Generation of Jovian〜木連独立戦争記〜
設定資料
超新星編

●主人公

・超新星(チョウシンセイ)

 三十代前半男。
 遺跡開発研究機関通称「超科学研究所」の所長を務める男。
 この男の登場によりプラント技術の解析が四半世紀は早まったと言われる稀代の天才。
 “人造人間”という人が踏み込んではいけない領域に足を突っ込んではいるが、決して科学の暗黒面に魂を売った訳では無い。
 冷静沈着で言いたい事をはっきり言うタイプだが、キレると口より先に手が出てしまう
 一見優男風だがその実格闘技もかじっており、自身が開発した“心刀”を自由自在に操れる程の実力を持つ。
 何やら腹に一物含んでいるようではある。

●メカニック

・石蒜(せきさん)(ACT2〜)

 一千m級の超大型戦艦。
 プラントを介して建造されたのではなく、プラントと同時に発見されたいわば“遺跡”。
 発見当初は、この艦を元に石蒜級と呼ばれる大型艦が建造され衛星・小惑星間の移民に貢献したが、今では全てがコロニーの一部となっている。
 唯一残ったオリジナルの石蒜のみ、予備役として繋留され続けていた。
 超科学研究所のスーパーコンピュータ“T−260G”を移植する事により、木連最新鋭の電子戦闘母艦として蘇る。
 設計がかなり古く、重力制御の為にグラヴィティ・リングが常に回転している。
 快速反応艦隊復活に伴い、この機能を逆手に取り、砲台を取り付けたり空間歪曲場を補強するシステムも付加されている。

・鉄板(モノリス)(ACT3〜)

 豪州攻略作戦の要として超が用意した新型跳躍門。
 粒子跳躍理論に基づいた“青”の同一粒子構造体。
 コストが非常に安く、ACT3の段階で大小数百ものモノリスが地球・火星・月に打ち込まれている。
 自力での大気圏航行能力、及び自己修復・診断機能、防護機構が全く施されていない。
 攻撃されればひとたまりも無いが、全てのモノリスを作戦開始直前まで休眠状態にさせ、変わりに既存のチューリップで陽動を行う事によりモノリスから目を逸らさせ、乾坤一擲の奇襲効果を狙う。

・鮪(マグロ)(ACT3〜)

 快速反応艦隊に配備されている無人艦の俗称。
 外観・武装はトンボや大型戦艦と一切相違なし。
 しかしその速度と空間歪曲場の強度は比べ物にならず、バッタのような体当たり攻撃を艦隊規模で実行する事が可能。
 目標地点まで一切減速できないのが唯一の欠点だが、進路上に存在する物体は例え隕石であろうと戦艦であろうと跳ね飛ばしていく。
  

・かぐらづき(ACT3〜)

 木連優人部隊の旗艦……のはずだが、どうも草壁の悪の城というイメージがある。
 かなりの大型艦で、形がヤ○トの自動惑星ゴルバそっくり(笑)
 史実では和平交渉の場に使われたきりでその戦闘能力は不明だが、スパロボには一度だけユニットとして登場している。
 とは言っても、硬い事は確かだが所詮それまででしかなく、火星に展開していた優人部隊もろとも殲滅したが……。
 

・ゆめまちづき(ACT3〜)

 劇場版ナデシコに登場した統合軍第三艦隊旗艦。
 白鳥のゆめみづきと同タイプの船で、史実では跳躍門は排除されドライ・ハンガーが増設されていた。
 サクヤ攻防戦で積尸気の奇襲攻撃を受け、轟沈。
 基本的に戦艦というものは結構長い間使われるものなので、この頃も木連で活躍していたと推定しています。

・リアトリス級(ACT4〜)

 連合宇宙軍第三艦隊旗艦“リアトリス”と同型の船。
 ナデシコより出力は劣るものの、二連グラビティブラストを搭載している(TV版では未装備と思われる)。
 有名な同型艦としては劇場版でジュンが艦長を勤めたアマリリス。
 ルリらナデシコクルーを乗せたシャトルを護衛したアララギの、月方面第二艦隊旗艦ライラックがある。
 劇場版においては全艦相転移エンジンを搭載していたが、まだこの頃には通常の核パルスエンジンを使用していたと思われる。

・ジキタリス級(ACT4〜)

