紅の戦神

 

 

第十四話

 

 

 

 ―――赤い赤い空。

 

 ―――広い広い草原。

 

 ―――ナノマシンの煌きを映す湖のスクリーン。

 

 

 幻想的で、あまりに懐かしいその光景の中で・・・膝を抱えて泣いている俺。

 

 

 なにが哀しかったのだろう。

 なにが悔しかったのだろう。

 

 もはや思い出すことすら叶わない。

 

 

 そんな、声を殺して泣き続ける俺の背中に、幼馴染の片割れが声を投げかけて来た。

 

 

「アキトー! アキトー!

 ねえどうしたの? ぽんぽん痛いの?」

 

「うるさいな・・・あっち行けよ!」

 

 無神経で無愛想な拒絶の言葉。

 どんなに酷い言葉を掛けても、あいつが離れていくことはないと知っていたから。

 そう。俺はいつも、誰かの優しさに甘えていた・・・。

 

 ユリカは一瞬きょとんとしたあと、何かを思いついて顔を輝かせた。

 

「そうだアキト! 元気が出るおまじないしてあげよっか!」

 

「・・・元気が出るおまじない?」

 

「うん! 目、つぶって?」

 

 躊躇いながらも、俺はほとんど何の疑いも見せずに言われた通り目を瞑る。

 前に回りこんできたユリカの唇がゆっくりと近づき・・・

 

 見る見る内に成長を遂げたユリカがウェディングドレス姿へと変わった!!

 

 

「ユ、ユリカっ!?」

 

「アキト・・・・・・」

 

 いつの間にやら俺の姿も大人サイズだ。

 

 そしてなぜだか体が薔薇色の鎖で雁字搦めにされていて

 目の前のユリカはいい感じで座った目をしている!

 ついでにウェディングドレスは既に脱ぎかけだ!!

 

「ままままま待つんだ、ユリカ!! 落ち着け!!」

 

「うふふ・・・アキトは私が好き。

 アキトは私が好き。

 アキトは私が好き・・・」

 

 ぐるぐると渦巻きのように目が回っているユリカ・・・。

 

 やばい! このままじゃ貞操の危機だ!!

 

 

「アキト様っ!!」

 

「カ、カグヤちゃん!!」

 

 ユリカから逃れようと下半身の力だけで後退した先に現れたのはもう一人の幼馴染。

 

 こちらも既に準備OKだった。

 

『アキトさん!!』 『アキト!!』 『アキト君!!』

 

 次々に現れる美女と美少女。

 

 その数16人!!

 

 

「うわ、うわああああああっ!!!!」

 

 背中を向けて、鎖に捕われたまま飛ぶように逃げ出す俺。

 振り返る勇気など当然ない。

 

 だが走れども走れども距離を稼ぐことは出来ず、じりじりと彼女達はにじり寄って来る!

 

「ふふふ・・・逃がしませんよ、アキトさん」

 

「ハッ! ルリちゃん、その鎖は!!」

 

 俺の体に巻かれていたはずの薔薇色の鎖は16本に分かれ、それぞれを一本ずつ彼女達が握っていた!

 

 

「アキト、枝織ちゃんと随分上手くいってるみたいね・・・」

 

「そのようですね、姉さん。私達というものがありながら・・・ね」

 

「いい度胸じゃない、アキト君?」

 

「もちろん覚悟は出来てんだろうな?」

 

「私はアキトの目、アキトの耳、アキトの・・・」

 

 西欧方面軍チームにリョーコちゃんとラピスが、ぐいと鎖を一度引く。

 約1メートル。俺の体は何の抵抗も出来ずに引き摺られた。

 

「か、体に力が・・・・まさかっ!?」

 

「あら? 気付いたようね。

 そう、この鎖にはアキト君だけに効果を発揮する痺れ薬が塗られているのよ」

 

「アキト君の体の隅々まで把握している同盟の力があってこその産物ね」

 

 イネスさんとエリナさんも、ぐぐいと。

 俺はまたもや約1メートルの距離を引き摺られた。

 もはや彼女達との距離はほとんどない。

 

「「「「「せーのっ! えいっ!!」」」」」

 

 最後にホウメイガールズが引っ張り、俺はついに彼女達の足下まで辿り着いてしまった。

 

 背中越しに伝わる特殊な気配。そして衣擦れの音。

 

 俺は恐る恐る、ゆっくりと顔を持ち上げ背後を確認し・・・。

 

 

 

「お仕置き・・・フルコースですね♪」

 

 

 世界から色が消えていくのを感じた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・(真っ白)」

 

 俺はナデシコ内の自室で目を覚ました。

 どうやら夢だったらしい。

 だが、もしかしたら実現してしまうかもしれないのもまた確か。

 

 夢とは潜在意識の中にある願望が形をとるものだと聞いたことがあるが、

  ト   ラ   ウ   マ
 精神的外傷でも十分夢には現れてくるようだ。

 

