機動戦艦ナデシコ
英雄無き世界にて…
エステバリス03、犬河照一視点。
「おわぁ!」
射出された時に、僅かに軸線がずれた。見事にバランスが崩れる。
くそ、やっぱりバランスどりまでマニュアルでしろったって… うまく…
モニター前方に白い線が浮かび上がる。
Warning!warning!warning!
響く警報音。 浮かぶ警告文字。
「でぇやぁ!」
俺は、機体のスラスターを噴かせた。前進のペダルを踏み込む。
一気に加速したため、凄まじいGが俺を襲う。軽い呻き声が漏れた。
そして、白い線が発射された所へ接近していく。
敵影を見るにバッタらしい。
俺は、目視で確認していた。
「あいつ逃げないなぁ、当たり前か?」
どうも、余裕を見せているように見える。怒りはしないけど…
俺は、イミディエットナイフを抜いてエステバリスの右手に握らせた。
「0、2秒。俺も早くなったなぁ。」
かかった時間の表示されたウインドウを見て、感嘆の声を漏らした。
俺は、イミディエットナイフを無理矢理、正面のバッタに突き刺した。
右手を開放して、イミディエットナイフを放し、そのまま速度を上げる。
傍から見れば、一撃離脱に見えただろう。
しかし、俺は、突き刺したナイフの柄に加速のついた右足を叩き付けた。
みきゃり
奇妙な音がアサルトピット内に響く。
バッタの装甲が歪み、俺がイミディエットナイフを刺した丁度反対側の装甲から刀身がはみ出していた。
無論、爆発。
「少々強引過ぎたか?」
まぁ、そんな感想はどうでも良い。
『おう、来たか! 犬河。』
ウインドウにガイの顔が写った。
『遅いですよ、まったく。』
隣にジュンの顔が出る。
『ねぇ、こっち見て見てぇ! ほらぁ、お花畑ぇ!』
そして、下にヒカルさんの顔が… 何やら、後ろのほうで光が点滅してみえるが…
『遅れた分は働け!』
厳しいリョーコさんのご指摘。遅れた理由は火傷が痛かったって事も入っているんだけど…
『遅れた おおくれた 大物くれた ってわけね。』
そう言って、噴出すイズミさん。今のギャグですか…
『よっしゃ! デッカイの行くぜぇ!』
そう言って、ガイのエステバリスが敵の戦艦へ突撃していく。(視認できる距離に居たんだなお前)
って! 待て待て、単機突撃なんて出来るのか?
そう言う心配をした途端、ガイのエステバリスに敵戦艦の火線が集中する。
『うぉぉぉ! 援護しろぉ!』
やっぱり…
「へいへい、援護いたします。」
俺は、持ってきていたラピッドライフルをエステバリスに構えさせフルオートで撃った。
タ、タ、タ、タ、タ
小気味良い音が、アサルトピット内に響く。
カキリ
乾いた音が響いた。
弾薬を1マガジン分使い果たしたのだろう。
「結構当たったなぁ。」
まともに照準機も見ていなかったが、目先の感覚だけでも結構当たるもんだと言う事を学習した。
そして、その学習の巻き添えになったバッタやジョロが、何機か爆散し火星の重力の中へ落ちていく。
俺は、マガジンを取り替えると(ああ、マニュアル操作では面倒だ)、ガイのエステバリスに接近した。
「いくらなんでも無理だって。」
『まぁ、そうだわな…』
素直にガイは、自分の非を認めた。(感謝)
その瞬間、黒い閃光が俺の機体の脇を掠めた。
ブリッジにて… ホシノ・ルリ視点
「艦長! エステバリスを… 回収したまえ。」
席から身を乗り出して、珍しくフクベさんが大声を上げます。
あの敵の戦艦をみて、叫びましたけど…
「敵の戦艦が、グラビティブラスト装備の戦艦だと言いたいのですか?」
プロスさんが、そう言います。何か知ってそうな口調ですね。
「ご心配無く、その為の相転移エンジン、その為のディストーションフィールド、そしてその為の…」
間をわざとらしくあけます。
「グラビティブラストです。あの時代とは違いますよ… まぁ、気楽に大船に乗ったつもりで居てくださいって。」
エステバリス03、犬河照一視点
『グラビティブラストか!』
発射された、黒い閃光を見て、ガイが言う。
『だとしたら、厄介ね。』
イズミさんが、ウインドウの向こうで言った。
『先に落とすか? あの戦艦。』
物騒だが、それが正解だろうね、リョーコさん。
『じゃ、皆さん。アレ落としにいこー!』
ヒカルさんの掛け声? で、皆がグラビティブラストを発射した戦艦に向かっていった。
あ、俺も行かんと…
『敵戦艦。フィールド増大。』
狙っていた戦艦に攻撃をかける直前にそういう通信が入った。
全員が、スラスターを逆に噴かせる。
誰かの機体が敵の戦艦のフィールドに接触し軽い音を立てた。って、聞こえるんだから俺か!
