機動戦艦ナデシコ

『影(シャドウ)』

 

 

 

 

 

「あ、あは、あははははっ!!

 ゴ、ゴメンね、ジュン君!!」

 

 青空に乾いた笑いが響き渡る。

 サンサンと降り注ぐ太陽の下、ユリカは必死に謝り続けていた。

 

 それに対するジュンの返事はない。

 

「……」

 

 それでも両手を合わせながら謝り続ける。

 あまりにも唐突な展開で理解していなかったが、謝った方が良いと感じたのだろう。

 

 その視線の先では、ジュンが砂イジリをしている。

 

 しかも砂いじりをしていくうちに、どんどん白く透けていく。

 どうやらユリカの言ったセリフは、ジュンの大切な何かを壊してしまったようだ。

 

「……は……ははっ……ぼくはいったい……、

 がんばりに……むくわれない……よなあ……」

 

 さらさらとジュンだったものが、砂浜に零れ落ちていく。

 その様子を見たユリカは、焦り始めて身振り手振りを加えながら説得し始める。

 

「こ、今度、食堂で御飯奢るから!!

 それで許して!! お願い、ジュン君!!」

 

「っ!!!!!!」

 

 ドバッとジュンの目から涙が溢れ出す。

 そんな涙を抑えようとでも言うのか、ジュンは両手で顔を覆う。

 

 しかも、

 

「ははハハははははあハハはハっ!!!!!」

 

 手で顔を覆ったまま笑い始める。

 その笑いを聞いたユリカは、どうすれば良いものかと思案した。

 

「ジュン君、どこか痛いの?」

 

 だが、さらにジュンの傷口を抉るような質問をしてしまう。

 

「は、ははっ。もう、もう良いよ  ……そうさ。愛は耐えるものなんだ」

 

 ガックリと肩を落とし、そうジュンが口にする。

 これまでの付き合いでユリカに対する反応は諦めがついていたようだ。

 

「救われないねえ」

 

 そんなジュンの様子にホウメイがそう話しかける。

 

「いえ、良いんです。

 ユリカは悪くないんです。ただ、僕のワガママが実現しなかっただけなので」

 

「許してくれるんだね。

 ありがとう、ジュン君」

 

「……うん」

 

 底なしのバカであった。

 

「ふうん、やれやれ。恋は盲目とは良く言ったもんだ。

 それより、最近見かけなかったけど何してたんだい?」

 

「えっと、やっぱり知らないんですか?」

 

「何を」

 

「ふ、ふふっ。この僕が宇宙遊泳していたこととか!!

 衝撃波や嵐を乗り越えたことも!! ブレオラキトルやホオジロザメとの死闘も!!」

 

「は?  あんた、一体どこに行ってたんだい」

 

「いや、え、だって、火星で放り出されて、海に放り出されて、

 ち、違うか、その前に、恐竜とか太陽とか土偶とか、いや、え、なんだ?」

 

「もっと整理して話してくれないかい。

 ちっとも訳がわかんないよ。ほら、深呼吸」

 

               ―――すぅ……ハア

 

「落ち着いたかい」

 

「えっと、ど、どう説明したら良いんだろう。

 確か一度にたくさんの出来事が発生しましたから」

 

 うんうん唸りながらジュンが考え込む。

 その様子を眺めながら、ユリカはジュンの身に起こった出来事を推測した。

 

(ジュン君、艦外に出たんだろうな)

 

 あっさりと答えを導き出す。

 ウェディングドレスを着ているが、さすがは連合大学主席である。

 

「うーん」

 

 未だにジュンは唸っている。

 見かねたユリカは、答えやすいように聞いてみることにした。

 

「とりあえず、そうなった原因は話せるのかな」

 

 

「テンカワにやられたんだ!!」

 

 

 即答であった。

 質問から答えまでのタイムラグが一秒とかかっていない。

 

「テンカワ?