「ふぅ・・・もう少し人間関係について考えてみるか」

 

 これはもしかしたら一種の神の啓示なのかもしれん。

 

 

 

「うみゅ〜・・・なに〜?」

 

「あ、ああ、ごめん。起こしちゃったか」

 

 隣で目を覚ましてしまった俺の部屋の同居人である枝織ちゃん。

 もちろん一緒のベッドだ。

 眠たげに瞼をこすりつつ、はだけた肩にシーツを寄せる。

 まだあどけなさを残しながらも、その姿には言葉には出来ないほどの艶やかさがあった。

 ・・・ちなみに俺の主観で。

 

 俺は枝織ちゃんに微笑みながら寝台から足を下ろした。

 外気が汗をかいた体に心地いい。

 

「? どこ行くの?」

 

「ちょっとシャワーを浴びてくる。

 だいぶ寝汗をかいちゃったみたいだからね」

 

 今日は一応下着にシャツくらいは着ている。

 枝織ちゃんもランニングにホットパンツ姿だ。

 いくら俺でも毎日のように求め合っているわけじゃない。

 だいたい体だけが目当て、とか思われたくはないし・・・。

 いやもちろん枝織ちゃんはそんなこと思ったりはしないだろうことはわかっている。

 これは自分の中に決めたひとつのルールだ。

 欲望のまま、本能のままに行動するのでは動物と同じ。

 俺達はそういったものを越えて、お互いのことを想い合っているのだと感じていたかった。

 

 

 だが・・・

 

 

 

「あ、私も一緒に入っていい?」

 

 

「了承(きっぱり)」

 

 

 光の速さだった。

 やっぱ人間だって動物だからな。

 本能に忠実で何が悪い?

 いや忠実にならなきゃかえって枝織ちゃんに失礼さ!

 

 相変わらず煩悩が理性を容易く凌駕する俺は、これまた容易く自分の中のルールを書き換えた。

 まあ本音と建前を別にしておくことは何も俺に限ったことじゃない。

 

 そして本音が完全に前面に押し出された状態の俺は、さらにさりげなく続けた。

 

「そ、そうだ!

 着替えるのも面倒だし、このままの格好で入るのはどうかな?

 いや、ふ、深い意味はないんだけどさ!」

 

 棒読みになってしまうのは下心故か。

 濡れたシャツに透ける肢体を想像し、思わず顔がにやけてしまう。

 ハッ! そうだ!

 今こそこういう時のためだけに購入しておいた大き目のワイシャツを・・・

 

「・・・って、あれ? 枝織ちゃん?」

 

「アー君、先に入っててー!」

 

 声は壁の向こうから聞こえてきた。

 俺と枝織ちゃんの部屋を繋ぐ円形の穴からだ。

 俺があさっての方向を向いて下心いっぱいの提案をしていたときに戻ったのか。

 なにやらクローゼットを探索している音――つまりハンガーの動く音が聞こえる。

 ちゃんとした寝巻きでも探しているのだろうか。

 

 

「・・・はは、冗談だよ、冗談。・・・・ハァ」

 

 ちょっとだけ肩を落としつつ、俺はシャワールームに入った。

 汗を吸って体に張り付く服を脱ぎ捨て、適温に調節されたシャワーの栓を開く。

 

 壁に両手をついて温めのお湯を頭からかぶり、汗と一緒に落ちていく疲れを感じる。

 思えばナデシコの出航からここまでほとんど休みなしで来たからな。

 俺自身で気付いていないようでも、やはり疲れは確実に溜まっていっているらしい。

 さっきのような夢を見たのももしかしたらそのせいかもしれない。

 帰らなくてはいけないと思う気持ちが焦りを生み、精神に少なからず負荷を与えているのだろう。

 和平を進めるためにはこれからが本番だ。

 一度、気を引き締めて掛かる必要がある。

 

 と。

 けして広くはないシャワールームに冷えた外気が流れ込んできた。

 枝織ちゃんが入ってきたようだ。

 俺は疲れを顔に出さないように注意しながら笑顔を作る。

 ただでさえ北斗のことで悩んでいる枝織ちゃんに、これ以上心労をかけたくない。

 

 俺は俯いていた頭を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

「アー君、お待たせ〜♪」

 

 

 

 

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 はっ!!

 

 

「アー君?」

 

 こくん、と不思議そうに首を傾げる枝織ちゃん。

 その姿はもちろんいつもと変わらず凶悪とも言えるくらい可愛らしい。

 

 華奢な肢体を清らかに包む紺色の布。

 大きくも小さくもない、手のひらサイズの胸の上で存在を主張するひらがなの名札。

 水滴を弾く若々しい手足がすらりと伸び。

 湯の熱によって徐々に赤みを帯びる躰が、幻想的でありながらも肉感的な美を実現させている。

 

 そうか! これが伝説のスクール水着というものなのか!!

