「ただいま戻りましたぁ!」
玄関の扉を開けるやいなや、白鳥九十九は相変わらずの調子で帰宅の挨拶をする。
「おかえりなさ〜い♪」
パタパタパタッ・・・
軽いスリッパの音と共にミナトが奥から走ってくる。
そして、玄関までくるとその場に座り、三つ指ついて挨拶をする。
「お帰りなさいませ、あ・な・た♪」
その様子に、九十九は、あわてて靴を脱ぎミナトの前に正座すると、
「ただいま帰宅仕りました、ミナトさん。」
こちらも深々と頭を下げる。
そんな九十九の行動を、既に顔を上げていたミナトがくすくすと笑いながら見ている。
これが、白鳥家において三日に一度は繰り返される年中行事である。
もちろん、仕掛け人はミナトであった。
木連において、女性は守り貴ぶべきものと魂にまで刻み込まれている九十九は、ミナトからすると、もう可愛くて可愛くて、食べちゃいたいくらいに見えるらしい(爆)
そこで、ついつい悪戯を仕掛けてしまうというのが真相だ。
まあ、年上の子悪魔的な姉さん女房が、年下の純情夫を弄ぶというのは、そう珍しいものではないが・・・
#そうなのか?
#劇場版のサブロウタは、ずいぶん女性を軽く扱っていたような気がするんだが・・・
#まっ、いいか。
もっとも、ミナトが九十九をからかうのに熱中するあまり、主婦業をおろそかにしているかというと、そんなことは全くなく、むしろその逆である。
ミナトは結婚後、九十九から木連の食糧事情を知り、可能な限り九十九においしいものを食べてもらおうと世界中の様々な料理に挑戦していた。
火星から命からがら木星圏にたどりついた木連の先祖たちは、当然のことながら食料の再生産プラントも持っていたものの、味に付いては、お世辞にもうまいといえるようなものではなかった。
遺跡のテクノロジーを手にし、多少の改善がなされていたとはいえ、蜥蜴戦争時の木連の食料事情は決して良いものではなかったのだ。
そんな内情を九十九から知ったミナトは、地球のおいしいものを味わってもらおうと料理の修行に励んだのである。もともと器用であり、かつ、わからないところについてはホウメイという格好の料理の生き字引がいることもあり、さらに、料理にもっとも必要とされる愛情を豊富にもったミナトは熱心に料理の修行に取り組み、結果としてミナトの料理の腕前は家庭料理としてはかなりの腕前になっていた。
無論、掃除洗濯も十分な腕を持ち、ミナトは白鳥家の影の支配者?として君臨している。
さて、玄関での悪戯の後、キッチンに移動した九十九は、そこに用意されていたミナトの愛情たっぷりの料理を堪能し、現在は、リビングで食後のお茶をすすっていた。
そして、そんな九十九の様子を隣に座って嬉しそうにミナトが眺めている。
ズズズッ
「はあぁ〜。」
お茶を飲み干した九十九が満足のため息を吐く。
「おいしかった?」
「それはもう。
いつものように堪能させて頂きました。」
ミナトの問いかけに、満面の笑顔で応える九十九。
ことりとテーブルの上に茶飲を置きながら、ミナトに感謝の視線を向ける。
その視線を受けたミナトの顔がより一層笑顔になる。
同時に、キランと目が光ったような気がするが・・・・・
気のせいだろう。
「もう満腹?」
「ええっ。」
九十九に擦り寄りながら、さらに尋ねてくるミナトに満面の笑顔のまま返事をする九十九。
気が付いたときには、ぴったりとミナトに張りつかれていた。
「あ、あの(わたわた)」
「ん?なあに?」
既に自分の妻になっているにもかかわらず、TV版でミナトに迫られていた時のようにあたふたする。
純情なことだ。
「す、少し離れていただけないでしょうか?」
顔を赤面させつつもミナトに頼む九十九。
「私のことが嫌いになったの?」
離れるどころか、さらにずずいと近づいたミナトは瞳を潤ませつつ九十九に問い掛ける。
「そんなことは、例え天地が引っくり返ろうともありえません!自分は、世界中の誰よりもミナトさんのことを愛しています!!」
別の意味で顔を紅潮させ、はっきりと宣言する九十九。
女性にとっては至福のひとときかもしれない。
「うれしい・・・」
ミナトもまた、その一言に、ぴとっとばかり九十九の胸に顔を乗せる。
そんなミナトを照れまくりながらも抱きしめる九十九。
そして、まるで一枚の絵の様に時間が静止する。
しばらく後・・・
「ねぇ、九十九さん?」
「何でしょうか?」
「私の料理おいしかったのよね。」
「ええっ。それはもう。」
「それじゃあね・・・」
「はい?」
「私も食べたいものがあるんだけど・・・」
「何でしょうか?いつもおいしい料理を作っていただいているお礼といっては何ですが、自分に手に入れられるものでしたらどんな手段を持ってしても用意しますが。」
「ううん、大丈夫。私の食べたいものはすぐ近くにあるから。」
「そうなのですか?」
「ええ。私の目の前に♪」
「・・・・・・・・・・はい?」
思わず九十九がミナトの顔を覗き込むと、ミナトの目が妖艶に輝いていた。
そして、その輝きは九十九の身体を十重二十重に絡め取る。
「あ、あの、ミナトさん?(あせっ)」
ミナトの視線に行動を束縛された九十九が慌てて呼びかけるが・・・
「それじゃあ、頂きま−す(にやり)」
「ミナトさ、んぐっ!」
九十九の声は途中で遮られた。
九十九の唇をミナトの唇が塞ぐことによって。
「「ん、んんん、んぐっ!」」
そして、次に気が付いた瞬間、九十九の身体はソファの上に押し倒されていた。
「「んっ。」」
九十九の上にのったミナトの顔が離されると共に、お互いの唇をつなぐ銀の橋がキラキラ光りながら伸びて行く。奇襲攻撃にぼーっとなっている九十九を見下ろしながら、ミナトが上気させた肌を紅く染めつつ、しっとりと艶を帯びた笑いを浮かべる。その笑みを見た九十九がようやく正気を取り戻す。
「み、ミナトさん!」
そのまま彼の上着のボタンを外し始めるミナトに、焦った声を上げる九十九。
「なあに?」
「何をしてらっしゃるんですか!」
「九十九さんの上着を脱がしてるけど?」
「そうじゃなくて!」
・・・なんか、端から見ると間抜けに見えるような気がするのは私だけだろうか?
