時と次元を超えし者
第4話「闇とムネタケ騒動」




―アキトとルリの愛の巣(笑)―

「予想外のイレギュラーばかりですね・・・」
「・・・ああ・・・バッタが怖いと思ったことはあったが強いと思うなんて初めてだよ・・・昔は単純に怖いと思ってただけだったし・・・」
「データを見ましたがバッタ自体の能力は変わってませんでした・・・
下手な鉄砲数撃ちゃ当たるって事ですね・・・」
「そして・・・あの人たちも・・・」
「・・・あの人たちに関してはかなり重大なイレギュラーです・・・あの機体に使われている技術は、
ネルガル、クリムゾン、明日香のどれにも当てはまりません・・・
戦闘の映像を見る限りでも飛行するのにバーニア以外のものも使われているようですし・・・
ただ、わかったのはあの機体の操作ははマニュアルのようです」
「・・・ここまでイレギュラーが起きるとむしろこれだけわかっただけでも
たいしたもんだと思えるよ・・・」
「・・・アキトさん・・・どうしたんです?」
「・・・何が?」
「様子が変ですよ。戦闘が終了してから・・・」
「・・・ばれてた?」
「ええ・・・何か、暗いというか自分を許せないとかそんなこと考えてる目でした・・・」
「・・・そこまでばれていたか・・・
・・・ルリちゃんと一緒になることはお互いが望んだことだから安心できた・・・だが・・・」
「・・・だが?」
「・・・俺はナデシコに乗っていい人間なのか?・・・ってな・・・」
「アキトさん・・・あなたは乗るって決めたじゃないですか・・・」
「・・・それとは違うんだ・・・それは自分の意思・・・周りがどう思ってるかとは違う・・・
・・・もといた世界の草壁はどう思ってるのかなあ?・・・
自分がやろうとしたことを止めようとした男が自分以上のエゴ持ち、
それを実行しようと思っている・・・きっとこう言うだろうさ・・・
 『所詮、貴様も私と同じではないか?自分の望んだ世界を作ろうとするなど・・・』・・・ってね・・・」
「アキトさん!」
「それに皆だって・・・俺が襲撃したコロニーにはみんなの知り合いもいたはずなんだ・・・
・・・俺は免罪符が欲しいだけなのかもしれない・・・
前に助けられなかった皆を助けられたって言う・・・」
「アキトさん!あなたは自分の意思で乗ることを決めたんです!
だから・・・誰かにどうこう言われようと関係ないじゃないですか!
少なくとも私はどうこう言われようとそれが正しいからとかどうであれ自分の判断で決めます!
だからアキトさんも・・・」
「・・・そうかもしれない・・・」
「・・・アキトさん・・・私の意見に従うだけじゃ駄目ですよ・・・
だから完全な決意をしたときはちゃんとした理由も言ってくださいね・・・」
「・・・少しじゃないかもしれないが時間をくれ・・・」
「・・・わかりました・・・でも・・・もし、ちゃんとした理由のある答えが出なかったら・・・
絶対に許しませんからね!!
「・・・ああ・・・」
・・・・・・


