紅の戦神
第十六話
「と、言うわけでテニシアン島に落下した新型と思われるチューリップの調査を・・・
っていう依頼が来たんだけどなんでアタシがこんな時間にこんなとこで叫んでなきゃいけないわけ?」
「ふぁ〜〜あ・・・」
「理不尽よ。横暴だわ。睡眠不足はお肌にも最悪なのよ?
・・・そうよね、こういうときこそ副官と言うのは役に立つべきだと思うの。
そうは思わない? ハルカ・ミナト!」
「・・・そうね〜〜〜」
「賛成過半数によって決定ね。それじゃ・・・
『親愛なる私の下僕へ
これは幸福の命令書です。
例えどんなに理不尽であろうと従えば幸福になれるかも知れませんが保証はしません。
しかしもし従わなければ確実に不幸にします。
グラビティブラストの砲台磨きをしたくなければ五分以内に出頭すること。
命令内容は・・・・・・』
と、こんなものかしらね。
着信音を最大音量に設定して・・・・・・はい送信」
プシュ!!
「あら、交代?」
「ええ。ご苦労様」
「エリナ・ウォン、アタシも交代するわ。
ナカザトが来たらよろしく言っておいて」
「はいはい、提督もお疲れ様。
ふぅ、次の目的地は赤道直下・・・テニシアン島か。
・・・青い海、緑のサンゴ礁、そして白い砂浜。
これは・・・例の物を作っておかなきゃいけないようね・・・ん?」
「提督の鬼畜生〜〜〜〜〜〜〜!!」
「あらら・・・。あ、久々に潜ってみるのもいいかも♪」
「で、テニシアン島だ」
「・・・テニシアン島は最近になって個人の所有になっています。
所有者は例のクリムゾングループのオーナー・・・」
「クリムゾンですか・・・なにやらきな臭いことになりそうですな〜」
「まあ結局のところお嬢様の道楽と化してるみたいだから問題はないと思うけどね。
気になるのは・・・・・・ウチのSSの情報網であのエマージィ・マクガーレンが動いてるらしいことが判明した」
「エマージィ・・・!! 奴がっ!?」
「・・・はて? 何方でしたかな?」
「「・・・・・・・・・・・・」」
「おや、二人ともどうしました?」
「いや・・・」
「え〜〜っと・・・プロス君、それ本気で言ってる?」
「私は貴方と違って何時だって大真面目ですが・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・
「・・・あら? どうかしましたの、ミスター?」
「あ、これは・・・申し訳ありませんアクアお嬢様。
なにやら無性にこのあたりがムカムカと・・・」
「まあそれはいけませんわ。すぐに医者をお呼び致しましょう」
「いえいえ、お気になさらないで下さい。
どうせ商売敵が私の悪口でも言っているのでしょう。
こういう仕事をしてますとどうしても人の恨みを買うことは避けられませんからね」
「そうですの・・・・・・あ、では私の作った料理はいかが?
古今東西のあらゆる毒草が揃ってますよ? 毒は使い方によっては薬にもなると言いますし・・・」
「謹んでご遠慮させていただきます(にっこり)」
・・
・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハイドラント
「ああ、クリムゾンの『消火栓』でしたか。
この世界で本名を呼び合ったりはあまりしませんからな〜」
「マクガーレン氏も浮かばれないねぇ」
ハイドラント ドールマスター
「それにしても・・・『消火栓』に『人形遣い』とはな。
クリムゾンは何を企んでいる・・・?」
「警戒はさせておくよ。
それが無くても最近は社長派の奴らがお盛んだってのに・・・ほんと忙しいね〜」
「だったらもう少し仕事してください。
本来なら会長がこんな前線に出てる暇はないはずです」
「はは・・・考えておく」
深夜二時・・・本当ならもうみんな寝ている時間だけど、
偶然にも夜間待機任務が入ったので俺はそれをいい機会に枝織ちゃんのお願いに応えていた。
つまり料理を教えてほしいってことだ。
まあそれを建前にしてユリカ達が厨房を使うのを防ごうとしているわけだが・・・。
「はぁ〜虚しい・・・僕のこの空虚な心を埋める術は無いのか・・・」
入ってきたのはジュン。
一週間前の事件が尾を引いてるのか何時にもまして顔色が真っ暗だ。
あの件は俺にも責任がなかった訳じゃないし、少しだけ気の毒に思う。
「くんくん・・・この匂いはっ!?
・・・・・・って、なんだテンカワか」
「景気の悪い顔してるな、ジュン」
「放っておいてくれ。
僕はいま、無くしてしまった心の破片を捜し求めているところなんだ・・・」
重症だな・・・。
やっぱりもしかしなくても俺のせいか?
「そうだ、ユリカが心配してたぞ?
ここ一週間ジュン君の姿が見えない、って」
「ほ、本当かっ!? そうか・・・ユリカが僕のことをっ!!
