機動戦艦ナデシコ <黒>
 西欧編第一話 日常ならざる日常の始まり。


 がれき。
 ガレキ。
 瓦礫。
 四方に存在するのは、ただ瓦礫のみ。
 人の営みの跡は、そこかしこに漂う、悲しみの声が教えてくれる。
「……また、救えなかったか」
 その声は、誰の声だったか。
 ただ、悲嘆にくれた誰かの声だったのは確か。

 軍基地を急ぎ離れ、街へと来た彼らを待っていたのはもはや、瓦礫の山、悲しみの涙の海だった。
 そして、それを見た誰もが、心を握りつぶされるような感触を味わった。
 平和の、あまりの脆さを見せ付けられ。

 既に無人兵器はなりを潜め、しかしどこかに隠れている。だからこそと言うか、数体のエステバリスが瓦礫の撤去を行っている。もし無人兵器が隠れていたときのためにと、生身の人間は近づけないのだから。
 しかし人の数十倍のマンパワーを誇るエステバリスといえども、複雑に重なり合った瓦礫を「まだ人がいるかもしれない」というプレッシャーの中で崩さないように撤去するには、人手も、時間も足りなかった。
 そんな中、一機のエステバリスが動きをとめ、中からパイロットが降り、そしてそのまま駆け出していった。
 銀の残滓を煌かせて。


 アキト。彼もまた街を見回っていた。
 助けを待つ人を探して。
 そして見つけたのは、ここにいるはずの無い、寝食を共にする姉のような女性の姿だった。
「フミ姉、なんでここに!?」
「うん…アキ君、昨日のお礼にって来た女の子……ここ、彼女の家なのよ……」
 そう言って、フミカが指し示した先には力なく、泣き崩れるサラの姿。
 彼女は叫ぶ。心のすべてを吐露せんとばかりに。
「何で、何で私たちがこんな目に会わなくちゃならないのよ!!! 父さんが、母さんが何をしたって言うの……なんで死ななくちゃならないのよ!!!!」
 しかし、それに答えられる人間は、如何ほど居るのだろうか。
 そして、遅れて来た彼女は、アリサは見た。
「姉……さん?」
 悲嘆にくれた姉の、サラの姿を。
「あ、ああ……アリサ……」
 そして知った。
 瓦礫にしか見えなかったそれが、自分が知覚するのを拒否したそれが何であるのかを。

「シュン隊長、あれを」
「これは一体!? それにアリサ君は……?」
 医療用キットを持ち、奔走する軍人達の中に居たシュンとカズシがその光景を見咎めた。
「ああ、あんた達か……」
「彼女たちは一体?」
「ここに、ご両親が居たそうです」
 カズシの問いかけに、フミカが答える。
 とても、痛みの満ちた声で。
 そしてアキトはこぼす。酷く、疲れた声で。
「ここには悲しみが満ち満ちている。これが、今の世界の現状だ。……軍人なら、この空気を忘れるな」
 歩き始める。その先には、瓦礫の山。
 そして、互いに抱き合い、泣きあう彼女たちを背に独白した。
「俺も、昔こんな光景を見た。8つのときだ。友達を見送りに言った空港、その帰りに、一面の炎と、父さんと、母さんを殺した相手の姿を見た」
 涙にくれた顔で、アリサとサラは声を聞いた。
「トウヤも、そこにいるフミカ姉もその時の犠牲だ」
 手が傷つく事も気にせずに、アキトは手を突き入れ、せめて何かを、と探し始める。
「生き延びて最初に感じたのは悔しさと悲しみだった。だから戦う事を決意したんだ。奪われる事を、辛さを知ったから」
 黙々と、汗を流し続け。血さえ流し続け。
 そして幾つもの瓦礫を取り去り、手が、いや腕が血に塗れたころ。小さな小さな箱を…見つけた。
 アキトはしゃがみこみ、地面に伏せるような二人に目を合わせる。
「俺は思い上がっているつもりは無い。けど、せめて手が届くところだけでも守りたい。だから二人には……笑って欲しい」
 深く、悲しい瞳で。
 箱の中には、いずれ彼女たちに手渡されるはずだった、Saraと刻まれた金色の指輪、Alisaと刻まれた銀色の指輪が今も光っていた。
 彼女達は両親の思いを知り、悲しみの中で、それでも僅かにだけ、涙の中で僅かに口元をほころばせた。

