《われわれは現在だけを耐え忍べばよい。過去にも未来にも苦しむ必要はない。
過去はもう存在しないし、未来はまだ存在していないのだから。》
byアラン
『未来、現在、そして過去。貴方が今存在しているのは一体どの位置なのですか？』
このような質問があれば貴方はどれと応えますか？まぁ、大抵の人は現在を選びますが。
ですが・・・それには属さないひねくれ者がいるのもまた事実。その人達はどのような考え
を持ち、そして自分の位置をどう考えているのだろうか。
ある人は答える。『ここは現在の位置だが未来にとっては過去である。逆も又然り。』
ある人は答える。『そもそもそんな区分など無い。何故ならば時は終わらないからだ。』
ある人は答える。『クレランシの蛇にでも訊いてくれ。』
ある人（？）は答える。
『じゅーよーなのはおおむかしといまではないのよ。
そこからつづいてね、おーきくひらかれていく時のためにがんばることなのよ。
むかしはただのおもいでなの。いまは一時のこしかけなのよ。
じゅーよーなのはむかしにもいまにもないの。
あしは、むかしといまから、どこかに走っていくためについているのよ。
だからどこかにいかなきゃいけないのよ。』
まぁ・・・・これについては正しいのだが。認めたくない気もする。
最後に、彼は応える。『どの区分にも当てはまらない俺は存在しなくても良い』と。
一体どの様な気分なのであろう。時の流れに干渉するというのは。
過去に行っては自分を知らない現在の友人と会い哀しみを知る。
未来にいっては自分の痕跡を見つけては悲しみに暮れる。
だが、彼は存在していないというわけではない、れっきとして存在しているのだ。
ならば、それに任せれば良いのではないのだろうか。
それが宿業というのならば。
天使が舞う銀河にて
第零章 第三話 出撃出発いざ出陣
前回、俺はシャトヤーン様と契約を交わした。
その内容には１５年此処に滞在すると言った条件があったがそれを呑んだ。
で、俺の仕事は紋章機と呼ばれる特機の開発。
それらの真意は今一つ掴む事が出来なかったが信頼できることが分かった。
それから六回程、四季（あるのか？）は巡った。
まぁ・・・お日様、何年見てないのかは忘れたけど・・・・きっと、ね。（泣）
今日も電気が明るいなぁ、ロストテクノロジーだったりそうで無かったり。
『あなたに朝は訪れない』ってか。夜ばかり来まくってるけど、外・・宇宙だし。
白き月の最中央部である月の宮殿。
俺はシャトヤーン様のお呼び出しによって数ある部屋の一室の椅子に腰掛けている。
この部屋は来客用の部屋という事もあって部屋の設備度が他の部屋に比べて随分と高い。
俺が今座っているソファといい、その前にある卓台といい、装飾品が多いように見える。
きっと高価であろうというか確実に高級な代物である。
『今まで数年間整備士やってたけどンな物始めて見たぞ』とは言わない。寧ろ言えない。
きっと未だに姿を見せていないこの部屋の主はきっとこの部屋の中を何処かから見ている筈
なのだ。経験上そういったことは良く分かる・・・分かりたくもないが。
おかげで、この部屋に入ってから十数分、身動き一つせずに座っているしかない。
・・・・・座り慣れてないソファの所為で腰が痛くなってきた。柔らかいはずなのに。
（全く、今度は何処から現れるのやら・・・・早く出てきて欲しい・・・・）
腰の痛みを我慢しつつも心の中で愚痴てみる。まぁ、コレもまた聞かれている可能性が又十二分にあるが。それでも思わずにはいられない。
今日は珍しく休暇が取れて整備士の皆とどこかに遊びに行く予定であったのだ。
ふと、昨日の事を思い出す・・・・・
『やっふ〜〜！ねぇねぇ、あ〜ちゃん明日暇っ！？って言うか暇だよね。確実に暇！！！
小さいのに確実に暇してる我等があ〜ちゃん、かっくい〜〜っぜぃ！うぇい！！』
『貴方は一体誰ですか。』
『時代遅れのカウボーイさ。』
『帰らせていただきます。ええ、早急に即刻に。』
『もう、あ〜ちゃんったらノリ悪いぞぇぃ、若いのに！あ〜ちゃんの尊敬する整備主任様の
レミちゃんよ。で、明日暇だよね？』
『レミちゃんが一体誰を指しているのかは兎も角としておきまして・・・明日ですか・・？
そもそも明日は休日ではないでしょう、まぁ、整備士にそんな言葉は程遠いですが。』
『そんなあ〜ちゃんにご吉報！実は明日はシャトヤーン様が特別に私達に休暇を授けてくれたのだっ！！
しかも有給！！！最高だよねぇ。』
『全員有給・・・・ですか？珍しい以前に何か不気味ですね、裏がありそうで。』
『もう、あーちゃんったら罰当たるよ。雷がピシャーンって！痺れるよ、感電だよ！！！
記憶してないメモリなんか全部すっ飛んじゃうよ！プロテクト効かなくてどっか〜ン！！』
『はあ、それはいいとして俺が休暇だと何かあるんですか、確かに休みなら暇という事になりますけど。』
『よくぞ訊いてくれましたにゃ！実は整備部の皆でどこかに出かけようと思ってるのぞよ。
ちなみに我がベストラバーのマイ娘クレータも一緒にウィズゴーって感じで！』
『へぇ・・・で、俺もそのお呼ばれに・・・・？』
『そうなのそうなの！あ〜ちゃん頭の回転速ぇ〜、もう既にユーキャンアンダースタンド。
それで明日は○◎に現地集合、朝の●時ねっ！』
『はいはい。』