僕がいなくなってたことに気付いてくれたんだね、ユリカぁっ!!」
「・・・嬉しいのか、それで」
お手頃価格な奴だな・・・。
もう少し欲張らないと大事なときに大事なものを逃してしまうぞ?
「ああ、それからプロスさんが『一週間も無断欠勤したんですから当然減給ですな』とか言ってたぞ」
「・・・ちくしょう」
「浮き沈みが忙しいな・・・。
ま、そのうちいいことあるさ」
ぽんぽんとジュンの肩を叩いてやる。
「―――よっ・・・と! 出来たっ!!」
「ん、ご苦労様、枝織ちゃん。
・・・ジュン、お前も食ってかないか?
枝織ちゃんが初めて全部一人で作った料理なんだ」
横から俺が口出したりはしたけどな。
「・・・・・・そうだね、頂くよ」
「はいお待ちどおさま〜〜♪」
ナデシコと言えば、と言うことで作らせてみたチキンライスを3つに盛り分ける。
料理としては簡単だし、初心者が作るには最適だろう。
調味料と手順さえ間違えなければ誰でもそれなりに美味しく作ることができる。
・・・・・・一部の人間は除いておかなきゃならないが。
「「「頂きます!」」」
パクッ!!
「・・・・・・どう?」
「うん美味しいよ。なぁジュン?」
「ああ。
幸せって、結構身近なところに落ちてるんだなぁ・・・」
「班長、いいんですか?
あいついきなり裏切ってますよ!?」
「我らが怨敵と仲良さげに! そして我らが天使の手料理を頂くとは!!」
「粛清委員会の緊急招集を要請します!」
「・・・・・・・・・要請は却下だ。先週は色々あったみたいだからな。
今日くらいはあいつにもいい思いをさせてやるくらいの度量が俺たちには必要だろう」
「・・・班長、いくら儲けました?」
「な、何のことだ・・・」
「副長の写真・・・」
「女性クルーの多くが持ってるのを確認してるんすけど・・・」
「一部ヤローも持ってましたけどね」
「「「・・・・班長!!」」」
「う、うるさいうるさい! こいつは俺のリリーちゃんの改造資金って決まってんだよぉっ!!」
「ふ・・・仲間割れですか・・・ムニャムニャ」
「ビーチ手前で着水。
各自、上陸用意をさせて」
「は〜〜〜〜い♪」(ブリッジ全員)
「ルリルリ、貴方肌が白いんだから日焼け止めはコレ使いなさい」
「すみません。
海、二回目なんです」
「ふ〜ん、一回目は誰と行ったのかな?」
「・・・秘密です」
「海か〜・・・泳ぎに行くのは初めてかな?
水の上でアー君と追いかけっこしたことはあるんだけどね」
「「・・・・・・水の上?」」
こうしてナデシコはテニシアン島に到着した。
「流派!! 東方不敗は!!」
「王者の風よ!!」
「全新!!」
「系列!!」
「「天破侠乱!!」」
「「見よ!! 東方は赤く燃えているぅっ!!」」
ビーチに着水し、一番乗りで浜に下りつついきなり叫びだしたのは
言うまでもなくガイと枝織ちゃんだった。
真っ赤に燃える太陽をびしっと指差し、一息の乱れも無い。
・・・ガイ、貴様何時の間に枝織ちゃんを洗脳した?
俺はにこやかに二人に近づき、ガイの肩に手を乗せる。
「お、アキトか! よ〜しおめーも一緒に・・・」
「超級!! 覇王!!
電影だ〜〜〜〜〜ん!!!」
ドゴォォォオオオオオンンンン!!!!
「うおおおおおおおっ!! これぞ漢の必殺技だ〜〜〜〜っ!!!」
・・・・・・・・ドボォォォオオオオンンン!!!!
ふ・・・我ながらよく飛んだな。
「あ〜! アー君もガイ君もずるい! 何時の間に特訓してたの!?」
「枝織ちゃんも出来るよ。ガイが戻ってきたら試してみればいい」
ただ単にきりもみを加えて吹き飛ばすだけだからな。
それに枝織ちゃんなら『爆熱! ゴ〇ドフィンガー!』だって可能だ。
でもガイ以外でやったら犯罪だから気をつけてね。
「よ、よ〜〜し! 気を取り直して上陸! 上陸〜〜〜!!」
「パラソル部隊急げ〜〜!!」
「おお〜〜っ!!」
「女子に負けるな〜〜!!」
「おお〜〜っ!!」
突然の惨事にしばし呆然としていたクルー達が思い出したように走り出す。
みんなの頭の中は「海!」で埋め尽くされているらしい。
既に誰一人としてガイのことなど気にしていない。
しかしいいのか? ナデシコを空っぽにして・・・。
まあナデシコだしな。
「ちょっと待ちなさい!!
