機動戦艦ナデシコ

The Triple Impact


第四話 始動


西暦2193年、木連。草壁 春樹の執政室。

石動 透真は、草壁と向き合いながら指令書を読んでいた。

「…火星へ行け、と?」

「そうだ。火星極冠にあると思われる『遺跡』…これの確認、および確保が君の任務だ、石動大尉」

眉一つ動かさず、淡々とした口調で話す草壁。

「一人で行け、とは言わないでしょうね?」

「まさか。こちらからも二十人ほどつけるが、君の方からも一人連れて行く人間を選んでよろしい」

「一人だけ、ですか」

「別に構わんだろう?助手を連れて行く、とでも思いたまえ。これが君の姉上だったら、百人つけて一人の同行も許さん所だ」

フウ、とため息をつき、少しだけ遠い目をする。

「油断ならない女性だったが、惜しい人材を亡くしたものだ。…もっとも、殆ど軍に協力してはくれなかったがな」

「姉は軍が嫌いでしたからねぇ…」

執政室が湿っぽい雰囲気になり、気まずい沈黙が流れる。

「ゴホン!…とにかく、火星に向かうのは一ヵ月後だ。いろいろと準備しておきたまえ」

「了解しました」

敬礼して、執政室を後にしようとする。が、ドアの所で立ち止まり、

「…一つお伺いしてよろしいでしょうか?」

「何だね?」

いきなり質問されて、わずかに身構える草壁。

「これは左遷ですか?」

「…栄転だよ、考えようによってはね」

「そうですか」

ガチャリ…

執政室から去る透真。それを見届けた草壁は、どこかに通信をつなげる。

「…私だ。石動の件だが、お前の方からも一人回せ。……何?そんな余裕は無いだと?嘘を言うな、お前はいつも七人で行動しているだろうが、あの何年か前に拾ってきたアイツを回せばよかろう。……あいつの作る料理はうまいから嫌だ?ふざけるな!とにかくあの…そう、テンカワとか言う奴を石動の監視に付けるのだ、分かったな」

ピッ

「…まあ、これだけやれば手も足も出まい。それにしても、同じ石動でこうも能力に差があるとは…。まったく、死ぬのなら弟の方に死んで欲しかったものだ」

草壁の誤算は三つ…。一つ目は、透真が自分の実力を隠していたのを見抜けなかったこと、二つ目は一人の同行人を許してしまったこと、そして三つ目がテンカワ アキトを監視につけてしまったことだった。…彼がこのことを後悔するのは数年後である。


「…で、僕に火星までついて来い、と?」

「そ」

ズズーーッ

茶をすする透真。八年間つきあってきた親友、と呼んでも差し支えの無い人物に、いきなり『火星に行くことになった。ついて来い』と言ったことに対する罪悪感は無いようだ。

「…ったく、突然呼び出すから何事かと思えば…」

ボリボリ…

不機嫌そうに茶菓子をつまむ海人。しかし本気で嫌がっていない所を見ると、どうやら火星までついて行く気はあるらしい。

「アキトはどうするんです?置いて行くんですか?」

「いや、多分俺たちの監視役として草壁が付けるだろう。あいつは俺たちが知り合いなのを薄々だが感づいている。確信は無いようだがな…。気心の知れた仲だから油断する、とでも思っているんだろうが…」

