Cパート

ノルウェ−/シルベント基地午後九時

基地の一角にある、トレ―ニング場に、9人の女性兵士が集まっていた。

皆其々の器具で思い思いに、訓練をしているが、その顔は不機嫌そのものであった。

彼女達の一人、チェリンカと言う名の若い女性兵士は、力任せにサンドバックを叩いた。

「クソッ!!」

ドスッ!!

ギシッ!!

彼女のパンチで派手に前後にゆれる。

戻ってくるところを、更に力いっぱい連続で叩きつけていった。

天井から吊り下げてあり、鎖も二ヶ月に一度は変えているので、千切れる心配はない。

「無茶すると、拳がいかれるよ。」

けだるそうな調子で隣で片方4キロのダンベルで運動している少女が注意する。

仲間からはメイと呼ばれている、茶色い髪の女の子だ。

常に額にバンダナを巻きつけている。

その言葉を聞いても、彼女は暫くの間、止めようとしなかった。

暫くの後、戻ってきたところを手で押さえ、静止させる。

「気に入らない!!」

「何が?」

彼女が吐いた言葉を茶化す様にして、小柄な女の子が話し掛ける。

リューノと呼ばれていたのは彼女であった。

「気に入らない………あの男………」

彼女の言葉に答えたわけではないが、チェリンカは少し言葉をたして、もう1度同じ言葉を吐いた。

「あの男って、隊長サン?」

シュッ!!

無邪気に問いかけるリューノだったが、荒っぽい彼女の返答に声を荒げた。

「あっぶないなあ!!当たったらどうするのよ。暴力女!!」

かなり加減無しのストレートを顔面に向けて放ったのだ。

それを紙一重で避けたが、確かに当たったら彼女の顔はかなり酷い事になっていただろう。

それほどの威力だった。

「誰が隊長だって!!あたしは認めないよ!!あんな男………」

「だからって、普通同僚をいきなし殴ろうとする?」

「確かにねえ……私もパスしたいな。いくら技量があるからって、ああも悪し様に言われちゃあね。」

ル−チェンも溜息をつきながらそう呟く。

「あれって私達を舐めてるって感じだよね。」

レネスも不満げに話した。

「では、如何する?明日の訓練ボイコットする?」

クイノが淡々とした声で、皆に聞く。

かなりハ−ドな訓練をしているのに、その口調は何時もと変わらない。

「…………私は出るよ」

ル−シェンがボソボソと言う。

「臨時とは言え、上官命令の無視は重罪よ」

ルネは彼女達にそう答え、参加する事を伝えた。

「チェリンカ………あなたは?」

クイノがそう尋ねる。

「あたし?何で欠席しなければならないの?出るに決まっているわ。」

「何か面白い事遣るの?」

レネスが彼女の表情を見てそう聞く。

「まあ見てな。」

そう言う彼女の目には、楽しげで意地悪げな輝きが、微かに見えた。

(如何なる事やら……)

ルネはこっそりと溜息をついた。

 

 

「どうですか?貴方から見て彼女達は…………」

『(ペラ)別に…………何処にでもいる兵士と対して変わらん』

「貴方から見ればそうでしょうけどね。まあ頼みます」

苦笑しながらもそう答えるプロス。

『(ペラ)そういえば…………この俺にこんな仕事を回してくれた理由を聞いておこうか?』

「え?(汗)何をいうかと思えば…………いいですか?………」

『(ペラ)言っておくが、建前を素直に聞いてやるほど、俺は優しくないからな』

「……………(汗)」

『(ペラペラ)り・ゆ・う・は?』

「実は………グラシス将軍が送ったエステの指揮官が皆送り返されちゃったんですよ。

 これがまた皆自信喪失してしまったらしくて、一人なんか投身自殺未遂までやらかそうとしたみたいでして

 …………。はははははは…………(汗)」

『(ペラペラペラ)成る程………教える立場の連中が、逆に教えられる人間に、叩きのめされたと言う訳か?