あなた達はネルガル重工に雇われているのよ!!
だから遊んでる時間は時給から引くからね!!」
「は〜〜〜〜〜〜?」
・・・ナデシコって時給制だったのか!?
「で、これが私の作ったシオリ。
まず海の深いところには行かないこと。
それから水に入るときはちゃんと準備運動を・・・って、誰か聞きなさいよ!!
もう! 私も遊ぶからね!!」
バッ! っと制服を脱ぎ去るエリナさん。
なんだ、遊ぶ気十分じゃないですか。
「超級覇王電影弾!!」
「ぎゃひ〜〜〜〜〜〜!!」
「ぶぁくねつっ!! ゴッド!! フィンガァァアアッ!!」
「のぉぉぉおおおぉぉぉおおおっ!!!」
「天に凶星、地に精星!! 必殺!! 計都羅喉剣!!」
「やめれ〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
よかった、枝織ちゃんも楽しそうだ。
やっぱり活動的な性格だからいくらナデシコとは言え狭いところでじっとしているのは性に合わないんだろう。
久しぶりに地面に降りてからやけにはしゃいでいる。
「おおいテンカワ! あっちでビーチバレーやらないか!」
「いや、悪いけどやめておくよ」
「なんだよ。いいじゃね〜か、別に」
「俺が入ると戦力バランスが崩れるしね。
なによりちょっと力入れたら破裂するようなボールは使えないよ」
「そ、そうか・・・(汗)」
必要以上に手加減するって案外疲れるんだよな。
今日くらいはのんびりと休みたい。
こっちはビーチパラソルの下で将棋をしているプロスさん&ゴートさん。
・・・・・・の隣りで同じように台を囲んでるジュン&ナカザト。
何やってるんだ? 黒と白の石が置いてあるけど・・・。
「くっ! 隅を取られて地合いが遅れたか・・・!!
ならば・・・・ここだ!」
「・・・なるほどね。ナカザト、君らしい一手だ。
一見して強引過ぎる手だがおそらくこれは左辺での攻め合いをニラんだもの。
知らずに放れば左辺から上スミにかけて大損することになる・・・
かと言ってこの地の守りを疎かにすれば本末転倒だ」
「そこまで読めるならもうわかるだろう! 既にこの白に生きは無い!」
「いや・・・まだだ。
いまの君の一手は確かに鋭かったけど、できれば後二手は待つべきだった。
僕がツケたときにハネず、逆にヒイていればまだ逆転の余地はあったよ。
これでは僕が楽にサバけてしまうし、さらに君の黒を切断できてしまう。
そして・・・・・・ほら、これでもう形勢は動かなくなる!」
「な・・・馬鹿なっ! そんなシノぎ方があったと言うのか!!」
「さあどうする? ここからはもうヨセだけど続けるかい?
言っておくけど僕はどんな細かい小ヨセでもミスをしたことは無いよ」
「くそっ・・・投了だ!」
・・・わけわからん。
あれが『囲碁』ってやつか?
火星にはオセロくらいしか無かったからな〜。
「ナカザト、だいぶ上達したよ。
今度は置石を減らしてみようか」
「ああ、次からは3子置かせてもらう。
・・・・・・『連合大学の蒼い棋聖』に3子で挑んだと言ったら結構な自慢になるな」
「ふ・・・もう昔の名さ」
誰だ貴様は?
俺の知ってるジュンじゃないぞ・・・。
「ねえテンカワ君、一つ聞きたいことがあるんだけど・・・隣りいい?」
一人孤独に浸りながら日向ぼっこをしていた俺にエリナさんが近づいてきた。
俺は特に反応を示さなかったがそれを肯定と取ったのか、すぐ隣りに腰を下ろす。
「エリナさん、なにか?」
「ええ・・・・テンカワ君、火星から来たのよね?」
「・・・・・・・・・・・・ええ、そうですけど」
「なによいまの間は」
「いやもうずっと昔のことだったんで・・・」
火星から地球に跳んだ日ってほんともう何年前だろうな?