―食堂―

「さて、確かテンカワとエルザムだったね?」
「「はい」」
アキトとエルザムは食堂にいた。
料理人としての腕を確かめるためにホウメイが呼んだのだ。
ちなみにゼンガーたちも来ている。
ゼンガーは本来、保安の指導をゴートに受けなければならないのだがプロスとゴートが相談しているので
時間つぶしに来ている。
「あたしがここの料理長のリュウ・ホウメイだ。これからきつくしごいてやるから覚悟しとくんだね。でこっちが・・・」
「サユリです」
「ジュンコです」
「ハルミです」
「ミカコです」
「エリです」
「よろしく」ニコ
・・・テンカワスマイル炸裂・・・
ホウメイガールズは全滅した・・・
「「「「「こ、こちらこそよろしく」」」」」
ちなみにルリも食堂にいたが・・・
(ふふ・・・もう、アキトさん。その笑顔は犯罪ですよ・・・
ですがもうアキトさんは私のものですから・・・
ユリカさん、メグミさん、ホウメイガールズの皆さん・・・せいぜい私をうらやんでください・・・)
・・・などと思っていた・・・うーん、ブラック・・・
「はは。にぎやかな職場ですな」
このような状況に慣れているので動じないエルザム・・・
・・・ある意味大物だ・・・
「まあね。とりあえず、得意分野はなんだい?」
「俺は中華です」
「私は・・・一応どれも出来ますが」
「じゃあ、テンカワ、あんたなんか作ってみな」
「はい。じゃあチャーハン作りますね」
アキトはチャーハンを作っている最中、
(3年以上ブランクあるからな・・・大丈夫かな・・・)
と思っていた。
一方、エルザムとホウメイは
(ふむ・・・なかなかだな・・・)
(手馴れてるけどブランクが大きいって感じだね・・・この手のタイプは暗い過去持ちが多いんだけどね・・・)
と思っていた。
そして・・・
「出来ました」
「早速味見させてもらうよ」
出来立てのチャーハンを口に運ぶホウメイ・・・さて・・・結果は・・・
「合格だね。店出しても平気な味だよ。・・・ただね・・・」
「・・・ただ?」
「ブランクのある味だね。店出すにしろ確実にもっと上の味出せるんだから出せるようになってからにしな」
「そうですか・・・」
「ああ・・・ところでテンカワ?」
「はい。何ですか?」
「あんた前にあたしの料理食ったことないかい?なんか・・・こう・・・あたしの味に似てるんだよね・・・」
(うっ、料理はいいがこれは不味い!)
「ぐ、偶然ですよ」
(わかりやすいね)
「まあ・・・そういうことにしといてあげるよ・・・ただ・・・話せるときがきたら話すんだよ・・・」
(・・・思いっきりばれてる・・・)
(アキトさん・・・うそが下手すぎです・・・)
「・・・わかりました・・・」

「さて、次はエルザム。あんたの番だよ」
「私は、何にしましょう?」
「任せるけど」
「・・・じゃあフレンチにしますね」
そういうとエルザムは食材を見て、その中から数種選び何か作り始めた。
アキトとホウメイ、そしてルリは、
(いったい何を作る気なんだろう?)
(あれだけでフランス料理を作る気とは・・・すなわち、高級食材等でごまかす気はないということだろうね・・・
これは期待できそうだね・・・)
アキトとホウメイは料理人としてのエルザムとエルザムの作る料理について考えているようだ・・・
(まさかアキトさんの近くに調べる必要のある人物の一人が来るとは・・・
偶然?それとも狙っていたのでしょうか?)
ルリはイレギュラーとしてのエルザムについて考えているようだ・・・
そして・・・
「こんなものでよろしかったでしょうか?」
エルザムの料理は完成した。
それはどう見てもさっきの食材から作ったとは思えないすばらしい外見だった・・・
(どうやったらこんな外見になるんだ・・・)
(こりゃあ・・・できるね。だけど問題は味だね・・・)
(ある意味ユリカさんの料理と同じですね・・・食材に不釣合いな料理になるなんて・・・)
とアキト、ホウメイ、ルリ・・・
ちなみにゼンガーとギリアムは
(腕を上げたな・・・だが・・・)
(見た目はいい・・・だが・・・)
((たまに故意に味はレオナやクスハ以上なのに見た目とにおいがうまそうというとんでもないものを作るからな・・・))
と彼の裏の顔を思い浮かべていた・・・
一方調理場は
「・・・勝負・・・」
「・・・来い・・・」
・・・何故か決闘風なやり取りで試食が始まっていた・・・
そして・・・
「やるね・・・仕事するときあたしの指示はいらないね」
「どうも」
どうやらかなりよかったようだ。
「どうだったんですか?」
結果を聞くアキト・・・
「自分で食べてみな・・・」
ホウメイがそういったので自分で食べてみるアキトすると・・・
「・・・うまい・・・」
うまかったようだ。
ちなみに料理のあまりは
「捨てるのもったいないから食堂に今いるヤツラで食べな」
とホウメイが行ったので食堂の皆で食べることにした。
しかし、ゼンガーがエルザムの料理を食べると・・・
「ぐッ!?」
卒倒した・・・
その様子を見たギリアムは・・・
「エルザム・・・お前料理に酒使っただろ・・・」
「ふっ・・・ただのお茶目ないたずらだよ・・・
はははははは
・・・・・・
このとき食堂にいたものはエルザムの恐ろしさを思い知ったのだった・・・