 シュンは、独白するかのように傍らの、長年の相棒に声をかける。
「……なあ、カズシ」
 カズシは心得たかのように、その光景から目を離す事無く答えた。
「シュン隊長……アイツなら」
「お前も、そう思うか」
 二人は言葉少なに、何かを見つけた事を互いに確認しあった。
「……今はまず、避難民の誘導と治療ですね」
「ああ。しかしアイツ……天然だな」
 そうもらすシュンの目には、悲しみの中、仄かに恋心の見えるアリサとサラの目に、全く気づいていないアキトの姿が映っていた。
「やっぱりそう思う?」
「! あ、ああ。しかし君は一体いつのまにここに?」
「お二人さんがアキ君とあの子達を見ながら何かこそこそ言ってたから聞いといたほうが良いかと思って」
 そう言いながら、全く悪びれないフミカの姿がそこにあった……。

 消毒剤を塗布し、感染を防ぐためにガーゼや包帯で覆う。
 折れた骨を守るために添え木をする。完全に折れ、痛みに耐えさせながら接ぎ直すことも。
 体に刺さった破片を抜き、血止めをする。
 中には正視に耐えかねるほどの負傷を負うものも。
 まさしく、野戦病院そのものだった。
「あ、…ああ。……あ、ぐっ」
 漏れ出る苦痛のうめき。
「ダッシュ、抗生物質と鎮痛剤!」
<はい。これで鎮痛剤の残りは2ダース、抗生物質は15個切ったよ>
 間断なく手渡されるアンプルと無針注射器。しかしダッシュが告げるのは、数の絶対的な不足。
「……ダッシュ、赤十字でも軍医でもなんでもいいから急がせてくれ! これじゃ持たない!!」
 そう言うのは、トウヤだった。
<……駄目。敵を怖がってるのか、出し渋りをしてる>
「地球の連中は……ここまでボケているのか!?」
 知っていたからこそ、それ以上だった事を信じられないかのように叫んでしまう。
「きっ、きゃあああああ!!!?」
「わ、ラピス、包帯落としちゃ駄目だって!!」
 ラピスとハーリーも、知識でなら知っていた怪我人と、その治療の光景に軽いパニックを起こしかけている。
「二人とも、ここはいいから……とりあえず隊長かフミ姉を呼んできてくれない?」
 手が足りない事は事実だが、この光景をこれ以上この子供達に見せないほうがいいと判断した。
「ダッシュ、君は二人のガードを頼むよ」
<おっけ>
 二人と一人。いや、三人が走っていったところでトウヤは目を伏せた。
 目の前にあるのはキャリア。自分の力を存分に発揮するための、しかしただの武器に過ぎない。
 今、ここで必要なのは、言葉どおり実戦で学んだ医術だった。
「ここの軍人は、一体何やってるんだ……」
 だが、憤りを乗せたその呟きに、いないはずの声が帰ってきた。

「……ここまでやらなくても」
 瓦礫の所為で傷ついた腕は、完全に包帯に覆われていた。IFSのある右手だけは、と何とか頼み込んだが、それ以外はサラとアリサが不器用だったのか、まるでロボといった風情である。
「駄目です!!」
「破傷風菌でも入ったらどうするつもりですか!」
「……そんなモノで今更……」
 医療用ナノマシン。
 火星の大気は地球のそれとは組成が異なり、太陽光線の量も無論違う。そのため殺菌効果のある紫外線も効果が低く、予防としてそれを体に打ち込む事も少なくない。
 確かに今更ではある。
「「怪我を甘く見ないで下さい!!」」
「は、はは……」
 完全なユニゾンを見せつけられ、たじろぐアキト。
「アキ君の完全な負けね」
「……フミ姉。見てないで何とかして下さいよ。元々看護士志望だったんでしょ?」
 その言葉にビシ、と指を突きつけて言い放つ!
女の子の好意は素直に受け取る事!
 勝てない。そう、はっきりと感じた瞬間だった。
 それにしても、と呟きながらもう一度サラとアリサをみる。
「……似てないと思ったけど、頑固なところは似てるんだな……」
「頑固ってどういう……え?」
「私たち、似てないですか?」
 とてもおかしな事を言われたかのように二人してきょとんとした顔になる。
「うん。ま……雰囲気と言うか、気配と言うか。とにかく、外見以外のものが全く似てないから。と、思ったけど」
 そう言いながら腕を見せる。
 包帯が巻かれ、動かしにくい腕を見せながら。
 そう言われては、二人とも納得せざるを得なく、赤面して俯いてしまう。
「ああ、いたっ!」
 そんな時、こちらを探していたのか、少しばかり慌てて駆け寄ってくるラピスとハーリー。ただしラピスだけはダッシュの上に乗っているので楽そうだ。
「アキトさん、トウヤさんだけじゃ手が足りないんです、急いで来て下さい!!」
「……そうか。そんなに……」
「ん? トウヤだけじゃ? あの子がそんなに時間をかけるなんて……そんなに負傷者が出てるのね……」
 その言葉は、火星という戦場で身につけた、迅速さと精密さが要求される彼の医術でも追いつかないと言う事を意味している。
 そこに、声がかかった。
「いや、大丈夫だ」
 その声を発した男に、視線が集中する。
「……アンタか。軍人が何のようだ?」
 アキトの視線。それに僅かに動揺しながらも、シュンは伝えようとする。
「大丈夫、と言ったんだ。ウチの基地で一番頑固で偏屈。だが一番腕のいい医者がここに来ているからな」
「医者?」
「ああ。本名不明の上、年齢不詳。怪しさこの上ないが腕は確か。俺たちはひげ爺さんて呼んでる人がな」