 で、何故ネルガルに回って来るのだ?』

「(虚ろな笑いをしながら)……………原因はアキトさんです」

『(ペラ)何?』

「実はグラシス将軍と、今貴方がいる基地の総司令のユンテス准将は、小さい頃からの知り合らしくて、

 相談されたらしいのです」

『……………で?』

(見たくは無いな、あの爺が爺に泣きつく所なんて)

「『戦神が帰ってから、うちのお嬢様連中が悪い意味で感化された。何とかしろ』と言われたらしいです」

『(ペラペラ)………………それだけではなかろう?』

「はあ…………それで将軍は『そんな事知るか。そんなミ―ハ−連中をエステバリス乗りにしたお前が悪い。

 自分の基地の事は自分でどうにかしろ』と………」

『………言った訳か……』

「言ったらしいです………」

『………反論もあるのか?』

「ええ…………『成る程………悪かった。自分の孫娘には懐が広くても、実の親友には冷たいのだな。

 ならば私も心を鬼にして、お前の若き日の悪行をお前の奥さんの墓前で語り続けてやろう』

 『貴様!!それを遣ったら、お終いだぞ!!それに半分は貴様の活躍によるものが多い事を忘れるな!!』」

『(ペラペラペラペラ)…………餓鬼の喧嘩レベルの言い合いだな』

(はっきり言って、これは単にからかっているだけかもしれんな)

事実、ここの総司令に出会ったとき、困っている様には全く見えなかった。

雰囲気がただの軍人とは違う。

(宿将とはこういう男かもしれない……)

また其の気になれば、あのお嬢様連中を、ばっさり切り捨てる事も出来る男だと…………。

あのお嬢様連中がいても、街の住民の被害が少なかったのは、この男の指揮のお陰だろうとも感じた。

恐らく何か思惑があるに違いない。

いろいろ応酬が続いた後、経験豊かなパイロットを臨時教官としてその基地に着任させる事になったらしい。

『(パタン)迷惑な話だ』

「そういわないで下さい」

所が所が、着任してほぼ三日ぐらいで、殆どみな帰って来る始末。

それを聞いたグラシス中将、顔を引きつらせながら、報告を聞いていたという。

「アキトさんに説得してくれとも言えないサラさんの相談に乗リましてね。

 それならば、アキトさんと同等の実力者である貴方の事を話したら、是非にと言われましてハイ…………」

最もその時、彼は「アリサさんと戦えるほどの実力者」と言ったのだが………。

まあ嘘は言ってはいない。

『…………お前…………ついでにしては、何かおかしいと思ったら………』

「まあ、甥の責任は、おじの責任と言いますでしょう?」

『それを言うなら『親の責任は子の責任』だ』

「そうでしたっけ?まあ、クリムゾンの施設を潰すには良い隠れ家でしょう?」

いつもならば、無言で黙殺するタカトだが…………。

『そのことだが…………どうやら、俺達はいっぱい食わされたみたいだ』

「何ですって?」

声が驚きのものに変化した。

この男がこれほど驚愕する事は滅多に無い事だ。

『施設の殆どが、ヨ―ロッパより撤退している。たった一つを除いてな』

「………なんと……」

『ほかの奴等には、アメリカとオ−ストラリアの方面に行ってもらう。恐らく激戦区になるはずだこの二つがな』

「残りの一つは……………」

『十中八九罠だ。だから、俺一人で行かせてもらう』

「イリスさんは………ごねませんでしたか?」

『先に劉に話をつけた。これで文句は言えぬさ』

「やはり……………あの事がまだ尾を引いているみたいですね」

『あの時点で研究所の『倉庫』を見られるほど実力がついていたなど、誰も思わなかったからな』

イリスが訓練を始めた当初、プロスはさほど、その実力を期待していなかった。

タカトのほうは、劉の訓練のみに身を傾けていたのでそちらの方はノータッチと言っても良かった。

プロスはそんなタカトを見て、「それほど期待していないみたいですねえ」等と思っていたのだが………。

「彼女を見ていると如何も…………」

『ラピス・ラズリを髣髴させるか?』

「ええ」

(それはそうだ………ラピス・ラズリは、遺伝子上はイリスの娘なのだからな)