「世の中そう簡単にいけば苦労しない、ってことですか」

「そういうこと」

コトリ…

透真が茶を飲み終えて茶碗を置く。そして唐突に真面目な顔になり、

「…どう思う?」

「そうですね…。あの男がわざわざ命令するくらいです、その『遺跡』…かなり重要なモノだとは思いますが…」

「それが一体何のために、どうやって利用されるのか、か…」

「まだ未確認ですが、近いうちに地球とコンタクトをとる、という情報も入手しました。おそらくそれ絡みの可能性が強いと…」

「…まさかとは思うが、兵器関連か?」

「ありえますね。地球側が我々を拒絶、あるいは黙殺した場合に備えて、今のうちに確保を…」

「いや、地球の連中が俺たちの存在を認めたとしても、交渉を有利に進めるために…という線もあるぞ」

「何にせよ、ロクでもないことに使われそうですねぇ。あ、お茶お代わりもらいますよ」

やれやれ、と肩をすくめながら自分の湯飲みに茶を注ぐ海人。

「フウ…。ま、黙って従うつもりは無いがね。場合によっては…」

「僕たちがそれを利用、もてあますようなら破壊、ですか…」

「わかってるじゃないか」

お互いにクク、と笑いあう。伊達に長年親友はやっていないようだ。

「よっ…と。それじゃ、僕はこの辺で。一ヵ月後でしたっけ?」

二杯目の茶を飲み終えた海人が立ち上がり、出口に向かう。

「ああ、期間としては十分だろ?」

「ええ。色々と準備しておきます…では」

ガラガラ…

石動家から立ち去る海人。その後、一人残った透真はおもむろに自分の部屋を見渡し、

「この家も引き払わなきゃダメなんだろうな…」

多くのモノを得て、かけがえの無いモノを失った。そのほとんどがこの家に関係している。透真は引き出しから小箱を取り出し、その中にある眼鏡――姉が愛用していた――を手にとり、

「姉さん…」

しばしの間、思い出に浸る…。



「…なんで、兄さんが火星まで付いていく必要があるんだ?」

海人が世話になっている施設の中、彼の妹とも言える御剣 万葉が、海人から『一ヵ月後に火星に行く』と聞かされたときの、第一声がそれだった。

「仕方ないでしょう、親友のたっての頼みなんですから。…それと万葉、何回も言ってますが、あなたはもう少し口調を柔らかくした方がいいですよ」

「…兄さんがその敬語口調をやめたら考える」

「…僕の場合、これが地なんです。記憶を失くして、ここに来たときからこの喋り方だったんですから。十八にもなって今更変える気はありませんよ」

海人は、この施設の中では唯一万葉にだけ自分の記憶がないことを明かしていた。理由は、強いて言うなら共感したから、だろうか?『自分には肉親の思い出がほとんど無い』、と万葉の口から聞かされたとき、なぜかこの子には話してもいいかもしれない、という気がしたのだ。

「じゃあ、私も変えない」

「まったく…」

呆れながら荷物を整理する。少し早い気もするが、こういうものは早めにやっておいたほうが後で慌てなくて済む。

「先生には?」

先生、と言うのはこの施設の主、みんなの親代わりの存在のことだ。

「いえ、明日あたりにでも言いますよ」

「そう、か…。寂しくなるな、兄さんがいなくなると」

その言葉を聞くや否や、海人は作業中の手をピタリと止め、キョトン、と万葉を見る。

「…何だ、その目は?」

「…驚きました、万葉の口から『寂しい』なんて言葉が出るとは…」

「悪いか?」

多少ふてくされたような目で海人を見る万葉。その仕草だけ見れば間違いなく美少女の部類に入るだろうに、その性格が彼女のこんな一面を隠してしまう。

そんなことを考えながら、海人は万葉との会話を楽しんだ。



「えええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!????」

「…いきなりバカでかい声を出すな、零夜」

キーンとする耳を押さえながら、透真が零夜に言う。

「で、でも、そんな突然すぎますよ!!」

「しょうがないだろ、突然言われたんだから。ああ、そうそう、多分アキトもついて行くことになると思うから」

「……マジですか?」

「可能性は高い」

「そ、そんなぁ…」

ヘナヘナとその場に崩れ落ちる零夜。それを見て、

「何だお前、アキトのことが好きだったのか?」

「違いますっ!!!」

意外そうな声でとんでもないことを言う透真に、全力で否定する零夜。アキトの立場は一体…。

「あああ、大暴れする北ちゃんと、泣き喚く枝織ちゃんの姿が目に浮かぶぅ…」

「あー、やりそうだな」

「…のんきな声で言わないでください!」

頭を抱える零夜と、気楽そうな透真。実に対照的な二人である。

「…いつごろ帰ってくるんですか?」

「そうだな…最低でも二、三年というところか?」

「『最低でも』ってことは、それ以上になる可能性もあるわけですね」

「まあな。…ま、永遠に帰ってこない可能性もあるが」

さらっと答える。どうもこの男にはデリカシーという物が欠けているようだ。

「…縁起でもないこと言わないでください!ああ、それにしても二人にどうやって言えばいいの…?」

「ふぁーいと」

「この…!大体あなたは昔っから……!!!」

ワーワーギャーギャーと喚く零夜をオモチャにしながら、透真はこれからのことについて考えていた。

(ふむ…、そう言えば北斗のことを忘れていたな。ま、その辺のフォローは零夜に任せるか。問題は北辰だな…奴の動向はアキトを通じてある程度は把握できたんだが、さすがに火星と木星は遠いからな、放っとくか。

…にしても、一緒に暮らしてある程度『仕事』をこなしただけでアキトを信用するとは、北辰も単純と言うか、なんと言うか…。第一、枝織が俺と知り合いだって知ったのも二年位前のことだって言うからな。もしかしなくても、ただ単に鈍いだけか?

