漆黒の戦神アナザー外伝

「敷島 英二の議」

 

 

 

 

第二話

 

 

 

 

 

 

 

某所と言う言葉が似合いそうな密室で、数人の男たちが密談を交わしていた。

「我々は当初の予定通り、国会議事堂を制圧すればよろしいのですね」

「そうだ、開会の日だから全国会議員、官僚のトップたちも参加する。そこさえ押さえてしまえば、よけいな口を出せるものも居なくなる」

別な男も口を挟む。

「その後、我々は新潟に上陸して目的地に向かいます」

「警察も自衛軍も動けなければ、脅威にはならない。後は権力を握るだけだ」

リーダーらしい男が場を締める。

「それでは各自行動に入ってくれ」

「我らの理想のために」

「偉大なる神のために」

男たちが去っていくとリーダー格の男がつぶやいた。

「テロリストと狂信者どもめ。せいぜい我らの思惑通り踊ってもらうぞ」

こうして悲劇であり喜劇の幕の第一幕が上がった。

 

 

 

220X年12月8日火曜日

 

「8度9分・・・。完璧に風邪ね」

敷島英二の妻、敷島千草が体温計をみてそういった。

「珍しいわね。英二君が風邪をひくなんて」

この夫婦は幼なじみな為、お互いのことは分かり切っている。いつ頃風邪を引いたかや、学生時代もらったラブレターの数、告白された人数すらも。

「今日は国会の開会式だって言うのに。はあ」

そういってため息をついのは防衛庁長官敷島英二。

「はいはい。おとなしく寝てなさい。秘書官には私から電話しておいてあげるから」

国会の開会式には総理大臣はもちろん国務大臣、衆参両議院議員、両院事務局幹部、各省庁の高級官僚まで参加し、天皇陛下臨席の元で開会がなされる。余程のことがない限り全国会議員が参加する。

但し日本共産党は必ず欠席する。

防衛庁長官と言う職も、国務大臣のため欠席は本来非常に不味い。

「無理して出席して、他の先生達に風邪を移したら大変でしょ。殆どの先生達は、半分棺桶に足突っ込んでるとは言ってもいいんだし、残り少ない余生なんだから」

「ああ言うのはそう簡単にくたばりはしないよ。もっとも、半分くらいくたばってくれたほうが国会もすっきりして良いんだけどね」

この二人、間違いなく似たもの夫婦だ。

 

 

だが全知全能ではないこの二人に、今言った言葉が現実化するとは、思いもしていなかった。

 

 

 

220X年12月8日1000時

 

午前10時、三台の大型観光バスが国会議事堂に到着した。中からは観光客なのだろう、スキーケースやゴルフバックを持った男たちがバスを降りた。

同時刻、霞ヶ関の第一議員会館と第二議員会館にも同様の観光バスが二台到着していた。地方からの陳情団らしく、様々なケースやバックを持ってきている。

若い青壮年達が談笑しながらバスから降りてきた。5人ほどのグループで纏まっている。

 

議員会館に入った青年が受付で面会用紙に事項を記入していく。

それを警備員に渡した青年達は、階段の方へ進む。

「用紙に検印が在りませんが」

「ホントですか。おかしいな・・・」

警備員に呼び止められた青年はジャンパーのポケットをゴソゴソとまさぐる。

「ああ、此処にありましたよ」

苦笑した青年がポケットから取り出したモノは、

 

 

 

 

 

 

ロシア製の軍用拳銃だった。

 

 

 

 

 

 

青年は素早く拳銃を警備員の顎に押し付ける。

その青年の仲間達も一斉に隠し持っていた拳銃を取り出した。

「何をするんですか」

拳銃を突き付けられた初老の警備員が詰問口調で聞いてくる。自分に何が起こっているのか余り理解できていないようだ。

「大人しくしな。ロシア製の本物だからな、危ねえぞ。頭ぶっ飛ばされたくなかったら静かにするんだな」

蜥蜴戦争後、ロシア製の武器が大量に密売されていることはニュースで知っていたため、乱入者達の持っている銃が本物である事にこの場にいる全員が本物だと気が付いた。

たちまち辺りが恐怖のため沈黙する。

彼等の仲間らしい男達が、更に十人ほど会館に入ってくる。

「電話線の切断終了」

「了解」

他の青年達も黙々と電話線の切断をしていく。

「皆さん、携帯電話とPHSも提出していただきましょうか」

拳銃を突き付けて携帯電話を没収していく。慌てて取り出す会館の人質達。

一人がバケツに水を張って持ってくると、その中に没収した電話機を全て放り込む。

「ああ!」

と短い悲鳴が上がるが、無視して作業を進めていく男達。

頃合いを見計らって、この男達のリーダー格が拘束された人質達に告げる。

「皆さんには、これから少しの間静かにして頂きましょう。この国に巣くう、ファシスト達を退治してきますので」

 

