劇場版機動戦艦ナデシコ

後伝

【ベアルファレス】

 

第二話 雫の石

 

 

 

 

 

「さて、ここが俺の部屋だ・・・そしてアキト、君の部屋でもある

 所で何が聞きたいんだい?」

ウェルドはアキトを連れて先に部屋へ戻っていた

「まずココは何処だ?」

「カルス・バスディード・・・通称カルスの棺桶」

「?」

「要は魔物の徘徊する遺跡に潜る人間が住む町・・・ってとこかな」

「ふむ、何故?」

「何故って?有名じゃないか、金、不老不死、遺跡の探求・・・ああ修行の為ってのもいたね

 ほんとに何も知らないみたいだね・・・記憶喪失かい?」

(そうしといた方が良さそうだな、別の星から来ましたってもわからない・・・っていうか変人扱いだろうしな)

「・・・みたいだな」

「まあいいや、これを渡しておくよ」

小さなカプセルと指輪を手渡すウェルド

「これは?」

「トラップカプセルと時の行路図、トラップカプセルは使ってみないとわからないけど・・・便利だよ

 時の行路図は・・・まあ遺跡と一瞬で行き来できるアイテムだよ、まあ中へ潜るのに必須だね」

「そうか、有難く貰っておくよ」

「ところで武器を持ってないみたいだけど・・・剣でよければ俺の予備をあげるよ

 金が貯まれば鍛冶屋で専門の武器を頼んでみたらいいさ。ま、堅物だからどうかは知らないけど」

「何から何まで済まんな・・・ところでこの町から出るにはどうしたらいい?」

「う〜ん、半年は門が開かないからな・・・」

「半年か・・・」

「ああ、他に出る場所は無いしな・・・壁を越えようとすれば黒焦げだしね」

「仕方ない・・・ま、どっちにしろ今は薬草探しが先決だしな」

「ま、よろしくな〜」

「こっちこそ」

 

 

同時刻:ユーチャリス内

「・・う・・・ん」

《ラピス、気が付いた?》

「・・・プラス?ここは・・・」

《不明・・・現在バッタを使用して探索中・・・ただ文明レベルが低い星みたい》

「!?アキトは?」

《行方不明、不時着時に船外に放り出されたと予測》

「そんな・・・」

〔アキト・・・返事をして・・・〕

 

 

〔ラピス?どうした、昨日は通じなかったんだが〕

〔ごめんなさい、気を失っていたみたい・・・アキトは大丈夫なの?〕

〔ああ、何故か五感が回復している以外はな、ラピスはプラスと情報を集めてくれ〕

〔アキトはどうするの?〕

〔俺はしばらくこいつ等と行動する・・・後で一度そっちに跳ぶ〕

〔わかった〕

 

 

 

「おい、アキト?どうかしたのか」

「いや、ちょっと考え事をな・・・さて、明日までに少しこいつを(もらった剣を持ち)振っておくかな

 先に休んでいてくれ、少しでも慣れていた方が良さそうなんでな・・・素振りでもしてくる」

「ああ、あんまり根を詰めるともたないぞ」

「肝に命じるよ・・・じゃ」

部屋を出るアキト

ウェルドはそのまま自分の両手剣を取りだし手入れを始める

(とは言ってもなんとか探し出してやらないとな・・・家族を失うのは・・・辛いからな・・・)

 

 

「さてと、この辺でいいかな?」

奥まった路地にやってきたアキトは、マントの下にあるジャンプフィールド発生装置を点検しはじめた

(・・・なんとか跳べそうだな)

頭の中にユーチャリスのブリッヂをイメージする

「・・・ジャンプ」

呟いた瞬間アキトはユーチャリスの中に居た

 

「アキト?無事だったんだ、よかった・・・」

「ラピス、心配をかけた。プラスもな」

《いえ、心配はしてませんでしたから、マスターならどんな所でも生きていけるでしょうから》

「おい、俺はゴキブリか?」

《見た目は》

「クス・・・あ、ごめんアキト」

「いや・・いい・・・ところでプラス・・・ユーチャリスの修理はどれくらいかかる?」

《推定で・・・142日と13時間・・・》

「そうか・・・しばらく俺は助けてくれた奴等の手伝いをする予定だ」

「アキト、私も」

「いや、そこは外界から隔離されたトコでな、気付かれずに生活するのは無理だ

 ラピスにはここでサポートを頼みたい」

「うん・・・」

「プラスは俺の銃の弾丸を製造しておいてくれ、今回は旧式のを持っていく」

《わかった・・・》

ブリッヂ内部にケースが迫り出してくる

《どれにする?》

「・・・これだな」

手に取ったのは【コルトパイソン357マグナム】

某新宿の種馬も愛用していた銃だ

 