 悔しさに歯噛みするトウヤの後ろから声がかかった。
「それは無能な上司のせいだ」
「え?」
 言葉が返ってくるとは思っていなかったのか、トウヤは気の抜けた声を出してしまう。顔を向けた先にあるのはくたびれた老人の顔。しかし腕には軍属である事を示す刺繍が入っている。ただの一本も髪の無い頭と、目にかかりそうな長さの眉毛、その上胸元に垂れた顎鬚は三つ編みにされている。
 彼は取り合う事無く、横たわる怪我人達を見回り始めた。
「ふむ。どこで学んだのかは知らんが、的確な処置だ。少し荒いがな」
 そして一通り見ると、今度はアンプルを取り出し、注射器に吸わせ始める。
「それは?」
「ここの風土病のためのものだ。お前も医術をかじっているのなら手伝え」
「はい! (……まるでシュウエイさんだな、この人……)」
 老人はこれでもかと言う気迫を漂わせ、トウヤはつい長年世話になっている一人の男の事を思い出すのだった。




 軍用のトラックと言うのは詰めたところで20人乗るのがやっとだろう。
 しかし、街一杯の避難民と、搬送に気を付けなければならない程の重傷者達。
 日は、傾きつつあった。
 そんな時間というのに公園は野戦病院そのもの。
 血と薬のにおいが、悲しみの声が満ちていた。
 軍人達はここに集まり、負傷者を受け入れてくれるであろう病院へ搬送するための手続きに奔走し、また侵攻中であろう無人兵器軍の行方を追い、奔走していた。


 炊き出しの大鍋の前に何人かの姿が見える。
「くぅ〜〜……肩が凝ったなぁ……」
 そう言いながら肩をぐるぐると回すフミカ。彼女にこの辺りの「若さ」を要求してもどうせ「いいのいいの、本命の前以外なら」などと返されるのだ。
 で、「本命でも無い」上に「状況を考えなかった馬鹿者」はそこらの木陰で、不可思議極まりない体勢で「折りたたまれて」いたりする。ヨガの達人でも匙を投げるに決まっているだろう体勢で。「どうせ死ぬならその前に」などと馬鹿な事を考え、しかし殺されなかった事を感謝すべきだろう。
 ……彼女がどれほどの強さを誇るかを考えれば。
「ラピスも疲れた〜〜」
 そう言いながらラピスもダッシュの上にもたれかかるように。普段走り回るような少女とはいえ、6歳の子供にはこの重労働は辛かったのだろう。
「うん。じゃ、ラピちゃんはもう休んでいいよ。あ、ハーリー君にも声かけといてね」
「分かったフミ姉……ダッシュ、このままトウヤのトコ行って」
 このまま、とはラピスがダッシュを椅子のようにしているこの状況だろう。
 さすがにダッシュもAIとは言え感情を持つ身。一応の反論を試みるものの……。
<……おもい>
「ダッシュ、ファイアウォールの性能テストしよっか? ラピスとハーリーの合作ウイルスが40匹ぐらいいるんだけど」
<どうぞ私めをお使いください、マイ・マスター>

