時と次元を超えし者
第1話「逆行と決意」
―ルリサイド―
「け、結婚してください!」
言っちゃいました・・・
勢いでこんなこと言っちゃうなんて私もまだまだですね・・・
まあ、後悔なんてしないでしょうアキトさんはああ言ってくれたんです。
きっと私が求めた返事を・・・
「何だこいつ。やっぱ失敗作じゃないのか?」
はい?
「いや記憶の混乱など問題に入らんよ・・・
要はマシンチャイルドとして使えりゃいいんだから・・・」
えっえっえええええええ〜〜〜〜〜〜!
何で私はナデシコに乗る以前にいた研究所にいるんです!?
しかも体が縮んでる様な・・・
はっ
まさか・・・
「あの・・・」
「何だね?」
「つかぬ事をお伺いますが・・・
今日は何年の何月何日でしょうか?」
「・・・やっぱり記憶に混乱があるようだな・・・
今日は2196年の×月X日だ」
・・・やはりですか
どうやら私は精神だけで過去に戻って来ちゃったようですね・・・
いえ、それだとパラドックスが起きるので私が帰ってきた時点で平行世界になったともいえますね・・・
それにしてもプロスさんの来る10日前ですか・・・
とりあえず、アキトさんとハーリー君とラピスに連絡をいれてみましょう。
ラピスのいた研究所もアキトさんを追っているときにデータを入手しましたし・・・
まあ、とりあえずハーリー君とラピスに・・・
―同時刻ラピスサイド―
・・・気がついたら私はもといた研究所にいた・・・
リンクでアキトに呼びかけてみたがつながらなかった・・・
アキトと一緒にいたのは夢だったのだろうか・・・
そう思うと急に胸が痛くなってきた・・・
アキト・・・
「オイ、こいつ泣いてないか?」
近くの研究員が私を見て他の研究員に声をかける。
でも、そんなの今の私にはどうでもいいこと・・・
「そんなわけないだろ。気のせいだよ。気のせい。それよりそいつに作業を手伝わせろ」
「わーったよ。オイ、てめえ。このシステムの作成を手伝いな。」
さっき私の変化にきずいた研究員が私に命令する。
私は従った。理由は何であれ、じっとしていたくなかったから・・・
「ついでにメールのチェックもやっといてくれ」
その命令にも私は従った。
メールは14通きていた。一つずつウイルスチェックをしてから開けていく。送信日が2196年の×月X日になっていたが、
私は気にしなかった。
と、7つ目のメールの送信者に目がいった。
「電子の妖精」・・・送信者の名はそうなっていた・・・
私はそのメールをウイルスチェックもせず、すぐ開けた。
すると・・・
「このメールの真なる意味を知りたくば添付したファイルに付いているプロテクトをといてみろ。
興味がなければNOを押せ」と書かれていた。
1時間かかったがなんとかプロテクトをはずし、私はそこにあったアドレスのサイトに来た・・・
そこは、一見何の変哲もない心理テストのサイトだった。
だがそのテストの問題を見てしばらく考えて私は答えを入力した。
その内容は・・・
心理テストです。好きな答えを入れてください。
1,あなたが仕える王子は? 答え,闇の王子
2,王子を守る鎧の名は? 答え,ブラックサレナ
3,王子が愛した妹は? 答え,電子の妖精
3番の問題がなんか引っかかったがとりあえず正解したようだメッセージとアドレスが2つ表示された。
メッセージには「上のメールアドレスに送信者名「王子の従者」で何も書かずにメールを送り、
午後8時か11時に下のアドレスのサイトに来てください」と書かれていた。
とりあえずいわれた通りのメールを送った。
その後すぐ私は実験に付き合わされされたが気にならなかった。
そんなことよりも早く何が起こったかを知りたかった。
実験が終わり、食事を取った私は8時になってすぐ、指定されたサイトに行った。
するとそこは映像通信サイトだった。そしてそこには少し若返ったルリがいた。
「よくきましたね、ラピス」
ルリが言う。
「そんな、挨拶はいいから事態を説明してほしいんだけど・・・」
予断だがこのとき火星で「今、誰かが私を呼んだような・・・」と言っているおばさんがいたとかいないとか・・・
「わかりました。率直に言うと私たちは精神だけ過去に跳んだようです。ハーリー君やアキトさんにも連絡を入れたところ、
二人も戻ってきていることがわかりました。
このことからしてサブロウタさんと月臣さんも戻ってきていると考えられます。
で、アキトさんと相談したところ歴史を変えることに決めましたので、