 

 

衆議院会館の中に入った十五人ずつの観光客らしい男達は国会内をずんずん進んで行くが、衛視に止められる。

「現在は国会の開会式が行われています。これ以上は立入禁止です」

「ああ、許可証はもってますよ・・・。ええと」

そういって取り出したのは、議員会館を占拠した男達が持っているのと同じロシア製の拳銃だった。

 

PAM!!

 

拳銃独特の乾いた音を上げた後には、信じられないと言った表情を浮かべた衛視が膝から崩れ落ちていった。心臓への一撃。

即死だ。

「革命の狼煙は上がった。会議場にいるファシスト共を制圧せよ」

たった今、人一人殺した男は一種の狂気を浮かべて、仲間に命じた。

持っていたバックやケースの中からロシア製の突撃銃とそれに装着する銃剣、サブマシンガンや狙撃銃、それに手榴弾なども取り出して装備する。

傍聴席出入り口にたどり着いた男達は、強く扉をノックした。本会議開催中は閉じられているからだ。

「何ですか、今は開会式の最中ですよ」

硬い顔をした衛視が詰問してくる。

「静かにしろ」

銃剣を装着した突撃銃を首の付け根に押し付ける。

他の男達が扉をいっぱいに開き、傍聴席に入り込む。いつの間にか人数は二十人を超えていた。

「職員と傍聴人は外へ出せ」

「皆さん、緊急事態です。速やかに此処から退出して下さい」

柔らかい口調で傍聴人と衛視に告げる。

「何だ、お前等は」

「そうだそうだ」

「偉そうに、何様だ」

一人が反抗的な態度に出て、その仲間らしい二人がそれに同調する。

「抵抗するなら強制的に排除する」

今度は強圧的な口調に一転する。突撃銃を向けて、付近の傍聴人とその三人を手際よく分離させ、辺りから孤立させた。

「武装グループがいるぞ!」

三人の中に一人が大声で怒鳴るが、突撃銃の台尻で殴打され三人とも沈黙する。

「ちっ。やむおえん。衆議院制圧班、直ちに制圧せよ」

そう言って男─テロリスト─達は手榴弾を会議場に投げ入れた。

 

 

BAOM! BAON! BAOM!

 

 

三発の手榴弾が連続して爆発する。たちまち阿鼻叫喚が上がる。

 

 

PAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAM!!

 

PAPAPAPAPAM! PAPAPAPAPAPAM!

 

 

今度は突撃銃の連射が開始される。但し天井に向けての威嚇だが。

議員や事務員達は慌てて机の下に潜りこむか、出入り口に向かって逃げ出す。そして、これが生死を分けた。机の下に隠れた者は流れ弾にも当たらずに済んだが、出入り口に向かった者は悲惨だった。

丁度テロリストの増援が到着し、扉の前で銃口をそろえて待ちかまえていたのだ。

衆議院本会議場出入り口は処刑場と化した。

 

「国を私物化するファシスト共に告ぐ。我々は新日本赤軍だ。この国は我々とその同士が掌握した。本日をもって、日本は真の社会主義国の道を歩む!」

 

テロリストの指揮官がそう宣言した。

この映像は各テレビ局の報道カメラによって、瞬く間に日本中に流されたのだった。

テロリストが国会に突入して、僅か三十分間の出来事に過ぎなかった。

 

 

 

 

 

 

自衛軍統合幕僚会議議長 斎藤巳起弥正陸将はいつも通り、午前八時三十分には市ヶ谷の自衛軍統合幕僚会議本部に出勤していた。彼の仕事のほとんどは書類(23世紀になっても紙の書類は存在している。役所なんてそんなもんだ)に判子を押して防衛庁長官に書類を上申する事だ。

