Generation of Jovian〜木連独立戦争記〜
設定資料
天道ウツキ編

●主人公

・天道ウツキ

 18歳女。
 木連のとある辺境コロニーの生まれで、小さな剣道場の一人娘として生まれる。
 だがその辺境コロニーで事故が発生し家族は全滅。彼女は天涯孤独の身となる。
 その後は保障制度などを頼って生きていたが、イツキに心刀を持たされ、それを起動させた事によりエリート街道を進む事になる。
 実際その実力は確かな物だったが、これ以後心無い者達からやっかみと差別を受け続けてきた。
 そういった経験が、彼女に不屈の精神と、弱者をいたぶる者への抵抗心をもたらした。
 普段は冷静なのだが、その実かなり熱い性格である。
 

●メカニック

・木連型駆逐艦「すばる」(ACT1〜)

 全長188メートル。武装は中型リニアカノン一門のみ。
 砲+炉+艦橋+弾装という物凄くシンプルな構造になっている。
 木連プラントで生産される兵器は規格品パーツの組み合わせが多い為、突出した性能は無いが生産性が高い。
 史実では木連戦艦で随一の速力を誇る俊足艦とされていたが、“ハエ叩き”という不名誉な名称をつけられていた。
 GOJ(Generation of Jovianの略だと思ってください)でのこのタイプは、超博士の改修により無人兵器の指揮能力を有する様になり、その速度を生かした高速艦隊の旗艦として活躍する事になる。 
 ウツキが指揮していたすばるもスペックは同じ。ただ、格納スペースが無い為人型戦闘機を曳航して出撃していた。

・バッタ(ACT1〜)

 木連で広く使用されている機動戦闘端末。
 2、3メートル程度のサイズにも関わらず小型相転移炉を搭載しコストパフォーンマンスはきわめて高い。
 火星での無差別攻撃が問題となり超がプログラム及び設計を再構成。非致死兵器(ノンリーサルウエポン)が追加装備され、人命を守る為の攻撃中止コマンド「倫理プログラム」を組み込んでいる。状況判断能力に関しては史実よりも格段に向上している。

・テツジン(ACT1〜)

 ジンシリーズと呼称される木連の有人人型戦闘機。
 史実ではもっと後に登場する筈だったが、優人部隊早期投入にともないロールアウトが早まった。
 性能その他は史実と全く変わりは無い。
 ただ、連合艦隊に対する跳躍による奇襲攻撃は凄まじい戦果を上げ、戦局的には敗北したものの月機動艦隊に壊滅的なダメージを与えた意義は大きい。

・ステルンクーゲル(ACT3〜)

 クリムゾンが試験中の人型機動兵器。
 史実においては遥か五年も先に登場する高性能機。
 この機体は史実のものとは性能が大幅に異なり、エクストラ・オペレーティング・システムを始めとした特殊装備を有した高級機となっている。
 中でも連合経由でその技術が流れた(一説に寄れば木連説も……)DFSは、ナデシコで運用されている物と比較し威力は遠く及ばないが、安定性と持続性を重視した主力武器として装備されている。
 機体コンポージメントの余裕がかなりあり、将来的には幅広い拡張性が望める設計になっている。
 だが機体が高価である事と、操縦性が劣悪(反応が速すぎる)な為に、結局試作機が数機建造されただけで開発は中断凍結される。

・積尸気(ACT3〜)

 ステルンクーゲルと同時期に開発された人型機動兵器。
 こちらは対費用効果を重視した設計になっており、生産も搭乗員育成も容易な設計になっている。
 基本武装はハンドガン一丁とお世辞にも高くは無いが、四基(背部もあわせると五基)のハードポイントシステムにより、柔軟な運用を可能としている。 
 なお史実と違いボソンジャンプには全く対応しておらず、その分機体性能を大幅に向上させ戦闘可能時間を引き上げている。

・超大型戦闘空母ベクトラ(ACT3〜)

 機動戦士ガンダムムーンクライシスに登場。
 連合軍最大の戦力であると同時に、連合最後の良心として活躍予定。 
 地球低機動艦隊旗艦にして唯一の艦艇である外陽系空母。
 本来火星宙域に配備される予定だったが、現在では只の軌道プラットフォーム扱いとなっている。
 艦長はロウ=シン大佐。艦隊司令としてフョードル=クルムキン准将が乗艦している。
 連合の権威の象徴とされている艦だが、その実お荷物扱い。
 現行の連合艦艇の中で唯一“核兵器”を搭載している船であり、事戦闘能力に関しては地球圏最強と言える。 
 その力を恐れた上層部によって、多数の監察官がベクトラには配置されている。

