なぜなにナデシコ番外編
〜結構知られていない事実〜
第二回 「地球の宇宙戦艦」
こん○○わ、はじめましてお久しぶりです。
「なぜなにナデシコ特別編」の番外編の第二回です。
ナデシコ世界での宇宙戦艦とはどういったものなのか?ご紹介いたします。
資料の画像と文章とに食い違いがあるために外見からのデータを優先して採用させていただきます。
・宇宙戦艦の誕生
22世紀初頭、月への入植を始めて約一世紀の年月が経とうとしたとき、月の独立運動が盛んになりました。
当時の地球で地球連合(統一国家)は樹立しておらず、月に自治区としての権限を与えることは新たな紛争の火種を抱えることに等しく、
独自の文化を形成しつつある月と、制空権の遥か上を押さえられては堪らない地球側諸国との間で緊張が高まりました。
独立派は急速に組織化されゲリラ的な施設破壊、物資強奪などテロ行為を行うようになり、宇宙に進出した新時代に暗い影を落とすことになりました。
そんなこんなで、人類は『宇宙戦争』という経験のしたことのない世界へ踏み込むことになりました。
当時、「宇宙戦艦」と呼べるような、武装を施された宇宙船は原則的に存在せず、
宇宙での移動手段は月と地球および中継ステーションコロニーを結ぶシャトルのみで、宇宙空間での戦闘はシャトルに乗り込んでの『白兵戦』によって雌雄を決していました。
まるで大航海時代の海賊のようであったといわれています。この最先端科学を用いた原始的な戦闘は宇宙船の性能ではなく兵士の技量に戦果が影響し両陣営ともほぼ互角、月独立派は増徴することになります。
月独立派の襲撃に備え、シャトルに武装を施すようになりましたが、シャトルのカーゴスペースにミサイルランチャーを入れるといったような20世紀末の兵器思想と何ら進歩の無いもので、決定的な解決策にはなりませんでした。
そんなときに兵器産業界から各国にある案が提出されました。
『従来の宇宙船の改造ではなく、移動可能な戦闘拠点の建造、それによる重要拠点・宇宙航路の安全確保』
移動型戦闘拠点は強大な火力と装甲、広い防衛範囲をカバーするための移動力、それらを稼動するための大型高出力機関が搭載されることとなりました。
宇宙戦艦の誕生です。
その戦果は絶大で、月の独立派はみるみるその勢力を殺ぎ落とされ敗北することとなります。
月の独立派の最後は皆様のご存知のとおり、火星→木星と追いやられ木連の始祖となります。
この時、地球と木連との戦術論は分かれることとなりました。
この独立戦争そのものがが兵器産業界の陰謀だったという事もささやかれているらしいですが、詳しいことは闇の中となっております。
月の紛争収束後、宇宙軍備の管理をめぐり、各国で会談がもたれたが、
22世紀末の「地球人類宣言」のもと地球連合が樹立、各国の陸海空軍備は連合陸軍・連合海軍・連合空軍と統合され、宇宙軍備は「まだ見ぬ異星人の侵略に備える」という大義名分のもと不穏分子への威嚇・牽制、不穏な動きがあったっ場合の鎮圧を目的に連合宇宙軍として再編成されました。イワユル”沈黙の艦隊”化しました。
宇宙戦艦は宇宙空間・空中を自由に行き来する移動型戦闘拠点であるのだから
地球を含む全領域の制空・制宙権を得たに等しく、牽制・威嚇の効果は絶大でした。
連合軍においては宇宙戦艦の登場によりそれを主力とした戦術論が発展していくこととなりました。
木星蜥蜴の火星攻撃があるまでは、「異星人の侵略の可能性」なんてものは宇宙軍上層部では検討以前の問題でした。
そして、2195年第一次火星会戦において、木星蜥蜴(木連)の無人艦隊が現れ、想像もしていなかった人類初の艦隊戦が行われる事となりました。
敵戦艦の相転移エンジンから得られる高出力による重力波砲・高出力レーザーや戦艦や軍基地内部に潜入、「白兵戦」を仕掛けてくる虫型戦闘機に対して為す術もなく惨敗することとなりました。
連合軍は残存艦艇に地球防衛を最優先事項として通達し、火星に多くの民間人を残したまま撤退させます。
連合軍は戦力の立て直しを図ろうとしますが、「ナデシコ」「エステバリス」の登場まで、木星蜥蜴に対抗する方策を見出すことは出来ませんでした。
大戦前の連合宇宙軍の構成
という大きく分けて三つの艦隊で成り立っていました。
役職の内約は
役職 | 階級 | 登場人物例 |
艦隊長(提督) | 中将 | フクベ・ジン |
主席副官 | 中佐 | ムネタケ・サダアキ |
次席副官 | 大尉 | ?? |
戦隊長 | 少将 | ?? |
艦長 | 大佐 | ?? |