 ……無駄だった。
「じゃ、お願いね」
<はいっ!>
 そう言いながらキャタピラを使い、ラピスに振動を与えないように、怒らせないように細心の注意を払うダッシュを見てフミカは楽しそうに笑った。
 恐怖を感じるくらいに精神的に成長したダッシュを見て?
 それともプライドをプログラムミスされたのかと疑って?
 それは彼女にしか分からない楽しそうな笑いだった。

 野戦病院として張られたテント。
 ベッド以外にいるのはグタリとなったハーリーとトウヤ。それとなぜか一人ピンシャンとしている老人。
「えっと、ドクター?」
「ドクター、などと呼ばんで良い。ここの連中はワシの事をひげ爺さんと呼んでおる。それでいい」
「……似合ってますね」
 つい口を滑らせてしまったのはハーリー。いくら聡明な少年とはいえ、6歳の彼にこの辺りの呼吸は経験でしか分からないものだろう。第一、真っ白になった顎鬚を三つ編みにするような剛者である。ひげ爺さんは厳つく、しかし口元だけで笑い、ハーリーの頭を乱暴に撫で回す。
「お前もなかなかやるな。このくらいの子供は大抵注射を見ると逃げ出すというのにな!」
「い、いたたたたた、痛いですってば!」
「……ま、ハーリー君も色々あったわけなんですよ」
 そう言って、話をそらすトウヤ。
 いくら両親の事を理解していて「協力」していたとはいえ、実験の記憶は余り思い出させたくは無い。
「そうか。…お前さんもいい腕をしておる」
「有難う御座います」
「例には及ばん。……礼をするのはむしろワシのほうだ」
「?」
「基地のボケどもがうるさく儂を引止めなんだら、もっと早くここにこれたというのにな」
「いえ、良いんですよ。軍に普通の感性をもっている人間がいる。ただそれだけで嬉しいんですから」
 そう言って笑って見せる。
 確かにトウヤのように「あの時期の火星」を過ごした者にとって、軍に対する不信は酷いものがある。特に彼らは、木星蜥蜴の真実を知るが故に尚更。
「まあ、礼と言っては何だが……」
 そう言って、トウヤを上から下まで見る。
豊胸手術でもしてやろうか?
「……」
「ぷ」
 気まずい沈黙と、つい吹き出したハーリー。
 ピシ!
 キリリ…パキャ!!
 トウヤは、ひげ爺さんが何を言ったのかを理解して、義手である左腕の制御を忘れ、ステンレス製の診療器具を握りつぶし、あまつさえ、そのまま握力でねじ切ってしまった。
「僕は…男なんですけど?
 笑顔の向こうに、死神が見えた。後にひげ爺さんはそう語った。
「……す、すまなかったな。どうも東洋人の顔はよく分からんでな」
 そう言われてもトウヤは納得できない。
 この世に生まれて16年。彼は延々と女性に間違えられ続け、今では髪を短く切り、染めている。髭だって生えたら伸ばす気でいる。しかし152センチと言う身長と、ハスキーと言うには少々高い声。さらには宝塚の男役とスッピンでタメを張れる程の容姿。間違えられても仕方が無い。
「もう二度としないで下さいね」
 そう言って、ニコリと笑う彼の笑顔は、色々な意味で簡易ベッドに横たえられた人々に見えなくて幸いだっただろう。