 テンカワだったら、あそこでヤマダと遊んでるぞ」

 

 ホウメイの指差す方へ顔を向ければ、アキトとガイが話している。

 先程のタライが降ってきたおかげで出来たタンコブの様子を見ているようであった。

 

 そんなアキトを睨みながらジュンが話し続ける。

 

「あいつに火星で僕は宇宙空間に放り出されたんです。

 まさかあいつにそんなことをされるだなんて思いもしませんでしたよ。

 皆、知らないのだってテンカワが関与しているに決まって―――」

 

「―――ジュン君」

 

 さらにアキトの悪口を言い募ろうとしたが、ユリカに制される。

 しかも、ユリカの瞳には涙が溢れ出ようとしていた。

「へ」

 

「見損なったよ!! ジュン君!!

 アキトはそんなことできないんだから!!」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!!

 僕は確かにテンカワの奴に―――」

 

「でも、火星からアキトは大ケガをして寝ていたよ。

 そんなのできるわけないもん!!」

 

「えぇ!?

 じゃあ、あいつは誰だ!?」

 

 ワケが分からなくなり、ジュンが苦悩する。

 頭を抱えながら「え」「あ?」などと口走っている。

 

「でも、宇宙に飛び出したってことは本当かい」

 

「え? あ、はい」

 

「良く助かったもんだ」

 

「宇宙にいたのは、一瞬でしたよ?

 意識が遠のいていたからそう感じただけかもしれませんけど……その後、恐竜が」

 

「ああ、なるほど。

 あのクマのヌイグルミにやらせたワープで助かったわけだ」

 

「ワープ……もしかして、ボソンジャンプ?

 ……なるほど、だから宇宙から急に場所が移動したのか」

 

「その後は恐竜と格闘かい」

 

「ええ、僕も軍人です。

 緊急事態の対処法ぐらい軍で一通り習ってきましたから」

 

「へえ、恐竜とね」

 

「そんなことよりジュン君!!

 アキトがジュン君を宇宙に追い出すなんてことできるわけないんだから訂正してよ!!」

 

               グサッ!

 

 そんなこと扱いされるジュン。

 ユリカの言葉は鋭く尖ったナイフのように、ジュンの繊細な心を切り裂いた。

 

「ぅぅ……酷いよ、ユリカ」

 

 泣きながらユリカに抗議を始めた時であった。

 ジュンの後ろの方向から、こちらへと向かってくる人物がいた。

 

「ちょっと、すみません」

 

「え」

 

                ドンッ!

 

 しかも、そうジュンは声をかけられると横に押しのけられる。

 さらに衝撃に耐え切れなかった為、砂浜へとジュンは顔から突っ伏した。

 

「……ぅぅ……」

 

 くぐもった声が砂浜から漏れ出る。

 

 だが、そんなジュンの悲哀を無視し、プロスはユリカと交渉を開始した。

 今後のナデシコの方針を決める大事な話し合いだ。

 

「艦長、少しよろしいですかな」

 

「え、はい」

 

 砂浜に突っ伏したジュンを見ながらそう返事をする。

 

「実はですな。会社の方でやっていただきたいことが発生しました。

 ここはもう放っておいて構いませんから、そこへ向かって欲しいのですが」

 

「え?」

 

 そう提案されたユリカは止まってしまう。

 だが、直ぐにショック状態から立ち直るとプロスへ疑問を口にした。

 

「でも、この島に落ちた隕石を調べないといけないんじゃないんですか?

 その為に、この島に立ち寄ったわけですし……放っておいて良いんでしょうか」

 

「それでしたら、心配無用です。

 元々、ここの島に落ちた隕石はクリムゾンが既に封印してしまっていますからね。

 だから、他の会社の方々に任せたとしても、よほどのヘマがない限り大丈夫です」

 

「うーん」

 

 その言葉にユリカが悩む。

 

「えっと、ここを他の人に任せたとします。

 その後、ナデシコをどこに向かわせるつもりなんですか」

 

「火星ですよ」

 

「え、またですか?」

 

「そうです、またです。

 ですが、前回と違い、今回は人命救助が狙いではありません」

 

「むっ、それにしても任せると言っても、大丈夫なんですか?