―ブリッジ―

ブリッジにはブリッジクルーはもちろん、エステバリスパイロット、エステ以外のパイロット代表として
エルザムとゼンガーとクルーの主要メンバーが集められていた・・・
「さて、ここで重大発表です。今までナデシコの目的地を明らかにしなかったのは、妨害者の目を欺く必要があったためです」
なにやら話を始めるプロス。
「ネルガルがわざわざ独自に戦艦を建造した目的は別にあります」
「我々の目的は火星だ!」
フクベが言う。
「ちょっと、待ってください!これだけのものを人を守る以外のことに使うなんて・・・」
とジュンが反論するがエルザムがそれをとめる。
「えーと・・・君は・・・」
「アオイ・ジュンです。副長やってます」
「では、アオイ副長。確かに君の言うとおりこの戦艦を人を守ることに使えば確かに多くの命を救えるだろう・・・」
「だったら!」
「しかし、ここは軍ではない・・・会社であり、ナデシコはその会社のものなのだ!
故に会社としては自分の利益のために使うというのが当然だ。
そして人助けよりも金を稼ぐ方法があるならそちらをする・・・
それが会社というものだ・・・それを知りたまえ・・・」
「・・・」
現実を突きつけられたジュンは黙ってしまう・・・
「・・・事実なだけに耳の痛い話ですな・・・まあ、火星に生き残った方がいたら助けるつもりですし
一概にただネルガルの私腹を肥やすためとは言えないんですがね」
聞いていたプロスが言うと、
「・・・ただのついででしょう・・・ところで、目的地が火星となるとネルガルの利益になるものが火星にあるということですよね?
これに関してはよい返事を下さらないと皆さん納得できないと思いますよ」
すかさず仕掛けるエルザム・・・
「あいたた・・・エルザムさんにはかないませんね・・・そう答えないとわが社は無能となってしまうじゃあ〜りませんか・・・」
そう言いつつ顔を隠したまねをするプロス。
「じゃあ!いったい何なんです!?その利益になるものは!?」
ジュンはそう怒鳴る。
「アオイさん。それは企業秘密というものですよ。エルザムさんが私に言わせたことでもかなりの秘密といえますし・・・
とりあえず・・・言葉巧みに皆さんをスカウトし、その結果がこれだったということに関しては謝らせて頂きます」
そうプロスが言うがジュンはまだ納得できないような顔つきだ・・・
他の人たちはというと・・・
「・・・一応人助けもできるんだしかまいませんよ」
「それに火星に行ったついでにキョアック星人どもを倒しちまえば結果的に人助けになる・・・
企業に踊らされながらも悪を倒し、人助けをするヒーロー・・・
くぅぅ〜燃えるぜ〜〜!!」
とメグミとガイ。
「我々はそれくらい知っていましたから。ねぇ、アキトさん」
「そうだね・・・ルリちゃん」
とバカップル・・・
「まあ、普通の職場じゃないんだしぃ、面白いことには変わりなさそうね」
「ふっ・・・犯罪でもするんじゃないし、まあ・・・いいだろう・・・」
とミナトとゼンガー。
「火星・・・私の故郷・・・」
「・・・言ってみてなんだが火星か・・・だが行かねばならん・・・答えを出すためにも・・・」
とユリカとフクベ。
「仕事だからなミスター・・・」
「ええ・・・あなたはどう思いますか?エルザムさん」
「私も同じですよ」
とゴート、プロス、エルザム。
「ふむ・・・どうやら、アオイさん以外の方は特に反対意見を述べる方はいないようですし・・・決まりですな・・・
では艦長。号令を」
「わかりました。起動戦艦ナデシコ!!火星に向けてしゅ「そうはいかないわ!!」はい?」
すっかり無視されていたムネタケが叫ぶ。
そしてそれを号令としてかブリッジに武装した兵士がなだれ込んでくる。
ちなみにムネタケはさっきから叫んでいたのだが完全に無視されていた。
無論そのようなことが今まで書かれていなかったのは作者もムネタケを無視していたからである・・・
「血迷ったか!?宗男!!」
「ムネタケよ!ともかくナデシコは軍がいただ(ザシュ)・・・・・・ギャー!」
ムネタケが悲鳴を上げる・・・
見るとゼンガーがムネタケの頭を刀で丸坊主にしていた・・・
「ああ!!!私のマッシュルームヘアーが!!!」
と叫ぶムネタケ。
・・・自覚してたんだな・・・その頭・・・
一方ゼンガーはそんなことを無視してブリッジの兵士の武装や服を切っていく・・・
そして・・・
「また・・・つまらぬものを斬ってしまった・・・」
そういった瞬間、兵士の銃や服はばらばらになった。
「終わりですな・・・副提督・・・いえ、オカマキノコさん・・・いや、ハゲですからハゲオカマさんですな・・・」
プロスがそういうがハゲオカマは
「ふ、ふん。だ、黙りなさい!食堂と格納庫は占拠したわ!
これ以上抵抗すると人質の命はないわよ!」
「何!?」
「ふふ・・・わかったら降参しなさい」
「ん?食堂と・・・格納庫?・・・いかん・・・死人でてるかも・・・
すまんが格納庫の映像を!」
何か思い出したエルザムが映像を出すように言う。
「いいわ。見せてあげましょう。でも、向かわせた部下は気が荒いからねぇ・・・
死人出てても知らないわよ・・・
見たらさっさと降参なさい。ホーッホッホッホ」
そう高笑いするハゲオカマだったが・・・
格納庫の映像を見て固まった。そこに移ってたのは・・・