『全軍突撃 誰かの未来のために遊ぼうぜぇい！！』
『節操無さすぎ。』
ってな感じに仕事終わってからレミータさんに話しかけられてやや一方的に決められて
それでも結構楽しみにしていたらコレである。よっぽど自分は因果に業が深いと見える。
あぁ、レミータさんの恨みがましい声が耳の底にまだ残っている・・・・・
忘れよう。忘れてしまわなければ精神的に危ない。
『あ〜ちゃん〜紫の鏡〜』
聞こえないったら聞こえない。ああ、今日も素晴らしい日だ。
以前に俺の精神年齢だけ言えば二十歳超えてるんだがなぁ。多分効かないであろう。
多聞に多分。
ンな感じに浸りたくもないものに浸っていたら部屋の入り口のドアが開いた。
部屋に入ってきたのは《月の聖母》シャトヤーン様。
俺にとっては雇い主という表現が一番しっくり来る人である。
その姿は万人が認める美しさ、そして性格は例え蛮族でも平伏すほどの澄んだ綺麗な心。
そして、全てを包み込む包容力と優しさ。おかげで彼女は人望が性別を問わずに厚い。
否、性別だけではない。国家、惑星という規模でもそれは効いている。
つまりは、彼女ほど人望が厚い人はこの宇宙にこれ以上存在しないことになる。
そんな素晴らしい人なのである・・・・・・・・が。
「ふふ・・・休日に御免なさいね、アキト君。何かご計画でも立てていましたか？
例えば────整備士の女性方とのデートとか？」
「開口一番がそれですか。この確信犯様。」
他のものであればどうアレ、何故か俺の前ではこういった【茶目っ気のある】といえば
聞こえがいいが、どこか黒い部分を前に出してくる。
まぁ・・・・それでも生温いな。真っ黒だ。よほどストレスが溜まっているのだろう。
俺はその捌け口という訳だ・・・・・なんだかなぁ、俺って。
この数年間そんなことが結構に続いたことを俺は決して忘れない。
例え元の世界に戻っても忘れないであろう。
パワードスーツ部隊を援護無しでたった一人で壊滅しろと言われた事とか。
皇国の機甲中隊が謀反を企んでいるから制圧してこいと言われた事とか。
紋章機の訓練も兼ねてちょっと宇宙海賊を退治してきて欲しいと勅命喰らった事とか。
・・・・いや、さすがに最後のは拙かった。まさか一撃で粉砕するとは。未だに宇宙海賊の中では伝説となってるっぽいし。又襲われるのではないかと毎日怯えながら略奪行為を繰り返しているそうな。
・・・・・・・・最初からやるなよ。海賊。
忘れさせて欲しいけどマインドアサシンを見つけるまで忘れられない記憶が満載である。
最後のなんか未だに海賊達の間で神話になってるって話だ。
・・・・・・・ロストテクノロジー・・・横領して使っちゃおうかな。
危ない考えに達しそうなのでさっさと本件に入る。
「それで、呼び出しは久しぶりですが一体どのような御用件で呼んだのですか？
ＧＡ００３とＧＡ００５の《Ｈ・Ａ・Ｌ・Ｏシステム》の件でしたら報告書の方で・・・」
「いえ、貴方を呼んだ理由はそれではありません。確かにそれもパイロットの確保が難しい
と言った点では問題ですが。当面、その問題は度外視にしておきます。それよりも・・・・」
おや、この問題では無いのか。少し意外である。絶対これだと思っていたのだが。
ふむ・・・・・ならば一体何だ？
ちなみにここで補足して置くと、数年前に《紋章機》ＧＡ００１に乗り込んでみたときに
何故か俺しか紋章機を起動させられなかったということが合って、それから役職が整備士兼
紋章機テストパイロットということになったのだ。
しかもそれが初日であった。素晴らしすぎる初勤務である。
それから俺は全ての紋章機に乗ることになった。
「ラッキースターを始めとして紋章機全機が貴方に好意の感情を持っってしまったので是非とも彼女たちの納得のいくようにケジメをつけてほしいと思いまして。」
「・・・・・・・・・」
「挙式は立派なものを用意させていただきます。
そうですね、もしハーベスターを選ぶのならば特に大切にしてあげてください。
彼女はとても心優しくそして傷つきやすいので・・・」
「帰らせて頂いて宜しいでしょうか？今だったらまだ間に合うので・・・・」
補足その二 紋章機・・・【機】とは言っても『彼女達』は《心》を持っている。
普通の女の子と変わらないのである。ディアとブロス見たいなものだ・・・・・・が、
これはさすがに予定外予想外予測外。・・・・・・普通に出来ないだろ、をい！！
「そんな、彼女達の気持ちを裏切るだなんて・・・・酷いです。」
「本題に入りましょう、ええ、本題に。何でしょうか？訊きますよ、そりゃもう！！」
半ば自暴自棄。ぐれたくなってきた。流石にコレは本題じゃねぇだろ！
「それで冗談はこの程度にしておいて本題に入らせていただきます。それでですが・・・」
「結局嘘ですか！！」
「まぁ・・・・半分以上は真実だったのですが。ざっと６分の５は。」
「ぐぐぐぐ・・・・」
「残り６分の１は検証中で事実に程よく近いですが。」
俺の心の傷が一つ一つこの部屋に来るたびに増えていく。痛い、痛いよ母さん。
聖母・・・いわゆる神様と呼ばれるに等しい人に苛められているので神頼みも出来ない。
ああ、この後が本題か、そのときにまた傷が増えるんだろうな。今度はなんだろう。