ややもすれば、大声で笑い出しそうになるところを、なんとか堪えたタカトは、無表情のまま

『取り敢えず、こちらの方は任せておけ』

「そう致します……では」

会話を終わらせ、通信をきろうとした。

《宜しいのですか?真実をプロス様にお話になさらないで》

突如頭にオモイカネの声が響き渡る。

《本当の事?》

《我々が、彼女に『倉庫』まで導いた事をです》

ああ其の事か?―要約合点が要ったタカトは、オモイカネに伝える。

《むやみに奴の血糖値を上げさせる必要も無いだろう?》

《それはそうで御座いますが………》

《……………》

《……………》

暫く無言の二人。

《ご主人様…………お聞きしたい事があります》

真面目な口調のオモイカネに、いつも通りの声を返す。

《何だ?》

《貴方様ならば、この戦争を終わらせるぐらいわけない事だと思いますが、なぜ表舞台に立たないのですか?

 最初にそうなさっていれば、アキト様も苦しむ事無かったかと》

(そうすれば、タカト様……貴方様のお心も悲鳴をあげずに済むと言うのに………)

だが恐らくその願いはタカトの耳には届かないだろう。

イリスも心を癒す時間を速める事が出来るはずなのに………。

『ファントム』と名乗っている青年―草壁蒼馬(そうま)―も父親に多くの血を流させる事実を知る事も

無かったかもしれない。

ムネタケの三男も、あの老人も、あの少女も、そしてあの青年も………。

殆どの人間が、悲しみを知る事が無かった筈だ。

そしてタカトも、己の心を更に貶める事もせずに済んだかもしれない。

そしてそれは、ロゼリアの約束も守った事にもなるはずである。

なのに何故?

《全てご存知の筈ですよ。貴方様なら……………》

「歴史は変わらん…………ヤマダジロウは死ぬべきときに死ななかった………

 そして死ぬはずではなかった子供がその代わりに死亡した。」

《メティ様が?》

「最も、メティもアキトの行動いかんによっては死なずに済んだ。」

《では何故お教えに成らなかったので?》

「歴史は、変わらない。一人の運命を変えたのならばその代償として一人の人間の運命も変わる。

 実際ならば、ヤマダは死亡していたはずだ。そしてメティはまだ死ぬべき運命ではなかった。」

《アキト様に協力をお頼みになれば宜しいのでは?そして、お指摘になれば宜しいかと、アキト様の欠点を》

「俺がこの歴史に介入すれば―つまりは表舞台に立てば―間違い無く政府は一つを潰しに掛かるだろう。

 奴等にとっては御しやすい英雄一人の方がありがたいだろうからな」

《何故で御座います?》

「まずナデシコの武装解除を求めてくるであろう。それを拒否すれば、地球の全兵力を敵に回す事になる。

 さてその通達の役目を誰にするかが問題だな。そうだ。コウイチロウが良い。グラシスも適任だ。

 いざとなったら、二人を人質にとっても良い。

 それでも心許ないのなら、ナデシコの乗リ組員の家族も保護という名目で人質に取ろうか?