『チッ。』
誰かの舌打ちが通信機から聞こえた。
『はぁ、これじゃ撃墜は無理だね。』
ヒカルさんから、そう言う通信が入る。
と、その時。
『だぁぁぁ! ゲキガンフレアァァァ!!!!』
敵戦艦のフィールドに突っ込んで行くピンク色のエステバリス… ジュンか!
しかし、無論、戦艦クラスのフィールドをエステバリスが破れる訳が無い。しばしの葛藤の後、ジュンのエステバリスは弾かれた。
『くそ、敵もフィールドが。』
当たり前だろうが…
『あほか!』
『カッコイイけど、間抜けな突撃でしたね。』
『男が光らんぞ、ジュン。』
『アホ…』
皆に散々言われているぞ、ジュン。俺は、あえて何も言わん。
『しかし、ホントにどうする…』
ヒカルさんから、通信が入る。
皆が、ウインドウの向こうでウ〜ムと考えている。
『そうだぜ!』
ガイが、名乗りを上げた。
『ジュン… アレだ!』
アレってなんだよガイ。
『え、ああ、アレか?』
納得ずるジュン。
そして、二人のエステバリスは、敵の戦艦から距離をとる。
何が始まるんだ… 嫌な予感が…
『いくぜぇ! 怒りの鉄拳!!』(ガイ)
『ダァブルゥ! ゲェキガァン!!』(ジュン)
『『フレアァァァ!!!』』
そう言って、二人のエステバリスの「ゲキガンフレア」が重なる。
その攻撃は、見事に戦艦のディストーションフィールドをぶち破り…
轟沈…
『『見たかぁ! 正義の一撃をぉぉ!!!』』
まぁ、叫びすぎだが…
とにかく、この二人はグラビティブラスト装備の戦艦を落としたのだった。
ああ、凄い凄い。
『はじめに、三人でやっちゃったら良かったんじゃない?』
『んなこと出来るかヒカル…』
『ん、私はやれと言われたらやるけど…』
『じゃあさ、リョーコ… 今度この三人で…』
『却下。』
そして、視点はブリッジの私(ルリです)へ…
「敵戦力。8割がた消失、降下軌道とれます。」
私が、そう言いました。
「火星へ降下します。準備して下さい。」
艦長が命令を出します。
「降下コース算出、どうぞ。」
私が、計算した降下コースのウインドウを操舵手のハルカの方へ飛ばします。
「サンキュ、ルリルリ。」
!
一瞬、私の心を掠めた気持ちはなんだったんでしょう? 嬉しい? それに似ていました。
「ほい、じゃぁ降下軌道とります。」
そう言ったハルカさんに、ゴートさんが言います。
「エステの回収は?」
「とっくにやってるわ。」
即答でしたね。
少々赤っ恥?