・・・そこは焼け野原だった・・・
そしてそこには顔がボコボコになって気絶している兵士、急所を突かれ気絶している兵士・・・ボロ雑巾になってる兵士・・・墨になってる兵士
肩身狭そうにそれを縛っているギリアム、ラトゥーニ、イサム、ガルド・・・そして・・・
「ヒャハッハッハ!てめえの作った武器強力だな、ロブ!」
「ハッハハハ!だろ!?だがてめえのもかなりのもんだぜ!マイ同士ウリバタケ!」

とメガネに狂気を宿らせ重火器を乱射しているウリバタケとオオミヤ・・・
「やはりな・・・マッドエンジニア2人とあの4人が1箇所に集まっているところに攻撃を仕掛けるとは・・・
どれか2人だけでもかなり手ごわいのに・・・」
「エ、エルザムさん!?こ、これは!?」
プロスが聞くと・・・
「・・・オオミヤ博士がウリバタケさんに勝負を申し込んでたでしょう・・・
おそらくその過程で作った武器で迎撃したんでしょうね・・・
そうでないといくらあの4人がいても焼け野原までできませんから・・・」
「え!?・・・もしかして他の4人も・・・?」
「・・・ええ・・・ラトゥーニだけでもAランクのSPに相当する実力を持ってるんですよ・・・
ガルドとイサムはけんかが強いし・・・ギリアムにいたっては先読みの達人でして・・・」
「なんと・・・」
唖然とするプロス・・・一方ゴートは
「むぅ・・・ラトゥーニは反則ではないか?あの外見であの強さは・・・」
なんか微妙なとこ突いてるし・・・
が、
「あんたたち・・・食堂は?」
なんか脱力しているハゲオカマが言う。
「あ・・・忘れてた」
こうして結局あっけなくつかまってしまった・・・
そしてさらにルリが・・・
「・・・あのう・・・大変言いにくいのですが・・・前方に宇宙軍のトビウメがいるのですが・・・
クロッカスとパンジーも・・・通信もきてますけど・・・」
ドンパチやってるうちにトビウメは浮上していた・・・
「え゛!?・・・つなげちゃってください・・・」
拍子抜けするユリカだがすぐにつなぐように言う。
ルリとジュンは耳をふさぐ・・・アキトは騒動のせいで耳をふさぐのを忘れている・・・そして・・・

「ユゥゥゥリィィィクゥゥゥワァァァ!!!」
「おとぉぉぉぉうぅぅぅぅすぅぅぅわぁぁぁまぁぁぁ!!!」



ミスマル一族の伝家の宝刀ミスマルシャウト炸裂!
カイゼルヘアーのパパは無視されたから、ユリカはアキトが結婚していたショックをここで解消せんがためか前より声がでかい。
でかすぎてジュンとルリの耳栓も砕け散る・・・ライディーンのゴッドボイスも顔負けだ・・・
結局原因となった二人以外全滅してしまった・・・