意外なことに副提督って役職が無いのでした。
以下は資料不足のため省略させて頂きます。
・地球連合軍艦艇設計
連合軍の戦艦の設計は「装甲船体内にモジュールをレイアウトする」といったものでした。
簡単に言うと、「まずは形を作ってから、その中に必要なものを放り込む」といったことです。
バリアシステムを搭載しないため、比較的強固な装甲も有するのも特徴の一つです。
月の独立戦争当時とくらべても、居住空間の改善や機関の出力向上などは行われましたが
革新的な技術革新がなかったためか基本的な設計は変わらないものでした。
・駆逐艦(第二話)全長約200m
TV第2話でトビウメと共にナデシコを拿捕しにきた護衛艦と呼ばれた艦。
主武装は炸薬式の実弾砲がメイン。これは対DF対策ではなく元々の仕様だったようです。
艦首が二又に分かれた双胴型と分かれていない単胴型があります。
出力機関は1基
ブリッジや動力・推進部は共通。
武装:
双胴型(パンジー)
炸薬式二連砲×4 艦首粒子砲×4
単胴型(クロッカス)
炸薬式二連砲×2 小口径三連粒子砲×2
クロッカスの花言葉は「あなたを待っています」。文字通り、火星でナデシコを待っていました。
・ミサイル艦(第8話)全長約100m
グラジオラスを旗艦とした第四次月攻略戦に参戦した艦艇。
樽のような形の艦で、艦正面の大型レーダーと艦の上下左右・十字型に配置されたミサイルハンガーに48基のミサイルを装備している。
ミサイルハンガーを切り離し航行に適した形になることも出来ます。
戦後もヒサゴプランターミナルコロニー「アマテラス」の防衛艦隊に配置され、ブラックサレナに対して先制攻撃を仕掛けるがミサイルは足止めにもならなかったのでした。
武装:ミサイル×48
・巡洋艦(第1話から)全長約260m
TV第1話の火星防衛の第一艦隊と第3話(第五防衛ライン)などに登場艦艇。
出力機関は1基。
劇場版では、その役目を木連式宇宙艦艇に取って代わられ後継艦が登場しませんでした。
武装:中口径粒子砲×2 二連対空レーザー砲×2
・戦艦(全長約330m)
リアトリス級(ノーマルクラス)(第3話〜)
リアトリス級(旗艦クラス) (第1話〜)
旗艦クラス、ノーマルクラスは基本的に同じ艦で艦首のセンサーユニットの形と大口径粒子砲の数が異なります。
出力機関は2基
。
大口径粒子砲の数は旗艦クラスは2×2、ノーマルクラスは1×2となっています。
リアトリス
連合宇宙軍第一艦隊の旗艦。
第一次火星会戦においてチューリップを艦を犠牲にし落とした戦艦。
クラスネームにもなっている事から同クラスの一番艦だと思われる。
武装:艦首大口径粒子砲×1、艦側面三連対空レーザー砲×2、艦底鰭の三連対空レーザー砲×2、艦鰭大口径粒子砲×1
リアトリスの花言葉は「向上心」。その言葉どおり、TV・劇場版でも性能が向上したかたちで何度も登場していますね。
トビウメ(第2話 第22話)
第一次火星会戦後に改装もしくは新造されたと思われる旗艦クラス。連合宇宙軍第三艦隊旗艦。
艦首脇大口径粒子砲のうち下の2門がオミットされ、上2門が小口径と大口径の連装型に、
三連対空砲が2基追加、艦首のセンサーユニットがノーマルクラスと旗艦クラスの両方を合わせた様な複合型になっている。
艦鰭の大口径粒子砲が従来とは異なり取り外し可能なオプション型になっている。
武装:三連対空レーザー砲(艦側面×4・艦鰭×2)、大小連装型粒子砲×2、オプション型大口径粒子砲×1
恐らくはトビウメとは「白梅」のことで、菅原道真の飛梅伝説から採ったのだと思われる。
「白梅」の花言葉は「高潔」。
リアトリス級改
ジキタリス(ノーマルクラス改?)花言葉:不誠実(第12話)
グラジオラス(旗艦クラス改?)花言葉:堅固、用心(第8話)
ナデシコが火星に行っている間に連合が新技術を導入し改造した戦艦クラス。
艦底鰭の大口径粒子砲をなくし、艦首と艦側面にDF発生装置を配置し、追加ジェネレーターを搭載した戦艦。
ジェネレーターは追加分を含めて6基搭載。
グラジオラスはユリカの勘違いでのナデシコのグラディティブラストで、ジキタリスはイズミの砲戦フレームのミサイルで沈められました。
武装:旗艦クラス:三連対空レーザー砲×2、大口径粒子砲×4
ノーマルクラス:三連対空レーザー砲×2、大小連装型粒子砲×2
????(名称・クラスネームともに不明)
TV第一話でサセボの港に停泊し、バッタたちを迎撃していた艦艇。
実弾の高射砲を多数備えていた。
旧式の駆逐艦をバッタ迎撃用に改造した艦ではないでしょうか?