「弾は・・・全部で42発か、使ったらまた取りにくる」

《了解、弾は補充しておくよ》

「アキト・・・行ってらっしゃい」

「ああ・・・ジャンプ」

声とともに光が辺りを包み・・・光が消えた後にはアキトの姿はブリッヂから消えていた

 

 

次の日

「おはようアキト、昨日はなかなか帰ってこなかったね」

「そうか?」

「そうさ、まいいけど・・・あ〜居た居た、ノエル〜」

二人がダンジョンの入り口に近づくと、ノエルが一人待っていた

「・・・おはよう・・・2人とも」

「ああ、おはよう」

「暗いな〜2人とも、もっとテンション上げて行こうぜ!」

「「・・・(なんで朝っぱらからハイテンションなんだろう)」」

アキトとノエルの心の声は見事にハモっていた

 

 

 

黒の羨道

 

「この階に青の羨道への入り口があるはずよ・・・あった、あれがサディーヤさんの言っていた祭壇だわ」

「サディーヤ?」

「そういえばアキトは知らなかったっけ?カルスの棺桶で一番薬草に詳しい人さ

 しかし、ノエルはちゃんと調べて来たんだな〜良く考えたら俺は何にも聞いてないんだよな」

「あのねぇ・・・、あなたが話を聞きに来なかったのが悪いのよ」

話しながらも祭壇の近くまで移動する三人

「鏡のように磨かれた石の祭壇・・・横には大きな扉・・・間違い無いわ」

「ここから行けるのか?」

「いえ、まだ鍵を探さないと・・・『雫の石』を・・・」

「まあのんびり探そうや」

「あのね!満月までに探さないといけないの!満月の夜だけ祭壇が反応するのよ、この満月を逃したらアッシュの妹は助けられないの」

「ぅ・・・」

「ウェルドもノエルも喧嘩なんかしている暇はないぞ、そこに誰かがひそんでいる・・・」

「え!?アキト本当?」 「知ってるよ〜」

ノエルは気付いていなかったが、アキトとウェルドはこの階層に来たときから隠れている気配に気付いていた

背後ろから姿を現したのは

「よう、迷える子羊ども」

「「「・・・誰?」」」

「カドモン様だ!まったく最近の奴は、俺様を覚えてないなんてなんて嘆かわしい」

「・・・俺は初めて会ったんだが」

「そういやぁ居たな〜教会の奥で飲んだくれている人間の屑」

「こんな奴覚えるのは知識の無駄よ、そこいらの石の数でも数えていた方がまだタメになるってもんよ」

(二人してひどい事をいうなぁ)

ウェルドとノエルのセリフに苦笑するアキト

「ぬくく!貴様ら・・・そんな事を言ってもいいのか?お前らが探しているのはコレだろ?」

カドモンは懐から黄色い、鈍く光る石を取り出した

「あれは!」

「ノエル、あれがそうかい?」

「ええ、アキトさん・・・あれが扉を開ける鍵・・・雫の石」

「でも、取ってきてくれた・・・って訳じゃなさそうだね〜」

「当たり前だ、ただでやるなんて言う訳無いだろ。これが欲しかったら有り金全部よこしな」

「なあウェルド、ここで叩き斬るか?」

「ダメですよアキトさん、一撃で殺さないと時の行路図を使って一瞬で町まで逃げられてしまいますからね」

「おまえら・・・物騒だな」

冷や汗を流すカドモン

「あなたね、仮にも助司祭でしょ、人の命がかかってるんだから・・・」

「ああ、知ってるさ。アッシュとかいう小僧の妹を助ける為にただ働きしてるんだってな、ご苦労なこった。

 だがよ、そんなこたぁそっちの都合だ、カドモン様のしったこっちゃねえ。」

「・・・おまえ、最低だな」

「ひぃ・・・!?」

アキトの殺気を込めた呟きに怯むカドモン

「さ、最低とはひでぇ言い草だな、ただの契約じゃねえか。

 オレ様はお前らの代わりにこれを見つけてやった。お前らはその料金をオレ様に払う、何が駄目なんだ?」

「ふ〜ん、よくもまあそんな事言えるねぇ、それでもほんとにアノイアの司祭かい?」

「へっ、あいにくオレ様は預言者や十三聖者の教えってものにこれっぽっちも興味がねえんだ。

 興味があるのは金だけさ。渡すか渡さねえかさっさと決めな。

 まぁ、嫌ならいいんだぜコレを叩き割るだけさ・・・って・・・え!?」

「何を割るって?」

いつのまにかアキトがカドモンの後ろに立ち、剣を片手で首に押し当て、もう一方の手で雫の石を取っていた

「お・・お前、いつのまに・・・・」

「さあな、あんまり敵対関係の相手を前にして長話をするもんじゃない。今回は命までは取らない・・・行け!」

「ひぃ!」

カドモンは懐から時の行路図を出すと、次の瞬間には消えていた

 