格納庫、カタパルト付近。犬河照一視点。
「いやぁ、疲れた疲れた。」
俺は、即刻アサルトピットを降りると、床に倒れこんだ。
「お前、疲れてねぇだろ…」
リョーコさん。確かに、今回の戦果では、俺が4機と6人中一番少ないですが、その前の掃除で体力を殆ど使い果たした状態でやったんですよ。そんな、鍛え足りないと思っているような目で見られる筋合いは無い。
「よし、シミュレーション戦5R!」
「俺に死ねってんですか!?」
こればっかだな、俺。
その時…
「はいはーい、一番撃墜数の少ない人がジュースを奢るって言う約束は〜」
いや、ヒカルさん。俺はそんな約束した覚えないんですけど…
「ああ、今回はコイツだな。」
俺を指差してガイが言う。
「ああ、解ったよ…」
反論するのは無駄だと解りきっている。
俺は起き上がり、備え付けの自販機に向かって歩いていった。
そして、財布の中を確認する。
「え、まだ現金使ってるの!」
俺が、財布の中を覗いて料金を確認していると、驚いたらしい声が響いた。
「まぁ、殆どカードの時代ですからねぇ。でも、そんなに珍しいですか?」
俺は、驚いたらしい声。もとい、ヒカルさんにそう言った。
「機体の操作系も古い… 頭も古い… 財布の中身も古い… =貧乏人。」
グサッ
「思いっきり痛いんですけど… イズミさん…」
俺は自販機にコインを落としながらいった。
「なにが飲みたいんです?」
「私、午後の紅茶。」
「BOSSのBLACKでいい。」
「ジンジャーエールでいいわ。」
「CCレモンだ。」
「天然水ソーダで。」
そのスイッチをプッシュする。
ガタン、ガタン、ガタン、ガタン、ガタン
俺は、一番最後に自分用のスポーツドリンクとおいしい水のスイッチをプッシュした。
そして、全部を両手で抱えて、皆の所へ持っていく。
「え〜、リョーコさんは、BOSSのBLACK。ヒカルさんは、午後の紅茶。イズミさんは、ジンジャーで、ガイがCCレモン。ジュンが天然ソーダで良かったか?」
一応確認する。
否は出なかった。
俺は、全員に飲み物を配る。
その後、俺は、おいしい水を半分ほど飲むと。その容器にスポーツドリンクを流し込んだ。
「珍しいな。スポーツドリンクを水で割って飲む奴が居るとは。」
ガイに言われて、俺は答える。
「そのままだと嫌に甘いだろ、濃い甘さってのはどうも…」
純粋に好みの問題だ。
「健康的ですね。熱射病にでもなった経験が?」
ジュンの問いに俺は答える。
「無い。ただの好みだよ。」
俺は、そう言うと水割りスポーツドリンクを胃の中に流し込んだ。
半ば一気飲みに近い速度で…
うう、今月残り7000円かよ…
「ん? なんか傾いて無いか?」
ふと、重力に逆らっているような感覚を覚える。
「言われてみれば…」
リョーコさんもそう感じたらしい。
「「「「「「「のわぁぁぁぁぁぁ!」」」」」」」
この場にいる。ガイ、ジュン、ウリバタケさん、俺、リョーコさん、ヒカルさん、イズミさん。その他整備員の方々(ひでぇ〜)、が壁に向かっていく。いや、正確に言うと落ちている。
そして、下に積み重なっていく。
お、俺が一番下か。きつい。
「降下中、もとい落下中らしいわね。私たちは…」
イズミさんが言うのに対しジュンが答えた。
「大気圏に突入する時は、重力制御くらいしろよ、ユリカ〜」
まぁ、そんなドタバタもあったが… 「ナデシコ」は“無事?”に火星に到達した。
そんでまぁ、俺はブリッジに移動。