体も十二歳前後まで成長して最初あった違和感（体の軋み、悲鳴等）も少なくなってきたから単独でテロリスト集団の壊滅とかそういうのだろうなぁ。ナノマシン付けられたし。
せめて・・・・・ＤＦＳがロストテクノロジーで見つかってくれれば・・・・・・
昂気はこの数年で身につけることが出来たからいいにしろ・・流石に限界が・・・
ママン、僕、強くなれそうだよ。精神的に。
「それで・・・・・本題ですが、貴方に辞令を渡さなければいけなくなりました。」
「は！？」
クビですか？退職願ですか、リストラですか？
「厳密には色んな意味での左遷です。本日を持って貴方は一時的に整備士でなくなります。
代わりに私直属の超法規活動部の一員となって頂きます。」
「・・・・・・なんですか、それは、超法規活動って一体？」
「読んで字の如く私の権限の名の元に法を破ってでも与えられた任務を遂行する特殊部隊の事です。簡単に言えばＥＳメンバーですね。」
「さり気無くさらっと爆弾を投下しないで下さい。」
「ちなみに隊員は今の所貴方一人を予定しています。」
部隊じゃねぇ。少数精鋭どころの騒ぎじゃないでしょうが。
ああ、元の世界に返りたいなぁ。うん、皆待っててね。絶対に帰るからさ。
そのためにはどうすればいいんだっけ。そうだボソンジャンプをすればいいんだ。
・・・・『Ｃ・Ｃ』並びに時空間調整装置が必要だけど・・・・・
で、その二つは誰が持っている？シャトヤーン様が管理している。
・
・
・
・
・
・
・
誰か、助けて。
「さて、納得してもらったところで話を続けさせていただきます。」
「してません。」
「紋章機もラッキースターからシャープシューターに至るまで、搭乗者という唯一つの問題を除けばほぼ最終調整に入りました。
ですので、パイロットが見つかるまで之より整備士は今までに比べて手持ち無沙汰になってしまいます。時間が余ります。」
聞いて下さいよ、俺の話。
「さて、普通の方でしたらそれはそれで問題がないのですが、貴方の場合は別となります。
貴方がこの世界にいる時間はこうしている間にも刻々と縮まってきています。
はっきり言ってそれは時間の無駄です。昔の人はいい事を仰いました。
『時は金なり』、私としては貴方にそんな無駄な時間を過ごしてほしくありません。』
「十分にこの世界を堪能させてもらっています。」
「幸い、貴方に出来ることはこの世界にまだまだ在ります。一番最初に決めましたよね？
貴方はこの白き月の研究者でもあり守護者でもあるのですよ。覚えてますか？」
・・・・・そりゃ覚えてますよ。夢に出ますもん。月に一回ぐらいのペースで。
契約書を持った貴女がプロスさん顔負けで俺にそれを突き出してくるんです。
覚えてるというより忘れられないといったほうが正しい。
「そんなわけで貴方には之より前者の方・・・・《研究者》としてロストテクノロジーの解明の任に就いてもらおうと思っています。内容は星々の何処かに散らばっている未だ発見されてないロストテクノロジーの発掘及び発見です。」
「何年プロジェクトを思いついてますか、貴女って人は。」
「安心してください。貴方が数えで１５に成るまでです。まぁ、一年当たりに発掘する大体のノルマは決めますが。」
消費者センターがこの会話聞いたらどう思うだろうか。
約三年間、若干１２歳前後の子供にこの身一つで銀河中回って発見率ないしは発掘率が極端に少ないロストテクノロジーを探してこいというのだ。虐待以上である。
しかもそれを出すのは月の聖母。やっぱりこの世界というのは不条理に満ちすぎている。
鬼ですか、貴女は。もう一度繰り返す。鬼ですか、貴女は。
「まぁ・・・私だって《鬼》ではありませんので・・・・・」
絶対この人ＥＳＰ持ってるって。心の中読んでるよ。
「紋章機の内、一機を貴方に貸しましょう。貴方に最も合う機体を選んでください。」
「え！？」
之には流石にびっくりした。紋章機を一個人に貸すなどとは・・・・いいのか？
紋章機は未だに一般に対しては何の公表も行っていない。いや、一般だけではない。
銀河一の大富豪、ブラマンシュ財閥私設軍にも皇国軍にも、皇室にもその存在は明らかに
していない。徹底的な他排主義を貫き通しているのだ。それなのにこの発言とは・・・
「よろしい・・・・のですか？」
「ええ、よくなかったらそもそも口には出しません。以前も申し上げたとおり私はいつも本気で生きています。嘘をつく必要がありませんので。」
本気らしい。しかし、また大胆なことをしでかしてくれるな〜。
そこまでするには理由があるんだろう。
「分かりました。では、紋章機の一機をお借りいたします。ですが・・・理由を教えて頂けませんでしょうか？俺が出向いて研究しなければいけない理由とやらを。」
「ええ。───一つは今しがた言ったとおり貴女の有意義な時間の過ごし方です。
この世界に来て整備三昧というのもどうかと思いますし。之が一番強いですね。
そしてもう一つ、最近になってロストテクノロジーの発掘率が減少してきています。
理由は─恐らく皇国が我々白き月を経由しないで直接発見したロストテクノロジーを着服
しているのが原因だと考えられています。今の国王は貪欲な方でいらっしゃいますから。」
「ああ・・・・・・。」
成る程納得。合点がいった。俺も合った事があるが好色家ジジイと言う印象だったな。
依然白き月と皇室との親善パーティと言うのでお目通りさせてもらった時だ。