 

 

「枝織ちゃん!」

 

「きゃ!」

 

 俺は入り口付近に立っていた枝織ちゃんの腕を引き、胸に抱いた。

 シャワーのお湯がかかり、紺色の水着が水気を吸ってその色を濃くする。

 

 腰に回した手のひらに吸い付くような感触が。

 水着越しに伝わる柔らかな凹凸が。

 

 蜘蛛の糸ばりの俺の理性にギロチンの如き重圧の刃を振り落とした!

 

 

 

 

 ・・・とりあえずこのあと何があったのかは秘密。

 

 

 

 

「枝織ちゃん、ここの壁に手をついてくれるかな?」

 

「え? えーと・・・これでいい?」

 

「うん、そう・・・・・・じゃ、いくよ?」

 

「ひぁっ! ア、アー君待って! 立ったまま・・・!?

 ・・・・・・くっ!・・・ああっ!・・・」

 

「ううっ・・・し、枝織ちゃん、水着が擦れて・・・!」

 

 

 

 

 ・・・秘密だってば。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「あらアキト君。珍しいわね、あなたが医務室に来るなんて」

 

 翌朝、俺はイネスさんのいる医務室を尋ねた。

 

「ええ、ちょっと・・・」

 

「大丈夫? なんだかげっそりしてるみたいだけど・・・

 疲れがたまってるんじゃない?」

 

「いや、これはまた別です」

 

 少し頑張りすぎたかな・・・。

 太陽がもし出てたとしたらきっと黄色くなってるんだろう。

 

「それで・・・用件はなにかしら」

 

「ええ、少し相談したいことがあったんです。

 その・・・夢に昔付き合ってた女性が出てきて・・・」

 

「ちょっと待ちなさい・・・・・・“達”?」

 

「はい。ざっと16人ほど」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 イネスさんは呆れた顔をしながらも無言で続きを促した。

 そりゃあ言いたいことは分かりますけどね。あなたもその中に入っていたんですよ?

 

「・・・で、彼女達が夢に出てきて俺を追い立てるんです。

 これはやっぱり彼女達が怒って俺のことを呼んでいるってことなのでしょうか?

 そう思うと不安で不安で夜も眠れない・・・」

 

 ユリカ達なら十分ありそうだしな。

 

 ・・・って何を馬鹿なことを真面目に聞いてるんだ俺は。

 これじゃ危ない人みたいじゃないか。

 ・・・夢の中とは言え久々のお仕置きで気が滅入ってるのかもな。

 

「アキト君、あなた・・・電波とか受信しちゃうタイプ?」

 

「いえ、済みません・・・忘れてください。

 ちょっと・・・いや、かなり夢見が悪かったもので」

 

「夢って、普段深層意識の奥に閉じ込めてる想いが解放されたりするから・・・。

 もしかしたらハーレム願望でもあるんじゃない?」

 

 あれはハーレムと言いません。

 ユリカ達にお仕置き癖さえなければそう言っても差し支えないかもしれないけどな。

 

「・・・まあ、女性関係は結局のところで自業自得ですからね。

 おいおい、自分でなんとかけじめをつけておくことにします」

 

「そうね。たぶんそれが一番だわ。

 ・・・ああ、それはそうとアキト君。

 頼まれていた例のモノ・・・完成したわよ」

 

「!! そうですか・・・ありがとうございます。

 ・・・ちなみにどっちが?」

 

 事前にイネスさんに開発を頼んでいたものは2つ・・・。

 そのどちらもが俺にとって非常に重要な意味を持つものだ。

 急ぐものではないにせよ、できれば早いうちに手に入れておきたい。

 

「ふふふ・・・残念ながらΒ案の方よ。

 さっきウリバタケさんが報告してくれたわ。

 Α案の方も何とか実用の目処は立ってきたんだけど・・・。

 今のところはまだ試験段階ね。完成したらおって連絡するわ」

 

 Β案・・・たしかDFSだったはずだ。

 二回目の時間でも完成はこのころだった。

 そう言えばあの時は狂気に任せて暴走なんかしてウリバタケさんに殴られたっけな。

 今回は、できるだけみんなに心配をかけないように努めよう。

 

「お願いします。

 じゃあ俺はブリッジに顔を出さなきゃいけないんでこれで・・・。

 相談に乗ってくれてありがとうございました」

 

 明け方まで起きていたせいで時間的にだいぶ余裕がある。

 どうやらエリナさんに怒られなくてすみそうだ。

 俺は落ち着いて医務室を後にした。

 

「・・・さて、それじゃあ早速Α案の最終試験段階に移るとしましょうか。

 ふぅ、そうね・・・誰か手頃な被験体は・・・・」

 

 

「むが〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」(やめてくれ〜〜〜〜!!)