・ヴァグラント級(ACT4〜)

 ACT4でその存在が示唆されたクリムゾンの新鋭戦艦。
 ナデシコとは異なる経路で入手した(恐らく木連関連筋から)遺跡のテクノロジーをふんだんに使用しており、その性能は極めて高い。
 が、ナデシコとは開発コンセプトが大幅に異なり、砲撃戦よりもむしろ近接戦闘……と言うより大帆船時代の強襲戦を意識した設計になっている。
 あまりに時代に逆行した設計コンセプト故、ロバートの代では見向きもされなかった開発プランだったが、ヴィッシュが強襲揚陸艦の必要性をアクアに訴え試験的に数隻が建造される事になる。
 一番艦の艦長はヴィッシュになる予定で、ヴァグラント級専用の艦載機の開発も急ピッチで進んでいる。

●コラム

・心刀とは?(ACT1〜)

 心刀とは、本文でも語られている通り“粒子兵器”と呼ばれる兵器の最強ランクの武器である。
 粒子兵器と言うのは、ありとあらゆる空間にあるという「粒子」(フォトン)を粒子誘導結晶体で凝縮。
 それを使用者の精神力を用いて形にし、様々な方法で相手に損害を与えるというものである。
 一般的なものとしては粒子銃や粒子槍があるが、これらに比べ心刀は極端に扱いが難しいとされる。
 理由は、銃や槍と違い誘導結晶体はレンズ一枚だけだからである(銃はバレルが、槍は柄全体が誘導結晶体)。
 レンズによって真っ直ぐに伸びた粒子を、己の精神力のみで形状を維持するのは大変な労力を必要とし、イメージを損なえば粒子が暴走し使用者の方が甚大な損害を負ってしまう。
 イメージとしてはまんま星戦争の光剣を思い出してくれればいいでしょう。
 なお、ウツキが冒頭でやっていた“心刀を鞘に収める”と言う事は実は非常に危険な行為であり、下手をすると鞘の中で粒子が暴れ周り大爆発を引き起こしかねない。
 腕が飛んでいくというのは決して誇張では無いです。
 だがこれをやれて始めて心刀を自在に操れるという事でもあるのです。(ちなみに三羽烏や超は軽くやってのけるが、イツキとカイトはそのレベルには達していない)

・ゲキガンガーのニセテツヤ?(ACT2〜)

 ゲキガンガーの後半のエピソードに、ケン達を混乱させるべくジョーの代わりにパイロットになった龍崎テツヤそっくりのロボットを多数送り込むというものがあったのでそこから。
 何だかんだ言ってウツキもしっかりゲキガンガーを見ているのだ(笑)

・ヴィッシュ=ドナヒューって誰?(ACT2〜)

 ドリームキャストソフト「機動戦士ガンダム コロニーの落ちた地で」に登場したジオン軍のパイロット。
 オーストラリア縁(ゆかり)の人物として特別出演させて見ました。(某三つ編み艦長か人参嫌いの少尉か迷った所ですが)
 本文でアクアが述べているように、同じエネルギーと弾薬で、他の兵士の倍の時間戦い、3倍の敵を葬り去ると言われている程のエースパイロット。
 機動力を生かした素早い攻撃方法から「荒野の迅雷」と呼ばれています。
 パイロットとしてだけでなく、人間的に器の大きな人物で、民間人や部下(特に学徒動員兵)に対して配慮をおこたらない出来た人物でした。
 GOJの世界ではクリムゾンの私軍の一人として、木星蜥蜴相手に大活躍しているという事にしています。

・タクナ=S(シンドウ)=アンダースン? 誰だ?(ACT3〜)

 著者松浦まさふみによる、ジオン残党最後の決戦を描いたガンダムコミック、「機動戦士ガンダムムーンクライシス」の主人公。
 両親をテロで無くし、引き取ってくれた養父に負担をかけないよう士官学校に入る。
 その時に抜きん出たセンスを買われ、新型のテストパイロットとしてベクトラに卒業前に配属となる。
 本来実戦は経験しない筈だったが、ジオン残党による大規模な反乱が勃発、それに否応がなしに巻き込まれる事となる……。
 真面目な軍人としてご登場を願った訳ですが……知らない人のほうが多そうだ(汗)
 ちなみにタイラント少尉は彼の先輩パイロット。
 GOJでも連合軍に入る経歴は全く同じだが、一連のメティ誘拐事件に巻き込まれた事で、ウツキやナオと奇妙な縁を持つようになる。