 引継ぎのこととか、軍の方にも話を通したりしないといけませんし」

 

「それは大丈夫です。

 こちらから善意で出向しているという立場上、少しは便宜を図ってもらえます。

 それに―――」

 

 プロスが立っていた位置から数歩横へとずれる。

 そのプロスがズレたことによって、開かれた視界からアクアが姿を見せた。

 

「え、貴方は?」

 

 ついでにアクアの手錠のせいでミユキも引きずられてきていた。

 そんな勇者を引っ張ってきたお姫様は、ユリカの前で足を止める。

 

「アクア・クリムゾンと申します。

 ナデシコに手伝ってもらうことは、私の夢ですから及ばずながら私も働きかけましょう」

 

「クリムゾン?」

 

 思わず聞き返す。

 クリムゾンに引っかかったユリカが、アクアをジロジロ見ている。

 

 そんなユリカの疑問に答えたのはプロスであった。

 

「恐らく、艦長の想像通りですよ。

 こちらの方はクリムゾン会長のお孫さんです」

 

「えぇ!?」

 

「ですので、私の方からお爺様に働きかけておきます。

 今回の落下物の処理に関しては、他の方々にお願いするように」

 

「でも、良いんですか?

 私達に島に来るように命令したのはクリムゾンではなく、軍からなんですが」

 

「軍と会社は繋がってますから。

 それにナデシコは一応、クリムゾン所有の戦艦という立場なので」

 

「はあ」

 

「明日までには軍から許可をもらっておきます。

 勿論、今から火星へと移動してもらっても構いませんよ」

 

「……は、はあ」

 

「ふふふっ、勇者様がこうして巨悪と戦う下準備を整える。

 私の為に身を粉にして戦う勇者様。ふふっ、悲劇も良いですが、こちらも良いですね」

 

「……私は勇者じゃないってば」

 

「あの、本当に大丈夫なんですか?」

「ええ、悪癖はありますが、クリムゾン会長は孫娘を溺愛してるそうですから」

 

「あら?」

 

 にっこりと澄んだ笑みを浮かべる。

 いかにも面白いものを見つけたとばかりに微笑していく。

 

               ずりずり

 

 その視線の先には、亀のように砂浜で匍匐全身する一人の男の姿があった。

 気付かれないようにと恐る恐る進んでいるが、見られていては台無しである。

 

「アオイさんじゃないですか」

 

「ひっ!!」

 

 手足をバタバタ動かしながら、アクアと距離を取ろうと後ずさる。

 その様子に他の面々は訝しげにジュンとアクアの二人を交互に見ていく。

 

「どうしました?

 命の恩人に対して、そういう態度を取るのは感心しませんね」

 

「ぼ、僕を牢屋に放り込んでおいて良くそんなことを。

 しかも黒服と対峙した時、生奪与奪の権利を持ってるんて物騒なことを言ったくせに」

 

「でも、助けたのは事実ですよ。

 海の上でサメと格闘していたアオイさんを助けたのは、私達なんですから」

 

「くっ」

 

「ああ、なんだ。

 助けてもらってたのかい」

 

「ええ、ちょっと島の外に用事ができたので出ていた時に。

 サメに素手で挑む姿を拝見した時は何かの見世物なのかと思いました」

 

「―――くぅぅ」

 

「やれやれ、副長も大変だ。

 だけど、これまでの経過を聞いてると生き残れてるのが凄く感じるよ」

 

 ポンとジュンの肩を叩きつつ、ホウメイがそう言う。

 

「ま、アオイさんの不幸なのは必然ですから。

 それよりも軍の許可を貰うにしても、明日までは時間がかかるでしょうね。

 何しろ、地球に侵攻してきている無人兵器が暴れていますし」

 

「ひ、必然って」

 

「それじゃあ、明日までは何もできないってことですね!?

 じゃあ、パーティを始めましょう!! どうせ、任務もないんですから!!」

 

「艦長、今のは問題発言ですよ」

 

「パーティですか?

 一体、どちらで開かれるので」

 

 その言葉を聞いたアクアが問い掛ける。

 問われたユリカは、その質問に対して答えるべく、ナデシコを指差そうとした。

 

「はい、ナデシコで―――」

 

 

 

 

 

 マイクの調整を行う。

 そして、声がきちんと発せられるように、小さく咳払いをする。

 

 前にはカメラと映像を映し出すモニターがあった。

 そこに映された己の顔を見た後、意を決したのか顔を引き締める。

 

 それから南雲は、演説を開始した。

 

「……それでは、これより作戦を発動する!!

