機動戦艦ナデシコ
アナザーストーリー
〜天使の導き〜










2199年 6月

8月



2200年12月




  2201年7月

8月

テンカワアキト、ミスマルユリカ、シャトル事故で死亡と報道される。

テンカワアキト、ネルガルシークレットサービスに救助される。

テンカワアキト、五感回復のためにルリとリンクする。

地球連合宇宙軍第四艦隊所属ナデシコB就航、艦長にナデシコAの副長を務めたアオイジュン中佐。 副長に元木連のタカスギサブロウタ大尉、メインオペレーター兼副長補佐にマキビハリ少尉、サブオペレーターにネルガルが保護したマシンチャイルド、ラピス・ラズリ少尉。

コロニー『タカマガ』『ホスセリ』『ウワツツ』『シラヒメ』襲撃される。

コロニー『アマテラス』襲撃される。火星の後継者が蜂起。

統合軍の三割の兵力が火星の後継者に同調し、離反する。

統合軍、コロニー『クシナダ』を奪回。コロニー『サクヤ』奪回に失敗。

火星の後継者、地球連合総会議場などの占拠を試みるも元木連中佐、月臣元一朗の説得により失敗。

ナデシコC、火星極冠上空にボソンアウト。

マキビ少尉とユーチャリスのホシノルリの電子戦で火星の後継者を制圧。北辰六人衆を撃破。

アキト、ブラックサレナを駆り北辰を破る。
                                             















2202年 アステロイドベルト

ユーチャリス艦橋

「終わりましたねアキトさん」


オペレーター席に座り、たった一人でこの艦の全てを支配している少女――ルリ――が艦長席に

座る青年に話し掛けた。


「そうだな」


青年――アキト――が答える。

二人は火星で北辰が駆る夜天光を破り、

アオイジュン中佐率いるナデシコCと協力して火星の後継者事件を集結させ、

元ナデシコA艦長ミスマルユリカが救出されるのを見届けた後、火星を去り、

火星に集結できなかった火星の後継者狩りを続けて一年。

残存していた火星の後継者はほぼ全滅。


「これからどうしましょう?」


ルリの問いかけに。

「...北辰は火星で殺し、草壁と山崎は戦犯として数日中に処刑される。

火星の後継者の残存部隊もほほ全滅させた。

やるべき事は終わった......後は消えるだけさ」


ルリは一言もしゃべらず、ただ聴く。


「ルリ、CC(チューリップクリスタル)の残りは?」


ルリがオモイカネダッシュに残量を聴く。


「あと一回分です」


あと1回、ネルガルの月ドックに戻るのか、このまま消えるのか。

迷うことなくアキトが選んだのは後者だった。


「ランダムジャンプを行う。ルリ、ダッシュと一緒に月に戻っていいぞ」


アキトの、昔と変わるこのない、今でも残っている優しさからでた言葉。

もっともルリにとっては自分に向けられている優しさを嬉しく感じるが、

アキトと離れる、ましてやどこに行くかわからないランダムジャンプである。

アキトと離れる事を何より拒むルリとって、結果は始めから出ている。

オペレーター席から立ち上がり、艦長席に座るアキトになかば抱きつくようにもたれかかる。


「私はアキトさんといつまでも一緒にいたいです。私が一緒にいたら迷惑ですか?」


アキトはアキトでルリをおいて行くつもりはない。


「迷惑じゃないよ。ルリが一緒にいてくれると嬉しいな」


「アキトさん」


「ダッシュ、ランダムジャンプ実行。アカツキに教えてやってくれ」


<警告。ランダムジャンプは危険です。中止を進言>


アキトの目の前にウインドが開く。


「かまわない、この世界には俺たちの居場所はない。これは決定事項だ」


<失礼。ランダムジャンプを実行します>


ユーチャリスが光に包まれ、消えた。





ユーチャリスがランダムジャンプしたとの連絡はアカツキに直接届いた。

アカツキは事前に用意しておいた、老朽艦を外見だけユーチャリスに似せた艦と、

外部装甲だけに近いブラックサレナを火星付近の宙域に浮かべた。

また、アカツキから連絡を受けたミスマルコウイチロウ提督が派遣したナデシコBと、

二個艦隊によって集中砲火を浴び、抵抗することなく爆散した。