つきましては協力をお願いしたいのですが・・・」
「いいよ。アキトがやるなら私も手伝う」
「ありがとうございます。では、ラピスはしばらく研究所のほうで経済的・技術的援助をお願いします。
すぐに救出してあげたいのですが、存在が知れると狙われますし、ラピスとアキトさんも過去の体ですから研究所を
襲ったりすることも無理ですし、ボソンジャンプを使ってラピスを連れ出すのも無理です。
すみませんが、そういうわけですので・・・
私の部下のハーリー君にも協力させますから・・・」
「わかった。後方援助は任せて」
「その代わりといっては何ですが戸籍を作る時テンカワ性にしてあげますから。
つまり、私とアキトさんの妹ということです。」
「アキトはわかるけど、ルリは?」
「ふふ、実は私、アキトさんと結婚することにしたんです。まあ、年齢11ですので法律改正するつもりですが・・・
さすがに年齢を変更したりするのは外見がこれでは・・・無駄に年をとりたくありませんし。
まあ、ユリカさんにどうこう言われないようナデシコに乗る前に済ませるつもりです。
そういうわけで私のことは姉と思ってください」
一応、年齢は気にしているらしい・・・
まあ、これでハッキングで16にしたらメグミ以下だもんな・・・ ザシュ・・・
「わかったルリ姉」
じゅ、順応が・・・は・・や・・い・・・な・・・
・・・・・・・・・・・
「では、次からここに連絡してください」
「わかった」
こうして二人の会話は終わった。
―アキトサイド―
気がついたらサイゾウさんのところで働いていた・・・
俺はワケがわからなかったが少し考えてから今作っていたらしい料理の調味料をなめてみた・・・
辛い・・・味がわかる・・・
それににおいもする・・・
感動しているとサイゾウさんに頭をこずかれた。
「痛い・・・」
「こら、アキト!つまみ食いしてないでちゃんと作れ!」
「サイゾウさん・・・今俺、痛いって言いましたよね?それにバイザーなしでも目が見えるし、音も聞こえる・・・」
「まあ、言ったが・・・それがどうした?」
「・・・見える、聞こえる、匂う、感じる、味がわかる・・・
生きてるってすばらしい・・・」
「・・・アキトが壊れた・・・」
「・・・サイゾウさん・・・今、何年の何日ですか?」
「お、戻ってきたか・・・とりあえず2196年の×月X日だ」
ナデシコが出航する20日ほど前の日にち・・・
ということは俺は戻ってきたのか・・・
ルリちゃんやラピスはどうなのか確認したいが今の俺では・・・
「オイ、アキト!仕事しねぇとクビにするぞ!」
・・・とりあえず今は働こう・・・
ここで働かねば飢え死にする・・・
とりあえずは仕事を再開した俺だったがサイゾウさんの「お前ちょっと上達してねえか?」の一言には
ドキリとしつつも過去の俺より料理の腕が確実に上達したのを認められたようでうれしかった・・・
そして1時間ほど経ったとき電話がかかってきた。すぐにとって用件を聞くサイゾウさん。
そして・・・
「アキト電話だ。ホシノって名乗ってるが知り合いか?」
え・・・
おかしい・・・
このころの俺にホシノという知り合いはいないはずだということは・・・
「・・・もしもし」
「アキトさんですか?」
ドクン・・・
俺のことを「アキトさん」と呼んだ・・・
ということは・・・
「・・・ルリちゃんかい?」
「ハイ。状況わかりますよね?」
「・・・ああ、よっぽど俺の人生ってのは人間離れしたものらしいな・・・」
「で、どうします?」
「何が?」
「ナデシコに乗らず平和に暮らすか、ナデシコに乗り死に逝く人たちと己の運命を変えるか・・・
それとも、すべてを知りながら歴史をなぞるか・・・その選択です」
それを聞いたとき俺の頭の中をナデシコに乗ってから復讐に生きるまでの俺の人生が駆け巡った・・・
ガイ・・・ユートピアコロニーの生き残り・・・ムネタケ副提督・・・九十九・・・
ユリカとルリちゃんと俺の3人で暮らしていたときの俺・・・ヤマサキのモルモットにされた俺・・・そして・・・
復讐鬼となった俺・・・
・・・嫌だ・・・いやだ・・・イヤダ・・・
イヤダ
ナデシコに乗れば下手をすればまた同じ目にあうだけかもしれない・・・
だが・・・
それでいいのか?それでは今までと同じだ・・・結局理由をつけては逃げてきたばかりの今までの人生と・・・
せっかくやり直すチャンスを得たのにまた逃げるのか?