「ま、そんでまぁ火星に着いたは着いたけど、これからどうするんですか? 火星って言っても結構広いですよ。」
俺は、指示を受けるためブリッジに集合している皆さんにそう言う質問を浴びせた。
「まぁ、うちの研究施設ですかね。」
プロスさんがそう言う。
「ネルガルの?」
リョーコさんが疑問詞を使う。
「はい、そうです。何しろ内の研究施設は一種のシェルターでしてね。一番生存者が居る可能性が高いんですよ。」
へー、感心。
「では、これより… 研究施設への潜入メンバーを発表する。」
まぁ、ここらへんは、“実の歴史”とあまりかわらない。
ここには居ないある人物が、ある場所へ行かない事… そして、この艦がある場所へ行かない事以外は…
で、なんの収穫も無しに一日が過ぎた。
「ああ、一日だけなのにもう暇だ〜」
俺は、茶の間でゴートさんに呆れられながら項垂れていた。
「まったく、犬河。それは暇なのは解るが… 少しだらけ過ぎでは無いのか。」
「暇だから、だらけ過ぎているんですよ。」
ゴートさんの言葉に俺は即反応した。
「まぁ、その気持ちは解らんでも無いが…」
「掃除は終わったし、楽花の“毒見”には付き合ったし…」
“毒見”と言ったが、毒だと確信している物を食わされた。
「アレは、いったいなんなんだ? “楽花スペシャルメモリーデリートチップス”って言っていたが…」
つまり、不味い料理の記憶を完全に消すものだと言うことを俺はしらない。
名前を思い出すと、最初に失敗作食わされたような気もして来やがった。
そして、その時… 警報が鳴った。
俺は、飛び起きる。
「敵襲か!」
そう言ったのはゴートさんだが…
まぁ、そんで視点はブリッジです。(もう面倒くさいです。)
ま、「ナデシコ」は、目的地への移動中に見事に「チューリップ」と鉢合わせした訳なんですが…
「木星蜥蜴、正面の「チューリップ」から続々と出現しています。」
私が、そう言いました。
戦艦クラスも一杯です。
「ルリちゃん、グラビティブラスト、スタンバイ。」
艦長が命令を出します。
「了解、グラビティブラスト、スタンバイ。」
私が言うと、ウインドウ上にOKの文字がでました。
「グラビティブラスト発射ぁ。」
艦長が、そういうと「ナデシコ」の中央から、黒い閃光が発射されました。
人には到底耐えられない地獄の閃光が…
「え?」
皆さんに戸惑いの表情が浮かびます。
それもそうです、黒い地獄の閃光を受け、小型の兵器は耐え切れずに落ちていきます。しかし、肝心の戦艦クラスの敵は一隻も落ちませんでした。
「グラビティブラストに耐えるか… 敵もそのままでは無いな。」
フクベさんが言いました。
「どうやら、敵もディストーションフィールドを張っているみたいです。」
私がそう言いました。
「グラビティブラストも一撃必殺とは、その内言えなくなる事は解っていましたが、これほど速く…」
プロスさんもそう言って、驚愕しています。(驚愕の表情では無いですが…)
「まぁ、とにかく艦長。敵も無敵ではない。連射を。」
「は、はい提督。グラビティブラスト、再度スタンバ…」
「無理です。艦長。」
「え?」
私のスットンキョーな台詞に艦長が驚愕します。
「え、ルリちゃん? なんでなんでぇ〜」
「まぁ、アバウトに解りやすく言うと、相転移エンジンは大気中では出力が大幅に落ちるため充電に時間がかかるって感じです。」
相当アバウトに言いましたけど。まぁ、理由は大体解りましたか?