シャトヤーン様のことを色眼鏡で見てたっけ・・・どピンクの気色悪い視線で。
そのときに限ってシャトヤーン様が軽武装していたのが記憶に新しい。
スタンガンとか・・・・ナイフとか・・・・対個人用中性子爆弾やら・・・・
ん〜・・・・・軽武装か？
特に中性子、周りに影響があるような気が・・・・・まぁ、ロストテクノロジーだし。
「兎にも角にもこれ以上ロストテクノロジーの流出は是が非にでも止めたい所です。
彼らはまだその域まで達していません。過ぎたる力は必ずや己が身に跳ね返ることを知らずに弄んでいるだけです。ですから・・・・・・・」
「了解です。それでは、アキト・マイヤーズ。これより格納庫へ行き、紋章機を選んできます。」
「はい、お願いします。あ、そうでした最後に一つ・・・・・」
「何でしょうか？」
「パートナーが決まったらすぐにでも知らせてください。挙式の準備は早ければ早いほうがいいですから。既に専用の格納庫兼式場は決めてあります。」
冗談ですよね、シャトヤーン様？いやぁ、日頃は冗談を仰られないのに俺の為に態々・・
・・・・・気を使わせてしまって悪いなぁ。うんうん、やはり聖母であるなぁ、この人は。
冗談・・・ですよね。
額に嫌な汗が。；
白き月の内部には特殊格納庫と呼ばれる場所が存在している。どの辺が特殊化というと、
【パスワード確認】【網膜チェック】【指紋チェック】などは当然の如く配備され・・・
それらを含め数百に及ぶチェックを一瞬のうちに済ませたら今度は一つの空間が待っている。
その部屋ではただ数秒立っていれば自動的にドアが開くのだが、そのドアが曲者だ。
何気に時空干渉を行っている。いわゆる【どこでもドア】の世界だ。
そのドアを通じることによって既に白き月ではない何処かの空間に達すると漸く出れる。
するとそこには縦空間測定不能、横空間測定不能、高さ空間測定不能と言う世界がある。
その世界こそが特殊格納庫なのである。
・・・・・一回間違って空間干渉してしまったけど・・・・・・地獄が見えた。
白き月内部でも知っているのはシャトヤーン様とその側近、そして中にある【ソレ】の開発に関わっている一握りのスタッフしかいない。
不用意に関わろうとすれば身内でも瞬時に消されると言う禁断の場所。
そんな所なのである・・・・・・・・・・のだが。
「え〜〜〜！アキトさん、《パートナー》を探してるんですか！？は〜〜い、アタシ立候補しちゃいま〜す！！」
「ちょっとラッキースター、黙ってなさいよ。あんたなんかじゃ動力が不安定すぎで宇宙の真ん中で動かなくて立ち往生ってのが落ちでしょ。」
「そうですわね・・確かにラッキースターさんの場合はそうなる可能性が高いですわね。」
「うぇぇん、カンフーファイターとトリックマスター、厳しいよぉ。」
あるのだが・・・・・・・・
「アタシとしては当然と言いたいがね。ラッキースター自体はロストテクノロジーの結晶体
だからどうにでもなれるがアキトは人間だ。宇宙では即命取りになる。危険だよ。」
「ハッピートリガーさんまでそんな事言う〜〜。」
「最初から神に願うくらいならば・・・・最初から安全なほうが最良です。」
のだが・・・・・・
「ハーベスター〜〜〜〜、あ、そうだ、シャープシューターはどう思う？」
「私ですか・・・次善佳良よりは最善最良の法が好ましいかと。」
「て、言うか最悪でしょうが。」
「びぇぇぇぇぇぇん！！」
中に入るとこんなものである。緊張感の欠片もない。（外部スピーカー使用）
とは言っても聞いているのは俺だけだが・・・・・それにしても・・・・・・
「予想はしてたけど・・・こうなると厳しいものがあるな。」
一機しか・・いや、一人しか選んではいけないのに皆が皆自分も行きたいと言っている。
かなり、そう、かな〜りマズイ傾向にある。どう不味いかと言うと・・・・・・・・
このままいくと確実に・・・・・・・・
「みんなが苛めるから・・・・『撃っちゃいます』！！」
『私が悪かった（です）まぁ、とりあえず落ちつ（きましょう）こう。ね？。』×５
やっぱりこうなってきたか。以前も似たような状況下で起こったことがあるが。
ラッキースターの場合、むくれるとすぐに《撃つ》。主砲を、である。
一応搭乗者が居なくてもある程度は自力で何とかなるのだ。封印しとけよ。
計算上、駆逐艦数隻の存在を跡形も無くなるほどに消滅出来るほどのである。
この間なんか本当にぶっ放した。主砲《ハイパーキャノン》の威力が見えた、マジで。
グラビティブラスト、目ではない。重力を使って敵を押しつぶすグラビティブラストと
違って、単純なエネルギーだけで敵を消滅させるその威力。
この閉鎖空間が一瞬歪んだ。死ぬかと思った。
まぁ、今回は最悪の事態は回避できたようだが、まだまだ災害は多い。
話し合いが無事に終了するとはまだ決まっていないのだ。
「で、話を戻すけど。やっぱりアキトと一緒に行くならアタシしかいないでしょ！
この運動性、この機動力、どれをとっても旅をするならアタシを使った方がいいって。
アキトもそう思うでしょっ！？」
「まぁ・・・確かにね。」
「でしょでしょ、それじゃぁやっぱり・・・・・・」
ＧＡ００２ カンフーファイター。その機動力は紋章機中間違いなく一番。
