ボディーガード


5話〈ユーチャリスの中の出会い?〉

 

ガードが決まってから日が経ち今日は月曜日。ルリを護衛しているのはネルガルが担当なのだが

今日はアキトの事務所にエリナとルリが来ていた。

「ここがテンカワさんの事務所なんですか」

ルリは半分嬉しそうに聞いた。それはそうだろう気になる男性の事を聞きたいのは当然である。

アキトはちゃんと答える。

「自分とラピスとハーリー君の三人しかいないけどね」

「そう言えばその二人は?」

エリナはここに居ない二人の事を聞く。

「寝てる。たぶんもうそろそろ・・・・・・」

と最後まで言わないうちに・・・

「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

ハーリーのうめきが炸裂した。

「なにいまのは!」

「なんですか?今の叫び声は」

エリナとルリのもっともな意見である。

「あれ!ラピス寝相悪いからたまにハーリー君に制裁してしまう癖があるみたい」

あっけらかんとしているアキトを見ると日常茶飯事である頃がわかった。それにもう一つハーリーは

こうやって成長していく事も解った。やってる事は哀れだけど。

「あれ、こっちに来ないと言うことは二度寝に入ったな。もう一度ハーリー君の叫び声がしたら起き

てくるだろう。といっても一時間くらいは気絶してると思うけど」

「結構鬼ねアキト」

と、入り口の扉の向こうから声が聞こえた。

「あの声は」

「知り合いですか?エリナさん」

エリナの顔が不機嫌になる。エリナにとってもっとも会いたくない人物の声だった。

ルリは質問をエリナにしてみたが返事が無いためアキトに聞いた。

「テンカワさんお知りあいですか」

アキトは頷き苦笑いをした。

「どうぞ舞歌さん」

アキトはその女性を部屋に入れる。そしてアキトより少し年上そうな人が入ってきた。

「アキト!ひさしぶりね。今日は貴方にあいにきたわ」

舞歌はそう言いルリのほうを見る。そしてルリに指をさしながらアキトに言った。

「彼女が私達のターゲットみたいね」

「えっ」

ルリは驚く。それはそうだろう自分が狙われている事は知っている。ただ誰が狙っているのかは解

らないのにその組織の一人が平然とアキトの所にやって来るのだから。

「何となくそんな気がした。俺が関与すれば北斗が動き必ず貴方が挨拶に来る事」

「さすがアキト。私達の事よく知ってる!わすが一夜を共にした仲ね」

その言葉にルリはびっくりエリナは不機嫌モードレッドゾーン手前である。

「テンカワさん!彼女と寝たんですか」

ルリはびっくりしたあと怒りモードになっていた。しかしその質問に答えるのはアキトではなく舞歌

だった。

「そうよ!好きな人に抱いてもらうのは当然のこと。たとえその時が敵対同士だったとしても」

舞歌はルリの質問に真面目に答えた。舞歌の答え方にはエリナも納得している。同じ人を好きに

なったということでこう言うところには通じるものがあるのだろう。

「もう一つ質問させてください。何故今私を狙わないんですか」

「今日はアキトに会いにきただけ貴方を攫うつもりはまったくないわ。それにそんな事したら北ちゃ

んが悲しむわ」

「北ちゃん?・・・ああ、北斗さんという人ですね」

「そうそう、アキトを戦える事楽しみにしているの北ちゃんだから」

そこでエリナが口をはさむ。

「北斗のせいでアキト君が動けなくなるのはいい迷惑よ」

「エリナさん。そうは言っても北ちゃん不器用だから、その方法でしか愛情表現できないのよ」

「それが一番の困りものです」

そうなのであるただの敵なら関係ないのだが舞歌と北斗アキトに恋心を持っているためエリナにと

っては恋敵なのである。しかも仕事そっちのけで・・・。

この状況をアキトは眺めていたが騒がしいので止める。

「はいそれまで!舞歌さんも挑発しない。今日は会いに来てくれたんでしょう」

「そうだったわ!すっかり用件忘れてたわ」

ここにきた意味を思い出した。

「さて、次会うときは敵同士だと思うからデートしましょ」

「「ちょーーっとまった」」

ルリとエリナが声をそろえる。

「「そーー言う事なら私も付いて行きます」」

アキト自分の意思関係無く話が進んでしまう。だがこれもいつもの事である。

「いいわよ」

舞歌はそんなことぜんぜん気にしないタイプだった。

「じゃ、早速行きますか」

「「おお!」」

舞歌の明るい声が響き何故か仲良しになっている三人だった。だがアキトはこのあとの事を確実

に知っている。

「(エリナさん!このルリちゃんを連れ帰ったあとどう?)」

「(OKよ!今回は勝たせてもらうわ)」

「(それはアキトが決める事よ)」

「(ぜったい私のほうが良いと言わしてみせるわ)」

アイコンタクトしながら話す舞歌とエリナ。アキトを賭けた勝負である。それに勝利すればアキトを

一日自分の物として連れまわす事ができる権利が与えられるのだ。ただしこれを知るのはごく数

人しか知らないことである。

ボディーガード意味が無いような気がする感じをうけるルリであった。

 

 

あとがき

舞歌登場。エリナ以外に関係を持っている設定。当初子持ちにしようかなと思っていたのだがそう

する事により登場する機会がなくなってしまう事に気がついたので男女関係をもった所で止めまし

た。次は誰を登場させようか悩んでいる本人でした。

 

 

代理人の感想

 

・・・・・すでにシリアスじゃないな(苦笑)。

ハーリー君だけならいつもの事だけど(ひでっ)、舞歌さんまで出て来て恋の鞘当やってるとね。

設定の事ですが、まあ、確かに子持ちだとその時点で勝敗が決してしまうのでお話が出来ませんね。

・・・もし子持ちだった場合「子供」(何故か事故やらなんやらに巻き込まれる)はハーリー君なんだろうか?