そんなの・・・
もっと嫌だ!!
「ルリちゃん!俺の心は決まった!俺は歴史を変える!力を貸してくれ」
「・・・ふふ、やはりそれを選びましたか・・・いいですよ。
ただし条件があります!」
「なんだい?」
「ジャンプする前に私が言おうとしたことに対する返事に・・・
YESをください・・・」
「・・・それって、つまり・・・」
「ハイ、私との結婚が条件ということです」
「・・・願ったりかなったりだね・・・俺もルリちゃんのことが好きだから・・・」
「うれしいです・・・それじゃあ、ナデシコに乗る前に法律改正して入籍しておきますので・・・
それとプロスさんにもアキトさんがドッグに来たら雇うよういっておきますので・・・
しばらくは、日常を楽しむなり、体を鍛えるなりしていてください」
「わかった」
「それとアキトさんと私の実質上の副官のハーリー君も戻ってきていることから
ラピスとサブロウタさんと月臣さんも戻ってきていうると考えられます。
ラピスに関してはプロテクトをかけたメールを送っておいたので早ければ今日中に結果が出るでしょう。
とりあえず、彼女にも協力を頼むつもりです。ハーリー君は協力しろといったら即答で了解してくれました。
サブロウタさんと月臣さんはさすがに・・・」
「まあ、二人は今、木連だからな・・・戦場であったときプライベート通信で協力を頼むか・・・」
「そうですね」
こうして俺は再びナデシコに乗ることを決めた・・・
あんな未来には絶対させない・・・
さて、ちなみにハーリー君は・・・
―ハーリーサイド―
「艦長のばかぁぁぁ〜〜!!うわぁ〜〜〜ん!!」
そういって僕はベッドから飛び起きた・・・
え?ベッド?飛び起きた?て言うかここは僕の家みたいだけど・・・
「は、ハリどうしたの!?」
母さんが来た。なぜかいつもより若く見えるような・・・
「母さん!?何で僕は自分の家にいるの!?それになんだか縮んでるし・・・」
「何言ってるの?ハリ?
あなた、昨日は特に家出するようなこともなかったし家で寝たでしょ?」
「えっ!?昨日は、確か艦長とテロリストの艦を追いかけてて・・・ジャンプに巻き込まれて・・・」
「・・・どうやらよほどぐっすり寝てたせいで夢と現実が入れ替わったつもりになってるみたいね・・・
無理もないわ・・・もう11時30分だもの・・・
まあ、とりあえず朝食作ってあげるから、顔を洗ってらっしゃい」
とりあえず、僕は顔を洗いに行こうとした。すると電話が鳴っていたのでとった。
そこから聞こえてきたのは・・・
「はい、マキビです」
「・・・ハーリー君、お仕置きです」
「かっ、艦長!!」
憧れの艦長の声!