俺の主観で考えれば七年以上は経ってるはずだ。
なんたって俺の場合、肉体年齢が18歳でも精神年齢25歳超えてるし。
「ずっと昔って・・・まあ君くらいの男の子なら一年なんてもう過去なのかもしれないわね。
じゃあ激戦下の火星からどうやって脱出したのかは覚えてる?」
ああ、そう言えばネルガルからのアプローチはこの頃だったか。
さて・・・どうだろうな。
どうせラピス達がネルガルを落としてしまうしエリナさんには味方になってもらうから話しても問題ないだろうけど。
「・・・なんでそんなこと聞くんですか?」
「あ、別に深い意味は無いのよ。
ただ君に個人的に興味があったってだけのこと」
妖艶な微笑み・・・だがそこにあるのは実験対象としての興味だけだ。
なぜならかつてのような戦慄を感じないからな。
そしてそっちの方が俺にとっては与しやすい。
・・・皮肉だ。
味方になった方が恐ろしいなんて・・・。
「はは、なら俺も個人としてお答えします。
そうですね、俺が覚えているのは火星のユートピアコロニーでバッタ達に囲まれたところまでです。
あいつらの無機質なカメラアイが俺はすっげー怖くて・・・」
「怖い!? あなたが!?」
「あ、ひどいなー。俺だって人並みに恐怖くらい持ってますよ。
それに・・・あの頃の俺には今みたいな力はありませんでしたし・・・」
あったとしても生身で出来ることなどたかが知れているがな。
俺は・・・俺自身が傷つくよりもあそこにいた人たちを守れなかったことの方がよっぽど辛い。
「ご、ごめんなさい。あまりに意外だったから・・・。
それで? バッタに囲まれてどうなったの!?」
ぐぐっと体を乗り出してくるエリナさん。
口調も大きくきついものへと変わっていく。
さすがのエリナさんも長年ネルガルが求めつづけてきたボソンジャンプの生きた情報に興奮を隠せない、か。
「ええ。怖くて怖くて・・・俺、悲鳴を上げて頭を抱え込んでたんです。
現実逃避してたんですね。
可能な限り縮こまって、夢なら早く覚めてくれってひたすら祈って・・・。
そうしたらいきなり両親の形見だった青い石のネックレスが光を放ったんですよ。
同時に俺は気を失って・・・気が付いたら地球にいました」
「青い石!? ちょ、ちょっと待って! それってまさかこういうのじゃ・・・!?」
「ああ、そうですね。まったく同じです」
「それで!? その石はいまどこに!?」
「地球で目を覚ましたときにはもう無くなってましたよ。
ネックレスのほかの部分は残ってたのに、石だけ綺麗に取り除かれてました」
俺がそこまで言うと、エリナさんが唐突にニタリという笑みを浮かべた。
条件反射で俺の体が急速に強張る。
・・・なんだか狩られる間際の獲物になった気分だ。久々に。
「ねえテンカワ君・・・じつは協力してほしいことがあるの」
「エ、エリナさん近づきすぎ・・・」
「いいから! 『はい』か『Yes』かどっちかで答えてくれればいいの!!」
・・・おいこら。
「せめて何に協力するかくらい教えてくださいよ」
「あらそう? 実はネルガルが極秘に進めているプロジェクトがあってね・・・」
「・・・個人的なことじゃなかったんですか?」
「気にしちゃ駄目よ♪
それでね、私が担当しているその計画はもし成功すればこの戦争を大きく左右する・・・ムグッ!?」
「静かにっ!!」
唐突に現れた気配に・・・俺はエリナさんの言葉を手で塞いだ。
(この気配・・・・・俺たちを監視していたのか。
くっ! こんなに近づかれるまで気付かなかったとは!!)
この島に配属されているクリムゾンのガードの実力は知っていた。
・・・いや、知っているはずだった。
だがそれは俺の驕りだったようだ。
変わり始めた歴史の中で、全てが俺の知識通りに動くことはありえないのに。
「むがっ!! むぐぐむががむっがっ!!(ちょっと!! いきなり何するのよ!!)」
「すみませんエリナさん。ちょっと用事が出来たみたいです。
今日のところはここまでにしてもらえませんか?」
「・・・ぷはっ! 仕方ないわね。
じゃあ私は枝織ちゃんとか艦長とかを誘ってスキューバでもやってるわ」
「ええ、お願いします」
真剣モードになった俺の視線にエリナさんもすぐに従ってくれる。
いままでも監視の目があるのは気付いていたが、まさかそれが囮だったとはな。
他の者達をわざと目立たせて一部の者が自由に動き回る。
常套といえば常套の手段だ。
もちろん尋常ならざる技術が不可欠だが。
「おもしろい・・・ナオさんに挨拶しに行くがてら、クリムゾンの腕試しをさせてもらうか」
もう俺を見ていた気配はその痕跡もろとも消え去っていた。
実に見事。
ここまでできるからには相当の腕だろう。
歴史の陰に隠れて来た達人・・・一人の武道家としてこれほど楽しいことは無い。
(やれやれ・・・少し北斗に毒されたかな?)
俺は気配があった方向に向かって駆け出そうとした。
「お待ち下さい、テンカワさん」
「・・・プロスさん?」
行く手を遮ったのはプロスさんだ。
すでにゴートさんは動き出しており、ここにはいなかった。
と言ってもゴートさんが相手にしているのは囮の連中だろう。
この俺でさえ今の今まで気がつかなかったのだから。
「今の気配の主は私が追います。
それで、テンカワさんにはゴート君の手助けをお願いしたいのですが・・・」
「構いませんが・・・・何故?