トビウメの存在は、蜥蜴戦争中に現地改造的に様々な改造戦艦が登場したのではないだろうかと考えさせてくれますね。
ゆうがお級 (第22話)
連合軍がネルガルの技術提供により新造した戦艦クラス。
艦体にナデシコ級の設計が流用されている部分が見受けられ、リアトリス級とナデシコ級の中間的な戦艦のようです。
ナデシコ級と同様に船体を構成する各部がユニット化が進められ、容易に艤装の交換が出来るようになっているようです。
2基の相転移エンジンを搭載している。ただ、この相転移エンジンは今までの出力機関からは考えられないようア高出力を誇っておりましたが、非常に止まりが悪かったようです。
ゆうがお 全長:約330m
蜥蜴戦争中に新技術で新造艦されたのは主にこのタイプだったそうです。
大型バリアユニット(DF発生ブレード)と多数のミサイルランチャーを持つ本格的な対木星蜥蜴の戦艦。
武装:大口径粒子砲(重力波砲?)×2、十連ミサイルランチャー×5(大口径粒子砲の間の艦首部分を囲うように配置)、艦側面三連対空砲(DF発生装置の根元)。
ゆうがおの花言葉は「絆」でネルガルと連合の仲直りの印ということでこの名前で計画されたのだと思われます。
ひめじょおん・はるじょおん 全長:約300m
ゆうがおと同じ船体とバリアユニットで構成されてるて大口径粒子砲と艦首が配置されている部分に超大型対艦ミサイルのラックを、エンジンを大型姿勢制御スラスター付きの機動性を重視したものに変更した戦艦。
ミサイルラックの装備に伴い艦首は短くなっている。
ナデシコ級と同じレドームセンサーも装備されていて、一撃必殺・対艦攻撃を意識した高機動ミサイル戦艦となっています。
クラスネームは明記されていませんでしたが船体が同じなのでゆうがお級だと思われます。
武装:超大型対艦ミサイル(目測で全長40〜50m)×4、三連装対空砲×2
ひめじょおん(姫女苑)はキク科の外来種の多年草で、花言葉は「素朴で清楚」
(注)TV登場の艦艇は全長のデータはナデシコA数値データと対比図を参考に算出したものです。正確な数値ではないのではないのでご注意ください。
・劇場版以降の新造艦
木連と地球との和平成立し、木連も参加した新地球連合が発足。木連軍は連合の陸・海・空軍とともに「地球連合統合平和維持軍(統合軍)」として再編成されました。
これによりネルガルが独占していた超技術は他の企業にも流れ、ネルガルのスキャンダルもあり、相転移エンジン搭載の宇宙艦艇の造船は反ネルガルのに流れることとなりました。
相転移エンジンより得られる高出力により、レーザー砲も有効な武装となったようです。
戦後新造された地球製宇宙艦艇には共通ユニットが多く見受けられ、木連式宇宙艦艇の設計思想を取り入れた推測されます。
地球式宇宙艦艇共通ユニット
・相転移エンジン:戦時中ネルガルが生産したものより、様々な面で改善されたようです。
・連装対空砲・対艦砲:ターレットマウント式で艦側面に配置されることが多いが、広範囲をカバーできるレーザー砲で大きさとマウントする位置で対艦・対空砲と呼称が使い分けられています。
(円盤状のターレットにスリットがあり砲門がスライドして動くようになっている。)
・重力波砲:大口径・中口径・小口径と存在するが、小口径を採用した艦艇は劇中登場していません。発射口は円形となっています。
戦後の軍備再編により宇宙艦艇は双胴戦闘空母、リアトリス級戦艦、駆逐艦の3種で構成され、各艦隊の規模に応じて木連式宇宙艦艇で補われるようになりました。
リアトリス級(全長298m)
アマリリス・ライラック等
大戦後モデルチェンジし、相転移エンジンを搭載したリアトリス級。某アンド○メダ級にそっくりになった戦艦。
重力波ビーム照射装置も装備していてエステバリスへのエネルギー供給も可能となっています。