午前一〇時三十分にはそれも一段落してお茶を飲んでいた。一服してお茶菓子に手を伸ばそうとした時、

「議長! 大変です!!」

いきなり通信回線が開き、副官が大声をあげて斎藤を呼び出した。

「な、何だ、いきなり。ビックリするじゃないか」

「て、TVを点けて下さい! 重大放送です!」

怪訝に思いながらもTVのスイッチを入れる。

『・・・繰り返しお伝えします。国会議事堂が何者かによって占拠されました。天皇陛下、総理大臣、国会議員達等、国会開会式に傍聴にきた人達も多数人質に取られた模様です。また議員や傍聴人に多数の死傷者がでたとみられ・・・」

斎藤は手に持っていた湯飲みを思わず落としてしまった。

落下した音がやけに遠くに感じた。

 

 

 

陸上自衛軍第一〇一遊撃大隊 小松公二陸曹長は非番の為、ロビーでゴロゴロしていた。

つい先日、秋のコミックマーケットが盛況のうちに終わったので、サークル「御芽画堂」の人間達は現在は気が抜けた状態になっている。

テレビを眺めてはいるが、九時過ぎのテレビ番組は主婦向けな物が殆どだからただ見ているだけだ。

他の非番組も将棋やオセロで暇を潰していた。

戦争をしない軍隊の日常は結構暇だ。

「平岡〜、金貸してくれよ〜」

「ヤダ。俺も無い」

給料日はまだ先だ。

リモコンでチャンネルを回していくがどの番組もつまらない。

NHKにチャンネルを合わせたときだった。

 

クーデターのニュースが飛びこんで来たのは。

 

「まじかよ・・・」

田中が何とか言葉を捻り出した。

「日本でクーデター起こすなんて、良い度胸してるじゃねえか」

小松の独り言は誰にも聞かれなかったが、それは大きな足音のせいだった。

その足音の主、佐藤大輔三佐は鋭い声で隊員達に号令を掛ける

「お前達、今直ぐブリーフィングルームへ集合だ」

「何の為ですか」

中村という眼鏡を掛けた隊員がぼけた質問をした。

 

「ボケ! 仕事に決まってるじゃねえか! このカス! テメェ、何年軍人やってんだ!!」

バキッ! ドカッ! ボスッ! ゲシゲシゲシッ!!

 

佐藤が中村に鉄拳制裁を加えるが、誰もその事を気にする者は居なかった。

((((((だっていつもの事だし))))))

「平岡、田中、さっさと行って、さっさとテロリスト共を駆除しちまおうぜ」

小松の表情に先程までのダラッとした雰囲気は無かった。

既にオメガ隊員達の表情は戦闘モードになっていた。まるで、解き放たれる前の軍用犬の様でもあった。

 

 

 

東京湾の埋立地にあるこの施設は、歴とした警視庁の施設であり、警視庁警備部が管轄している部隊が住み着いている(表現は間違ってはいない)。

正式名称「警視庁警備部特科車両二課パトロールレイバー中隊」。

 

警視庁で唯一のマニュアル式人型機動機材である、「レイバー」を運用している部署である。

「レイバー」とは兵器ではない、マニュアル操作式の、産業用に開発されたロボットの総称である。

建築・土木の分野において広く普及したが、レイバーによる犯罪も急造。

そのため、警視庁は特科車両二課「パトロールレイバー中隊」を創設して、これに対応した。

通称「パトレイバー」の誕生である。

 

「で、松井さん。今何処にいるわけ?」

『那須温泉の辺りなんだけどね』

「良いね〜温泉。俺も行ってみたいわ。露天風呂入って、日本酒を一杯・・・」

『後藤さん、俺は仕事できてるんだけど』

後藤と呼ばれた男は、松井と呼ばれた刑事と電話口で不真面目そうな会話をしている。

後藤喜一。警部補の階級を持ち、現在は特車(特科車両)二課第二小隊長の職にある。かつて「カミソリ後藤」の名で犯罪者に恐れられていたが、現在は「昼行灯」のあだ名で通っていた。