 そして俺はネルガルからも消されるかな?俺が消えれば、安心できる重役もかなりいるみたいだしな。

 クリムゾンとひそかに結託している人間も少なくは無いだろうし………」

《現在、パイプラインは断たれている筈です》

「第3者を介しての結託…………・アメリカとオ−ストラリア軍上層部と政治家の約半数は、

 クリムゾンに買収されている」

《確かに………アメリカにもネルガルの支社は御座いますな》

「しかも、俺達の情報をコンピュ−タを介して伝えるとは限らない。

 つまりこの時においては、電子の世界のみを監視するという方法は意味が無い」

《真紅の牙の他に、クリムゾンの諜報機関が存在しているとでも?》

「『真紅の牙』はあくまでも、精鋭部隊という1部隊だ。それに今は、厄介な奴等も目覚めてきた」

《特殊処理機関『Eフォース』ですか?確か彼等は………》

「『真紅の牙』が結成されたと同時にぷっつりと姿を消した暗殺部隊だ」

《暗殺部隊?》

「クリムゾン発展期においての異常な成長は、彼等の暗躍による所が多い。

 プロスも元々裏の人間だ。うんざりするほど、やつらとは戦って来たはずさ」

《何故彼等は姿を消したのでしょうか?》

オモイカネの質問にタカトは先ほど置いた本をまた開いて

「知られすぎたのさ。奴等は………」

《しかし知名度ならば、『真紅の牙』もかなり有名で御座いますが?》

「確かにそうだが、やつらは少なくとも、標的の家の200メートル四方の他人の家を無理に焼く真似はしない

 ………はずだ(自信無いけど)。

 だが、奴等は違う。其の標的にする家から200メートル周囲の家を全焼させないと気が済まない。

 行動に其のぐらいのさがあるってことさ」

《とても、暗躍には向いていないかと判断します》

「最も、危なさから見れば、テツヤは『Eフォース』の連中より上だ。はるかにな。

 そして判断力・指揮・統率能力も『あの男』に引けを取らない。

 だが、個々の純粋な暗殺・格闘においては、『Eフォース』に分がある。」

《チームワークをとるか、スタンドプレーを取るかですか》

「そうだ。そしてロバートにとって、『真紅の牙』の方が御しやすいと判断したのだろうよ。

 奴一人に気をつけていれば良いのだから………」

《そして『真紅の牙』が潰えた今…………》

「どの様にしたのかは知らぬが、やつらを再収集したのだろうよ。裏の闘争も、激しく成りそうだ。

 で話を戻すが、アキトの行動を止めるには、人質をとれば良い。ナデシコ乗組員の家族をな。

 保護という名目で、監視するのもGood。其の様にすれば、アキトは束縛できる。後は、交渉次第かな?」

《ならばルシファーの第二形態を使い、其の圧倒的力で二軍を全滅までに追い込んだ後、

 和平をさせるというのは》

「それでは地球や木星の馬鹿どもと同じだ。

 まあ歴史を修正できぬほど変えるにはそれが一番なのだろうが…………。

 だがオモイカネよ。解っている事を確かめねばならぬほどお前の主は愚か者か?」

《私は覚悟の話をしているのです!!

 貴方様ならば、もっと確実な方法を取ることも可能な筈では御座いませんか!!其のほうがロゼリア様も!!》

「そしてこの時代の人間は、英雄により掛かる………其の方が何も考えずに済むからな」

《!!》

「今地球や木星に必要なのは、英雄ではない!!

 ましてや、独裁者でも、指導者でもない!!

己で考え、答えを導き出す一個人其々の意思だ!!

その意志を持った人間なんだ!!

自分たちに必要なのは何か?戦争による決着なのか!!

それとも共に歩める道を考えるのか!!

もしそれすら考えられないのなら!!