ゴートさん程の実力があれば滅多なことでは不覚は取らないはずだ。
それよりも今の奴の方が気になる・・・」
「あの者はわざと気配を洩らしたに過ぎません。
囮を立てた上での明らかな誘導・・・。
もし同じレベルのエスピオナージが他にもいたらゴート君一人では荷が重いでしょう」
なるほど・・・可能性は低いと思うが確かに考えられないことじゃない。
プロスさんなら咄嗟の事態でも何とかしそうだ。
「わかりました。
じゃあゴートさんを手伝ってきますよ」
「本来なら我々ネルガルが責任を持って処理しなくてはいけないんですが・・・
申し訳ありませんな。なにぶん人手不足で・・・」
「困ったときはお互い様でしょう?
これは貸しですよ、貸し。いつかしっかり返してもらいます」
ネルガルごと、になるだろうけど。
「お願いします。
あ、ついでと言ってはなんですが行方不明者を一人、連れて帰ってきてください」
「行方不明者?」
「ここは何処? アタシは誰?」
・・・って冗談言ってる場合じゃなかったわね。
アタシとしたことがこんなところまで来て迷子になってるだなんて・・・。
だいたいこの島がいけないのよ。いったいどういう環境なの?
普通こんな熱帯気候じゃ育たないような特殊な植物が大量にある。
あきらかに人の手で品種改良されているものばかりだわ。
しかも毒性を持つものばっかし・・・陰謀の臭いがするわね。
「あら? これはシャグマアミガサタケじゃない。
いきなりやばげな毒茸が来たわね。モノメチルヒドラジン中毒は致命的なのよ。
ん? こっちはサンボンセイギョウガサにドクアジロガサ。
ほんっとに選り取りみどりね〜♪」
いい機会だから採取して置きましょ。
「ちょ、ちょっとちょっと! 何をなさっているんですか!」
「何よアンタ、見て分からないの?
戦艦なんかに乗ってるとこんなことは滅多に無いから出来るときにコレクションを増やしてんのよ」
「コレクションって・・・それは私が栽培しているキノコなんですよ!?」
「あらそう? それは悪かったわ。
まあでももう取っちゃったやつは仕方ないわよね。貰っておくわ」
「あ、あーーっ! なに懐にしまってるんですか!!」
「ケチくさいこと言ってんじゃないわよ・・・・・・ところでアンタ誰?」
「あ・・・これは失礼しました。
私はこの島の主でアクア・クリムゾンと申します」
「ああ、アンタがここのオーナーだったの?
アタシは連合軍少将、ムネタケ・サダアキよ。
ネルガルの建造したナデシコって戦艦で提督をやってるわ。
今回はこの島に落ちた新型チューリップの調査に来たの」
「・・・それがどうしてキノコ狩りになっているのです?」
「彼らがアタシを呼んでいた・・・・・・ただそれだけのことよ」
「ひ〜ん、なんか変な人を捕まえちゃいました〜〜(泣)」
失礼な娘ね。
でも・・・クリムゾン?
なんだってそんな大企業の娘がこんな島にいるのかしら。
「・・・まあそれはともかく歩き回って少し小腹が空いたわ。
せっかくだからアンタの別荘にでも招待されてあげる」
「え〜ん、しかもなんだか図々しいですぅ〜(大泣き)」
今回私は会長からの直々の命令によってこの島に派遣された。
そしてその使命を果たすため、私は怨敵プロスペクターを前にしながらもあえて引き、
目標のテンカワアキトを孤立させることに成功していたのだ。
そう、会長はテンカワアキトと接触しあわよくば自陣に引き入れろと仰られた。
そのためには手段を問わない、どんな条件も出す。
先程までの観察や今まで手に入れた情報では、個人的には好きになれない男だと言うのが分かる。
しかしそれはそれ。
私が僅かに洩らしただけの気配に気付くなど、実力と言う点では申し分ない。
計画ではアクア嬢をテンカワアキトと接触させ、この別荘まで連れて来たところを私が直接交渉するはずだった。
だからこそもともといた護衛たちにゴート・ホーリーの相手をさせ、
私が直々に出向いてプロスペクターを誘い出し、
テンカワアキトが通ると予測される地点にアクア嬢を誘導したのだ。
ネルガルの連中に邪魔されないで交渉できる席を用意するために。
だが結果は・・・
「ミスタ・マクガーレン、次の料理を運んでくださらない?」
「お嬢様・・・私が連れてくるようお願いしたのはテンカワアキトと言う男だったはずですが?」
頭の足りない馬鹿が連れてきたのは確かムネタケ・サダアキとか言う連合軍の鼻摘まみ者。
その価値はテンカワアキトとは比べるべくも無い。
私がこの世で最も許せないのは無能な者と役に立たない者だ。
何の役にも立たない自殺願望女をせっかく使ってやったと言うのにそれがわざわざこんな無能を連れて来るとは。
温厚な私にも我慢の限度と言うものがある。
「分かっておいでですか? これは貴方の祖父であるロバート会長からの指令なのですよ?