「何か収穫でもあったの」

『一足違い。俺が行ったときにはもぬけの殻、だったよ』

「それって、事態は結構やばい所まで来てンじゃない」

『ああ、奴さん、もしかすると近い内に事を起こすかもしれん』

それから二言三言、言葉を交わして後藤は受話器を置いた。このご時世にもかかわらず、アナログ電話を使っているのは此処位だろう。

「あら後藤さん。また何か悪巧み?」

「悪巧みとは心外だなあ、しのぶさん。俺達は日々警察官として市民の安全を守るべく、昼寝する間も惜しんでこうしてお仕事してるって言うのに」

「はいはい」

後藤と同じく特車二課第一小隊長の南雲しのぶ警部補が後藤に尋ねる。短くない付き合いから、後藤と松井が絡むとろくな事が起きないと解っていた。

「それで、何が起きそうなの?」

「うん。クーデターなんだけどね」

何でもない風な口調にも係わらず、言葉の意味は重大だった。

「ちょっ、ちょっと後藤さん。クーデター? このご時世に? 何処が? まさか自衛軍?」

「松井さんの知り合いの公安の刑事が居るんだけど。その刑事によると『日本赤軍がまた日本で活動を開始するかも知れない』って、話を聞いたらしいんだけどね」

「日本赤軍? 一世紀近く前に壊滅したはずよ、確か」

しのぶが怪訝な顔をする。とうに滅びた過激派共産主義団体の名前を口にした。

「この手の組織は壊滅したと思っても、なかなかどうして、しぶといからねえ」

「それで、本庁の方には話したのかしら」

「だーれも信じなかったらしいよ。さっきしのぶさんが言ったみたいに『このご時世にそんなことが起こるはず無い』ってさ」

後藤に言わせれば、こんなご時世だからこそ起こりうる、らしいが。

「ま、何も起こらなきゃ万々歳なんだけどね」

だが、運命の神様と言うのは騒動が好きらしい。

「後藤さん! 大変大変大変だよー!」

慌てて小隊長室に飛び込んできたのは、整備班主任のシバシゲオ。

この人物の事を一言で言うのなら、ウリバタケの同類。こう言えばどういった人物か理解できるだろう。

「シゲさん、どうしたの。そんなに慌てちゃって。まさかクーデターでも起こったりしちゃったの?」

「何で解ったの?! そのまさかだよ! 今NHKの臨時ニュースで言ってたんだけどさ、国会にテロリストが乱入して人質とって立てこもったって。死人も何人も出たってさ」

おいおい本当かよ、と思った後藤だったが、指示は的確に出していく。

「シゲさん。大至急レイバーをキャリアーに乗っけて、直ぐに出れるようにして頂戴」

「後藤さん、本庁からの出動要請はまだ出ていないのよ? 勝手に出動したら、また始末書よ」

「大丈夫だって、しのぶさん。第二小隊は、"たまたま"抜き打ちの市街地訓練中に”たまたま”事件が起こって”たまたま”直ぐに駆け付けられた状態にあっただけだから。そう言うことにしておいてチョーダイ」

「・・・そうね。じゃあ第一小隊も”たまたま”訓練していても問題ないわね」

最近、第二小隊の影響を色濃く受けてきた為か、二人の小隊長の行動パターンが似てきたような気がする。

 

 

 

ユーラシア連合の政治家、海神伝七郎主席秘書官 三堂公介は深夜にも関わらず仕事にいそしんでいた。ユーラシア連合は創設されて間もないため、その秘書官の仕事と言えその量は洒落にならないくらい多い。

やっと一段落した頃には既に日付が変わっていた。

「シャワーでも浴びてそろそろ寝るか」

う〜ん、といって背筋を伸ばす。背中がボキボキなるのが気持ち良い。まるで冬眠から目覚めた熊のようでもある。

冷蔵庫からスポーツ飲料の缶を取り出し、それを一気に飲み干す。

勿論、左手は腰だ。

その後、何と無くテレビを点けるとNHKの海外向け放送をやっていた。

アナウンサーは日ごろの冷静な顔を捨て去り、興奮状態でクーデターのニュースを流していた。

「・・・シャワーを浴びる暇もないのかよ、俺には」

そう言いつつ、電話に手を伸ばす。

「先生、公介です」

 

 

 

西欧の某所ナデシコ国の元首宅であるテンカワ邸。

テンカワ アキトは”ダブルベット”で熟睡していた。ついさっきまで奥さんの1人と”ナニか”をしていた為ぐっすり眠っていた。

「アキトさん!!!」

イキナリ中空からルリの大声が飛びこんで来た。

「ルリちゃん。・・・今何時か分かってる?」

少し恨みがましく聞いてみるが、ルリの血色の薄い顔が更に白くなっており、アキトも尋常ではない事態が起こったのが理解できた。

「大変です、日本でクーデターが起こりました!!」

「な・・・」

「ナンですって!!」

それに答えたのはアキトではなく、隣に寝ていた香澄だった。

「ルリちゃん、詳しく教えて! お父さんはどうなったの?!」

「香澄さん、落ちついてください。今オモイカネで情報を集めている所です」

「でも!」

「ルリちゃん。夜中で悪いけど、他の人たちも起してくれるかな? 特級の非常事態らしいし」

アキトの目は完全に覚めて、善後策を練る為にテンカワ邸にいる人間に召集をかけさせた。

 