「うるさいですね・・・ほんとにお仕置きしますよ・・・」
・・・その一言で僕の周りの気温は一気に氷点下まで下がった・・・
「・・・すいません。うるさくしないからそれだけは・・・」
「まあいいでしょう・・・ハーリー君と確認できただけでも・・・
それと私は今は艦長じゃありませんのでルリでいいです。
とりあえず私たちは過去にきちゃったようです・・・
ここまでは理解できますね?」
「ハイ、ボソンジャンプのせいですよね?」
「ええ・・・で、私は過去を変える気ですのでハーリー君に協力してほしいので頼みに来たというわけです。
協力してもらえますね?」
「ほかならぬか・・・じゃない・・・ルリさんの頼み・・・わかりました!
このマキビ・ハリ協力させていただきます!
「そうですか。ありがとうございます。
あと、一回いいといった以上途中でやめたいとかは聞きませんので。それじゃ」
「え?ちょっとルリさん!もうすこし話を・・・」
ぷーぷー
・
・
・
「えーと・・・つまり僕の協力を得ることだけが目的だったと・・・
う、うわぁ〜〜ん」
平和だ・・・
―月臣及びサブロウタサイド―
死んだのか・・・俺は・・・
まあ、親友を殺めた俺にとってはお似合いの死に方かもな・・・
テンカワは万単位殺してたけど俺からすれば見ず知らずのやつらより親友1人の命のほうが大事ってもんだ・・・
まったく大義とか正義のために親友を殺めちまうなんて俺は最悪な人間だな・・・
ああ・・・目の前に九十九が・・・
神は自分を九十九と同じところへ逝かせてくれたか・・・
なんと寛大で慈悲深い・・・
「源一郎!起きろ!」
「うお!?何だ、九十九!死んだときぐらいゆっくり感傷に浸らせてくれ!」
「何を言ってる!優人部隊は3ヶ月間まったく殉職者はいないし、ゲキガンガーも最近死人の出たシーンは見てないぞ」
「おまえこそ何を言ってる!ここは天国だろう!?そして俺たちは死んだ!」
「何だそりゃ?正義の味方である俺たちが死ぬはずないだろう。
ここはお前の部屋、そして俺が世間話をしているうちにお前は眠った。
何寝ぼけてやがる」
なっ・・・まさか!?
「・・・九十九、今日は何年の何月何日だ?」
「貴様!話題をそらすなど敗者のすることだぞ!ここは「今何日だと聞いている!!」・・・2196年の×月X日だ・・・」
やはり過去に来たのか・・・
ん?まてよ?ということは?
俺は九十九を助けられる!?
だが・・・この九十九は俺の知っている九十九ではない・・・この九十九を助けても俺が「あの九十九」を殺したという事実は消えない・・・
だがまて月臣源一郎・・・
お前は知っている九十九ではないからといって親友を見捨てるのか?
それでいいのか?