 

 

「くすくす、安心しなさい。

 いくらなんでもこのΑユニットをヤマダ君に装着することはないわ。

 私にだって美的感覚というものが・・・・あ、そうだわ。

 あの人にしようかしら。

 うん、決定。どうせいなくなっても誰も気付かなそうだし」

 

 

「ふ、ふがっ!?」(ガタガタガタガタ・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺がブリッジに入ると時を同じくして、ナデシコ組と連合軍組の口論が始まった。

 というより主にユリカとムネタケ提督の口喧嘩だな。

 

「というわけで! いきなりで悪いけど命令よ」

 

「提督!」

 

「何かしら、艦長?」

 

「ネルガルと連合軍が協定を結んだとは言え、

 命令如何によっては拒否権が私達には認められています。

 本艦クルーの総意に反する命令に対しては、このミスマル ユリカ・・・

 艦長として拒否しますのでご了解下さい。」

 

「なるほど・・・戦うだけの手駒にはならない、と?」

 

 扇子を開き、楽しげに問い掛ける提督にユリカは力強く頷く。

 軍人として、艦長としてのユリカ。

 クルーの評価も今のでだいぶ上がったかな?

 

 だが・・・ムネタケの発した言葉はそのユリカすら容易に凍りつかせた。

 

「残念だけど・・・拒否権はないものと思って頂戴」

 

「なっ・・・!! 提督! それはどういう・・・!!」

 

「どうもこうもないわ。言葉通りの意味よ。

 アンタ達に拒否権はない・・・そう思って欲しいと言っているの。

 これは連合軍少将としてではなく、ナデシコの提督としての忠告」

 

 何を考えているムネタケ・・・。

 お前は自分の居場所のためにナデシコと共に戦う決意をしたんじゃなかったのか?

 拒否権を奪い、ナデシコを軍の指揮系統に組み込むつもりか。

 

「ちょっと提督!? 勝手なことを言わないでくれません!?

 軍との交渉ではナデシコの拒否権はしっかり認められて・・・!!」

 

「ま、一応はね。

 でもそれは形式上のもの以上にはなり得ないことを知っておくべきなのよ。

 確かに今のところナデシコには拒否権が認められているわ。

 だけど考えてみなさい。もし軍からの命令を拒否したりしたらどうなると思う?

 よくて強制徴兵、悪くて反逆者扱い。

 それだけ単身火星に赴いて帰還したナデシコは・・・」

 

 ムネタケはエリナさんに向かってそう言い放つと扇子をぴしゃりと閉じ、

 

「・・・恐れられてるということよ」

 

 そう締めくくった。

 エリナさんはそれを大体予想していたのか、苦い顔になる。

 

「・・・ということは、この命令はナデシコが軍の指揮下に入ったかどうかの確認ですか?」

 

「そういうこと。理解が早くて助かるわ、艦長」

 

 確かに・・・この時点で軍と揉め事を起こすのは不必要と言うよりもはや有害だ。

 だがまさかこんなところで俺達が試されていたとはな。

 ここで命令に逆らえば以後の軍との協力体制を作るのが難しくなる。

 それは・・・和平の道に思いっきり遠回りすることになるだろう。

 

「わかりました。そういうことなら仕方ありません。

 どんな命令でもど〜んと来いです!!」

 

 ナデシコの実力に自信を持っているからだろう。

 胸をはったユリカが自分の拳で強く叩く。

 

「まあ、仕方ないわよね〜」

 

「そうですね。軍人さんと喧嘩したくありませんし」

 

「キノコがまとも・・・キノコがまとも・・・そう、これは夢。夢なんですね?」

 

「異議なーし!」

 

「息なーし・・・そりゃやばい、くくく・・・」

 

「軍と揉めてもメリットは皆無ですしな〜」

 

「うむ・・・」

 

 ブリッジに集まった面々も概ね賛成のようだ。

 リョーコちゃんなんかは不満そうにしているけど、反対はしないらしい。

 ネルガル会長のアカツキやムネタケの補佐のナカザトはもとから承知だったろうし、

 枝織ちゃんは未だに夢の中。ガイに至っては何時の間にか医務室の主だ。

 つまり満場一致、ということになる。

 

 

「じゃあ改めて命令よ。

 今回このナデシコに課せられた任務は、敵の目を掻い潜って救出作戦を成功させることなの」

 

 

「救出作戦〜〜?」(ブリッジクルー)

 

 

 みんなどんな命令かと身構えていたため、それはとても意外な響きだったようだ。

 あれだな。あらかじめ一部の情報を与えておくことで相手の意識の中で対象を誇大化し、

 実際に従わせたいことが素直に受け入れられやすいようにする人心掌握術の一種だ。

 いまブリッジの面々は見事にムネタケに踊らされている。

 

 ・・・ルリちゃんがどこかに飛んでいってしまってるみたいだが(汗)。

 

 

「そう。木星蜥蜴の攻撃は無くても、地球の平和を守るというナデシコの目的は・・・・・・

 ま、果たさないと駄目よね〜〜〜」

 