 本編においてはオモイカネの反乱に巻き込まれ相当数が轟沈してしまった哀れな船。
 見た感じグラビティブラストは搭載されてなさそうだが、ナデシコより高いコストで生産される以上それなりの性能はあったのだろう。
 ただ、その高価格がネックとなったのかそれともナデシコとの戦闘で見限られたのか、以後軍で使用された形跡が無い。とっとと後方任務に回されてしまったのだろうか? 見た目はそれなりに強そうだが……。

・ND-000 カグヤ(ACT4〜)

 遊撃宇宙戦艦ナデシコに登場した、カグヤ=オニキリマルの乗艦。
 ナデシコのプロトタイプという設定ではあるが、明日香インダストリーがこの船を買収し、数々の改良を重ねたため性能はこちらの方が上。カラーリングはナデシコと正反対の黒(っぽい紫という説アリ)でまとめられており、原作ではこれがステルスの効果を果たしナデシコ側の発見が一歩遅れていた。
 “時の流れに”ではカグヤ嬢は軍属では無いのだが……折角なのでまたまた設定改変して登場して頂きました(汗)
 ただ、原作(漫画版)においてはカグヤは撃沈されるのだが本編では果たして……?

・エグザバイト(ACT4〜)


 遊撃宇宙戦艦ナデシコにおける0Gフレーム。
 明日香インダストリーが90パーセント以上開発に携わった機体であり、この時点でネルガルは吸収合併が決まっていた。
 マーベリック社が開発した“電子変換(リアクト)”システムを搭載しており、IFSとは比べ物にならない反応速度を誇る。
 が、このシステム過敏過ぎる(リョーコ曰く裸で宇宙に放り出されるようなものらしい)きらいがあり、何人か発狂している。しかも緊急時のリンクカットが遅れる危険性があり、実際アキトもこれで失明しかけた。 

・オレガノ(ACT4〜)

 リアトリス級の戦艦。
 劇場版においてアマリリスと共にシャトルを護衛していたが、残念ながら本編ではここで撃沈している。

・コワニー・ソレダコ・カカリア(ACT4〜)

 共に連合軍の駆逐艦。
 劇場版では小型ながらグラビティブラストを搭載していたが、本編の時点においては流石にそれは無理。
 本編ではヤンマに艦隊特攻をかけられ爆散している。

●コラム

・人造人間って?(ACT1〜)

 これについては文中に延々と書かれているので詳しい事は省略。
 ここでは史実での人造人間の存在に突っ込みたい。
 史実……と言うよりもセガサターンソフト「機動戦艦ナデシコ the blank of 3years」において、イツキ=カザマとミカヅチ=カザマ(カイトの事)が人造人間であるという可能性が示唆されている。
 古代火星人編においても、イツキが古代火星人によって作り出されたメッセンジャーだったというオチがあった。
 まあどれが本当かはシナリオによって異なるので……事実がどうなのかはさっぱり不明。
 だがこの状況から、少なく共木連プラントには人造人間のプランが、またはそれを可能にするだけの技術があったと考えられる。これならば火星の後継者が行った人体実験という行為にも納得がいく……人体実験と簡単に言うが、人的資源の乏しい木連ではそう簡単には被験体が手に入るはずも無いからだ。だから、文中でも示したように山崎辺りが密かに人造人間を造り出し経験を積んでいたとしたら……考えたらむかついてきたので文中で派手にボコっておきました(笑)

・エグゾゼドライブ?(ACT2〜)

 初登場は漫画版ナデシコ「遊撃宇宙戦艦ナデシコ」。
 木星蜥蜴のオーバーテクノロジー(正確に言えば大和の)である“ナデシコユニット”のみ使用可能な強力な外宇宙航行ドライブ。
 本来数日掛かる距離を数時間で進んでしまったり、敵機動兵器を振り切ったりとかなり無茶な性能を誇っている
 なおこれが使えるのは、作中では漫画版Yユニット装備型ナデシコともいえる「ヤマト=ナデシコ」と明日香インダストリィ製新型戦艦「カグヤB」のみ。
 他にもナデシコユニットは“呪術兵器”と呼ばれる圧倒的な力を有していましたが、流石にその設定まで組み込むつもりはありません(汗)

・フォトン・ジャンプ(粒子跳躍理論)(ACT3〜)? 