試したことはないが、通常戦闘時の最高速度はブラックサレナ以上のものと予想される。
航宙ではナデシコよりも数段早いし・・・うん・・・たしかにいいかもなぁ。
「あら、カンフーファイターさんは装甲が薄すぎですわ。アキトさんだって人の子です・・
もし、万が一にも操縦をミスして隕石にでもぶつかってしまったその時は・・・・・・。
考えたくもありませんわね。そんな訳ですからおよしになった方が宜しいかと。」
「なっ！トリックマスター、あんた・・・」
「ですので、自動操縦はもちろんのこと。その自動操縦もこの私がしっかりとした計算で
こなす私に・・・・・」
ＧＡ００３ トリックマスター。その演算能力はオモイカネをも抜く。と言うか数十倍。
ルリちゃんあたりに見せたらずいぶんと喜ぶであろう。ディアとブロスは泣くであろうが。素晴らしいのだが・・・・・・
「トリックマスター・・・すまないけど俺は君の精神感応装置は使えないから・・・・」
「あう。・・・・・計算外でしたわ。」
「そうそう、アキトの言う通りさ。いざと言うときのドでかい火力、そして堅牢な装甲。
宇宙海賊が相手だろうと一国の軍が相手だろうと、アタシとアキトなら楽勝さ。」
ＧＡ００４ ハッピートリガー。自身が言うとおり火力と装甲はピカ一である。
耐久力テストでは本人の希望により、大型ミサイルの直撃というメニューにも耐えた。
ガ○ダニウム合金ででも出来ているのだろうか？ＰＳか？
「でも、残念ながら遅すぎる。今回は旅だし、何か期限も決められているようだから。
それに流石に軍と相手すると言うことはないだろうし・・・・・・・・」
「・・・まぁ、アキトがそういうなら仕方ないね。」
「ならば・・・長期間の旅には安全が求められます。・・・私ならば、ナノマシンによって貴方を治療することが出来ます。」
ＧＡ００５ ハーベスター。ナノマシン散布装置と大型バリアを積んでいる。
そのバリアはディストーションフィールドより高い防御力を誇る・・・のだが。
「ごめんねハーベスター。俺のナノマシンはあくまで制御・操作用だから修復・医療用のナノマシンは合わないんだ。本当に・・・・・ごめんね。」
「いえ・・・・気にしないで下さい・・・・・・。」
これで六機中五機が駄目という事になってしまった。我ながら凄い贅沢だと思う。
白き月の鬼子、紋章機にケチを付けまくるとは・・・・・。
いや、付けてるのはケチでも何でも無いんだけどね。
ともかくそうなると・・・・・・・・
「それじゃぁ、シャープシューター。よろしく頼めるかな？」
「わっ、私ですか！？」
消去法でそうなる。ってか、それ以外の選択肢が残っていないし。ま、構わないのけど。
実際この機体はラッキースターを除く紋章機に比べて欠点が少ない。ショートレンジの
武器が少ないと言う欠点こそあれど、今回の旅ではそれほど目立たないであろう。
ふむむ・・・これでいいのかと言われればこれでいいと思うし、別に不満は無いのだが。
無いのだが・・・・・・・・・
周りからの視線（外部カメラ）が痛い。突き刺さるほどに痛い。殺氣まで感じる。
ガチャン ウィーーン ジャキ
ああ・・・・この音はカンフーファイターのアンカークローが着脱可能になった音だな。
フィィィィィィィン
トリックマスターだな。超高性能レーダー起動させたの。狙う気満満ですか。
ギュィィィィイン
頼む、ラッキースター。チャージしないで。ぶっ放されるとナノマシンでも修復不可能。
・・・・・何気に命が風前の灯だったりしますか、俺？
「君たち ロボット三原則って知ってるかな？」
「戦闘機ですから☆」
「はいはい、その辺りにしときな三機とも。アキトを殺す気かい。」
ハッピートリガー、ナイス！その紫と黒色のボディが今は純白の天使に見えてくる。
流石は一番の姉御肌。こういう時には一番頼りに出来る。
兎も角、これで助かった・・・・・・・
「あ、あのう・・・先輩の全照準が何で私に向いてるんでしょうか？」
「お、悪りいねぇ。ここ暫く《ストライク・バースト》撃ってなかったから、ついね。」
訳ではないのかい。今度はシャープシューターに矛先が向いたのか。
あ〜〜、もう決定。出発しよう。今すぐに！！
数分後。
「83635 PLEASE GIVE ABOUT A SPECIAL FIGHTER "EMBLEM
FRAME" GA006
"SHARPSHOOTER" PREDETERMINED POSITION.」
（８３６３５ 特殊戦闘機《紋章機》GA006《シャープシューター》所定の位置について
下さい。）
「COMPREHENSION.」
（了解）
「THEN, THE FORTUNE OF WAR.」
（それでは、御武運を。）
「THANK YOU．」
（ありがとう。」
「AND TO THE LAST, IT IS THE GUIDANCE OF THE SAINT`S MOTHER OF
THE MOON.」
（そして最後に、月の聖母の導きを。）
「IT IS NOT NEEDED. IT IS NOT TRULY NEEDED.」
（いらない。本当にいらない。）
律儀に英語で突っ込みつつも白き月をシャープシューターに乗って発っていくアキトの姿があった。
・・・・・この時代も英語なのか、離陸確認は？文明一度滅びてんのに。
まぁ、細かい突っ込みはさておき、その本人達はというと。
