機動戦艦ナデシコ The Original Story
「━━━━これが例の実験機です」
白衣を着た30歳前後の技術者を始め、数名の人物が搬入された灰色の機体を見上げている。
(これは・・夢・・・・か)
「この機体は従来の操縦方法であるマスター・スレイブ方式に加え、搭乗者の技術の他にある特殊なシステムが搭載されておりまして、肉体の強靭さに加えて精神力も要求されます。 又、このシステムは未だに不安定では有りますが使いこなせれば理論上現在存在するどのような機体をも上回る物になるはずです。 山田一郎中佐の村正を越えるのも夢では在りません!」
手元にある資料を見ながら技術者は興奮気味に説……解説をしている。
「で、誰がこの機体に乗るんですか?」
今日新しく搬入される機体の話を聞いて第三軍施設にやってきた俺はこの施設の最高責任者である神崎さんに話しかけた。
「双葉か。 どうした、今日は非番じゃなかったのか?」
「えぇ今日新しい機体が入るらしいですからそれを見に。 これがその機体ですか?」
「あぁそうだ。 そういえば確か報告書にはこの機体には欠点があるとあったが?」
「その欠点は乗ってみてからじゃないとわからないんですって、まったく何考えてんだあの連中は?」
「それなら大丈夫! 秋斗は私の王子様!!王子様は何やっても全て出来ちゃうんだから絶対大丈夫だよ!! だから秋斗が乗るの!!」
「俺がか!?」
「あ、兄さん どうしたの?」
(!! 秋斗兄さん!?って事はあの時の!!)
「よう紫苑。いやな、新型のお披露目って聞いたからな そういうお前は今日は非番じゃなかったのか?」
「俺も新機体が来るってんで見に来たんだ。」
「ヤッホー紫苑ちゃん。 あれ?今日は非番じゃなかったの?」
「百合花、今紫苑が言ったばっかじゃないか」
「はれ?そうだっけ?」
「はははは・・・・」
本日三回目の質問にもはや苦笑いしか出なかった。
(やめろ、俺はこんなものは見たく無い!!)
「それにしても百合花さん、さっき兄さんが乗るって言ったけどこの機体は欠点があるって聞いたよ」
「その欠点もきっと秋斗が解決してくれるよ!だって私の王子様だもん」
(やめろ!!)
「その根拠は一体どこから出てくるんだ? それに俺は王子何て柄じゃないしお前のモノになった覚えも無いんだが?」(汗
「私は反対だ、どういう欠点があるのか分からない機体に人を、それも軍の貴重な上級操者である彼にそのような事をさせるべきではない。」
「しかし神崎少将、このままでは奴等との戦闘に耐え切れませんよ? それに上層部からの命令なんで自分には・・・」
「だからと言ってだな・・・」
「まぁ、別に俺は構いませんよ?」
「秋斗君!? 何を言うんだキミは!?」
(やめてくれ!! 秋斗兄さん、あの機体に乗っちゃ駄目だ!!)
実験機に歩き始めた秋斗兄さんの傍に駆け寄り、腕を掴んで止めようとしたが掴めない。夢なので俺が秋斗兄さん触れる事が出来ないのは分かっているがそれでも何度も掴もうとする。
「何だこのシステムは!?機体のコントロールが効かない!? ・・・・・・くそ、何故言うことを聞かない!?」
(秋斗兄さん!!)