「で・・・ミスマル提督、何の用でしょうか?こちらも取り込んでおりまして・・・
ま・さ・か、艦・長・に・会・い・に・き・た・とかでは・あ・り・ま・せ・ん・よ・ね!?」
かなり切れているプロス・・・
それにしても5分で復活するとはさすがだ・・・ハゲオカマ一味は気絶しているが・・・
「ギクゥ・・・そそそそ、そんなことはななない!われわれはナデシコを徴収しに来たのだ!(ユリカに会うついでに・・・)」
「契約違反ですなぁ・・・ちゃんと許可は取りましたし・・・
まあ、これからそっちで交渉してあげましょうかね・・・あげましょうかねぇ〜」
「あげましょうかねだと!?ミスタープロス!どういうつもりだ!?」
プロスの言い方に面子を守るためコウイチロウが言う。
「実は、ムネタケ副提督がこちらに無礼を働きましてね。その分ですよ・・・で、交渉して欲しいですか?」
「ク・・・お願いします。ただし!艦長であるユリカとマスターキーもこっちに来てもらおう!ユリカ、マスターキーを抜きなさい」
「は〜〜い」
ユリカがマスターキーを抜こうとしたそのとき・・・カチャ
エルザムがユリカに銃を突きつけた・・・
「「ユ、ユリカ!」」
あわてるジュンとコウイチロウ。
「エ、エルザムさん。事を荒立てるのは・・・」
プロスがそういうがエルザムは
「まあまあ、ミスタープロス。よく考えてみてください。交渉するのはあなたですよ。
つまり、今マスターキーを艦長に抜かせる命令をする権利があるのはあなたです。あのサリーちゃんパパには一切ありません。
そして、艦長は私的にマスターキーを抜こうとした・・・つまり裏切り・・・契約違反・・・
つまり、しかるべき処置としてこれぐらいはできるでしょう」
「た、確かに・・・」
納得するプロスにエルザムは続ける。
「しかも、向こうは不本意ながらこちらにお願いして交渉することになったんですよ。
だから交渉状態はこちらが出せるですから」
「・・・なるほど。では、ミスマル提督交渉状態をどのようにするか考えるので少々お待ちを」
「オ、オイ・・・」
「今言ったように交渉の優位はこちらにあります。拒否は認めません。最も交渉自体を破棄するなら別ですが」
「ク・・・わかった・・・」
そして相談の結果は

場所―トビウメ ナデシコ出席者―プロス、エルザム、ユリカ、ジュン 
ナデシコの状況―マスターキーは入れたまま

となった。


ほんでもって
―食堂―
クルーは閉じ込められていた・・・
ハゲオカマの処理を忘れていたのだ・・・
さすがに忘れていたせいでこれとなると皆やる気も失せる・・・
「どうした!皆、暗いぞ!俺が元気の出る物を見せてやる!」
一人だけうるさいのがいたが・・・
一方アキトとルリは
「いや〜キノコをはげにしてくれたのはよかったけど結果的にかなりシナリオずれちゃったよ・・・」
「確かにキノコをハゲにしたのは評価できますがちょっと・・・
にしてもエルザムさんはプロスさんより厄介かもしれませんね・・・
オオミヤさんは腕は確かなようですからプラスですけど・・・」
などと相談していたが
「アキトさん(ルリルリ)、何は話してるんですか(してるの)?」
とメグミとミナトが入ってきたのだった・・・
「ねえ、ルリルリ。アキト君とはいつから付き合ってたの?」
いきなりそんなことを聞くミナト。
「会ったのは5年前ですけど、意識し始めたのは2,3年前ですかね」
それを聞いてメグミは
(クッ・・・結構長い・・・だけど)
「アキトさん。ルリちゃんは11歳って聞きましたけど・・・」
とうまくかけようとするが
「ああ、年齢なら最近大丈夫になったし、それに・・・(それにどうせルリちゃん、実年齢16だし)」
「それに・・・何?」
「秘密です。それよりこの状況に着いて話しませんか?」
「そうねぇ。この状況結構面白いしぃ」
話の話題を変えられてしまった。
しかし、聞き耳を立てていたヤツラによりアキトロリコン疑惑が出来てしまったという・・・
16でもまだやはりロリは抜けてないようだ・・・

