉強したんですよ。」
はにかんだ笑顔でアキトが答える。
・・・ちなみに、アキトのいうことは本当である♪
アキトの私室にある棚には、古今東西のその手の技術やHow To等々が文字だけでなく図解・映像付きのものも含めて
記載されているデータパックが、これでもか!といわんばかりに並んでいる(爆)
そして、この手のテクニックに関して、アキトは既に長足の進歩を遂げているのだ!(核爆)
「それはもう、その手の関連情報をみるのもいやになるくらい学びましたよ。
幸い、というべきか、学んだことを実践する環境には事欠かきませんしね。」
苦笑しながらアキトはそう告げる。
・・・それを聞いたエリナも苦笑するしかない。
「それに、妻を満足させるのは夫の大切な義務ですから。」
#・・・そうなのか?
「でも、それにしても最初の方のは納得いかないわ。」
呼吸が落ち着いてきたエリナは同時に思考力も戻ってきたらしい。新たな疑問点を目の前のアキトにぶつける。
・・・単にアキトの腕の中が居心地いいだけかもしれないが。
「うーん、実をいうとあれは偶然の産物によるものなんですよ。
それにあれをできるのは薬物でも使わない限り、多分俺だけです。」
「どういうこと?」
「あれはですね、昂氣の特殊な応用なんです。」
「えっ!?」
「俺の昂氣で相手の身体を包み込んで、直接、相手の神経を刺激するんです。」
「・・・・・そんなことが可能なの?」
「実際、初めて出来たときは俺も驚きましたよ。」
「でも、エリナさんは詳しくは知らなくても何か特別なことを予測してたんじゃないですか?
多分、サラちゃんかレイナちゃんに聞いてね?」
それを聞いたエリナの頬が薄く染まる。
「やっぱりね。」
「・・・御免なさい。」
「まあ、あまり多用したいとは思わないけど、ね。でも、謝る必要はないよ。」
そういってアキトはエリナの額に自分のそれをこつんとくっつけると優しく告げた。
「だって、君は僕の愛する可愛い奥さんなんだから♪」
それを聞いてエリナの顔が一瞬で真っ赤に染まる。
そして、いつものエリナからは考えにくい口調でおずおずと自分の思いを告げた。
「はい、私の愛しい旦那様♪」
くすっ
くすっ
お互いの顔を見合った二人が幸せそうに笑い出す。
しばし、部屋の中は笑い声で満たされた。
「さて、乱暴に愛するのはもういいよね。」
「・・・・・」
アキトは確認するようにエリナを見るがエリナは俯いたまま答えない。
「エリナさん?」
「・・・エリナって呼んでっていったでしょ・・・」
「はい!?」
「今晩は、私のことはエリナって呼んでっていったでしょ・・・」
俯いていた顔を上げたエリナは上気した顔でそう言った。
「・・・それってまさか・・・」
「そうよ。」
上げていた顔を再び俯かせて、しかし、きっぱりと告げる。
もっとも、俯いた顔の横に見えている耳は真っ赤だが。
その様子を黙って見ていたアキトは、俯いているエリナの耳元に口を寄せた。
「それがどういう意味かわかっているね、エリナさん?
これは最後の機会だよ?
これから先は、どんなにお願いしても許してあげないよ?」
耳元で告げられた言葉に、エリナは身体がブルッと震えるのが感じられた。
むろん、答えは決まっている。
「・・・お願いします、旦那様(ポッ)」
そして・・・
その夜、エリナの寝室から悲鳴が絶えることはなかった。
ただ・・・
その悲鳴には何故か喜びのようなものが感じられ、さらには艶めいたものが感じ取れたのである。
さらにその後、何か重い湿ったもの同士がぶつかり合う音が聞こえてきはじめ、
エリナの悲鳴はさらに甲高いものになっていたが、二人が部屋の中で何をしているかは全くの謎であった。
やがて夜も更け、
そして、
再び朝がやってくる。
身支度を整えたアキトは今日も眠り姫を起こしにいく。
キィー
パタン
本日の眠り姫の部屋に入ったアキトは、そのまま寝室に入る。
そして、ベッドの傍らまで歩いていくと、そっと部屋の主に目覚めのときを告げた。
「おはよう、北斗。気持ちのいい朝だよ。」
Fin
独り言
あっはっはっはっは・・・・・・・
掲示板での宣言通りHなシーン入りのSSが出来た(爆)
さらに、かわいいイネス(アイちゃんモード)とアキトのらぶらぶも書けた!
これまで登場していなかったエリナも、これだけ愛されれば満足だろう♪
予は満足じゃ(核爆)
・・・・・まあ、私がこういったものも書けるということがわかったし(爆)、
その他のメンバーもそれなりにフォローしてるし、
問題なかろう?(それとも大有り?)
ちなみに通い妻は、私の中では「掲示板でもっとも熱い論争が行われている
あの女性」に割り当てられてます(苦笑)
そう最近、某議長主催?の新しい組織ができたあの女性です(笑)
えっ、最後と矛盾してる?
いいんです。
この場合の通い妻は、男性が通うんじゃなくて、女性が通うんですから!(超爆)
ところで・・・
これってR指定ものですかね?
ちなみに、どういった基準でR指定とかX指定とかになるんでしょう?
あちこちのHPでよく見掛けますけど、基準を知らないんですわ、私。
知っている人がいたら教えてくださいm(_ _)m
管理人の感想
鳥井南斗さんから20回目の投稿です!!
ようこそR指定の世界へ!!(核爆)
あははは、鳥井さんその上題名のお願いもするんだもんな〜(苦笑)
まあ、今回のタイトルはこれしか思いつかん(爆笑)
だって、もうケダモノやん、アキト君!!
ちゃっかり北斗まで落としてはるしね〜
それでは、鳥井南斗さん投稿有難うございました!!
さて、感想のメールを出す時には、この 鳥井南斗さん の名前をクリックして下さいね!!
後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!
出来れば、この掲示板に感想を書き込んで下さいね!!