・・・いいわけないに決まっている・・・
ならば俺のやることは一つ・・・
「・・・九十九・・・今日は帰ってくれ・・・」
「は?何だ、お前?何かあったのか?今日は変だぞ。いつもは俺の世間話で寝ないのに急に死んだように眠るし、いきなり深く考え込んだりして・・・
俺でよければ相談に乗るぞ」
「いや、大丈夫だ。ちょっと今日中に片付けなくてはならん書類があるのを思い出しただけだ」
「多いのか?」
「まあな。片付けるのに集中したいから帰ってくれ」
「わかった。手伝ってほしかったらいつでも言ってくれ。それと終わるまですべての用件は俺に回ってくるようにしておこう」
「いや、何もそこまでせんでも・・・」
「気にするな。というわけでお前は書類の片付けに集中してくれ。じゃ」
「お、おい」
ガチャ・・・・・・・・・
「くっ、これでは1時間はトイレ以外、部屋から出れんではないか・・・
三郎太も来てるのか確認したかったのだが・・・
まあ、いい・・・戻ってきているならあいつのことだから事態を察してすぐに俺のところに来るだろう・・・
第一このころの俺と三郎太はつながりが薄い。もし、俺から行けば源八郎が怪しむだろうし、
もし、やつが戻ってなかったら言い訳もつけん・・・
ここはおとなしく書類でも片付けるか・・・」
こうして俺はしばらく書類を片付けることにした。しかし・・・
「くぅ・・・まさか今日までに出さねばならん書類がこんなにあったとは・・・」
実際に今日までに出さねばならん書類がかなりあり、5時間は出られそうになかった・・・
そうして、書類を片付け始めてから2時間後・・・
「ふう・・・多少は片付いたか・・・ん?」
「源一郎いるか?」
「九十九か。開いてるぞ」
「わかった」
ガチャ
「どうした?俺が直接やらねばならんことでもあったか?」
「ああ、実は源八郎とこの三郎太がお前に直接会って伝えねばならんことがあるといってきているのだが・・・」
やはりか・・・
「わかった、かまわんから通してくれ。それとすまんがおそらく機密事項に関係することだと思うので悪いが退室してくれるか?」
「ああ、わかった。高杉大尉入りたまえ」
「すみませんねぇ」
「・・・君、こんな性格だったけ?」
「あ、すいません。つい普段の口調で喋っちゃって・・・」
「いや、気にしてないから。じゃあ、源一郎、俺はここで・・・」
「ああ、じゃあな」
ガチャ・・・・・・・・・
「サブロウタだな?・・・」
「はい、そうすっよ。」
「ふっ、そのノリやっぱりお前だな。ところで、状況はわかるな?」
「俺は、過去に戻ったまたはそれに近い状況だと思ってるんですけど、どうすか?」
「俺も同じだ。まったく、人生をやり直す機会を得るなど俺らはなんと運がいいんだ」
「ないものねだりしても仕方ないけどどうせなら肉体も込みがよかったっすよ・・・
せっかく伸ばしたロン毛が・・・それに鍛えられてるし・・・まあ月臣中佐はこの頃から強かったからいいっすけど・・・」
「まあ、贅沢言うな・・・それに・・・俺たちの肉体が5年後のものだったら、テンカワも同じな可能性が高い・・・
そうならあいつは志半ばで死ぬだろう・・・ヤツにとっちゃ生死のかかった問題なんだぞ・・・」
「なっ!?テンカワさんってそんなにやばかったんすか!?」
「・・・ああ・・・安静にしていても長くて三年だったそうだ・・・
それなのにあいつは、復讐に命を無駄に使って・・・
ましてや・・・」
「・・・ましてや?」
「・・・やつの目にミスマル・ユリカは写ってなかった・・・
やつの目にあったのは、復讐と殺人の喜びとそれに対する後悔のみ・・・
むしろ、ホシノ・ルリのほうが写っていたと見えた・・・」
「奥さんなのに写ってなかったなんて・・・
テンカワさんって最悪ですね・・・」
「・・・ほとんど場の勢いでくっつけられたそうだ・・・
貴様もナデシコに乗ったのならなでしこクルーの場の勢いの恐ろしさはわかるだろう?
それとも、それに逆らえるのか?お前は?
第一それなら貴様はそれ以下だと思うが・・・」
「へっ?」
「貴様にも2年前いや、逆行してきたから7年前か・・・
そのときに約束を交わした娘がいただろう。貴様はこのときまじめだったからな。
それにもかかわらず7年ほうりっぱなしでスバル・リョーコと付き合ってただろ?」
「・・・え〜とその娘は?」
「ふっ、後は自分で思い出すんだな・・・責任を感じてるなら・・・」
「・・・わかりました・・・自分で思い出して見せます・・・」
「ふっ、7年経っても本質は変わらんな・・・
・・・話を戻そう・・・とりあえず俺たちにできることは今ない・・・
あるとしたら体を鍛えるだけだ。よって、俺たちは優人部隊が本格に活動を開始するまで、
出来るだけ前と同じように行動し、暇があれば体を鍛える。
まあ、お前が俺に関わりやすいように俺はなるべくするつもりだが・・・
わかったな?」
「ええ、わかりました」
「それと俺の決意を言わせてもらう・・・
二度とあんな未来にはさせん!