 最後にナデシコの行動理念と命令を一致させて心情的にも従わせる。

 やってることは以前と変わらないかもしれないが、意識して出来ているのだとしたらたいしたものだ。

 

 ムネタケの思惑通り、みんなはこの任務に好意的になった。

 そして足元に作戦地図が浮かび上がる。

 

「で、北極海域ウチャツラワトツスク島。

 この島にとり残された、某国の親善大使を救出するのがアタシ達の使命よ」

 

 地図の一点を指し示しながらムネタケが言う。

 

「しつも〜ん!」

 

「はい、艦長」

 

 手をあげたユリカにムネタケが教師気取りで扇子の先を向けた。

 

「どうしてこんな所に、大使はとり残されたのですか?」

 

 ・・・っていうかどこらへんが大使だったんだ?

 

「大使は好奇心旺盛な方でね〜〜・・・。

 ウチャツラワトツスク島の気象情報その他諸々を調査していたならば?

 あ、バッタに襲われさあ大変・・・」

 

「はあ・・・」

 

「ウチャツラワトツスク島付近の海域は今の時期ほとんど毎日ブリザードが吹き荒れててね〜。

 通り過ぎるだけでも大変なのに・・・」

 

 アレがどうやって気象データの調査なんかできるのか、それはそれで興味深いことではあるな。

 

「えーと、はい。よくわかりませんけど、わかりました。

 とにかく救出作戦を成功させればいいんですね?

 みなさん、異議はありませんか?」

 

 結論を下すべく、意見を求めたユリカに反対するものはいなかった。

 

「わかりました。

 ではナデシコはこれより北極海域ウチャツラワトツスク島に針路を向けます!」

 

「そうしてちょうだい。

 助けが来るのを白熊さんが首をなが〜くして待ってるでしょうからね〜〜!」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

「白熊ぁっ!!?」(ブリッジ全員)

 

 

 すっごく楽しそうなムネタケの一言に、みんなは声をそろえた。

 ま、当然だな。

 わざわざここで明かしたりするのは解せないが。

 

「なんだよそりゃ! 俺達に熊拾って来いってのか!?」

 

「あらぁ? アンタ達いま異議はないって言わなかった?

 一度口にしたことを破っちゃ駄目よね〜〜! ほ〜っほっほっ!

 ナカザト! ちょっと見た!? 今の間抜けな顔!」

 

 目を丸くするブリッジクルーに笑い転げるムネタケ。

 その後ろでナカザトが苦しそうに胃を抑えている。

 

 ま、まさかそれだけのために今まで大使の正体を隠していたのか・・・?

 馬鹿な! なんて怖いもの知らずなことを!

 

 

 ぷちっ!!

 

 

 で、案の定リョーコちゃんが切れた。

 

「ぬあ〜〜〜っ! ヒカル! イズミ! 放しやがれ!

 あのキノコを網焼きにしてやる〜〜〜!!」

 

「だ、駄目だよリョーコ! あんなのでも一応提督なんだよ!?」

 

「・・・腹を壊すわ」

 

 ひらりひらりと逃げ回るムネタケに追いかけるリョーコちゃん。

 ついでに引きずられている三人娘の残り二名。

 ふとムネタケの顔を見ると、今までにないほど生き生きとしている。

 どうやら俺達が消えていた八ヶ月で、色々と思い切ったらしい。

 

「す、すまない! 提督にも悪気はないんだ!

 ただ人をおちょくるのが三度のメシより好きで・・・・ってああ違う!」

 

 ムネタケをフォローしようとしたナカザトが頭を抱え込む。

 

 見方によっては部下をからかう気さくな上司だが・・・この性格は地だったか。

 

「まあまあ。いいじゃないの。

 もうナデシコにはとかとかがいるみたいだし」

 

「俺は象じゃありません!!」

 

 飄々と告げるムネタケに顔を真っ赤にするナカザト。

 わかりやすいやつだ。この先苦労するな。

 

 ・・・って、ちょっと待て。“犬”ってまさか!?

 

「あらあら、どうしたのかしらね、テンカワ?

 顔色がみるみる青くなっていくわよ?」

 

 にやにやと、俺を見るムネタケ・・・。

 

 くっ! やはり知っているのか!

 いやまさか・・・Α案のプロテクトは可能な限り厳重にしておいたはずだ!