 

 

敷島英二は千草の作ったお粥を布団の上にこぼしていた。もちろんニュースを聞いたためだ。

「・・・千草。着替えを持ってきてくれ、背広も」

「英二君、何処に行くつもりなの。風邪引いてるのに。熱だってまだ高いのよ?」

一眠りした為熱は下がっているが、あくまでそれは今朝と比較してだ。普通で在れば絶対に起き出して外出しようとはしない位、まだ風邪の症状が出ている。

既に寝巻きを脱いで着がえようとする敷島。

「決まってる。市ヶ谷の防衛庁だよ。このまま物事が進んだら、本当に日本がテロリストに乗っ取られてしまう」

千草はまだ何か言いたそうだったが、大きなため息を吐いて部屋を出ていった。

直ぐに戻ってくると、手に背広の上下とワイシャツが下げられていた。

「あなた昔から、変に頑固な所があるもんね。解ったわ、行ってらっしゃい。でも、無茶しないでね」

ワイシャツと背広を手早く着込む敷島に千草は、呆れたように、そして心配そうに声を掛ける。

「その件については前向きに検討するように努力します」

上の訳:多分無理

「政治家みたいな事言わないの」

「俺は政治家だ。少なくとも、政治家として給料分働く義務はあるからな」

こんな時でも冗談を言う余裕があるようだ。もっとも、余裕がない状態よりは遙かにましな精神状態であろう。

「暫く帰れなくなると思うから、戸締まりはキチンとやってくれよ」

まるで出張へ行ってくるような感じの敷島。

「行ってらっしゃい。お土産忘れないでね」

千草もそれに合わせるような言葉を言った。

 

「政治家なんてやめても良いから、無事に帰ってきて」

敷島が出ていった後の呟きは、幼なじみにして生涯の伴侶に向けての偽りのない言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

後に「日本で一番長い一週間」と言う名の悲喜劇の幕はこうして上がっていった。

 

 

 

 

 

 

続く・・・

 

 

 

 

 

 

 

天暗星 握牌軍にして、ACTIONライダー隊 予告のX、X魔王のペテン師です。

新年一発目の作品如何だったでしょうか。

 

既に「時の流れに」と関係ないじゃないか、と言う声が何処からか聞こえて来そうな気がしますが、これは一応「ナデひな」(Ben様作)と「マイヤシリーズ&ナデパレ」(別人28号様作)の中間に起こった出来事を書いているつもりです。旨く書けているかはこの際脇に除けますが(爆笑)。

勿論、使用許可は頂いてあります。

 

それにしても、パロディ満載のSS。全部のネタが解ったら凄い。

 

あらかじめ書いておきますが、「この作品はフィクションであり、登場した個人・団体は実在するものではありません」。

こうしないと何かやばそうなので(汗)。

 

メグミ親衛隊最高幹部会議長殿、国会開会式の詳しい知識ありがとうございます。

差詰め、ACTION顧問弁護士と言ったところでしょうか(笑)。

多分これからも、ちょくちょく質問するかも知れませんが、その時は宜しくお願いします。

 

最後に、この作品を読んで下さった方々。

どうも有り難う御座いました。

 

 

それでは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想貰えると更に嬉しいな。執筆速度も上がるし。(大爆笑)

 

 

 

 

 

代理人の感想

ん〜、物が共産主義革命だけに「世界を揺るがした一週間」になったりして(核爆)。

ともかくアキト達は余り表だって動けない(武力行使はほぼ問題外、外交等も劇的効果は望めない)わけですから、

読者としては敷島英二、そして日本の軍人自衛官とおまわりさん達に期待するしかないわけで(笑)。

 

でもここで特車二課が出てくるとは思いませんでしたねぇ。

パトレイバーが出てくると、作品自体も押井守ちっくに見えるのが不思議(爆)。

 

>メグミ親衛隊最高幹部会議長閣下

そりゃもちろんActionの法務担当次席でいらっしゃいますし。

殆ど名前を聞かない主席とは偉い違いだ・・・そう言えば首席ってダレだったかなぁ(核爆)。