」
「俺も同じです・・・
まあ、暇がある今はさっき行ってた娘を探すのが当面の目的ですけどね・・・
もちろん、俺も体を鍛えるつもりですが・・・」
「まったく、お前は・・・まあ、いいだろう・・・
体を鍛えるのは鍛える時間が重なったら俺と一緒にやれ。
ネルガルのシークレットサービスしていたときに木連式柔術以外の体術も教わったからそれも教えてやろう。
とりあえずテンカワに対抗できるくらいにしてやろう・・・」
「・・・出来ますかね?」
「それはお前しだいだ。・・・やめるか?」
「冗談。やるに決まってますよ。多くて6人少なくて2人の人数で運命に抗うんですからそれくらい出来ないと」
「ふっ・・・ならば徹底的に鍛えてやろう。
やるぞ」
「はい」
・
・
・
こうして逆行者たちはそれぞれの思いを秘め運命に抗うことを決めたのだった・・・
・・・・・・ちょうどその日が終わろうとする頃・・・土星に逆行者たちとは異なる・・・
歴史の修正力さえも効かぬほどの力を持ったイレギュラーが現れたがその時の逆行者たちには知るよしもなかった・・・
こうして逆行者たちはしばし平和な日常を営むのであった・・・
・・・と思いきや・・・
地球側には一つのちょいとビッグな事件が起こった・・・
それは・・・
―ルリ―
突然ですが私、変な夢を見ています。それは・・・
「おお〜い。ルリちゃ〜ん」
私の方へ駆けて来るアキトさん・・・
私は元気よく返事します。
「ここですよ〜。アキトさ〜ん」
その声を聞いてアキトさんがこちらに駆けてきます・・・
そして・・・
「ここにいたのか、ルリちゃん」
「アキトさん・・・」
「ルリちゃん・・・」
そういいつつ私たちは距離を詰めていきます。そして抱き合おうとしようと・・・
って、アレ?・・・
何故かアキトさんは私を避けました。そして私が振り返ると・・・
そこには、過去の・・・ていうか現在の私がいました・・・
「な、なぜ私が二人も・・・」
私がそういうとアキトさんは・・・
「は?確かに君はルリちゃんに似てるけどルリちゃんが急にそんなに大きくなるわけないでしょ。」
そう言われて私は自分の顔を鏡で見ます・・・
するとそこに移ったのは逆行する前の私でした・・・
驚く私そしてさらに
「ルリちゃん・・・」
後ろから妙にダークトーンな声がかかり振り替えると・・・
「ルリちゃん・・・何故か復讐をしていたときの体に戻ちゃったんだ・・・
・・・しかも・・・」
そこにいたのは闇の王子のアキトさんでした・・・
あわてて話しかけようとしますがそれより早くアキトさんは話の続きを話し出しました・・・
「・・・しかも・・・容態が悪化しているんだ・・・
腕ももう動かない・・・あと30分もしないうちに俺は死ぬだろう・・・すまない・・・」
アキトさんはそういい終わると倒れてしまいました・・・
あわてて体を起こそうとしますが・・・
「そんな・・・息・・・してない」
・
・
・
「そんな、結婚するって言ったのに・・・こんなの・・・こんなの・・・
イヤアァァァ〜〜〜
」
・
・
・
私がそう叫んだところで夢は終わり、私は目を覚ましました・・・
外を見ると朝になってました。
「まったく・・・やな夢ですね・・・本当だったらなんて考えたくもありませんね・・・
ん?なんか背が伸びたような・・・それに服がきつい・・・」
・・・・・・・・・・・
「イヤアァァァ〜〜〜」
ーアキト―
仕込みのために俺とサイゾウさんは早起きしていた・・・
するとそこに電話がかかってきた・・・
サイゾウさんは手が離せそうにないので俺が変わりにとる。すると・・・
「はい、もしもし」
「アキトさん!体が・・・体がぁ!」