「あ〜〜、結局マトモに見送ってくれたのはハーベスターだけだったね。」
（はい・・・ハーベスター先輩はいい先輩です・・・・・あう。）
「大丈夫かい？アンカークロー掠ったみたいだけど・・・・・」
全くもって結構に酷い目にあった。もう少し出発が遅れていたら吹き飛んでいた。
加減というものをあの娘達は知っているのか今度訊いておく必要があるな・・・・
・・・・無事に迎えてくれたらの話だけど・・・・無理だろうなぁ。
（ええ、航行には支障ありません。ですが・・・・皆さんが怖かったです。）
「はははははうん俺には全然如何してこうなったのか解らないよ。」
思わず句読点改行一切無し発言。
確かに俺も怖かった。北辰の異質的な威圧とはまた違ったアレ。
そうそう、同盟がやっていたアレに近かったな。うわぁぉ。忘れよう。
忘却とは・・・・何だっけか、アカツキ？
この後俺たちは目的地を決めることにした。さすがに目的こそあれど風来坊では困る。
とりあえずは場所である。どこからこの旅を始めるかと言う事が重要である。
シャトヤーン様がピックアップしたのは・・・・・・・・・６つか。
財閥惑星ベルクーム・・・・ブラマンシュ財閥の目が光っている。没。後からだ。
複数衛星国家エラー・・・・内戦中。没。これも後。
農業惑星トプロスト・・・・いきなり農業は重い。没。せめて二番手に。
聖域プラントMEO3
・・・・根本的に戦闘機が入れない。没。最後だろう。
次も・・・・似たようなものか、後にしておこう。
となると・・・・また消去法か。とことん俺は優柔不断なのかもしれない。はぁぁ。
（《トランスバール皇国》ですね。私の記憶では支配星系の数が128で銀河の要。
首都トランスバールがさらにその皇国の要となり、その色はターコイズブルーの昔在った
《地球》に程よく似せている国ですね。）
トランスバール・・・・それがその星の名前であってこれから向かう場所。この時代の最も主要な惑星である。だが、それはこの時代に限ったことではない。
昔から、そうだったのだ。
「厳密にはトランスバールが未来の地球の姿なんだけどね。」
（え！・・・・初めて聞きました。)
「ああ、聖書の一部に書いてあるんだけどね。・・俺の知っている情報が組み込まれていた。
確か、EDENの項目の《醜悪の章》辺りに・・・・・・」
醜悪の章。簡単に言えば聖書などには必ず組み込まれている聖魔大戦の事である。
神々が率いる《聖》の絶対正義軍と魔王が率いる《魔》の絶対悪軍との抗争。
それらは時には悪魔が優勢であったり逆であったり、しかし最後は正義が勝つ。
そんなちょっとしたイメージが湧くようで湧きにくい御伽噺と言うもの。
俺も昔はよくそういうのを見たものだ。火星の神マルスとか、本気で信じた時代もある。
その時にはユリカが犬をケルベロスと言って嗾けてきたり、カグヤちゃんが自分はヘラの再来ですわと言って俺に詰め寄ってきたり・・・・も、したが・・・・・・。
そもそも伝説の発祥地が全然的外れだろうに。俺、ゼウスになった覚えないし。
しかし、シャトヤーン様が《編集》するそれらは従来の聖書とは異なる点がある。
（ええ、私もあの章は鮮明に記憶しています。最も印象の強い章ですね。・・・・何しろ。
《一人芝居》であり《正義と言う名の虐殺》であり《己が為に人を殺める》。
数ある章の中で、最も考えさせられる章ですね。ですが・・・それがどうしてですか？」
「・・・・シャープシューターは章の内容を大体でいいから言えるかい？」
「あ、はい・・・・え〜と。」
あくまで聖書に書かれているのは殆どが教訓のために脚色されたものだ。
だから・・神や悪魔と言う脚色を全て取り払ってしまえば・・・・真実と言う名の本質が
浮き出てくる。《真実》。ソレは昔在った事であって事実であって、存在したのである。
俺の時代を端的に表す代名詞が、凛と存在していたのである。過去に。
（まずは天界を追い出されたエルフが天に最も近い場所、天海へ逃げ込む段落ですね。この
段落でエルフは一方的な神の仕打ちに対して怒りを覚えるがそこでおとなしく暮らすことを
決めた描写が克明に書かれています。）
そう。月に内政干渉をした地球側がそのときの内戦の片翼、独立派を追放したのが始まり。
（そして次の段落は細々と暮らしやすいとは言えない地で懸命に生きるエルフに対して神が
雷を落とし、エルフは悪魔の住まう冥界へと追いやられるというのでしたね。）
そして独立派は火星へと流れ着く。しかし、地球は彼らに対して核を打ち込んだ。
これさえなければこの話はここで終わりとは言わなくてもその後のいざこざは無かったであろう。本当に・・・・・馬鹿なことをしてくれたものだ。
まぁ、悔やんでも仕方が無い上にさすがにそこまでを変えれるとも思えないが。
（冥界に落とされたエルフは悪魔と契約を結びます。そしてエルフは神をも凌ぐ力をその黒く変色した心を糧として得ました。しかし、彼らは最初は説得をしようとします。）
木星にまで流された彼らはそこで《工場》を見つける。それには地球の科学力を圧倒的に
上回る無人兵器が資源さえあれば無尽蔵に作れると言った正に圧倒的なものであった。
ソレを見つけた彼らの祖先はそれでも子心のために最初は地球に話を持ちかけた。