「いったい何が起こっているんだ!?」
「大変です!! 例のシステムが暴走しています!!」
「なんだと!? すぐに緊急停止信号を送ってシステムを止めろ!!」
「ハイッ!! ・・・・・・・・・駄目です、システムが此方の操作を受け付けません!! このままでは機体が保ちませんよ?!」
「駄目じゃない、やるんだ!! こんな所で彼とあの機体を喪うわけには行かないんだ!」
「グ、グァアアアアァ・・・!!!」
「神崎少将もう機体が危険域に入ります!!」
「兄さん!!!」
「やむをえん、総員退避!! 双葉、何している早く退避しないか!!」
「だけど兄さんが!!」
「待つんだ双葉ッ!!」
「来るな! この機体はもう保たん!!」
「兄さんを置いて行けるわけ無いだろ!!」
秋斗兄さんが乗っている機体が片膝をつくように崩れ落ちる。
「母さんを、たの・・むぞあの人は何しでかすか分からんからな……」
「兄さん!!」
「くそっ!!来いッ紫苑!!」
神崎さんに腕を掴まれ、その場を離れされられる。
「神崎さん!!離してください!!」
「神崎さん、弟を・・・紫苑をよろしくお願いします。 ハハッ、姉さん、約束果たそうに無いや・・ごめん・・な・・・。」
「そんなことを言うなよ、兄さん!!」
俺はとめどなく流れる涙を拭おうともせずに機体に残されている兄を呼ぶ。
「兄さぁぁああん!!!」
だが、俺の叫んだ瞬間、機体が機体が閃光に包まれ爆発し、その後に残ったものは無残にも砕け、飛び散った機体の残骸の山だった。
「嘘だろ・・・兄さん・・・」
目の前には主の死を悼むかの様に墜ちてきた実験機の頭部がカメラアイから涙の如くオイルを流していた。
機動戦艦ナデシコ The Original Story
〜時空を越えた戦い〜
第一話 火星へ・・・
作者 :リシュベル
協力者:重接近戦仕様GP03
「兄さあぁあんッ!!! はぁはぁはぁ・・・・・くそっまたあの夢か」
悪夢を見たように勢いよく自室のベッドから飛び起きる。
秋斗兄さんが新機体の事故で亡くなる時の出来事、3年前の事だ
。 最近はよく見るな。
あの事件がきっかけで軍が二分する事になり、俺は神崎さんをリーダーとする革命軍に入った。
それまで軍のテストパイロットとしてやっていた俺に単座型の九十九改を提供しさらに新型機動戦艦「大和撫子」への配備を手引きしてくれてたのも神崎さんだ。
「・・・・・・シャワーでも浴びるか」
息を整え、自分の体を見てみると大量の汗をかいたためかパジャマが体に引っ付いている。
さすがにこのままじゃ気持ち悪いから自室に備え付けてあるシャワー室に向かい、ちょっと熱めのシャワーを浴び気分をリフレッシュさせる。
「確か今日は奈雄さんとトレーニングがあるんだったよな」
シャワーを浴びながら今日の予定を確認する。
シャワー室を出た時タイミングよく来客を知らせるインタフォンが自室に鳴り響く。
「おぉーい紫苑、入るぞぉ」
「奈雄さん?」
自室のドアが開き、中わけのセミロングにスーツ姿、極めつけはバイザータイプのサングラスをかけた如何にもソッチ系の男性が入ってきた。
「・・・・紫苑 今なんか妙な説明しなかったか?」
「いや別に」
なかなか鋭いな奈雄さん。
「そうか。 シャワーでも入っていたのか?」
「うん、あの出来事の夢を見て体中汗だらけだったから」
俺の言葉で奈雄さんの表情が少し歪むのが分かった。
「・・・・・・秋斗のか」
「そう。 ところでどうしたの? まだトレーニングの時間じゃないでしょ?」
「あ、あぁ。いやな、偶にはかわいい弟弟子と朝飯でも食おうと思ってな。」
「いいよ。じゃあちょっと待っててすぐ着替えるから」
どうせこの後はトレーニングなんだしTシャツに少し大きめのズボンという楽な服装に着替える。
「着替え終わったな。じゃ、行くか」
「了〜解」
そして俺と奈雄さんは俺の自室から食堂へと足を運んだ。
この艦『大和撫子』は基本的に設備が充実していてリラクゼ−ションルームのほかにトレーニングルームや大浴場にサウナ、果ては喫茶店まである。