 キャリアの屋根に座ってアキトは見ていた。
 この荒廃した街の惨状を。
「……昨日まで、ここでみんな笑ってたんだよな……」
 心の内にあるのは、店を、キャリアを離れたというミスを犯した自分を責める声か?
 それとも、自分だけで何も出来ないという、揶揄する声か?
「これが西欧の現状だ」
 そう、声がかかった。
「アンタ、さっき見た軍のお偉いさんか」
「オオサキ・シュンという。このでかいトレーラー、エステバリスキャリアだな? 軍と国、開発元のネルガル以外には誰も持っていないはずの。……何者だ?」
 その声には、如何なる色も含まれていない。
 だからこそか、話してしまったのは。
「……元はネルガルの社員だよ。軍に協力する気にならなかったんで退職金代わりにもらってきたんだよ。臨時ボーナスもあった事だしな」
 事実であるが、全てではない。
 この辺り、彼が軍属であるという意識があるからか。
 奇妙な間があいた。
 何事を言うでもなく、何か言うべき事を探しているようでも、言葉など無いかの様な、奇妙な空気。
 その静寂を破ったのは、慌しい声だった。
「シュン隊長、ここにいたんですか!?」
 息を切らし、キャリアに寄りかかるかのように手をついている。
 そこでシュンは、自分の無線が不通になっている事にようやく気づいた。
「何を慌てているカズシ!」
「敵が侵攻を再開しました!! 確認できただけでチューリップ3、戦艦7隻、小型無人兵器、数え切れません!! その上敵はジャミングまで仕掛けて……現在の敵戦力の数も、展開もわかりません……!!」
 チューリップ、それは絶望の代名詞。戦艦の特攻以外に仕留める術の無いとまで言われる。
 一般にはネルガルの最新鋭戦艦以外に、大気圏内でチューリップを破壊できる兵器は無いとまで言われる。単純に、ユニットを追加しただけの改造戦艦では破壊可能なエネルギーを得ようとすると船体がもたないのだ。
 結局、大気圏内で木星蜥蜴と戦えるほどの強度を誇るディストーションフィールド、高出力を誇るグラビティ・ブラストの収束度を誇るのはナデシコ一隻のみ。
「……クッ! ……隊のヤツらに連絡しろ。遺書の準備が出来たヤツから来るようにな」
「隊長!?」
「……俺たちがここで壁になる。そうすれば、少しは生き延びる確率が上がるってものだろ?」
 そう言って、笑って見せるシュン。
 無線を開いたままだったのか、声が帰ってくる。
『なあに言ってるんですか、シュン隊長!』
『ウチの隊で、そんな野暮な事は言わないで下さいよ』
『そうそう。とっくに書いてますから』
『てめ、ンな不吉なもの破れ! 俺たちは死なないんだよ!』
 笑い声さえ聞こえてくる。悲壮な決意の向こうに透ける様な笑い声を。
「そうか。じゃ、カズシ。あいつ等を呼んで来い。作戦を説明するぞ!」
「分かりました! では……」
 隊のところまで走り出そうとしたのか、カズシは振り向いた。
 そこで、動きが止まった。
 とても、長年戦い続けた自分でさえ出せそうに無い、深い声を聞いて。
「あんたらみたいのが居るのなら、軍もまだ……捨てたもんじゃないな」
 アキトだった。
 一拍の間をおき、アキトは叫んだ。
「聞こえているなダッシュ! トウヤとフミ姉を呼んでくれ!」
 瞬間開くウインドウ。
 空中にモニターが浮かぶなど見たことの無かったシュンとカズシが驚きを隠しきれずに、興味深そうに見つめている。
<やるんですか?>
「ああ! 最低でもチューリップ三つ、戦艦七つ、無人兵器は数え切れないそうだ。しかもジャミングのおまけつきでな」
<じゃ、二人を起こしますか?>
「ラピスもハーリー君も寝たのか? ……仕方ない。ダッシュ、君がやれ」
<…じゃ、通信ポッド打ち上げますね>
 言葉が終わるか否かと言うところで異常に静かな発射音が響く。
 アキトが座っていたのとは別のキャリア。そこにあったシートから伸びた一本の腕に抱えられた砲塔。
「……何をしたんだ?」
ジャミングってのは要するに電波障害ですからね。それに負けない音響通信、レーザー通信で対抗するんですよ」
 そして、もう一度叫んだ。
 キャリアの屋根から、相棒へ。
「起きろ砲戦改! いや、ヴィンツブラウト!!」
 そしてカムフラージュのシートを振りかざし、物語の中の騎士のように片膝を地に付け立ち上がるヴィンツブラウト。
 その姿は黒。しかし夜の闇の中、誰にでも感じ取れるほどの威圧感を放っていた。

「……結構恥ずかしいかも」
「……同感」

 などと言うのはダッシュと一緒にオペレーティングしようと言うフミカと、拠点型砲戦改のコクピットに今まさに乗ろうとしていたトウヤ。……実は龍馬経由で部分的なものとは言え無人兵器のノウハウを持つアキト。このくらいのプログラムなら出来るのだ。
 ラピスとハーリーは既に寝ている。さすが6歳児、日が暮れた途端に寝てしまった。ただ、ラピスの足がハーリーの顔に踵落し気味に入ったのを除けば、可愛らしい光景だった。
「……向こうで育った人って、みんなああなの?」
「そういえば龍馬さんにも……ああいう所ありましたね」
「……」
「……」
 二人は今まで、これほど間と言うものが苦しいものとは思わなかった。
<じゃ、はじめよっか。いい? トウヤさん、フミカさん>
「「……おーけー」」