そんなことやってるうちにヤマダによるゲキガンガー上映会が始まったのだが・・・
「何だコリャ?ゲッターロボか?」
「いや、コンバトラーだろ」
「・・・ダイターンだと思います」
「武器からするとマジンガーだが・・・」
「パクリだなこりゃ」
と格納庫にいた5人が思いっきり知り合いのロボのパクリと認識してしまう。
ちなみにゼンガーは
(・・・俺も言いたいが俺の機体も人の事が言えん・・・)
そして・・・
「ぬぅわぁんどぅぅわってぇぇぇい!!!」
その言葉に切れるヤマダ。
「貴様らの根性たたきなおしてやらぁぁぁ!!」

これを火付けに他のクルーも奮起・・・
熱血だとか萌だとか・・・義理や人情やらと変なものも混じったハゲオカマ一味への反乱に発展した・・・
このような反乱によりブリッジ以外のハゲオカマ一味はギャグ的に全滅した・・・
ブリッジへはゴートとゼンガーが突入したのだが・・・
「ここまでだな・・・ハゲオカマ・・・」
「おとなしくしろ。貴様の行動が独断なのはわかっている。ここで捕えれば貴様は終わりだ」
ごっつい男二人が言う。
しかし・・・
「あれ?二人ともどうしたの?」
「え゛?」
「あ゛?」
そこにいたのはイルイだった・・・
「どうしたの?」
「ハゲオカマは?」
そう聞くゴート。
「そこ」
そうイルイが指差した先にはヨダレを出して気絶しているムネタケがいた・・・他の部下も同様に気絶している・・・
ムネタケだけは曲がるべきところでないところで体が曲がっていたり、骨が折れてたりするところがあり四角にかためられている・・・
「・・・えーと・・・君、何か知ってるかね?」
イルイにそう聞くゴート。
「私がついカッとなって殺りました」
無論ムネタケは生きてるので軽い冗談である・・・
でも怖い・・・
そういいつつ笑うイルイ・・・微妙に悪いことをエクセレンが考えたときのスマイルになっている・・・
「・・・」
「・・・」
無言の静寂・・・
その中でゼンガーとゴートは・・・
(なっ!?これはエクセレンが変なことを考えてるときの笑み・・・
エクセレンの野郎!!イルイを毒しやがったな!!
・・・だがそれだけではなさそうだな・・・エルザムに聞いといたほうがいいなこれは・・・)
(むぅ・・・こっちも物理的ガードが硬いのか・・・残りはホシノか・・・成長しすぎであまり俺好みでないのだが・・・)
ゴート!!てめぇ、保安部としての立場はどうした!!

「とりあえずゼンガー・・・私がいないの気づいてよね・・・人質にとられてるのに・・・」
「む・・・すまん・・・」
まあ、なにはともあれゴートは
「何が起こったかはわからんがムネタケは抑えたほかのヤツラも観念しろ・・・・」
そう艦内放送で言う。
・・・といっても他もとうに全滅している・・・
「・・・ムネタケ達を艦の外に出す・・・」
ゴートはそうゼンガーに言う・・・
「ああ・・・」
「・・・それとイルイについても後で話してもらうぞ・・・」
こうしてとりあえずムネタケ一味は全滅した・・・
少しの静寂を残して・・・

そしてムネタケ一味がやられた頃・・・海底のチューリップが起動した・・・


―トビウメ―
「ミスマル提督!付近の海底にあったチューリップが起動しています!しかも、クロッカスとパンジーが!」
「何!?」
部下の報告を効いて軍人の顔になるコウイチロウ(さっきまでユリカがいたのでまじめに交渉してなかった)
「これはいけませんな・・・」
「ええ・・・ナデシコに戻りましょう」
とプロスとエルザム。
「ほら、艦長戻りますよ」
「え?はい」
プロスに言われゆっくりと起き上がろうとするユリカだが・・・
「私が担ぎましょう」
とエルザムに担がれてしまった・・・
そして・・・
「た、ただいま・・・あれ?ハゲオカマさんは?」
そのままブリッジに帰還した・・・
ちなみにルリ達はもう所定の位置に着いている。
「先ほど撃退しました。・・・それとラトゥーニさんが行方不明です」
実はラトゥーニはどさくさにまぎれてロリコンどもに拉致られていた・・・
緊急事態というのに・・・
「えっ!?そうですか・・・と、とりあえず戦闘準備」
「了解。ラトゥーニさんとゼンガーさんとエルザムさん以外のパイロットはすでに出撃しました」
「他に報告事項は?」
「クロッカスとパンジーがチューリップに飲まれました・・・」
・・・・・・