 諸君、これから発射する攻撃は、戦いの狼煙だ!!」

 

 目の前に観客はいない。

 だが、映像を通して聞いているであろう人の為に南雲は声を振り絞った。

 

「今までのような物量で敵を圧倒するような作戦ではない!!

 この我々が秘密裏に開発していた兵器こそが、地球人を敗北へと導くのである!!」

 

 そう言い切ると、モニターが映していた映像が切り替わる。

 遠くから噂の新兵器、ナナフシ改をモニターに映し出していた。

 

「さあ、地球に鉄槌を!!」

 

 その言葉と同時に宇宙に轟音が鳴り響く。

 否、真空で聞こえないので、映像を見ていたものの錯覚であったが。

 

 

 

 

 

 

           ピピッ

 

 その瞬間、木連の艦隊は地球に補足された。

 さすがにバカでかい質量を有する物体が、活動を開始した為バレたようである。

 

「た、大変です!!」

 

 その情報を確認した人間は、すぐさま近くにいた上司へと報告した。

 凛々しいカイゼル髭を持つ、ミスマル コウイチロウ提督へ。

 

「どうした?」

 

「地球付近の宇宙空間において、かなりの数の大艦隊がいたと報告が!!

 さらに、その艦隊から高密度のエネルギーが地球に向かって発射されたとの情報も!!」

 

「なに!?

 ―――しまった、陽動か!?」

 

 モニターの中で繰り広げられるバッタやジョロの群れを眺めながらそう叫ぶ。

 突如、自動販売機を襲撃し始めた無人兵器群に疑問を抱いていたが、今や疑念は氷解した。

 

 勘違いではあったが、氷解したのだ。

 

「そんな状態になるまで、我々は敵を捕捉できなかったと言うのか!?」

 

 苦痛で呻くようにコウイチロウが報告した人間に問い掛ける。

 

「敵の偽装能力が、こちらの索敵能力を超えていたと思われます!!

 後、3分で敵の攻撃と思われるエネルギー波はビッグバリアに直撃します!!」

 

「……持つのか?」

 

 コウイチロウは上を見上げながら呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、地球を覆っていた半透明のバリアと漆黒の光条は激突した。

 そのことで火花が舞い散り、双方の密度が少しずつ磨り減っていく。

 

 だが、その拮抗は半透明のバリアが、溶けていくように穴を空けたことで終わる。

 

 ビッグバリアは貫通され、地球に漆黒は牙を剥いた。

 そのまま大気を物ともせず、地球へとその身を躍らせていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ナデシコで開く予定なんです」

 

 そうユリカが言い終え、ナデシコを指差した時であった。

 上空より現れた黒い光条が、まるで顎を大きく開いた竜の如く襲い掛かる。

 

「へ」

 

 光はナデシコに着弾すると、同時に爆発を起こした。

 

 

 

 

チュドーンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ……

 

「……な、ナデシコが」

 

 木連の兵器の鉄槌により、大きく抉れたテニシアン島。

 その辺り一面、荒野と化した砂浜に一人、座り込みながらユリカは呟いた。

 

 視線の先には、ナデシコ。

 いや、ナデシコだった残骸であった。

 

 もはや見るも無残な姿を周囲に晒していた。

 白亜だった船体は黒く焼け焦げ、大きかった船体は大小に分かれ辺りに散らばっている。

 

 もう元が一隻の戦艦だったとは、誰もわからないだろう。

 

「……は、はは」

 

 ナデシコの元艦長だったユリカは、引き攣った笑みを浮かべていく。

 その隣で同じように、呆然とした顔付きでナデシコの残骸を眺めている者がいた。

 

「……オ、オモイカネ」

 

 ルリはそう呟いたっきり、ジッと残骸を見詰めていた。

 もうどこにオモイカネのAIが詰まっている部分があるのかはわからない。

 

 そんな二人の背後では、元クルーの面々が集まって色々と話し込んでいる。

 