 本作オリジナル設定。
 “この世界は常に粒子(フォトン)で満たされている”という超の持論にはもう一つ、“我々が視覚する全ての物体は粒子によって存在している”というものがある。
 ここで粒子と呼ばれるものは、物体が物体たる為に必要な根源存在……一言で言えば“色”。
 物体は粒子によって“表面”を色付けされる事により、その存在を維持する事ができる。
 また、“色”を判別できる意識体のみが、これらを認識し利用する事ができる(意志はあるが色彩判別ができない生物には無理)。
 意識体はそれ自体が“色”に“染まって”おり、誕生時は文字通り“白紙”の状態だが、経験を積み周囲の環境や接する意識体に影響され、徐々に自分の色を持つ様になる。
 意識体の色は器である物体にも影響を及ぼし、器となる物体も自ずと意識体に酷似した色を持つようになり、それらは“気”といった形で視覚できる事がある(常人にはまず無理だが)。
 意識体には“我”とも言える主体となる色が存在するが、意識と言う物が一定で無い以上、何かをきっかけに変わる時がある。そしてそういった状態は意識体が外界で活動できる限界まで(死ぬまで)続く。  
 よって全く同じ意識体が存在すると言う事はありえない。

 粒子はいわば“物体もしくは精神と外界を隔てる障壁”。
 キャンパスに例えると、白いキャンパスが物体もしくは精神であり、そこに描かれる色が粒子である。
 基本的な色としては“青”“黄色”“緑”“赤”が存在し、物体と外界の空白間にはどの物体にも属さない粒子が飛び交っている。
 但し周囲の物体に影響され、存在する粒子の割合が増大する事がある(海や空には青の粒子が大量に存在し、火星には赤の粒子が……といった風に)。
 そして強い“我”を持つ意識体は、自然に主体となる粒子を周囲に引き寄せる性質がある。
 これを兵器として応用したのが粒子兵器。
 粒子誘導結晶体の補助を受けつつ自らの“我”を用いて周囲の“色”を集め、それを凝縮させ高密度のエネルギー体を形成して攻撃手段として用いる。
 故に粒子兵器の発光色は意識体の“我”に影響される。

 それをボソン・ジャンプに応用したのがフォトン・ジャンプ。
 まず粒子誘導結晶体により物体の構成される“色”を明確にし(誘導結晶体はレンズの役割を果たすとウツキ編のコラムで説明したが、集束が可能なように発散拡大する事もできる)、それを演算システムに分析させる。
 演算システムは色のデータを元に目標地点に存在する色をかき集め、物体を構成する同量の“色”が集まった時点で、物体を変換。
 物体は目標地点に集まっている色を元にその存在を再構築され、ジャンプが終了する。
 では元々物体を構築していた色は何処に行った? という話になるが、ジャンプ開始地点に残っているのである。
 その色は依り代とする物体が喪失した為どの物体にも属さなくなる。ジャンプした事により世界全体に存在する“色”が減少するという事は無い。 
 また、はなから同様の構成を持つ物体が目標地点に存在している場合、演算システムはそれを参考に演算を行う為、再構築に有する時間が大幅に短縮される。
 だが意識体となるとそう上手くはいかない。
 意識体を構成する“色”は常に状態が変化しており、演算システムはそれを正しく演算する事ができない。
 演算に誤りがあった場合、意識体が物体の“色”に直接影響を及ぼしている以上、物体に関しても演算ミスが発生してしまう。
 よって意識体はもとより、その器である“物体”の再構築が完全に行われず……生体ボソン・ジャンプ失敗時のような状況が、いや意識体が崩壊する事もありえるのでそれよりもっと酷い状況が発生する。
 これを避けるには演算を正確かつ瞬時に行う必要があり、その為には実行者が強烈な“我”を持ち、目標地点にそれに良く似た意識体がいる事が絶対条件となる。
 但し“良く似た意識体”と言うのは一生涯のパートナーといったレベルの同調が必要となるので、成功確率はゼロに等しい。

・同一粒子構造体?(ACT3〜)

 物体は基本として複数の粒子によって構成されているが、極稀に只一つの粒子によって構成される物体がある。
 それが同一粒子構造体。
 フォトン・ジャンプの際こういった単純な構成をしている物体は演算しやすく、素早く再構築する事が可能。
 CCなどが主な同一粒子構造体。
 モノリスはそれを応用した同一粒子構造体であり、ビックバリアの向こう側の上空数千メートル地点にいきなり再構築させ、地球側がその存在を感知するよりも先に地球に落着させる事に成功している。