―出撃パイロットサイド―
「オイ!軍の艦がでかいのに飲まれちまったぞ!」
「・・・おそらく助からないだろう・・・」
「おのれキョアック星人め〜!覚悟しろ!」
とイサム、ガルド、ヤマダ。
「ガイ。お前陸戦フレームだからちょっと危ないと思うぞ・・・」
アキトは空戦で、ヤマダは陸戦で出撃している。
無論アキトは先がわかっているからである。
「ならばアキト!お前の『却下する』なにぃぃぃ!?」
「ドッキングする気だろう?戦力が減るだけだ。ドッキングしたからってパワーが上がるわけでもない」
「アキト!貴様には熱血というものがないのか!?」
「熱血もいいが生き残らなくちゃな・・・それくらいわかるだろ?」
「私の先見でもこれは無駄だと出ている」
「クッ・・・」
口々に反対意見を出されたヤマダは反論する余地がない。
そうこうしているうちにチューリップはこちらに気づいたらしく、敵を吐き出し始めた。
(また、前とパターンが違うな・・・前は先に触手でやってきたのに・・・まあいい・・・これくらいの数ならエステでも問題ないだろう・・・
ていうかサレナでもないのにあの数はやばすぎだ。エステじゃ装甲が薄いし・・・
ていうか、エステが俺についていけないから動かしづらい・・・ウリバタケさんに頼むか・・・
おっと、それではさっきの借りを返すか)
「ここは俺に任せてください」
アキトはそう言うと向かってきたバッタに向かってライフルを撃つ。
弾はバッタに当たりバッタは爆発する。
「ああ!アキトてめえだけずるいぞ!よし俺も」
「へっ、てめらばかりにいいカッコさせっかよ」
「戦闘開始だ・・・」
「行くぞ!」
それを合図とばかりに他のものも戦闘を開始する。
こうなるともう止まらない。
ヤマダが突撃して攻撃し、アキトがヤマダの援護を行いつつ他も攻撃、
ギリアムは各個撃破、イサムとガルドは取り残しを主にし戦闘開始位置からほとんど敵を進ませない。
ヤマダがあれだけに他の者がフォローしないといけないのが見事なコンビネーションを生み出している・・・
すぐに敵はバラバラになった・・・
ここでさらに各個撃破を続ければよいのだがヤマダとイサムが
「へっ、あらかた片付いたし、残りはボスだけだ!覚悟しろ!」
「あ、テメェ!抜け駆けするんじゃねぇ!」
と先走るのでそうもいかない・・・
「ふう・・・まったく困ったものだ・・・」
「ああ・・・ところでテンカワ君。君なかなかやるじゃないか」
「いや、まだまだですよ・・・」
「ふっ・・・まだまだ全力ではない・・・だろ?」
「!」
ギリアムの言葉に驚愕するアキト。
「・・・さて、2人の援護に行くとするか・・・」
「・・・・・・」


さて、援護に来た3人はあきれていた。
触手はすでに倒されたようだが2人は・・・
「うおぉぉぉ!!」
「オラオラ、オラ!」
チューリップを殴っていた・・・
しかも・・・あんまし効いてない・・・
「・・・なあ?破壊するのにどれだけかかるかなぁ・・・」
「・・・知らん・・・」
「なんか・・・先が不安になってきた・・・ていうか不安な未来が見える・・・」
もはや気力が50な3人・・・
とそこに
「皆さんご苦労様です。後はナデシコに任せてください。アキトさん、無事ですか?」
「アキト!大丈夫だった〜?」
「ふっ・・・もちろんさ・・・ルリちゃん・・・2度はないよ・・・」
「ぽっ」
・・・
「ええ〜ん!アキトがユリカを無視した〜〜!」

まあ何はともあれこの後ナデシコがチューリップ内部からグラビティブラストを放ち戦闘は終了した。
なお、チューリップを殴っていた2人は無視されチューリップ撃墜時の爆発にちょっぴり巻き込まれたという・・・






あとがき

え?イルイのあれは無茶がありますか?まあ、いいじゃないですか。もっと無茶な手を打つつもりですし(オイ)
まあ何故あんなふうになったかは次の話に書きます・・・
それとスパロボ側は暗躍系で行きたいと思います。
だって、普通にお人よし発揮したらすぐ終っちゃいそうですし・・・