 バッテリー駆動するヴィンツブラウト。本来大量のバッテリーを搭載する事が可能な砲戦フレームだが、限界まで改造された今の機体では数分しかもたない。
 だからこそ存在するのだ。
 トウヤの拠点型が。
 拠点型が起き上がる。その背には巨大なバックパックが存在し、ぐぉぉぉぉ、と低い運転音を響かせているのだ。また、その過重に耐えようと言うのか、四本の足が地上を踏みしめるように機体を立ち上がらせた。
 そしてエネルギー供給用のアンテナが動き出す。
「拠点型、正常機動に成功。リアクター出力正常。エネルギー供給システム稼動……隊長、こっちは準備できました!」

 ジャミングと言う新たな戦術を展開する木星蜥蜴。
 しかし、それの真実を知る人間ならばこそ、人間が普段使う戦闘方法を使う事を考慮しようと言うものだ。
「ダッシュ、どう?!」
<レーザー通信。状況良好。レーダー稼動良好。いつでもOK>
「……敵だらけね。あたしも出ようか?」
 そう言って映し出されたのは周囲を飛び続けるチューリップの姿。
『この辺の小物ぐらいは軍の人にしてもらうよ。ダッシュがサポートすれば大丈夫だろ?』
 それに反応したのはアキト。彼は軍に任せるという。
 もっとも信頼されたダッシュといえば。
<……前向きに善処します>
 といった状態だった。

「おいテンカワと言ったな、いったい何をする気だ!?」
 今まさに閉じようとするコクピットハッチに向けて叫ぶシュン。
「素人が出て行ったところで撃墜されるのが落ちだぞ!」
 カズシもまた、本気の声で叫んでいる。
 だからこそアキトは答えた。
「……自己犠牲? そんなつもりは無いよ。死にたくないし、死なせたく無い。だからだ……トウヤ、ここの守りは頼むぞ!」
 その声とともにハッチが閉じ、戦場へと飛んでいった。
『シュン隊長、今の機体は?!』
「……テンカワ……民間人が行った」
『民間人のテンカワさんがですか?! すいません、ハーテッド、先に行かせてもらいます!!』
「おい待てアリサ君!! アリサ君!? …行ってしまったか」
「カズシ、指揮車は?」
「駄目です。沈黙したままで……」
「ならテンカワの連れの……あれか!」
 彼は脱兎の如く、フミカの居るキャリアへと向かった。

 そこには先客が居た。
「……アリサ君……のお姉さんだったね?」
 一瞬、そこに居たのがアリサだと勘違いし、取り繕うとするかのような言葉を漏らしてしまったシュン。
 慣れてるとばかりに視線を向けるサラと、向けられるシュンが対照的だった。
「へえ、サラちゃんオペレート出来るんだ」
「ええ。お爺様が軍人なものですから。子供の頃、少しいじらせてもらった事があるんです」
 その答えに「まずったらアタシがすれば良いか」と言う顔を見せるフミカ……そんな彼女達に声をかけるのはシュン。カズシは体が大きすぎるため中に入れず外に居る。
「……テンカワはどうした!? 素人が行ったところで!!」
「ストップ! ……アキ君の実力、知らないのに言わない方が良いよ? それを言った人はみんな前言撤回しているからね♪」
「? それはどういう?」
「どういう事なんですフミカさん」
 しかし、フミカはちょっとだけ意地の悪い笑みを浮かべてから答えた。
「それはみてのお楽しみ♪」



 戦場は、全く質の違う空気に支配されていた。
 ゴウンッ!!
「キャアッ!?」
 激しく大地に叩きつけられる白銀の機体。
 衝撃は凄まじく、たたきつけられた右半身。特に右足が全壊し、腕は断線したか動かない。
「な、なんでエステバリスに……え?」
 そこでアリサは、怒りとおぞましさに感情のすべてを支配された。

 寄せ集めのエステバリス。
 激戦の名にふさわしい、世界有数の戦死者を出してしまう悲しみに満ちた地獄の戦場・西欧。だからこそ生まれた寄せ集めのエステバリス。
 ネルガルの協力が全面的に得られる今はもう存在しない、しかしつい最近まで使われていた、死者達の思いの満ちた機体。
 それは死者を冒涜するかのごとく。
 だからこそ、サツキミドリ二号で偶然に命名されたそれは、ここでも相応しいとばかりに呼ばれていた。
 デビル(悪魔の)エステバリスと。
 腕に、足に、頭に。
 口と思しき場所から触手のようなものを吐き出し、それを操るバッタ達。
 酷く、醜い。