いや、あの男は人とコミュニケーションをとるのが下手だからな。多分これまでに聞き出す機会が無かったんだろう、きっと)

勝手に北辰の性格を分析し――実は結構当たっているのだが――、火星に着いてからのことを考えようとしたところで、

「聞いてます!!!?」

「あーはいはい、しっかり聞いてますよー」

いつの間にか零夜のグチをネチネチと聞かされるハメになってしまい、取りあえず火星に着いた後のことはこれが終わってから考えよう、と決める透真だった。



テンカワ アキトは、射撃練習場にいた。

その服装は黒いマントの下に、体にフィットする黒い特殊素材で作られたスーツ、おまけに黒いバイザーという、ちょっとお近づきになりたくないような格好である。

ドォン! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン!

チャララ…

的の中央近くに全弾命中させ、薬莢を落とす。

カシャカシャッ カシャッ

弾を込めなおし、再び的を狙おうとする…が、その銃口は右に九十度ほど動く。その先には、怪しい――アキトほどではないが――編み笠をかぶった男、北辰が立っていた。

「…何の用だ」

「フ、そう殺気立つな。新しい任務を持ってきたぞ」

「今度は誰だ?」

「今回の任務は『処理』ではない。ある人物の監視だ」

「そんなもの、他の奴にやらせろ」

ドォン! ドォン!

銃口を的に戻し、北辰を見ずに射撃を続けるアキト。

「草壁閣下から直々の御指名でな、断るわけにもいかんのだ。…我としても、お前を手放したくは無いのだが…」

スチャッ

銃を撃つ手をピタリと止め、再び銃口を北辰に向ける。

「…気色の悪いことを言うな、撃つぞ」

「いや、そう言う意味ではなくて、お前の料理が食べられなくなると思うと…」

「…そんなことか、これからはお前が毎日作ればいいだろう。第一、俺に料理を教えたのはお前だろうが」

「いや、今ではお前の方が我より腕は上だし、北斗や枝織にそれを望むのは酷だし…」

「後の方の言葉については否定せんが…」

アキトの脳裏に、かつて『今日は枝織が晩御飯つくるの!』とか言って台所を滅茶苦茶にした少女の姿が浮かぶ。その日は結局、店屋物をとって夜遅くまで北辰と一緒に後片付けをした…。ちなみに、二人はその日を『赤い嵐が吹き荒れた日』と呼んでいる。

…女の部分の枝織ですらそうなんだから、男の部分の北斗がどうなのかは、想像するまでもあるまい。

「…どうでもいいが、その銃を我に向けるのはやめろ」

「おお、そうだったな」

言われて銃を元の方向に戻す。

ドォン! ドォン! ドォン!

「…で、その監視の対象は誰なんだ?」

三発ほど撃ってから質問する。北辰はそんなアキトの様子を見て、何を思ったのかニヤリ、と笑う。

「石動 透真…知らんとは思うが、そこそこに有能な人物だ。経験を積めば、戦艦の一隻くらいは任せられる男よ。…姉はかつて無いほどに優秀だったのだがな、五年前に病にかかって死んだ」

「…ほう?」

知っている、とは言わない。言ったら自分と透真の関係も話さなくてはならない。そうなれば透真に同行することは恐らくできないだろう。

「お前はそいつを火星までついて行って監視し、定期的に様子を報告しろ。それが草壁閣下からの御命令だ」

「…一つ聞きたい」

「何だ?」

「何故、成長してもせいぜい戦艦一隻の艦長程度にしかなれん男に監視をつける必要がある?それに、わざわざ俺に任せる意図がわからん」

「さて、な。所詮我らは影、ただ任務を遂行すればよい…。余計なことは考えるな、アキト」

そう言って、北辰は射撃場から姿を消す。彼の気配が完全に消えたことを確認したアキトは銃を構え、

ドォン!