 

「な、何のことです?」

 

「・・・まあ個人の趣味に口出すつもりはないけどね。

 艦内の風紀には気をつけて頂戴」

 

 ・・・やばい、知られてる。

 俺としたことがムネタケの能力を見誤っていたか・・・。

 

「え? え? アキト、どういうこと?」

 

 ユリカやメグミちゃん、リョーコちゃんの視線が俺に突き刺さる。

 思わず数歩後退した俺は・・・

 

 

「こ、この作戦は絶対に成功させなくちゃな! さあみんなも配置に戻ろう!」

 

 とりあえず逃げた。

 

 

 

 


 

 

 

 

「と言っても、現場に着くまではオレ達ひまだよな〜〜〜」

 

「ひまひま〜〜〜」

 

 今回は隠密行動が主なため目的地に着くまではパイロットに仕事はない。

 他のみんなも食堂のテーブルでだれている。

 かく言う俺も、昨日徹夜したせいか眠くてしょうがない。

 

「ふあぁ・・・・・あ?」

 

「やぁテンカワ君。

 そんなに暇ならちょっと付き合って欲しいんだけ、ど・・・・そういう意味じゃないからね?」

 

 欠伸をしながら伸びをすると、上からアカツキが覗き込んできた。

 その意味深な発言に好奇の視線が集まる。

 ・・・ああ、もしかしてナデシコのアカツキ×俺本はこの時出来たのか?

 

「いやね、いい機会だから一度手合わせしておこうと思ってさ」

 

「お、そいつはいいな。

 オレもテンカワと模擬戦やってみたかったんだ」

 

「私も〜〜〜!」

 

「・・・右に同じく」

 

 一斉に活気付く三人娘。

 アカツキが額に汗を浮かべる。

 

「お、男同士の話し合いをしようと思ったんだけど・・・」

 

 それ以前に俺は眠い・・・。

 

 結局三人娘に逆らうことが出来ずに俺たちはトレーニングルームに向かった。

 

 

 

 

 

 

 プシューー!! ×4

 

 

「負けた負けた!! テンカワ、オメーすげーよ!!」

 

「歯が立たないよー!」

 

「・・・触れることすら出来ないなんてね」

 

「ははは・・・みんなもこれからまだまだ伸びるよ」

 

 とりあえず三人娘を無傷で撃破してみた。

 やはりみんなの実力もあの頃とは比べ物にならないみたいだ。

 鈍り切って思ったとおり動かない身体でも楽に倒すことが出来た。

 かつてのみんなが相手だったら今の俺じゃかなりきついはずだしな。

 

「さて、それじゃあ次は僕の相手をお願いしようかな?」

 

「アカツキ君、止めといたら?

 自信喪失するだけだと思うよ〜?」

 

 苦笑しながらヒカルちゃんがアカツキを止める。

 

「ま、男の意地ってのもあるからね」

 

「へえへえ、勝手にしな・・・俺達はどうするイズミ?」

 

「結果は分かりきってるわ。

 アカツキ君が瞬殺されて終わり。見る価値ないわね」

 

「え、えげつないねイズミ君・・・」

 

 凍りつくアカツキ。

 まあ俺も手加減するつもりは無い。

 何だかんだ言ってもアカツキの腕は俺が一番知っているからな。

 それに俺と言う存在に対する抑止力として政府に示すため、一刻も早くみんなを鍛える必要がある。

 あの火星での戦いで・・・強化処理を施した北辰をすら破った力だ。

 

「まあそうだろうな。

 じゃ、オレ達は食堂にでも行ってるよ。

 テンカワ、また後でな!」

 

 そして三人はトレーニングルームを後にした。

 

 

「まあ何事も挑戦しなくちゃ可能性はないしね。

 ・・・それにギャラリーがいなくなったのは好都合。

 さて、テンカワ君。早速はじめよう」

 

 振り返ったアカツキの目はいやに真剣で・・・

 

「いいだろう。ただし手加減はしない。

 そうだな・・・もし一発でも入れられたらなにか奢ってやる」

 

「お? 言うねえ。

 でも端から手加減なんかして欲しくはないよ」

 

 それくらいの価値はありそうだしな。

 

 俺たちはシミュレーションポッドへと入った。

 

 

 

 

 

 

「くっ・・・体捌きだけで銃弾をかわすなんてね!

 君はキチガイか!!」

 

 失礼な・・・まあ普通は銃を向けられたら射線から外れるのがセオリーだからな。

 だが俺にはお前の撃った弾の軌跡が手に取るように分かる。

 例え悟られたとしても避けられないような撃ち方をしないと・・・まだまだだ。

 

 ぼやきながらも遮蔽物を利用して身を隠すアカツキ。

 こっちもノーマルエステの標準装備である以上、障害越しにはダメージを与えられない。

 

「はぁ・・・はぁ・・・、いくつか質問してもいいかな?」

 

 こちらを伺いながら通信してくる。

 俺は気配を完全に殺してからゆっくりと移動を開始した。

 

「・・・気配が消えたね。どこから攻めてくるつもりなのか・・・。

 とりあえず沈黙は了承と取るよ?」

 

 俺の気配が消えたことを察知し、予測の上での戦闘展開を開始する。

 つまり俺がどう動くかを蓄積したデータに基づいて算出しているのだ。

 敵の位置が掴めずとも、予測不能な攻撃と言うのはほとんどない。

 予測できても受けきれるかは別だがな。

 

「まず一つ目の質問・・・君の目的はなんだ?