いくらお嬢様でも会長の御意志に逆らうことは・・・」
「ああ! こうしてはいられません!
ミスター! オーブンの中のお料理を見ててください!」
「人の話を・・・!」
「この料理は私が運んでおきます!
お爺様の片腕だろうとそんな名前はこの島では何の役にも立たないのですから少しは働いてください!」
・・・・・・待て。
私が・・・この私が役立たずだと言っているのか! この女は!
いいでしょう。見せてあげます。
そして後悔させてあげましょう。この私を役立たず呼ばわりしたことを!!
・・・はて? 何かが違うような・・・
「すみません、お待たせいたしました」
「別にそんなに待ってないわよ。
・・・ふむ。
見た目は普通の海鮮料理だけど・・・・・・これね。
ソースの中のハーブに混ぜてひっそりと加えられているクラーレの香り。
マチン科・ストリキノス属。成分はクラリンにトキシフェリンだったかしら?
熱帯雨林の狩猟に使われていた矢毒の一つ。
これが体内に進入することで呼吸麻痺や筋弛緩効果を引き起こして死に至らしめる。
でも・・・もう一つ、こっちはストロファンツス・ヒスピードゥスね。
これに含まれているストロファンチンとウワバインが前者の毒を中和しているの?
たしかにヒスピードゥスは口からの吸収には無害だけど・・・。
こんな猛毒植物を調合して痺れ薬程度にまで落とすなんて信じられないわ」
「分かります!? お分かりになりますか、この素晴らしさが!!
ああっ! あなたこそ私が待ち望んでいた理想の男性・・・!」
「ふん、小娘にそんなこと言われてもちっとも嬉しくないわよ」
「で、では先生とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「それならまあ・・・・・・悪い気分じゃないわね(赤)」
ガァンッ!!
「くっ・・・はぁっ! 手強い・・・!!」
敵の銃撃を木の陰に入ることでなんとか防ぎ、乱れた呼吸を整えている。
俺は回りに残っている敵に警戒しながらゴートさんに近づいた。
「ゴートさん、お手伝いします」
「!! テンカワかっ!?」
俺が気配を消していたために動揺を隠せないゴートさん。
まあ戦場で話し掛けられるまで気付かないようじゃ生きていられないからな。
焦るのも仕方ない。
「・・・なぜここにいる?」
「プロスさんに頼まれました。
一人、並外れて腕の立つやつがいまして・・・他にもいたら厄介だから、と」
ク
ラ ウ ン
「そうか・・・ネルガルの道化師が動くか」
「・・・道化師?」
「知らないのか?
お前は裏の世界に精通しているものと思っていたが・・・まあいい。
とにかくミスターが動いたのならそっちは任せても大丈夫だろう。
問題はこっちの方だが・・・」
「残りは気配からして三人ですね。
ここは俺が引き受けますんでゴートさんは上を目指してください」
「三人? まだ八人は残っていたはずだが・・・?」
「ここに来るときに五人ほど眠ってもらいましたよ。
そうそう、上には提督がいるみたいです。
ゴートさん、つれて帰ってあげて下さい」
結局、行方不明者はムネタケ提督だった。
まったく。
まともになったかと思えばいきなり問題を起こすんだからな。
少しは大人しくしていて欲しいよ。
「野外戦も一流か。
お前には驚かされてばかりだな。
では・・・頼む!」
バッ!!
そう言うとゴートさんはその巨体に似合わないスピードで消えていった。
「残り三人・・・うち一人はナオさんか。
なるほど、他の二人とは気配の消し方に雲泥の差があるな。
まあ今のところは挨拶だけで済ましておくとして・・・後の二人にはやはり眠っていてもらおう」
とりあえず無防備に開けた場所へ踊り出てみる。
途端に突き刺さる鋭い殺気。
狙撃手特有のものだ。少しばかり離れたところからライフルでこちらを窺っている。
「一人はスナイパー。もう一人は・・・木の上か。
建物の中にいるのはナオさんだから・・・っ!!」
撃ってきた!
俺は紙一重でライフルの銃弾をかわすと横転したまま地面の石を拾い上げ、木の上に向かって投げる!
「ぐあっ!」
堪らず落ちてくる男。
それでもなんとか受身は取ったようで、すぐに立ち上がろうとする。
「悪いな」
「なっ! は、速・・・ぐおっ!!」
俺は一足飛びに間合いを詰め、鳩尾に当身を入れて気絶させた。
白目を剥いて倒れ伏す男を、狙撃の弾が当たらないように木の裏に寝かせる。
さてどうするものか。
いくらなんでもここからわざわざ倒しに行くのは面倒だし。
こいつの持っていた拳銃では射程が短すぎる。
ということで妙案を思いついた俺はたったいま倒した男の履いている靴を脱がした。
「少しインチキだが・・・・・・許せよ」
ブオンッ!!