艦の規模は全長500M、搭載機は戦闘機が20機、機動兵器が15機前後。艦隊行動時には寮艦として戦闘艦一隻砲艦一隻、護衛艦二隻と高速突撃戦闘艦(グラップラーシップ)二隻に戦滅艦一隻、電子戦装備のイージス艦と航宙空母が一隻、と言った感じだ。
だが搭載機の数がパイロットの数を上回っているのが現状における問題点となっている。なにせ、機動兵器一機あたり二人のパイロットを必要とする。
しかし俺は特別な訓練を受けていたため、例え一人でも機体を動かせる。
ちなみに教導隊の「竜の牙」は――秋斗兄さんが所属していた所で乗る機体は刀シリーズ、銃火器等は持たず各々所持している武器で戦う。
武器が刀でないのは名前自体機体の研ぎ澄まされた見た目から『カタナ』と言うシリーズネームが生まれた。
ちなみに秋斗兄さんが乗っていたのは九十九改修型刀シリーズ四番機『景光』で教導隊隊長の山田一郎中佐は刀シリーズ一番機『村正』――隊長の一郎中佐とその弟の劾と言う魂の名を持つ次郎はサブパイロットを必要としておらず(むしろ嫌っており)、AIのサポートを受けている。
「うわぁさすがにすごい人だなぁ」
そうこうしている内に食堂に着いた、時間が時間なために食堂内は百人近くの人たちと騒がしさでごった返している。
「まっ、いつものことだがな。 ほれ紫苑、突っ立ってないでさっさと飯食うぞ」
俺と奈雄さんは人ごみを掻い潜って注文をするためにカウンターに向かった。
「よっ、と。 芳名さん、俺はBセットに緑茶付けて」
「奈雄さんかい? あいよ、あんた飯食うときぐらいサングラスはずしなよ」
「いやぁこれは俺のトレードマークなんだよね」
「バカ言ってんじゃないよ、はいBセットに緑茶」
「どぉも〜」
芳名さんは忙しいにも拘らず奈雄さんと話しながら注文のBセット+緑茶を準備し奈雄さんに差し出す。
この間わずか一分足らず。
芳名さん、どうやったらそんなに早く出来るんですか?
「お、今日は双葉と一緒なのかい? 双葉は何にするんだい?」
「ええ、今日は奈雄さんに朝食誘われたんで。 じゃあ俺は・・・ Aセットに牛乳をお願いします」
「あいよ、珍しいね奈雄さんが双葉を誘うなんて」
「今日は飯食った後こいつとトレーニングする予定なんでね、ま、そのついでかな」
ヒデェ!! 俺はついでかい!?
「ついでとは双葉もすごい言われようだね」(笑)
その間もてきぱきと俺の注文を準備する芳名さん、動きが凄く早い。 芳名さんが霞んで見える。(汗
「はいAセットに牛乳お待ち」
「ありがとうございます」
俺と奈雄さんはそれぞれ注文した物をもって空いている席を求めて食堂の中を彷徨う。
「お、双葉に奈雄じゃないか。」
「あ、博士。 おはようございます。」
「飯食うんだったらこっちで食おうぜ、席も空いてるからよ。」
試しに辺りを見回してみる、確かに空いている席があるのは博士のところぐらいしか見当たらない。
「それじゃ失礼します」
博士と同じ席に着き俺と奈雄さんはそれぞれ頼んだ朝食を食べ始めた。 俺が頼んだAセットはハムエッグ、トースト二枚、グリーンサラダ、コーンスープと洋風の朝食で、奈雄さんのBセットが塩鮭、わかめと豆腐の味噌汁、大根と白菜の漬物、ほうれん草のおひたしに玄米入りご飯と和風の取り合わせだ。
「そうだ、おい紫苑聞いたか?」
「――モグモグモグ、ゴクン―― 何がっすか?」
「四日前、教導隊の部隊がまた奴らの艦隊を退けたって話だよ」
「あ、それ俺も聞いた。 さすが中佐、秋斗と互角なだけあるなと思ったよ」
「教導隊と行動を共にしてる筈の劾の奴はどうしたんですか?」
「ああ、次郎なら」
「ちっがぁ〜〜う!俺の名は泰剛司 劾だぁ!!」
食堂の騒がしいさをはるかに凌ぐ馬鹿でかい声、食堂内が一気に静まり返り声の主である山田次郎――自称泰剛司 劾――を見る。 と、その背後に黒く煌めく凶器、笑みを浮かべる女性・・・
ドガアァーーーーン!!