まぁ、最初から何かしらを持ち出していたのかもしれないが、真相は闇の中。藪の中。
（しかし、最も位の高い神はそれに応じませんでした。ずっとずっと。）
最初は地球側も半信半疑。応えなかった。
（仕方が無いのでエルフの長は一時的に最高神と接触を取りました。ですが、ソレがいけな
かった。強欲な神はソレを自分のものにしようと考えた。そして、エルフの長も神の持つ色
々なものを自分のものにしたくなった。その上、丁度良くそのときに聖とも魔とも付かない
謎の力が発見されます。このとき、彼ら、上と上との間では取り決めがありました。）
ネルガルはそのときに火星にて極冠遺跡を見つけた。そしてソレは争いを呼んだ。
（共にこのことは内密にして、知らない下のもの同士を戦わせようと、そして、互いの利益
を持ちつ持たれつでいこうと。しかし、互いは腹の内を探り合い、あわよくば侵略してしま
おうと考えた。・・・・許せませんね。）
全くだな。この事については全く持って一緒だ。そして・・・・・・
（エルフは天海へと攻め入ります。そして、そこへ彼らは洪水を起こしました。その洪水は
全てを飲み込みました。人々は必死に地下へと逃げ惑います。ですが、一つの村は直撃を食
らいます。そこで大量の人間が死にました。しかし、そのとき奇跡は起こります。）
第一次火星大戦。そしてユートピアコロニーに落ちたチューリップ。
（一人の少年と一人の少女は聖とも悪とも付かぬ奇跡の力により洪水を避けることが出来ま
した。少年は天界へと付き、少女は知識を蓄えるために時を渡りました。）
俺とアイちゃんはボソンジャンプをしてアイちゃんは過去へと、俺は地球へ流れ着いた。
その後のことはもうダイジェストと言うしかない。俺がナデシコに乗り、火星へと向かい、
敗残し、地球へと帰る、地球を回り、また宇宙へと。そして、真実を知る。
（真実を知ってしまった少年と天走る帆船は出会ったエルフの少女と共に神々に捕らえられ
てしまいます。しかし、策により窮地を脱出した少年は分かり合えたエルフの少女を媒体と
してエルフ全体との架け橋を作ろうとします。しかし、ソレは時の流れにより歪み切ったエ
ルフの長により、邪魔をされ、少女の兄は殺されてしまいます。）
言うまでも無い。回避することは出来たが思い出したくも無い過去だ。
（そして、エルフに追われることになった少年は一時的に最高神と手を組み天界へと辿り着
きます。・・・・最後に少年は神を出し抜くことに成功しました。）
飛ばされる遺跡。そして消えていくナデシコ。残るは、傷ついた兵士のみ。
（少年は成長した少女の知識を胸に、全てを無に返そうとしました。奇跡の力を封印したの
です。一旦はここで終わるのですが・・・まだこの後には絶望の章が・・）
その後は・・・・その後は・・・・・
（成長した少年は・・・・・）
「そこまででいいよ。とりあえず、一旦終了したところのほうがキリが良いし。」
（あ、はい。）
ここまででいい。この後は只のベルセルクの話だ。聞きたくもないしどうでも良い。
さて、話を語らせるまで語らしてしまったけどどうするかな。この後誤魔化すにしても不自然だしなぁ。ううむ・・・・・やば、考えてなかった。
しょうがない。即興で適当にはぐらかすしかないな。
（それで・・・この話がどうしてアキトさんの知っている情報と被るのですか？」
真実を半分ほど混ぜておけば良いか。全てを話す必要は無いというか話せないし。
んじゃま、手ごろな話の媒介は・・・・と。
「シャトヤーン様が言ってたんだよ。この話は過去のトランスバールであった事だって。
その時に丁度トランスバールが地球であるって事も話してくれたし。」
（ああ・・・・成る程。そうですね、シャトヤーン様ならそういった情報を持っていても不思議ではありませんからね。）
よしよし、信じてくれた。うん、いい子だ。
「そういう事。・・・・それじゃぁ、トランスバールに出発するとしますか。」
「ええ、いい旅になると良いですね。」
そう、シャープシューター。今を生きる君は知らなくてもいいんだ、
《蜥蜴戦争》と呼ばれたあの悲劇を・・・・・・。
ただ、教訓として存在すれば良い。優柔不断な少年の見た世界の真実を。どれだけの人が平気で嘘をついて何食わぬ顔で人を殺せるのかを。
そして思い出さなくても良い。少年の最後と最期を。
己が妻を攫われ、狂戦士と化し、共に戦った妖精をも傷つける悲劇を・・・・
聖書はここまでしか書いてない。書かれてない。そのあとの真実までは。
ここからは俺が試しに創ってみますか。
《封印した奇跡は再び解き放たれて、少年は在りし日の天海へ戻り自分の望む世界を造ろう
とします。それらは新たな悲劇を生みましたが、元の悲劇よりは小さくなりました。
そして少年はようやく望む世界を作り上げました・・・・・・・が。》
が・・・そうなのだが。
《少年は奇跡の力の暴発によってどこかへと消えてしまいます。そう、何処かへ。》
まだ、それらは完成していないからな。
少年が此処にいる限り。
何とか続きをハッピーエンドで締めくくらせて貰おう。
第四話へ・・・・・・・
『紫の鏡紫の鏡紫の鏡紫の鏡紫の鏡紫の鏡』
誰も覚えていないところでオチをつけないで下さい、レミータさん。 て、言うかあんた
最初からずっと言いっぱなしだったのかい！？何故にって言うか何故にっ？！