 それだけの力を持ってなにを成し遂げるつもりだい?」

 

 もとの世界に帰ること・・・・・・なんて言うことは出来ないか。

 まあ当面の目的は和平だな。

 

「ナデシコのみんなの幸せ・・・。

 他にも色々あるがな、纏めれば結局はそれにつきる」

 

「幸せね〜・・・・・・っと、上か!」

 

 通信方向を瞬時に割り出し、横っ飛びに飛びながら真上に銃撃を集中させる。

 この動きくらいは計算していたか・・・。

 あまり非常識な機動は控えているにせよ、たいした腕だ。

 

「次。君はなぜ軍に入らなかった。

 君ほどの腕ならその気になりさえすれば出世は思いのままなんじゃないかい?」

 

「地位や名誉に興味はない。

 それに俺はコックだ。コックの仕事は戦争じゃないよ」

 

「それは詭弁だ! 君は戦いを楽しんでいる!」

 

 そうさ。俺は戦いを楽しんでいる。

 だがお前にわかるか?

 自分自身ですら持て余してしまうほどの力を、

 けして望んで手に入れたのではない忌まわしい力を、

 全身全霊を込めて受け止めてくれる存在が現れたときの喜びが。

 俺はもう一度あいつと戦いたい。

 戦争と言う下らない舞台を超えて、全力であいつと競い合いたい。

 

「お前だって楽しんでいるんだろう?

 じゃなきゃ前線に出てきたりしないものな、この道楽会長」

 

「な、なぜそれを!!」

 

 おいおい・・・(汗)。

 

「ユリカとガイを除けばもうみんな知ってると思うが・・・」

 

「!! 後ろだと!?」

 

 動揺したな。

 俺は飛んで離れようとするアカツキ機の片腕を取り、手首の返しだけで投げ飛ばした。

 そのまま固めに入って動きを止める。

 

「チェックメイト。

 サービスだ。最後の質問を聞いてやる」

 

「そいつはどうも。それじゃこれだけ聞いておきたい・・・」

 

 さあ来い。

 ユリカのことか? ルリちゃんのことか? それとも枝織ちゃんのことか?

 

 最後はふざけて相手の警戒心を和らげるこいつのことだ。

 間違いなく俺の女性関係について聞いてくるはず。

 俺はそう考えて身構えた。

 

 

「いやね、ちょっと風の噂に聞いたんだけど・・・

 君が枝織君を誑かしていると言うのは本当かい?」

 

 

 ズシャ!!

 

 

 こけた。

 って、なんだそれは!

 

「あ、ラッキー♪」

 

 

 ズガガガガガガッ!!!

 

 

「っと! うあ! ちょっと待てぇっ!!」

 

 体勢が瞬時に変わり、自由になったアカツキが至近距離でライフルを連射する。

 咄嗟に体を捌いて致命傷は免れたがそれでも左腕に甚大な被害を負ってしまった。

 

「当たったね。それじゃガラカブ定食をよろしく」

 

「何だそれはっ!? あ、いやそれよりも何をいきなり・・・!」

 

 風の噂って・・・その割にはやけに俺に悪意的な噂じゃないか?

 

「とある消息筋からの情報を見させてもらったよ。

 アンミラ、ナース、神父服! あまつさえ黒猫スーツまで!!

 何も知らないいたいけな少女に対してのこんな羨ま、いや外道な振る舞い!

 もし本当なら同じ“男”として君を許すわけには行かない!

 さあYESかNOかどっち!?」

 

 

 勘弁してくれ・・・。

 ここで認めて彼女達の耳に入ったりしたら・・・。

 

「の・・・NOかな?」

 

 

 ガガガガガガガガッ!!!

 

 

 答えた瞬間、アカツキからの銃弾の嵐が俺を襲う。

 もちろん今度は受けるようなへまはしない。

 

「NO・・・いまNOと言ったね、テンカワ君!!

 君は本気で何も感じないのか!!

 この際だから彼女にブルマスクール水着を着せてみたいとは思わないのか!!」

 

「え〜〜と・・・・・・じつはもう経験済みなんだよなぁ・・・

 

「・・・わかった。ウリバタケ君からの誘いをどうするか迷ってたんだけどね。

 たったいま決心したよ!

 テンカワアキト!!

 僕はとして君の敵となる!!!」

 

 どうしろと言うんだ!!

 叫んだアカツキはこの俺でも不意を突かれるほどの超人的な加速で俺に肉薄し、自爆した。

 

 

 ちゅど〜〜〜〜〜ん!!!