凶器が人外の速度でもって振り抜かれた。 その威力は凄まじく、次郎の頭部がいびつに歪んでいる。
「やかましいんだよ山田弟!! 食堂で馬鹿でかい声なんか出してんじゃないよ!!」
いつの間にか現れた芳名さんの一撃により劾撃墜。
さすがに特殊合金製の中華鍋はきついよな。 と言うか、かあさん、貴女(あんた)が色々間違ったモノを造りたがるのは知ってるけど中華鍋に開発されたばかりの新素材を使うなよ・・・・それを発注した芳名さんも芳名さんだけど。
他の人たちも劾の姿を見て呆れた表情を浮かべる人と芳名さんが手にした最終撲殺鈍器を見て青ざめている人もいる。
あ、一人倒れた。
「お・・俺の・・・名は泰・ゴお・ジ・・劾・・だ・・・・ガクっ。」
「お、まだ生きてた。 何かコイツ会う度にタフさが増していってないか?」
そう言って首を傾げる俺。
「そういやコイツさっき言ってた交戦時に突っ込んでって十何ヶ所も骨折の上に脳震盪起こして全治十ヶ月って聞いてたぜ?」
「マジですか!?」
劾、………回復力も格段に上がってんだな。
「おい次郎、どうやったらそんな風なタフさと回復力できるんだ? その秘訣、ちょっと教えてくれよ」
奈雄さんみたいな白兵戦専門の人にはそんな夢のような特殊能力は誰しも欲しがるだろうな。 俺らの中ではDY(デビル山田)細胞と呼ばれている。
「俺の名前は次郎じゃねえぇ!!」
劾復活!!の巻。
「俺の名は泰剛司!!・・・・・・芳名さんすいません、もうやりません、だから勘弁して下さい!!!!」
すぐさま土下座して地面に頭を擦り付ける形で謝り続けるザ・土下座マン
「わかればよろしい」
再び劾の背後に立っている芳名さん。
その両の手には中華鍋を握り、今にも振り下ろす段階に入っていた。
なんか殺気みたいなものを放ってるように感じたんだけど・・・・・いや実際放ってたんだろう。
微妙に陽炎が立ち昇っている。
その上中華鍋縦に持ってるし。
その笑みも怖すぎ。 (滝汗
劾も流石に自らの死を予感し、観念したのか大人しくなった。
芳名さんも劾が観念したことで怒りが治まったのか厨房に戻っていった。
「で、劾 何でお前がそんな全治十ヶ月もの大怪我なんかしたんだ?」
「紫苑聞くな、いや聞かないでやってくれ 。 こいつは自業自得の怪我なんだから」
「自業自得とは何だよ博士。 あれは敵機を攻撃しようとして近づいたら後ろから攻撃されたんだよ」
「お前のその特攻癖、何とかしたほうがいいぞ」
「なっ!! 紫苑、男は、否・・・漢は特攻でナンボだろ!!」
「だからって九十九の武装を勝手に換えるなよな。 なんだよジャイアントハンマーってガン○ムハンマーのつもりか? しかも武器に振り回されて味方の射線に入り込んで自爆なんて・・・・」
<<ふん、無様ね>>
「なんすか?それ」
「イツキちゃんに見せるように頼まれてな まあ気にするな」
「確かにそれでやられてりゃ世話ないよな」
「言えてる。
って劾!? お前がなんでここに居るんだ!?」
あまりに普通に会話していたから忘れてたけど、コイツの所属している教導隊隊長の山田 一郎中佐の率いる部隊「竜の牙」はこの大和撫子とは別行動しているのだ。 そんな部隊の一員である劾がここにいるのはおかしいのだ。
「そういやそうだな。 お前、一郎中佐に見放されたか?」
「違うわい!! 昨日兄貴から言い渡されたんだよ、この大和撫子の機動兵器部隊のパイロットをやれって!!」
「んな話し聞いてないぞ。 奈雄さん知ってる?」
「いや、俺も初耳だ、博士はどうよ」
「まったくもって知らんぞ」
劾を除く三人で話していると艦内に放送が入った。
『パイロット各員、及びメインクルーはブリッジに集合してください。 繰り返します、――――――――――――』
「呼び出しだ おい紫苑、さっさと飯食っちまおうぜ」
「へーい 一体なんなんだろ?」
俺と奈雄さん、そして劾は残り少ない朝食を口に運び、飲み物で流し込む。 それぞれの食器を返却口に置き、ブリッジへと足を運ぶ。
大和撫子――ブリッジ――
「――――まず最初に、二郎ちょっと来い」
「俺は泰剛司 劾!!――グハッ!!」
Σ(◎Д◎)!!
