『時の流れに』アナザーアフター
〜戦神の継承者〜
第0話・やっぱり『不幸』はお約束?
『相転移エンジン、稼働率正常に戻りました。』
「ふう……念のため皆を退避させたけど、なんとかなったかな?」
安堵のため息をつきながら少年が疲れたかのように椅子にもたれかかる。
年のころは17〜8ぐらい。黒髪に藍の瞳を持つ少年……
マキビ・ハリ、通称ハーリー君である。
このときハーリーはナデシコDのテスト航行中に反政府ゲリラと遭遇。
通常なら歯牙にもかけないのだが、ワンマンオペレーションのテストが目的だったためにパイロットがいないのが裏目に出た。
艦載のジョロで撃退したが、機関部に被弾。運悪くそれがきっかけで相転移エンジンが暴走するとは……
念のため皆を一時退艦させておいてから、相転移エンジンの制御にかかる。
そして、長年の付き合いであるAI・ダッシュの手伝いもあってなんとか制御が終わったところだった。
『お疲れ様です。それじゃあ皆さん呼び戻しますね。…………待ってください!
ジャンプフィールド発生装置稼動。暴走しています!!
このままではランダムジャンプを!』
「なんだって!?」
あまりのことに椅子から身を乗り出して叫ぶハーリー。
『制御、間に合いません!』
「くう! 間に合うか!?」
ジャンプ先をこの場に強く、強くイメージする。
そして、虹色のきらめきを残してナデシコDは消失した。
『ジャンプアウト……とりあえず、生きてますね。』
「な、なんとかね……ダッシュ、各部の損傷と現在座標のチェック。」
文字道理九死に一生を得たハーリーはとりあえず、椅子に身を預けて一息つく。
『……出ました。相転移エンジン、完全に停止しています。現在サブ動力で動いていますが通常航行はつらいでしょう。
ちなみにジャンプフィールド発生装置は完全に死んでいます。自力での帰還は不可能。
SOS信号出しておきますね。』
「OK。……あとはとんでもないところに飛んでないことを祈るだけか。」
『座標、ジャンプ前と変わらないと思われます。』
「思われる?
……なんか、あいまいな言い方だね。」
『……天体の位置が微妙にずれています。
もし仮に座標が変わっていないとすると……』
「と、すると?」
ものすごい不安がよぎるハーリー。
『10年ほど未来に飛んだことになります。』
「………………」
あまりのことに絶句するハーリー。
ボゾンジャンプの特性からすれば確かに考えられないことではない。
ハーリー自身(精神だけ)過去に飛んだ経験の持ち主だ。
だが……
『………ハーリー?』
「あは、あはははははは……」
口から漏れるのは乾いた笑い。
さすがにこれはこたえたらしい。
(カズシさん……これから僕はどうなるんでしょうか…)
−次回予告−
ハーリーです。
10年先の未来に飛ばされてしまった僕はいったいどうなってしまうんでしょう?
ちょっと……いや、かなり不安です。
なんか、意外な人との再会もあるみたいだし……
次回、戦神の継承者
『ただいま』から始まる物語
えっと、君はもしかして……
管理人の感想
RWAKさんからの初投稿です!!
何とBA-2さんの作品「ハーリー列伝」のアナザー物です!!
・・・これって4次小説になるのかな?(爆)
まあ、ある意味悟って無敵になってしまったハーリー君の活躍に期待が持てますね!!
では、RWAKさん!! 投稿有難うございました!!
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