最後の一発を放ち、ニヤリ、と笑う。はたから見たら不気味なこと、この上ない。

「…面白くなりそうだ」

アキトはそう呟き、また銃に弾を込めだした。



「…ふん、なるほどな」

アキトから北辰との会話を聞いて、納得したような顔をする透真。

「どういうことです?僕たちにもわかるように言ってくれると助かるんですけど」

「…つまり、まだ草壁は姉さんを意識してるってことさ」

「は?」

海人の質問に、あまり理論的ではない答えを返す。言葉の意味を理解できない海人を見かねて、透真は別の切り口で言い直すことにした。

「俺は仮にも『天才』と呼ばれた石動 沙耶香の弟だぞ?まあ、俺の実力は過小評価してくれてるみたいだからいいが、それでもやっぱり血筋…と言うか、『万が一俺の中にあるかもしれない才能』が目覚めたら困るわけだ、あいつは。だから念には念を、ってことだろ」

「そんなものなのか?」

相変わらず黒づくめのアキトが透真に聞く。射撃練習が終わった後、この格好ですぐに石動家に向かったため、わざわざ気配を殺しながら移動するハメになってしまった。こんなことなら着替えりゃよかった…と彼が後悔したのは、別の話。

「トップにいる人間ってのは、自分の地位をわずかでも脅かす危険性のある人間には辛くあたるもんさ」

「はぁ…大変ですねぇ、上に立つというのも。ところでアキト、前々から聞いておきたかったんですが…」

「なんだ、海人?」

「どうして…どうして、北辰に教えてなかったんですか?『僕たちが知り合いだ』って…」

「………教える必要がなかったから」

「…そうですか」


バキィッ

「…いきなり何をする、透真。しかもグーで殴っただろ、お前」

頬を青く腫らしながら透真を睨むアキト。殴られたせいでバイザーも飛んでいってしまった。

「いや、何となく殴っとかないといけないような気がして…」

「…あのな、『教える必要がない』ってのは本当だぞ。アイツ、こっちのプライベートには全くと言っていいほど干渉してこないしな」

「…やっぱりな」

自分の性格分析が合っていたことを確信して、嬉しそうに笑う透真。海人とアキトは、そんな様子を見て不思議そうな顔をする。

「どうしたんですか?いきなりニヤニヤして」

「不気味だぞ…」

「…お前に言われちゃお終いだな、アキト」

「うるさい」

多少の口喧嘩をしつつも、彼ら三人はこれからのことについて相談を始めるのだった。




出発日前日、木連共同墓地。

透真は花一輪だけ持って、ここにやって来ていた。

「…じゃ、行って来る。今度はいつ来れるかわかんないけど…」

そう言って、墓前に花を添える。白いコスモス――花言葉は美麗、純潔、優美――…沙耶香が好きだった花だ。

「またね、姉さん」

微笑んで、墓地を後にする。その瞳に迷いは無かった。



翌日、シャトル発着所。

「…ふう、見送りは無し、か?寂しいねえ」

「仕方ないでしょう?一応極秘任務なんですから」

「見送りがいるといないとじゃ大違いなんだよ。…お?」

透真と海人が雑談していると、遠くの方からバスがやって来て、その中からゾロゾロと科学者らしい男や、一見してまともな職業に見えないサングラスをかけた男が出てきた。

その中でもひときわ異彩を放つ全身黒づくめの男が、二人のもとへと近づく。

「…『はじめまして』、今回あななたちの『護衛』を勤めさせていただく、テンカワ アキトです、よろしく」

「石動 透真です、こちらこそよろしく。で、こっちが…」

「天宮 海人です。『はじめまして』」

握手を交わす三人、お互いに目で合図する。

「…では、立ち話もなんですし、早速シャトルに乗り込みましょうか」

「そうですね」

透真が促し、アキトと海人がそれに続き、それを見た残りの面々が慌ててその後を追う。

…後者の約二十人は知らない――石動 透真の真の実力を、天宮 海人の頭脳を、テンカワ アキトの真意を…。

…前者の三人は知らない――火星で待ち構える自分たちの運命を…。

それぞれがそれぞれの思いを抱きつつ、彼らの物語は動き始める…。





同時刻、影護家。

北辰と枝織が食卓を囲んでいた。今日のメニューは白いご飯ときんぴらごぼう、豆腐の味噌汁にほうれん草のおひたし、メインディッシュは豚のショウガ焼き、北辰作だ。

モグ…モグ…カチャ…

食器の音と、食べる音だけが部屋に響く。枝織が表に出ている場合は、いつもはもっと賑やかなはずなのだが…。

(き、気まずい…。こんな気まずい食事は初めてだ…。北斗やアキトと二人で食べる時だって、こんな緊張感は無かったぞ…)

冷や汗を流しながら箸を進める北辰。彼は今、枝織から何故か発せられるプレッシャーに悩まされていた。

カチャ…

まだ食べかけだというのに、箸を置く枝織。北辰は一瞬北斗かと思ったが、北斗だったら自分とこうやって食事など、とる筈はない。

「…たい」

「え?」

「アー君のつくったチキンライスが食べたい、チャーハンでもラーメンでもいい」

いきなり父親を睨んで喋り出す枝織。彼女にとっては珍しいことに、全身から殺気を放っていた。

「い、いや、それは無理だぞ。アキトは今頃シャトルの中だ」

「それもそうかぁ……って、そんなんで納得できると思ったら大間違いだよ、お父様!!!!!」

ガシャーン!!!