おそらくは、艦橋の根元にあるユニットがカタパルトで、少数ではあるが機動兵器の運用も可能ではないかと推測します。
相転移エンジンは2基。
武装:大口径重力波砲を艦首に2、艦底に1、大口径三連装対艦砲×2、中口径三連装対空砲×4
連装対艦砲の口径を変えたタイプも存在するのではないかと推測します。
駆逐艦(全長142m)
形状から「万年筆」とも呼ばれる速度に優れた俊足艦。
ペイロードが少ないのが難点。相転移エンジンは1基。
ブリッジは艦首に付いており、それ自体が脱出艇となっています。
艦載機を2機搭載可能
武装:中口径重力波砲×1、小口径三連装対空砲×2、ミサイル発射口×6
小口径対空砲を中口径対艦砲に換装された突撃艦と呼ばれる艦も存在します。
双胴型戦闘空母(全長399m)
木連式有人戦艦の運用形態を受け継いだ巨大戦闘空母。
受け継いだとはいっても地球式宇宙戦艦の砲撃能力も健在。
相転移エンジン4基搭載。最大16機の人型機動兵器をハングできるハンガーを4基装備し、多数の対艦砲対空砲も持つ空母としても砲艦としても優秀な艦艇となっています。
機動兵器の着艦は艦橋の根元のカタパルト(×4)で行うと思われます。
武装:大口径四連装対艦砲×6、中口径三連装対空砲×12、艦首大口径二連装重力波砲×2、艦鰭大口径重力波砲×2、
おまけ:2195年前後の地球製機動兵器
スクラムジェット戦闘機(第1話)
大気圏内の三胴型戦闘機、推進エンジンは三基。
高度50kmの第六防衛ライン担当の兵器でもあります。
バッタの機動性・運動性についてこれず撃墜されることが多く、味方側のヤラレメカと化しています。
武装:大口径機関砲×1
宇宙戦闘機(第8話)
コスモスにも搭載されていた宇宙戦闘機。
二等辺三角形ないかにも流線型な形をしている。
ユリカが存在を知っていたことから以前から存在していたと思われます。
武装:レーザーガン×2
デルフィニウム(第3話)
攻撃戦闘機と称され、操縦システムにIFSを採用した機動兵器。
第三次防衛ラインではロケットブースターの先端に取り付けられ運用されています。
折りたたみ式のマニピュレーター(手)を持ち格闘戦はある程度は可能な機体。
エステバリスが完全配備されるまでは、宇宙で対バッタ戦をこなしていたのだと思われます。
武装:鰭レーザーガン×2、マイクロミサイルポッド×2
戦闘ヘリ(第23話)
メインローターに採用されているリニアローターシステムはローターの円周の前半分を囲うようにして配置されています。
尾部ローターは無く、代わりにはカウンタージェット式になっています。
推進用ジェットエンジンを搭載しています。
武装:30mm機関砲×1、四連装ロケットランチャー×2
タイガー戦車(第11話)
クルスク攻防戦でバッタにのっとられていた地球の2世代前の陸戦主力兵器。
一世代前の主力陸戦兵器はなんなんでしょうね?
さてさて、今回のなぜなにナデシコ番外編はいかがだったでしょうか?
ここに紹介したのはあくまで画面に登場した艦艇であるため、登場はしなかった艦艇も存在するかもしれません。
それと、最初のほうの月独立派の描写ですが、何か違うと思いませんでしたか?
そう思ったあなた!そのとおりです!今回に書いたものは、あくまで一面であって全てではありません。
その辺は、ネタとしていろいろ考えれば楽しいかと思います。
感想、応援、ツッコミなど色々お待ちしております。
次回予告
『都市』の遺産より生まれし、木連の怒りの象徴が今ここに!
木連兵器群
参考資料
NADESICO PLUS[HOBBY JAPAN MOOK]
ニュータイプ100%ナデシコPERFECTS
ニュータイプ100%劇場版ナデシコGEKINADE ZENBU
デジタルムック機動戦艦ナデシコ1000%コレクション
デジタルムック機動戦艦ナデシコ1000%コレクション’99