もっとも、九十九にとっては切羽詰まった状態かもしれないが。
「だから、なんで上着を脱がさなければならないんですか!」
「だって、そうしないと九十九さんを食べられないじゃない♪」
「・・・はっ?」
そんな風に会話が進んでいく間も、ミナトの手はせっせと働き、気づいた時には、九十九の上着のボタンはすべて外され、上半身がむき出しの状態になっていた。
「だから、さっき言ったでしょ?私の食べたいものを用意してくれるって♪」
「た、確かに言いましたが・・・」
「うんうん。優しい旦那様を持てて私は嬉しいわ。それでね、私が食べたいのは九十九さん、貴方なの。だからこうしているわけで、何の問題もないわ。」
「そういう問題じゃなくてですね。」
なんとかミナトの手を押さえようとする九十九だったが、既にマウントポジションを押さえられ(いつのまに!)、ミナトの行動を掣肘することができない。
もちろん、木連式柔を収めている九十九が本気になれば、素人のミナトを弾き飛ばすことなぞ造作もないが、女性は守り貴ぶべきものと魂にまで刻み込まれている彼に、そのようなことが出来ようはずもなかった。
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
「だーめ。待ってあげません(にこり)」
九十九の見上げる先で、にっこりとまるで天使のような微笑みを浮かべるミナト。
だが、その行動は容赦なく進む。
九十九が会話に気を取られているうちに、上半身に引き続き、下半身で、既にベルトが外され、ズボンが降ろされようとしていた(爆)
それでも九十九はミナトを止めようとする、が、
「その、こういうことを始めるには、まず心の準備が!」
「ここは、そうは言っていないみたいだけど?」
キュッ
「はうっ!?」
ミナトがそういって、既に九十九の下着の下に侵入していた片手でナニを握り締める。
と同時に、九十九からうめき声も上がる。
いったいナニが握り締められたのかまったくの謎であったが・・・
「み、ミナトさん!」
「だって、九十九さんたら私を大切に扱うあまり、なかなかしてくれないんだもの。大切にしてくれることは凄く嬉しいの。でもね、九十九さん?女性にも性欲はあるし、愛しい男にならいくらでも愛されたいと思うものなのよ?」
そういいながら九十九の顔に自分の顔を寄せたミナトは、少し横にずらすと、朱色の唇をあけ「ぱくっ」と九十九の耳たぶを咥えた。
「うっ!」
再び、九十九からうめき声が上がる。
それを聞いたミナトは、さらに九十九の耳の裏側に舌を伸ばし、舐め始める。同時に右手が下半身の熱く充血したナニかをしごき、さらに、左手が胸のあたりを這い回っている。そのまま、たくましい首下にそって唇を滑らせていく。
「み、み、ミナ、ト、さん・・・」
その攻撃に何とかあがらおうとしながらも、全身から、まるで水が漏れていくように力が抜けていく。
年下の夫の性感帯を知り尽くした妻の卓越した技巧に、あっさりと木連の勇士が陥落した瞬間であった。
ぐったりしている九十九の上で、いつの間にか夫と同じように上半身裸になっていたミナトは、しっとりした雪肌に長い髪をからませんがら、豊かな双丘を夫の胸に押し付け、耳元で囁く。
「ふふっ・・・
夜は長いわよ?
たっぷり食べさせてね、あ・な・た♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
・・・・・・・・・その夜は、ミナトにとって九十九尽くしの夜であった。
もちろん、彼女が余すことなく、隅から隅まで堪能したことは言うまでもない。
なお、翌朝、ミナトの肌はまるで極上の漆を塗ったかのようにしっとりすべすべでありながらつやつやと輝いており、そして九十九はげっそりとやつれていたことを付け加えておく。もちろん、何が行われていたのかはまったくの謎であることはいうまでもないだろう。
独り言
ミナトさんファンの方々、御免なさいm(_ _)m
確か騎士団の方がいらっしゃいましたよね?
・・・・・こんな作品が出来てしまいました(爆)
笑って、流していただけると嬉しいです(核爆)
なぜにこんな作品が出来たのか、私にもわからんのです(^^;
いや、ちょこっと九十九とミナトの新婚生活を書いてみようと思ったら、
何時の間にか、年下の夫を翻弄する小悪魔的な姉さん女房作品に化けてしまったもので(笑)
でもまあ、二人とも幸せそうですから問題ないでしょう(爆)
さらに、この程度なら指定は入らんだろ?
それとも、・・・・・・・・・・入るか?(^^;
代理人の感想
・・・・まぁ、この程度なら入れませんけどね(苦笑)。
最近の作品傾向を見るに、妙な方向へ傾倒してませんか鳥井さん(爆)。
ちなみにこの程度の描写でも、ギャグにもなっていなければストーリー上の必然も無い場合、
R指定になる可能性が無いわけではございませんのでご注意下さい。