「う、うわあああぁぁぁ!!?」

枝織は太古の大技、『ちゃぶ台返し』を発動させた!!その威力は、あの北辰を怯えさせるほどだ!!!

「大体、何でアー君が火星に行くの!!!?単なる監視ならお父様の取り巻きで十分じゃない!!!!お父様も断ってよ!!!!!」

「で、でも、祖先の代からの大恩ある草壁閣下からの御命令なんだから…。それに、取り巻きって六人衆のことか?いくらなんでもそれはちょっと酷い…と…」

枝織のもの凄い剣幕にビクビクと震える北辰。第一話のあの凛々しい姿は一体いずこへ…?

「知らないよ、そんなの!!!!第一、取り巻きを取り巻きって呼んでどこが悪いの!!!?烈風さん以外名前無いくせに!!!!!」

…どこかから五つの泣き声が聞こえてくるような気がするが、今の北辰にそんなことを考える余裕は無かった。

「アー君、かむばぁぁぁぁぁぁっくぅぅ!!!!!!!!!!!!!」

枝織、魂の叫び!!!!

「…どうやってなだめよう」

…父の前途は多難そうだ。




あとがき


アキト「えーっと…」

ラヒミス「おや、どうしたんですアキト君?」

アキト「いや、ツッコミどころが多すぎて何からツッコミすればいいのか…」

ラヒミス「そう言う場合は、まず思い付いたことから言っていけばいいんですよ」

アキト「そうか…じゃ、とりあえずラストの『アレ』だが…」

ラヒミス「ああ、枝織の暴走ですか。最初はあんなに大暴れさせるつもりは無かったんですがねぇ…つい、勢いに乗ってしまって」

アキト「…また『勢い』か、第二話のときにも使ったな」

ラヒミス「小説なんてそんなもんです。あなたも書いてみれば少しくらいはわかるかもしれませんよ?」

アキト「…お前が本格的に小説を書いて、今(六月六日現在)の時点ででまだ一月もたってないだろうが」

ラヒミス「あはは、それを言わないでくださいよ。私としては、ギャグとシリアスの比が5:5か6:4くらいが理想なんですが…」

アキト「前回はシリアス8:ギャグ2、今回はシリアス3:ギャグ7、と言った所か」

ラヒミス「うーん、小説って難しいですね」

アキト「…今回は、枝織が最後に全部かっさらって行ったからな。仕方あるまい」

ラヒミス「フウ…。ま、万葉も出せたし、これでフラグは一応立てました」

アキト「同じ施設だったのか、あの二人」

ラヒミス「海人を施設に預ける、と言うネタが浮上した時点で考えてましたよ。それに劇場版のネタも組み込めたし、私としては満足です」

アキト「俺がかなり怪しい人物として書かれているのが気にかかるが?」

ラヒミス「仕方ないでしょう。普通、あの格好を見て、怪しいと思わない方がどうかしてます」

アキト「結構傷つくぞ、それ」

ラヒミス「私は現実的なだけです」

アキト「…そんなことを言っているようではアクションでは生き残れないぞ?」

ラヒミス「そうなんですか?」

アキト「いや、何となくそんな気がしただけだ」

ラヒミス「根拠の無いことは言わないでください…次回のゲストは天宮 海人です。皆さん、お楽しみに」

アキト「…ふと思ったんだが」

ラヒミス「なんです?」

アキト「この小説ってギャグなのか?シリアスなのか?」

ラヒミス「私的にはシリアスのつもりなんですが…」

アキト「本当に?」

ラヒミス「…ちょっと自信ないかも」


 

 

 

代理人の感想

ま〜、「ギャグの皮に包んだシリアス」と好意的解釈(爆)も出来ないことはありませんが、

それは今後の展開次第ですね。

取り合えず次回の展開がかなり影響するかと。

 

>烈風さん以外名前ないくせに

ぶはははははははははは(爆笑)!