ひょっとして呪レベルＭＡＸ？そこまで酷いことしたか俺！
『ここを逃せば出番が無くなっちまうよ〜！！！美味いの反対〜〜！！』
私怨かよ。しかも滅茶苦茶ベクトルが明後日に向いた。
人は凄い。思いの強さで精神感応さえ身につけるのだから。人の夢と書いて儚いだがこの人には通用しないだろう。儚さ０だし。
『Ｅジャン、イージャン、実は私人気あるのよ！ファンレターだって実に一杯（三通）来たんだからさぁ！
主役権限使って私レギュラーにしてよん。っていうか確定形で！！』
無理だっての。
『ケチー、横暴、横柄！！何よ何よあ〜ちゃんったら、あのめくるめくる熱い夜を一緒に過
ごした仲じゃねぇのさぁ！！わたしは誰の挑戦でも受ける！美少年のみ！！』
確かに暑かったですね。空調設備一切止まった状態での深夜間整備は。
そもそも漢字が違う。ついでに言うと感じも違う。そして究極超人の先輩にならないで。
『うう・・・・一緒の布団に入って抱きしめあって寝た中だというのに・・・よよよ』
黙れ。普通そういうのは酔った挙句逆夜這いしてきた奴以外が言う言葉だ。
俺は抱きしめてもいないし、酒臭くて眠れなかったよ。
犯人を貴方です。
『私の一糸纏わぬ姿を・・・私のあられもない姿を見ておいて・・・・よよよ』
・・・整備士全員で取り押さえて強制的に浴場まで持っていった奴の言えた事か。
第一、それを言うなら他の整備士の皆さん全員・・・・げふんげふんげほごほごほがは。
『『私、今日から普通の女の子発言！ただし結成十年目！！』みたいなっ！だよ〜』
ワケワカンネェ・・・・・つうか首絞められるぞあんた。友達か自分に。
兎にも角にもしばらく出番禁止。ハイ、コレ確定。承認了承済み。
『結局、あ〜ちゃんと私とは他人だったんだ。何も通じてやしなかったんだ。あんな、理不尽なことするんだもの。』
一度くらいの理不尽は許すんだ。それが友達だろ。
って言うか、それ系のネタはそろそろ止めて下さい。多分付いて行けない人続出。
『『幸せな負け犬ここに眠る。』にゃはは、コレならおっけでしょに？』
会話をしろ〜〜！！！
『ぶーぶー、非道だよ外道だよあ〜ちゃん！あんた人間失格ですか、人類最悪ですか！
んな事いったらあ〜ちゃんの恥ずかしい写真皆に売り飛ばしてやる〜。号外だよ〜大特価だよ〜
普通だったら一枚五百ギャラのところを・・・・・』
ちょっと待った。日頃からも売ってんのかよ。いつの間にって言うか盗撮？！苛め！？
あ〜本当に頭痛してきた。正露丸でも飲んでおくか、効くらしいし何故かまだ売ってるし。
今の願いは只一つ、この精神攻撃を何とかして欲しい。取り付かれてる。
六年間も一緒にいれば気心が分かるというが最後の最期までこの人は解らないと思う。
性格がぶっ飛びすぎだろ。ユリカ以上に。というか別次元的に。
本当に三十過ぎてるんですからもうちっと静かに・・・・・
『はう！酷いよあ〜ちゃん。それこそ今一番気にしている事なのに！精神攻撃か？！
マインドアサシンか？！個人的にはコタロー君好み！！そしてあ〜ちゃんジャストクリティカル。
でも今現在のあ〜ちゃんはファシスト！！サディスト！！テロリスト〜〜！！』
もう黙っててください。俺が潰れそうです。もういっぱいいっぱいです。やるせません。
あ〜〜、もう、貴方は整備士ですからコレより先の出番は無いでしょうに！以上！！
『う〜、でもでも『貴方は私と一緒です！ただし二重人格！』みたいなっ？！
私がいなくなっても私の意志を受け継ぐ人はきっと現れるぜぇい！コレでもかってほどにさ、ハン！』
いいからとっとと消えろ。
年上にかなりぞんざいな口調を使ってみたり。
『あ〜ちゃん死なないでね。・・・・人間の修理は出来ないから。』
最後にとことん不吉な台詞捨ててきやがった。コッチのほうが恨みますよ。
（アキトさん・・・・・誰とお話してたんですか？）
（ある意味人類最強。）
さて、第四話へ続く。
それでは【天使が舞う銀河にて】第三話をお送りいたしました。
そしてスミマセン。文法やスタイルが変わってしまいました。今度は完全にアキト主体。
最近・・・というより以前から戯言シリーズという屈指の面白さを持つ新書にはまったの
が原因だと思います。おかげで・・こんなどっちつかずの中途半端になってしまいました。
あう・・・・スミマセン。『もう見ねぇよ！この糞馬鹿！』と言われても仕方が無いです。
まぁ、それはさておきまして、コレより、アキトは天使と会う事になっていきそうです。
順番は最初がミルフィーユで後はとんとんと。ようやく・・ようやく本筋が見えました。
それらを支えてくれた皆様、本当に感謝しています。有難うございます。
今回の駄作は壊れていますが、お気に召さなかった場合（確率高し）どうぞクレームの程
お送りくださいませ。もちろん、御意見感想等受け付けております。
はぁ・・・・・ネタだけなら他の奴で出しすぎました。
本駄作には色々と名台詞が隠されてもいませんが随所に抜粋してあります。
暇だったら見つけてみてください。
ＰＳ レミータさん・・・・このまま永久封印でいいですか？使いやすいけど危ないし。
代理人の感想
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おおぅ、なんか納得（ぽんっ）＞戯言遣い