靴に石を詰め、思いっきり振り被って投擲する。
ちなみに昂気でコーティングもしてみた。
といっても体から離れたら消えてしまうんだが・・・まあ言ってみればカタパルトみたいなものかな。
「ぶはぁっ!!」
50メートルほど離れたところにいた敵に見事命中。
纏わりついていた殺気が消える。
「さて・・・残るは一人」
「やれやれ、やっぱり気付いてたかよ」
現れたのは黒ずくめにサングラスをかけたヤーさん・・・もとい、ナオさんだ。
しかしこの頃からもうこの格好だったんだよな。
ある意味無茶苦茶違和感のある人だ。
ここは常夏の島国だぞ?
「ほう、自分から身を晒すのか?」
「まあね、アンタには不意打ちも効かなさそうだしな。
それに・・・・・・」
ナオさんは片足を半歩引いて自然体の構えになる。
「一人の武術家として、ぜひ手合わせ願いたい」
「いいだろう・・・相手になる! 来い!」
「それじゃ、お言葉に甘えて!!」
ザッ・・・シュシュ!!
間合いを詰めるための突進から繋げた、軽い牽制のジャブ。
このころのナオさんのクセだ。
俺は懐かしさに綻ぶ口許をなんとか抑えて、全てを紙一重のところで間合いを外して避ける。
そしてナオさんからのタイミングをずらした右ストレート。
避けきれずにこちらも右手で内に捌き、逆の左手の手刀をナオさんの胸へ。
「ぐっ・・・!! へへっ、やるなアンタ!」
「戦闘中にあまり喋らない方がいい。
特に自分が焦っているときは声に出るからな」
「ご忠告どうも、っと!!」
またもジャブから。
だが今度はフットワークを使った疾風のような連撃だ。
足首を使い、ナオさんはまるでリズムを取るように軽やかに跳ね続ける。
そしてそれは俺にとっても避けられるものじゃない。
フットワークから放つジャブと言うのは達人クラスになるともはや人間の視覚神経の伝達速度すら上回るのだ。
もっとも・・・それでダメージを負うかはまた別の問題だが。
「どうした? そんな攻撃では俺のガードを突破することは出来ないぞ?」
「くっ・・・!」
次第に焦りが出て、乱れ始めるナオさん。
自分でもそれがわかったのか一度距離を取り・・・・・・無動作からの上段回し蹴りを放つ!
ガッ!!
俺は易々とガードし、足が離れる寸前にしっかりとその足首を掴んで極める。
「しっかり受けろよ?」
「何を・・・・・おおおおっ!!?」
ブオッンン!!!
「でたらめだあぁぁっ!!」
足首を掴んだまま力任せに上空に投げ上げ、棍棒のように振り落とす!
ナオさんは絶叫した後に咄嗟の判断で身を丸め、後頭部を両手で抱えてカバーする。
そのまま掴んでいた俺の手首をもう一つの足で蹴り付け、自由になったところを転がって離れた。
ついでに威力も殺せて一石二鳥だ。
毬のように転がりつづけて徐々に落下の衝撃を殺していく。
「さすが・・・」
その判断力に俺は感嘆の声を上げた。
「けほっ・・・なんつー怪力だよ・・・!
ふつう大の男を片手で投げるか?」
「受身が取れるだけ立派なものさ」
ちゃんと手加減はしたがな。
もし俺が本気で叩きつけたら、地面にクレーターを作るのと同時にナオさんの体は砕け散っている。
「それで? まだ続けるか?」
「仕方ないだろ。こっちも仕事なんだから、よ!」
倒れたときに掴んでいた砂を投げようとするナオさん。
しかしその腕が振り切られる前に、俺はナオさんに肉薄していた。
「おいおい・・・マジかよ。人間ってほんとに消えるんだな・・・」
「そのダメージではもう立てないはずだ。
大人しく寝ていてもらう」
ドスッ!!