「「やかましいからちょっと死んどけ!!」」
壕徒さんと奈雄さんの一撃が見事に人体急所のひとつ、水月に入り、劾はまたもや撃沈し床に倒れ伏す。 白兵戦のプロである二人の攻撃を受けたらさすがの劾でも復活には時間がかかるだろう。
「死んだなこりゃ」
「でも少ししたら復活するけどねぇ」
「ある意味で宇宙一、いや銀河一ですな」
「・・・・・・・」
「馬鹿」
上から順に遼子さん、光ちゃん、プロスさん、和泉さん、瑠璃ちゃんがそれぞれコメントを出している。
「おや? 和泉さん、珍しく何も言いませんね?」
「ネタが浮かばなかった・・・・」
「へぇ和泉さんでもそういうことがあるんだ」
そこで関心すんなよ純。 ってかそういう問題じゃないだろ、今は。
「純、召集の件はどうなったんだ?」
「あっそうだ忘れてた」
「おい・・・」
「んんっ! で、用件は二つあるんだが最初の件はそこで死んでる奴についてだが、先方のミスでさっき連絡があったんだ」
純の話によると先程、劾の兄で「竜の牙」の隊長でもある山田 一郎中佐から直々に連絡が入ったらしい。その時の話が
『――純か? 悪いなこちらのミスで連絡が遅れた』
「・・・・・第一声がそれなのですか?」
『まぁそういうな。 で、用件なんだが昨日俺の弟をそっちに向かわせたから』
「・・・・・・・・ハイ!?」
『・・・・なんだ今の間は?』
「いえ、別に。それよりなぜ奴が大和撫子に? しかも奴は先日の戦闘で大怪我をしたと聞きましたが?」
『あ、それなら一晩寝たら完治だとよ』
「アイツは人間ですよね?」
『我が弟ながら恐ろしい限りだ。 神崎のおっちゃんには既に了承を得ているから、そういう事で弟をよろしく頼むよ』
「はぁ、とりあえず了解いたしました」
「――という訳だ」
「本当に見放されたんじゃないんだ? つまんないのぉ」
光ちゃんそれは流石にひどいと思うよ。(汗
「で、次だ。 これが一番重要な事だ」
純の顔つきが険しくなっていく。
「火星研で新型が作られていると言う情報が外部に漏れているらしいんだ」
「なんだと!?」
「それで神崎中将から本艦への次の任務が下された。 その内容は『火星研の警護及びその新機体の受領』だ」
「ということは、宇宙海賊の奴らがその新機体を標的に火星研を襲う、と言うことですな?」
プロスさんの言葉に頷く純。
「その確率は高い、本艦は既に火星に向かっている。 明日には火星に着く予定だ。以上だ」
純の終了の声と共にブリッジから出て行くメンバーたち、俺もブリッジを出てトレーニングルームへ向かおうとしたら。
「そうだ、紫苑ちょっと待て」
純が俺を呼び止めた。俺は何かやったか?
「どうした純」
「火星研にいるお前の御袋さんから言伝だ『渡したいものがあるから火星に着いたら、火星研に来て』だと」
「渡したいもの?」
「あぁ、渡したいものってのはお前の新しい機体なんじゃないか? 新機体の受領はそのことだったりとか」
「多分そうじゃないか? 一年ほど前にかあさんに俺の戦闘データ送ったから、そろそろくる頃かなと思ってたし」
「そうか」
「話は終わりか? これから奈雄さんとトレーニングがあるんだ」
「ああ、わかった。 悪いな呼び止めて」
「気にすんな、俺とお前の仲だろ?」
「はは、そうだな。 トレーニングがんばれよ」
「サンキュー」
俺はブリッジを出て奈雄さんが待つトレーニングルームへ向かった。
あとがき
ども、機動戦艦ナデシコ The Original Story〜時空を越えた戦い〜をお読みくださった皆様、ほんとにありがとうございます。
今回は重接近戦仕様GP03と共に一からネタ作りに走りました。
ネタ作りに走ってからずいぶん時間が経ってしまいました。(汗
他の事で作成時間を削ってしまったためですね・・・・・・・
イラストとか、Devil May Cry3、ORIGINAL GENERATION2、Tales of Rebirth・・・・・・・
まだまだ素人街道マッシグラな俺ですがこれからがんばりますのでよろしくお願いします。
代理人の感想
お話の背景が分かりません。
原作ナデシコそのままならまだしも、随分違うらしいこの展開で何の説明もなしってのはさすがにまずいでしょ。