「え、えええ! じゃ、じゃぁ。」
はい、艦長。ご指示を。
こうやっている間にも敵が、攻撃を… して来ましたね…
「わわわわぁ! ディストーションフィールド展開!」
「それにしても私、暇です。」
「メグちゃん、この状況で言う台詞じゃないわよ。」
「ハルカさんは、どうなんです?」
「暇ね。むさい男ばっかし目立ってる。」
犬河照一、現在格納庫前
「うわぁ!」
激しい衝撃が、「ナデシコ」内部を揺さぶった。
俺は、振動に耐え切れず床に倒れる。
「な、なんだぁ!」
俺は、傍の壁に穴が開いているのを発見した。
「ひょっとして、相当マズイ状況か…」
ブリッジ視点(ルリルリ視点で〜す。(勝手に言わないで下さいミナトさん))
「敵、当たり前ですが追撃して来ます。」
「速度、MAXで飛ばして。」
「はい来た!」
現在「ナデシコ」は、相当マズイ状況での追いかけっこ中。
「あ〜、だめね。振り切れないわよ。」
ハルカさんが、そう言います。被害でエンジン出力もかなり低下していますから。そう簡単には行きません。
「エステ隊は?」
艦長が、質問を浴びせます。それに答えたのは、メグミさんでした。
「先程から、整備員の皆さんが言ってますが、カタパルトは無事じゃないみたいです。」
つまり、発進は不可能ですか。
「上昇は?」
艦長の、その質問には通信モニター上のウリバタケさんが答えました。
『無理だな。完全に出力がダウンだ。これ以上は上がれん。』
それじゃぁ、どうしろと…
「どうやって逃げます?」
私の質問に皆さん黙り込みます。
「あら、正面にいい地形があるじゃない。」
ハルカさんが笑顔に静寂を破りました。視線の先の地形は…
「さ、山脈。」
メグミさんが、まさかと言う顔を浮かべました。そのまさかだと思いますが…
「艦長どうする? 止まって戦って、敵に撃墜される? それともこのまま山脈に突っ込んで死と肩を並べながら生にしがみ付く?」
「もちろん、生き残る可能性があるほうに賭けます!」
当たり前ですね。
「オモイカネ、コース計算。」
私が言うと、ウインドウ上に「ナデシコ」が通行可能な、山脈コースが表示されました。
グニャグニャで、途中で途切れてますけど…
「通れますか? これ…」
私は、コースのウインドウをハルカさんの方に投げながら言いました。
「さぁ、みんな。命を預けなさい。」
そう、ハルカさんが言うと。
「これが、利益を優先させる最善ですか?」
そうみたいですね。プロスさん。
障害レースの始まりです。
「右前方に曲がるわ! 予想で言うけど面舵70度!」
「了解。」
『おわぁぁぁぁぁぁ!』
「通信機の向こうから叫び声が聞こえますけど…」
「無視して!」
「途切れている場所まで400km。」
「レーザー砲、ミサイル発射準備!」
「艦体垂直にするから、なんかにしがみ付いてて!」
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
「また…」
「だから、無視して!」
「前方に岩。およそ500m。」
「ミサイル全管開放! レーザー砲、全門撃てー!」
がががががががぁ
「通れます!」
「余裕は!」
「10cm。」
「掠るって!」
ぎゃ、ぎゃぎゃぎゃぎゃぁぁぁぁぁぁ
「突破!」
「追撃は!」
「まだまだ一杯!」
「次! 取舵!」
『へばぁぁぁぁぁぁぁぁ』
「通信切ります!」
「そうして!」
「左よりエネルギー波来ます!」
「総員対ショック体制!」
「フィールド貫通! 衝撃来ます!」
どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん
「被害状況は!」
「確認してる暇なんてありません。」
「でぇい! 左!」
「わわぁ!」
「山脈抜けるまで、あと1000km!」
「それまでに諦めてよね!」
「エンジン出力さらに低下!」
「フィールドも消失。」
「ミサイル群接近。」
「レーザー砲で撃ち落す!」
「一門も残ってません!」
どぉどぉどぉどぉん
「右エンジン発火! 停止!」
「傾くわよ!」
「あと、200km。」
「いい加減諦めてよぉ!」
「は、吐きそうです。」
「追撃、レーダー上より撤退!」
「やったぁ!」
「でも、止まれないってぇ!」
「山脈抜けます!」
「不時着するから、しがみついて!」
「ナデシコ」被害状況、死亡者0、重傷者57、軽傷者多数。そして、大破。
しかし、木星蜥蜴からの追撃はかわせました。
これから、どうなることやら…
機動戦艦ナデシコ
英雄無き世界にて…
第五話
END
第六話へ続く
代理人の感想
地の文章が地の文か誰かの語り口だかわからないのは問題があると思います。
芸でやってるのではなく、単に区別がついてないのでは害になるだけではないでしょうか。