「ル、ルリちゃんどうしたんだ!?お、おちつけ!」
「すっ、すいません。でもその様子だとアキトさんは大丈夫なようですね・・・
でも、落ち着いて考えてみると服が変わってなかった時点で成長しただけとも考えられましたね・・・
すいません、アキトさん・・・取り乱しちゃって・・・」
「いや、何があったかわからないんだけど、話してくれない?」
「あ、すいません。・・・実は、体が16歳のときのものに・・・」
「何ですと!」
「はい。でもアキトさんが無事となると・・・もしかして・・・」
「・・・もしかして?」
「すいません。確証をとってから、また後で連絡します。それじゃ・・・」
「でも、体が急成長したとなると、研究者に1日は調べられると思うけど・・・」
「あ、それなら平気です。細胞の一部と血液と髪の毛を少々サンプルにとられただけです。
定期検査は少なくとも今日はしないそうです。まあ、こういう状況で検査をすぐするなんて普通しないでしょうし・・・」
「確かに・・・」
「アキトさんがそのままで、私が16歳の肉体になったのはうれしい限りです。
年齢は11のままですがこれならアキトさんがロリコン扱いされませんし・・・」
「・・・確かに・・・」
「それじゃ・・・」
「ああ」
・・・・・・
外道の同類になった俺でもロリコンにはなりたくないな・・・
これは確かに都合のいいアクシデントかもしれん・・・
―ルリ―
さてと・・・
ハーリー君とラピスに連絡を、っと・・・もう来てますね・・・
「「ルリ姉(さん)!私(僕)の体が11歳の頃に戻ちゃってる(んですけど)!」」
「・・・やはり、マシンチャイルド全員ですか・・・
それにしても・・・二人とも見事にシンクロしちゃって・・・お似合いですよ・・・付き合ったらどうです?」
「そそそ、そんな!僕は・・・」
「付き合うって何?」
「男女交際とか交際で調べてみてください。
それでは、本題に移りましょう。ハーリー君。あなたはこの現象についてどう思いますか?」
「そんな選べだなんて〜・・・
・・・すみません・・・とりあえず僕の考えは、記憶にあった5年後のハッキング時のナノマシン操作の感覚に
体内のマシンチャイルド特有のオペレーター用のナノマシンが近づこうとした結果、体を成長させるのが最もいい選択と判断したせいだと思います」
「ふむ・・・私と同じ考えですか・・・ラピスはどう思います?」
「多分それかな・・・」
「他に考えられる要素は?」
「考えられる要素はたくさんありますが、服が寝たときのままということから成長の類に絞ることは出来ます」
「それで十分ですね」
「まあ、私とラピスは研究者が馬鹿ばっかですし大丈夫でしょう。
ハーリー君はまあ適当にごまかしちゃってください。それじゃ」
「じゃあねルリ姉、ハーリー」
「えっ、ちょっと二人とも!」
「ハリ。どうしたの?朝から騒いでって・・・あなた誰!?」
「あ、その僕は・・・」
・・・その後、何とか本人と認識させたらしい・・・
認識したらしたらで即行で病院に連れて行かれたが・・・
ちなみにルリとラピスはおかげでしばらく人体実験されなくてすんだらしい・・・
あとがき
ふう・・・
自分で書いてて書いてる人の苦労がよくわかるようになりました・・・
それにしても2話こそ少しでもキャラを交わらさないと・・・
頭にアイデアは浮かんでくるのに手が追いつかない・・・
すでに10話くらい綿密なプランたててあるのに・・・
管理人の感想
ラミアスさんからの投稿です。
マシンチャイルドだけが元の身体に戻るとは、不思議ですね?
月臣とサブロウタも、色々と木連内で暗躍をしそうですし。
この逆行者御一行と、スパロボチームがどうやって出逢うのか楽しみですね。