次世代ナデシコ級宇宙戦艦




・ナデシコフリート構想

 前大戦のスキャンダルにより、ネルガルは軍需産業における既得権をクリムゾンを中心とする反ネルガル企業に奪われてしまいました。
ネルガルは起死回生の手段として「ワンマンオペレーションプラン」と「ナデシコフリート構想」を統合軍に売り込みます。

しかし、統合軍はコレを採用しませんでした。
旧木連軍人の雇用対策も担っていた統合軍は、大量の軍人をリストラを示唆されるワンマンオペレーションプランを前提とした構想は受け入れられませんでした。

皮肉なことにこの構想は、人材削減を余儀なくされていた連合宇宙軍に採用され、ワンマンオペーレーションプラン実験艦ナデシコBが発注されました。
廃止もしくは統合軍への吸収を叫ばれているのにもかかわらず、実験艦の開発に着手した宇宙軍に世論は反発しましたが、ナデシコフリート構想に次世代戦略に関わる重大な可能性を見出していました。



・ワンマンオペレーションプラン
 ナデシコ級は中枢コンピュータが全てのシステムを掌握し、オペレーターがIFSで操作することで、最小限の人員で運用が可能でした。
そのIFSを推し進めたのが「ワンマンオペレーションプラン」です。
これは『一人のオペレーターと中枢コンピュータにより戦艦の全ての制御を行う』というものです。


ナデシコフリート構想
 ナデシコフリートとは、ナデシコ級を旗艦に、艦隊自体を一個の兵器システムとする構想でありました。
旗艦を中心に20隻以上のサポート戦艦で構成すると想定していました。

 ナデシコフリートでは艦載機動兵器には木連製の無人兵器の使用も検討されました。
対ディストーションフィールド・対機動兵器戦を想定した戦闘プログラムが入力され、ワンマンオペレーションによって運用した場合より柔軟な戦術を行うことが可能だったからです。

・システム掌握戦術

 大戦末期以降、ディストーションフィールドと、それを打ち破るグラビティブラストに関する技術が地球権にも浸透しました。
双胴型戦闘空母など戦艦の設計思想が大艦巨砲主義の様相を呈してきました。機動兵器にレールガンを標準装備できるようになると、ディストーションフィールドも鉄壁とはいかなくなります。
ネルガルは、その現状を打破するために、「ワンマンオペレーションプラン」に求めました。
大戦中、Yユニットの中枢コンピュータ・サルタヒコをオモイカネとホシノルリによって掌握、取り込んだことに着目し、「システム掌握戦術」の方法論を体系化していきました。

CCの解析システムを元に開発されたハッキングディバイス、最新鋭のセンサーと通信システムを搭載され完成したのがナデシコCです。
オモイカネとホシノルリと電子世界最強タッグと、このシステムの組み合わせは凄まじい実力を発揮されました。
しかし、システム掌握の結果はオペレーターと中枢コンピュータの親和性に左右されるため、ルリ・オモイカネの組み合わせ以外でどの程度の力を発揮できるか全く不明です。


・幻の戦艦 ユーチャリス級戦艦

 ユーチャリス級戦艦とはナデシコフリートのサポート戦艦で、木連の技術をふんだんに盛り込まれ設計されました。
基本ユニットを共通化し、目的にあわせユニットの組み換えで、バリエーションをを増やせるよう設計されされていました。
グラビティブラスト艦、無人兵器母艦、強行偵察艦、Yユニット艦などの開発が計画されていました。

しかし、予算を大幅に削減された連合宇宙軍ではナデシコ級以外を開発するための予算が有るわけもなく、基本フレームが完成した時点で開発中止となりました。




・建造された艦艇


ナデシコB(形式番号:NS955B)
 ネルガルが建造したナデシコ級第二世代宇宙戦艦。全長300m。
ワンマンオペレーションシステムの実験艦であり、ホシノ・ルリ少佐とオモイカネだけでも運用は可能だが、
データ収集のため多数のオペレーターが搭乗していました。
2199年就航以後様々な事件を解決し実績を重ねていました。武装はグラビティブラスト×1
艦載エステバリスは、タカスギ・サブロウタ大尉の武装強化型スーパーエステバリス一機。
相転移エンジン2基、核パルスエンジン4基。

火星の後継者・草壁の乱(劇場版の事件)の後、改装され実戦配備されます。


ナデシコC(形式番号:NS966C)