「さて、目的の物は手に入ったし・・・ここは行路図に記録されたから・・・他のメンバーも誘って満月の夜に出直そう」

「そうね、それまで精々準備しましょう」

「なら他のにも連絡しないとね〜さ、今日はもどろっか」

三人も時の行路図を使い遺跡を後にした・・・

 

 

 

 

 

次の日・・・

街にいた数人をさそって祭壇の前に立っていた

 

集まったのはアキト、ウェルド、サラ、ノエル、ルカ、ジェシカ、アーサーの七人だけだった。

他のメンバーはまだ雫の石を探していたり奥を目指しているのだろう、宿舎には帰っていなかった。

一応酒場のオイゲンに連絡はしておいたので間に合うなら後から追いかけてくるだろう。

 

 

 

「さあ、もうすぐだ!このアーサー、友となったアッシュのために必ずやラフメルの葉を見つけ出す!」

「あのさアーサー、一人で勝手に盛り上がらないでよね!うるさいのよ」

「なんだって!?ジェシカ、君は友人のために頑張ろうとか思わないのかい?」

「まだ知り合って3日なのにどうやって感情移入しろってのよ!あたしはそんな熱血キャラじゃ無いのよ!まったく」

「それならなんで手伝うんだい?」

「ぅ・・・一応知り合ったんだし・・・死なれたら・・・寝覚め悪いじゃない・・・」

「おしゃべりはそこまでみたいよ!」

 

ノエルの声にみんな祭壇の方を向く。

 

視線の先で、祭壇が淡い光を放っていた

 

「これを・・・ここにっと!よし入った」

 

シュン!

 

ウェルドが祭壇の窪みに雫の石を差し込むと、すぐ左手にあった石製の扉が音も無く開く

 

(まるでカードキーと自動ドアみたいだな・・・それにこの『時の航路図』、形こそ違うけど・・・MAP表示機能といい時計みたいな形といい・・・コミュニケみたいだしな・・・)

 

アキトは一人そんな事を考えていた。

 

「いい、確認するよ?目標はあくまでラフメルの葉、それには1ヶ月しか時間がなく、この先に行けば一日が1時間もかからずに経ってしまう・・・いいね?」

「ええ、だから誰でもいいから先に進む、障害は力を合わせて強行突破・・・でしょ?アーサー」

「そう、ノエルの言うとおりだ。幸いウェルドのトラップカプセルは移動にも使える優れものだし、彼を進ませる方が効率が良さそうだ。」

「僕はサラさんと回復に努めます」「怪我したら私たちの所へ来てください」

 

作戦を決め、一気にドアをくぐる7人・・・

 

彼らが足を踏み出した空間では、時の行路図の時間表示が凄い勢いで回転していた・・・

 

 

 

 

 

あとがき

どうも、最近ご無沙汰してました日光です。

仕事が忙しいうえに夜はHPの管理(ヘボヘボですが)に時間を取られ、遅々として筆が進みません。

 

 

まあゲームに夢中で更新しないD○Yさんよりはマシなんじゃないかと・・・

「ターゲットロックオン! ふぁいやーw」

 

ゲフ!

 

ガチャコン カシュゥゥ(再装填)

「はっはっはっ、何を言うんだい?める○ぃるよりは更新してるぞ」

 

あの人は生活忙しいんじゃ?それにいくら何でもいきなりG・インパクトキャノンは無いだろ!

 

「そっか、こっちの方がいいか?」

 

何だ(汗)そのやけにデカイピコピコハンマーは・・・(滝汗)

 

「説明は不要だろう。 さあ、光になれぇぇぇぇ!!

 

甘い!セアムルグの羽よ、【力よ!新たなる門を今ここに開け!!】

 

「また、わかりづらいネタを・・・・しかし、話を短縮してるなカドモンの要求した仕事でいきなりつまったからなオレは」

 

ちゃきっ

 

「まて、ミヤビ・・・・参式斬艦刀は後頭部に押し付けるモノではない。」

 

「我は痲屡毘婁・魅埜枇 ・ ・ ・ 」

 

「話せばわかる。まてぇぇぇ」

 

「我は、DAYを断つ剣なりっ!!」

 

「ぐは!!」

 

「我が斬艦刀に ・ ・ ・ 断てぬもの無しっ!」

 

 

 

 

 

 

フッ・・・・愚かな。

DAYさんが復活する前にっと・・・

 

愚さん、Funakoshi Ikukoさん、感想ありがとうございました。

励みにしたいと思います。

 

 

 

 

 

二次α五周目を始めた代理人の感想

親分最高ッ!!

COMPACT3で傷ついた僕の心が癒されてゆくよ・・・・・・(爆)

それにしても斬艦刀に心を癒されるとは思わなかった(笑)

 

 

それはさておき。

 

アキト君、犯罪者に落ちましたね(爆)。

いくら相手の要求が無法(かつムカつく)って言っても

力づくで人様のものを奪い取るのはやっぱり犯罪ですよ〜(笑)。