「こ、このぉーーーーっ!!!」
 アリサは「白銀の戦乙女」の名に相応しく、動かない機体を操り、ランスを構え突進していく。
「フィールド全開! ランス・ジェネレータ・フルドライブ!!」
 激情に支配され、一寸前の光景に感情すべてを支配されたアリサの目にはバッテリーカウントは映らず、エステバリスのフィールドを全開にし、接近戦用の主武装であるランスに高熱が生まれる。
 デビルエステバリスが異様な姿と動きで、それを上回る速度で駆け巡る!!
 しかし!
「そこぉ!!」
 ギ・ギイィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!
 高速で接近することによってフィールドが干渉を起こし、耳障りな音を立てて、それでもランスがまるで熱したナイフがバターを切断するように滑らかにデビルエステバリスの腹に突き刺さる。
「ブレット!」
 ガ・ガ・ガ・ガ・ガ!!
 ゴッ……グゴゥォン!!
 ランスが突き刺さったまま、柄元の部分から弾丸が撃ち込まれ、それによって爆発四散するデビルエステバリス。
 ピーーーーー!
<バッテリーエラー。エステバリス緊急停止。再充電をお願いします>
「……ギリギリ、かぁ……参ったわね……帰り、どうしよう?」
 彼女は、アリサは油断していた。
 確かにデビルエステバリスは破壊したし、バッテリーを失ったエステバリスに何が出来るという事は無い。
 しかし、その油断は取り返しのつかないものだった。

「トウヤ、聞こえているな!」
 ヴィンツブラウトの左腕から<竜牙>が飛び、無人兵器をただの一振りで、掠めただけでバラバラに分解していく。
「はい!!」
「例のヤツのキーコードは!?」
 しかし、DFSはいまだ発動していない。これからの、たった一瞬の発動のために。今使う事はできないのだ。
「使うんですか?」
「ああ。チューリップを潰すには……せめて一瞬でもEX並のパワーが欲しい。このヴィンツブラウトじゃそこまでパワーが無いからな」
 では何をするというのか。
 それは、いまだ一度も慣らしを、実験さえ行われていないウリバタケ達の作り出した、たった一枚のディスクに収められたプログラム。
「分かりました。キーワードは……です」
 分かったとばかりに、ウインドウの向こうでアキトの顔が縦に動いた。
 そして、発動のときが来た。
「ヴィンツブラウト! バーストモード・スタート!!」

 ただそれは、悪夢のような、そして心のそこから待ち望んでいた光景だったと、それを見ていた者は言う。
 空を埋め尽くすかのような大量の無人兵器。それらはその背からミサイルを放ち、襲い掛かった。
 そして次の瞬間、天と地の間で炎の華が咲いた。
 もはや欠片どころか粉末にまで砕かれたそれが、粉塵爆発を起こすかのように次の瞬間、激しい光を放って燃え尽きた。
 いつの間に現れたのか。
 高熱を孕むのか、排気が大気を歪めその黒い体を陽炎の向こう側に隠している。だがそれ以上に目を引くものは、エステバリスの膂力では持てる筈も無い黒い巨大な剣。100メートルどころか200メートルはある。
 そして背後から近づこうとするバッタ。一瞬の後、そのバッタは真っ直ぐに、ただし上下に分かれて飛んでいった。何時の間にだろう。左腕に張り付いていた龍の頭を思わせる巨大な牙が黒い大剣と同じ光を二条揺らめかせている。
 残像が見えない程の速度で交わされる両腕。
 次の瞬間、刃を失った柄だけが右腕の、小ぶりな盾に鉤爪のように突き刺さっている。
 そして、黒い巨体は空を翔け、近づく無人兵器はただそれだけで破壊されていく。
 また、僅かに戦場を離れて避難民に襲いかかろうとするバッタたちも居た。だが……拠点型がバズーカ砲を構えている。それが音も無く、何かを射出した。一秒にも満たない時間で炎が空を染める。しかし無人兵器をあっさりと破壊したあたり、初速を与えるための機構は火薬ではありえない。それどころか弾の詰め替えもせず撃ち続けている。
 そして、大地から天空へ続くかと思わせる三条の黒い軌跡が生まれ、ただそれが振り下ろされただけで……チューリップは力を失い、そのままの姿で荒野に落ちた。