「なんか知らんが、全員無事で良かったな。

 どうやら敵さんからの追撃もないようだし」

 

 この惨状を目にしながら、ウリバタケがそう言う。

 そう、ウリバタケの言葉通り、あの攻撃を食らったにも関わらず乗員は無事だったりする。

 

「一体、何がどうなって助かったのやら……」

 

 ホウメイがやや呆れ顔でそう呟く。

 あれだけの攻撃を至近距離で食らったにも関わらず、全員かすり傷一つ帯びていないのだ。

 

 そう、言いたくもなるだろう。

 

「ホント運が良かったですよね、ホウメイさん。

 私なんてナデシコに乗っていたのに助かったんですよ?」

 

「そうそう、私達。

 もしかしてすっごいラッキーだったんじゃない?」

 

「むー、むー!!」

 

 戦艦の中にいたはずのホウメイガールズや拘束着スタイルの操舵士まで姿を見せる。

 他にも荒野のあちこちから整備班の面々やら衛生班やらと次々に顔を見せていく。

 

「どうなってんだ?」

 

 

「これがゲキガン魂のパワーなんだよ!!」

 

 

「違います。

 私がこの―――」

 

 球形の物体を持ち出して、アクアが続ける。

 

「―――遺跡の端末に付近に存在する哺乳類に対し、

 ディストーションフィールドを張るように命じたからです」

 

「つまり、それのおかげで助かったわけか」

 

「へえ、私は死んだと思って目を閉じたから気付かなかったよ」

 

「まっ、なんにせよ。

 全員、無事で良かったな!!」

 

 

「「「「あははははっ!!」」」」

 

 

 爽やかな笑い声が荒野に木霊する。

 

 どうやら突然の出来事でハイテンションになってしまっているらしい。

 その証拠に、先程の笑い声には乾いたものやヤケクソ気味のものもあった。

 

 と、そんな笑い声に反応した人物が一人いた。

 

「何がそんなにおかしいんですか」

 

「え」

 

 全員が視線を声のした方へと向ける。

 すると、そこには般若の幻影を背負ったユリカの姿があった。

 

 おまけに煤けたウェディングドレス姿である。

 

「ゆ、ユリカ?」

 

 

「な、ナデシコが―――うわーん!!」

 

 

「うわっ、艦長がキレたぞ!!」

「そりゃ、ナデシコがああなればねえ」

「痛っ、イタっ!! パンチするなよ!!」

「逃げろー!!」

「(ぽろろーん)この包丁凄いよう」

 

 

 周囲に散り、ユリカのパンチから逃れるクルーの面々。

 だが、そんな和やかな光景を壊すものが島の反対側で目を覚ました。

 

            バシュンッ!!

 

 小さい爆発音と共に、ジャングルから鳥が一斉に飛び出す。

 また島に異変が起こったことにより、暴れまわっていた全員が動きを止める。

 

「―――え」

 

              キィィィィン!!

 

 それは、無人兵器であった。

 空を飛行するというよりも、むしろ落ちるようにこちらへと向かってくる。

 

 その凄い勢いで向かってくる無人兵器の正体を、一番早く理解したのはユリカであった。

 

「あ、あの、もしかしてですけど。

 偽装したチューリップを封じていたバリアって―――」

 

 

 

「はい、これの機能ですけど?」

 

 

 

「「「「「だぁぁぁぁ!!!!!」」」」」

 

 

 

 全員、普段にない機敏さで地を駆けた。

 

 

 

 第20話にジャンプ!!

 

 

あとがき

『影(シャドウ)』第19話でした!!

というわけで、ナデシコ撃沈。

 

あれだけ引っ張っておいてパーティもおじゃん、ミスリードにもなってません。

 

>代理人さん

今回は二つの路線が入り混じったような構成にしたつもりです。

 

それと中盤ではありませんよ(汗)

全36話構成になった日には、私は―――パンッ―――(銃声)

 

 

 

 

 

代理人の感想

ナデシコクルー大ぴーんちっ!

つーか綺麗に消滅しましたね、ナデシコ(爆笑)。

 

しかし中盤で無いってことは・・・・・は、ひょっとして次回最終回!?(ンなアホな)