 

 

 何が言いたかったんだか・・・。

 とりあえずガラカブ定食か・・・ホウメイさんに聞いてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

「目的地の北極海域に入ります」(ルリ)

 

「うわぁ、すごいブリザードね〜。なんにも見えないじゃない」(ミナト)

 

「だがそれが逆にこちらの有利になる」(ゴート)

 

「・・・おや? ムネタケ提督はどちらに?」(プロス)

 

「何!? いつの間に消えた!」(ナカザト)

 

「あ、そう言えばジュン君もいない・・・」(ユリカ)

 

「キノ・・・いえ提督は先ほどブリッジを退室しました。

 副長はずいぶん前から行方不明です」(ルリ)

 

「「「「「行方不明?」」」」」(ブリッジ全員)

 

 

 

 

 

 

 

 プシューー!! ×2

 

 

「それじゃ、食堂に行こうか。テンカワ君」

 

「・・・敵になるんじゃなかったのか?」

 

「はっはっは! 何を言うんだい!

 古来から美味い料理の前にはあらゆる争いがその意味を失うんだよ!」

 

 むう、正論だ。

 

 俺たちがシミュレーションポッドから出ようとしたとき、新たに部屋に入ってくる人物がいた。

 

 

 プシュ!!

 

 

「あらテンカワ、ちょうどよかったわ」

 

 入ってきたのは提督だ。

 つかつかとポッドまで近づいてくる。

 

「ちょっとアンタが隠していることを聞こうと思ったんだけどね。

 簡単に話しそうにもないし、どうやって聞き出そうかと悩んでたら・・・」

 

「はあ、それで何が“ちょうどいい”んですか?」

 

 イマイチしっくり来ない俺がそう問い掛けると、ムネタケはにやりと笑い、

 

「別にたいしたことじゃないのよ。

 ただその情報をえさに賭けでもしようかと思ってね。

 テンカワ、アタシと模擬戦で勝負なさい。フル装備の反則なし。

 それでアタシが勝ったら質問に何でもひとつ正直に答えること」

 

 は?

 本気かムネタケ。

 この俺に機動兵器戦を挑むだと・・・?

 

「ちょっとちょっと提督! それは無茶だ。

 僕らみたいな現役のパイロットが束になってもテンカワ君に手も足も出ないんだよ?」

 

「アタシはテンカワと取引してるの。アンタは黙っててくれない?」

 

 にべも無いムネタケに肩をすくめ、身を引くアカツキ。

 どうやら本気みたいだな。

 実はムネタケって凄腕のパイロットだったり・・・・んなわけないか。

 

「構いませんよ。でも俺が勝ったら何をくれるんです?」

 

「この先、アンタに協力を惜しまないことを誓うわ。

 それで降格されたとしても文句は言わない」

 

 それは・・・・・・なるほど。

 つまり協力を申し出るきっかけ作りか?

 素直に従うのは気に入らない、と・・・ここらへんは変わらないな。

 

「いいでしょう。その勝負受けます。

 アカツキ、と言うことだから少し待っててくれ」

 

「了〜解。ま、すぐに終わるだろうしね。

 ガラカブ定食は逃げたりしないさ」

 

 ポッドを出て、席を提督に譲るアカツキ。

 まあ素人なんだから5秒持てばいい方だろうな。

 

 俺は気楽な思いでシミュレーションポッドに戻った。

 

 

 

 

 その予想が覆されることになるとは露とも知らずにな。

 

 

 

 


 

 あとがき

 

 では今回も、白い鉄さん、多謝! 多謝!

 

 と言う事で挿絵を使わせていただきました。

 如何でしたでしょうか? 僕は一発で気に入りましたよ。

 とくに腰のラインがなんとも・・・・・げふんげふん!

 贅沢を言えば“ルパンダイブ”がしたかったんですが「し〜おりちゃ〜ん!」は語呂が悪い(泣)。

 

 さて、この話のムネタケなんですが、ただ単に有能となった訳ではありません。

 コンセプトは「嫌味ったらしくも有能な上司」です。

 せっかく嫌な奴なんですからそのままの性格でいこうと思っています。

 それが僕の好きなムネタケ像ですしね。

 アキトはもとより、この先結成される予定の某同盟すら煙に巻くこともあるかもしれません。

 全国一千万のムネタケファンのみなさん! 楽しみにしていてください!

 

 アサミや沙耶も出したかったけど・・・さすがに一話で色々書くのは無理か。

 さあ! 次回はついに例の計画が発動します!

 分かってる人も何のことだか分からない人も、妄想しながら待ってて下さい!

 ではでは!!

 

 

代理人の

「アキトさん。あなたはもっと堕落しました(びしぃっ!)」のコーナー(笑)

 

いや、久しぶりだし。

今更「堕落しました」って言ってもインパクトがいまいち薄いし(爆)。

 

 

定期おまけ連載

「緑麗さん、貴方はもっと堕落しました(びしぃっ!)」

のコーナー(超爆)

 

いや、やっぱり久しぶりだし。

「堕落しました」って言っても今更ですし(核爆)。