「ぐっ!! ・・・う、動けねえんだからほっとけ、よ、な」
そしてナオさんは倒れた。
俺はさきほど木の裏に寝かせておいた男のところまでナオさんを連れて行き、一緒に縛り付ける。
スナイパーは・・・まあいいか。
俺は二人の気道が詰まっていないことを確認すると、そのままもと来た道を引き返していった。
ゴートさんなら大丈夫だろうから、帰っても問題ないだろう。
上に敵の気配はしなかったし、俺もわざわざ自殺願望の少女に会いたいとは思わない。
そろそろナデシコも発進するころだろうしな。
それから昼食の用意をしていたら、途中でゴートさんが合流した。
提督と・・・何故かは知らんがアクアさんを引き連れて。
プロスさんは既に戻ってきていたが、さっきのやつのことを聞いてみても
「逃げられてしまいました」
とあっさりと言われてしまい、俺はテニシアン島に一つの気がかりを残すこととなった。
ついでに。
というか今回はコレがメインの筈だったんだがとにかくチューリップの探索を開始した。
発見されたチューリップは巨大バッタが出てくる前に俺がDFSで真っ二つ。
こっちにはバリア装置の起動スイッチを持っていたアクアさんがいたので事は簡単に進んだ。
兎にも角にもようやく活躍できたので俺は満足だ。
で、その夜。
「アキト! ユリカね、アキトのためにお夜食作ったの!!」
「アキトさん! 私の料理食べてください!!」
「テ、テンカワ! オレ初めて料理作ってみたんだ! 味見してくれ!!」
「え、え〜〜〜と・・・ゴメン。俺ちょっと用事が・・・はははは、じゃ!」
脱兎の如く逃げ出す俺。
「待ってよアキト〜〜〜〜!!」
「待って下さいアキトさ〜〜ん!!」
「せっかく作ったんだぞ!! 食べろよテンカワ!!」
「それだけはいやだ〜〜〜〜〜っ!!!!」
俺の心の叫びが、みんなに届くことは無かった。
「おやおや・・・。
枝織、アンタはテンカワのやつを追いかけないのかい?」
「うん。
私ね、もっともっと上手になってアー君を喜ばせてあげるの!
てなわけでホウメイさん。よろしくお願いしまっす♪」
「はいよ。
まったく・・・艦長たちも枝織を見習って欲しいね〜〜」
「ムネタケ先生〜〜〜〜!!
アクアは何時までもお待ちしておりま〜〜〜〜す!!」
「何故です!! 何故どんな料理を作っても毒になるのですか!!」
「ミ、ミスター・・・そこは毒草貯蔵庫・・・がくっ」
「いいえ私は負けません!
あのアーパー女に役立たず呼ばわりされたままで引くわけにはいかないのです!
見ているがいいプロスペクター!! こんなことでは私は負けない〜〜〜〜!!」
「・・・隊長、辞めるって言ってたけど・・・」
「そうだな。俺たちも辞めようか・・・」
「今回は結構怪我人も出たしな」
「おいおい、俺なんか靴投げつけられたんだぞ?
もう恥ずかしくて辞めるしかねえよ」
「あ、お前か俺の靴持ってたの!」
「そう言えば隊長、ムチウチだってな・・・」
「かわいそうに・・・」
「ミスター・・・」
「ええ、やはり『消火栓』でした。
途中で気配が消えてしまったんで追跡を断念せざるを得ませんでしたが・・・。
相変わらずかくれんぼだけは得意なようですな」
「しかしあの男がなぜわざわざあのような島に?」
「・・・わかりません。
まあ今度会ったらきついお灸をすえてあげますよ」
「うむ・・・」
あとがき
エマージィがボケキャラになってしまった・・・(汗)
げに恐ろしきはアクア嬢ですかね。
僕は今回ビデオを借りて初めて彼女を見たんですけど・・・
確か設定ではアクアマリンにそっくりな少女、でしたよね?
様々なSSの知識でそう思ってたんですが見事に裏切られました。
声は同じでしたが顔は別人。
栄養失調気味な面持ちもない、金髪の美少女でした。
アキトは彼女のどこにアクアマリンを見たのでしょう?
で、今回はムネタケと遭遇してもらいました。
毒女と毒キノコ繋がりということで(笑)
作中、ムネタケが色々と語ってますが、あれは適当です。
中和なんてできるはずありません。
絶対に試したりしないで下さい。
万が一傷口などから血液に入ると、腹部と胸部の筋肉が麻痺。
それによって呼吸が不可能となって窒息するそうです。
・・・あ、そー言えば枝織の水着を描写するの忘れた(汗)
代理人の「アキトさん。あなたはもっと堕落しました(びしぃっ!)」
「あっぱれムネタケ大手柄」のコーナー(爆笑)
前回に引き続き、今回も大活躍のムネタケサダアキ!
アクア落としてるし。
結構満更でもないみたいだし(爆)。
ちなみにTVのアキトはアクアに「アクアマリンの面影を見た」のではなく、
「アクアマリンを見たかった」のです(笑)。
ユリカ印の毒料理とメグミ印のスタミナドリンクに苦しめられ、
本人たちにも追い詰められていた彼としては(笑)。
・・・・このままムネタケのコーナーが定着したら主人公の立場がないかも(爆)。
定期おまけ連載
「緑麗さん。貴方はもっと堕落しました(びしぃっ!)」
のコーナー(超爆)
こ・・・・今回は緑麗さんが堕落してないっ!
「あの」緑麗さんがっ!
・・・・・マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるんだよな。
そうか、そういうことかリリン(核爆)!