 ナデシコBとユーチャリスの運用データに元に建造された、ナデシコ級第三世代宇宙戦艦。
ナデシコフリートの旗艦でもあります。
A級ジャンパーが必要ではあるが単独ボソンジャンプが可能となっています。
展開式のディストーションブレードを三本持ち、閉じた状態の航行形態と展開した戦闘形態がある。
三本のディストーションブレードは、DFの強化とともに重力波通信システムの強化という意味もありました。
武装:システム掌握、グラビティブラスト
Yユニットを装着し、相転移砲の搭載も予定されていました。


ユーチャリス(形式番号:不明)
 ネルガル会長警備部経由でアキトに横流しされた、唯一完成したユーチャリス級戦艦。
ブラックサレナのように改装を繰り返したため何処まで原形をとどめているかわかりません。
外見はナデシコ級は大きく異なり、第二船体(円盤部)が無く、相転移エンジンを後方上下に配置されています。
全体としてランス(騎乗槍)、もしくはレイピアのような流線型になっています。
ワンマンオペレーションプランをほぼ実現されており、ラピスラズリ一人で操艦されています。
システム掌握はできないが、様々なシステムにハッキング可能なハッキングディバイスを搭載、
ナデシコCのハッキングシステムのテスト艦の意味も持っていました。
船体前部は巨大な無人兵器カーゴをもちオペレーターの指示で的確に敵を押さえ込むポテンシャルを持ち、
相転移エンジンから伸びている翼の様なの円形ディストーションブレードで強固なディストーションフィールドを発生することが可能でした。
また、単独ボソンジャンプも確認されており、そのポテンシャルは統合軍の艦隊を単艦で翻弄することで証明されました。

装備:無人兵器カーゴ(無人兵器カタパルト×44)、ハッキングディバイス、センサー翼×4、四連装グラビティブラスト


・番外

地球式、木連式、ナデシコ級、どれに当てはめれば良いのか判断が付かなかったのでここで紹介させていただきます。

クリムゾン戦艦(正式名称は不明)
 火星の後継者・南雲の乱(DC版機動戦艦ナデシコ『The MISSION』) に火星の後継者側として参戦した戦艦。
クリムゾンのシャロン・ウィードリンの乗艦でした。
能力的な特徴として、ディストーションフィールド発生用機動兵器を搭載、
多重ディストーションフィールドを展開することが可能でした。
外見は新リアトリス級戦艦のパーツを組み合わせてでっちあげたといった面持ちで、いうなれば、「地球製木連式有人戦艦」 
相転移エンジンは4基搭載

武装:大口径Gブラスト×1 大型リニアキャノン×2、三連対艦砲×2 三連対空砲×4、






以下、メールでお寄せいただいた質問に対する回答です。

Q1:ナデシコ級には何故対空砲が無いのでしょうか?

A:それは強固なディストーションフィールドとエステバリスが有るからです。
ナデシコがミサイルや主砲を撃つときにはディストーションフィールドを解除しなければなりません。
雲霞の如く大群で襲ってくる無人兵器に対しては対空砲で対処するより、
強固なDFで艦に向ってくる無人兵器を足止めし、機動兵器で撃墜するほうが艦を守るのには適していたからだと思われます。

エステバリスは反重力推進機関の搭載により浮き砲台としての役割もこなせますので対空砲の代わりをこなせるでしょう。



Q2:何故ブラックサレナはディストーションフィールドに効かないはずのビーム兵器を装備したのですか?

 ブラックサレナは夜天光・六連と戦う為に作られたカスタムエステバリスです。
夜天光・六連は『前面にのみ』DFを展開可能なのです。
しかも、内臓動力の出力の関係上、危険なときに展開すると言うものでした。
そこで、機動性を重視し、ディストーションフィールドの無い側面・背面を狙う戦法を取るようになったのだと思います。
DFがなければ、下手な実体弾よりビームの方が有効でしょう。
機動性を重視した結果、大型火器を運用する余裕が無くなったための苦肉の策ともいえるでしょう。
しかし、量産型のエステバリス2を一撃で落とすほどの高出力のビーム砲ですので侮られる武器でもないでしょう。



感想、応援、違うぞゴラァなど色々な御意見お待ちしております。



第二版 2003/7/27



次回予告


木連式人型決戦兵器(マテ
ジンシリーズ



参考資料
NADESICO PLUS[HOBBY JAPAN MOOK]
ニュータイプ100%ナデシコPERFECTS
ニュータイプ100%劇場版ナデシコGEKINADE ZENBU
ニュータイプフィルムブック機動戦艦ナデシコ1〜3巻
電撃攻略王 機動戦艦ナデシコ NADESICO THE MISSION完全攻略ガイド
デジタルムック機動戦艦ナデシコ1000%コレクション
デジタルムック機動戦艦ナデシコ1000%コレクション’99