『考えられないのならば?』

「俺が、太陽系もろとも滅ぼしてくれる………己の考えで判断できぬ者達など、俺は人とは認めない」

静かにそして冷然と其の声が部屋に響き渡った。

『……それは困りますね』

其の言葉を聞いてようやく不自然さに気づくタカト。

「………………プロスか?」

自分の友人の声は聞き間違い様は無い。

『ええ…………少なくともナデシコや我々は、己の意志で行動しているつもりですからね』

肯定の声の後に、彼の前にプロスの顔が移った画面が表示された。

「電源切ったはずじゃあ」

『少し、聞きたい事がありまして。

 そうしたら、何やら話し声が聞こえたものですから、悪いとは思いましたが拝聴させて頂きました』

如何やらうっかり、切り忘れた様だ

「………何時から聞いていた?」

『「歴史は変わらぬ」辺りからしか聞こえませんでしたが………』

如何やら其の辺りから、声に出していたらしい。

「それで聞きたい事とは………」

無表情に本に目をやって、読み始めた。

それが彼にとって精一杯の照れ隠しだと気づいているプロスは、小さく微笑んだ。

『実はテンカワさんの事なのですがね』

「どっちのテンカワだ?」

『もてるほうのテンカワさんです』

彼の揚げ足に呆れもせずに答えるプロス。

「たらしのほうのテンカワだな。それで?」

そして自分の甥を容赦無く酷評するおじ。

『彼の事を聞きに、誰かがそちらに訪れませんでしたか?』

「見てないな」

『そうですか』

そう言って、タカトは本を読みながら、途中で本に何かを書き加えていた。

プロスもそれに気づいたのか、少し首を傾げてタカトのほうを見る。

「何かヤバイ事でもあるのか?」

『いえいえ』

「まあ、気づいたなら連絡してやる」

そして今度は何を思ったか、何処からか、何かの写真を取り出し、しきりに何かを頷いていた。

『さっきから何をしているんです?』

「ん?………ああこれか」

そう言ってプロスのほうにタイトルが見える様に本を向けると、

「副業でな。アキトの暴露本を出そうと思っているのだが………どうもここの部分がな。

 良い写真が見付からないのだ。どっちが良いと思う?」

それはアキトがおねしょして怒られている写真と、蒲団が干してある写真をプロスに見せた。

『……………』

其の答えを聞いて、頭を抱えるプロス。

(そうだ…………こいつはこういう奴だった)

良く人を振り回されていた昔を思い出し、頭痛を覚えた。

「あっ……ちなみにタイトルは青いカバ−が『漆黒の戦神の軌跡』で赤いカバ−が『漆黒の戦神が愛した女達』

 と言う題で出そうと思っているだが………どうだ?ナイスネ―ミングだろう」

『『が』?『を』じゃなくて……………(汗)』

それではまるで、アキトが好きになったと思えるような………

「この方がインパクトあるだろう。しかもこれは凄いぞ。

 今まで出された本には書かれていない女の事まで事細かに書いたからな。

 更に女の人の写真までつけた豪華版だ。勿論アキトとツ−ショットな。

 しかも如何いった状況でそういう経緯に至ったかもインタビュ−形式で書いたし、

 アキトの台詞集も収めてある。他の社などに遅れはとらん!!」

何時に無く饒舌になったカタトの台詞に、蒼ざめ始めるプロス。

『そ……それは………』

(非常に不味い)

こんなものが出た日には、ナデシコが永久的に動かなくなる事は目に見えている。

(早急に手を打たねば!!)

だが……と彼は思う。

(何故こう余計な事をしてくれるのか?)

そして彼が如何言うか予測できる自分がいやだった。

「安心しろ。すでに二万部刷って赤は製本化してある!!

 そして青もこの点検が終わったら、製本化するからな!!

 ちゃんとおまえにも届けてやるからそう渋い顔するな」

そういって、グッと親指を握り拳の上に立てて、ニヤリと笑うタカトを見て

プチン!!

という音を聞いた

彼はめったに怒らない。

そう……怒らない様努力している。

だがこの頃、何故か突然暴れ出したい衝動に刈られる。

特にアキトが原因で起きる暴動を聞くたびに、気がつくと封印してある二丁の拳銃をケースから取り出そうと

している自分を見つける。

そして、この非常識の塊のようなそんな苦労も欠片も考えてくれない友人の台詞に、

ついに彼の何かが音を立てて切れたのだった。

『余計な事してんじゃねえ!!(怒)』

これが彼の偽らざる心中だった。

 

 

 

続く