 シュンにも、サラにも言葉は無かった。
 キャリアの外で、自らの目で空を見上げていたカズシも同様だった。
 それは、言葉になど出来ない光景。
 幾重にも切り裂かれたチューリップが、バラバラに砕け散りながら大地へと降る姿など……。
「これがあいつの……アキトの実力なのか?」
「凄い…アキトさんの戦い方って……」
「でもさ、悲しい力なんだよ、アキ君のあの力は……」
 感心、感動するだけの二人を余所に、フミカの声は重く、誰にも聞かれる事は無かった。ただラピスの寝言と、ハーリーの苦しがる声も、誰も聞いてくれなかったが……。


 アキトは地面に降り立った。
 ただし、ヒーローと言うには程遠い姿で。
「てててててて……まさか、いきなりジェネレーターが切れるとは思わなかったな……
 そう言いながら、昼間と変わりないトレーナー姿でコクピットから這い出してくる。「ウリバタケの作った代物」という事を考慮して地上を二本の足で歩いていたのが救いといえば救いか。
 それは……上空からたたきつけられる危険性も考慮しなければな、と考えていたときの事だった。
「しっかし、冷却時間をとらなきゃならないってのは痛いな……で、何の用だい?」
 ドゴォォォ!!!
 答えは無く、ただそれが地面を抉っただけだった。
「全く!! こんなトコまでデビルエステバリスかよっ!?」
 ヴィンツブラウトは機能停止中!
 武器は唯一ナイフのみ!
 だが!
「あのシルバーエステバリス……まさかアリサちゃんか?!」
 それは、答えのない問いだった。
 ただ、最低でもコクピットを傷つける事は出来ない。右半身はもう機能していない。
 頭部に取り付いたたった一体のバッタが……それだけが事の元凶である事を示していた。

 意識を限界まで絞る。
 武装を既に持たないシルバーエステバリス。しかし乗っ取ったバッタは機銃を持ち、さらにはミサイルを持っている。半壊したエステバリスそのものよりも、取り付いたバッタの攻撃力の方が余りに高い。
(勝機は……一瞬)
 それを逃せば、死ぬだけ。
 逃げても、必ず追いつかれ、殺される。
 ならばせめて、死ぬときは前のめりに。
 下らないと思いつつ、そんな事が僅かに脳裏をよぎった。そう言えば、こういうのがあったっけ、と。
「夢が明日を呼んでいる〜」
 とても小さな声。
 だが人の耳など及ばない、過敏なまでのセンサーを誇るバッタはそれを聞き取った。
 僅かに動きが止まる。
たまし〜の叫びさ…殺(シャア)ァ!!
 次の瞬間、バッタは中枢までナイフを突き刺され動きを止めていた。
 機能停止を起こしたバッタを遠くから見て、一人言葉をこぼした。
こんなんで動きが止まるんだもんな〜〜……まあ、助かったといえば助かったけどさ」
 苦笑にすらならない現実に、笑ってしまっていた。
 けれど、自分では何も出来ない状況の中、自分のミスがアキトを殺すと半ば以上恐慌状態に陥ったアリサには、アキトの姿はとても強く印象に残った。


 この時より、風の名を冠したこの漆黒の機体は<黒い風>と、呼ばれることになる。

 それを見ていたる多くの人々とは別に、遠くはなれた場所からそれを見る二対の目があった。
「跳躍門を一撃で撃破か。…テツジンの機動実験のときに見た重力波砲よりも強いな」
 チューリップに穴を穿ち、砕く事は可能だった。
 しかし眼前のように欠片さえなく、完全に鏡のような断面を見せて両断する事など出来よう筈は無い。
「跳躍門?」
「ああ、鬱金香の事だ」
「何を言っているのか分かった。だがウッコンコウと言うのが分からん」
「……チューリップだ」
「だったら、初めからそう言え。だがどうする? あの力、確かにテニシアン島からの報告は真実らしい」
 テニシアン島の力とは、DFSの事であろう。だがそれを知りうるは、連合の重役と、ナデシコの乗員、そして島を管理していたクリムゾンの三者のみ。
 では彼らは?
「俺はあそこに行く。クリムゾンの新型・ロータスのテストパイロットとしてな」
 そして振り返る。
 そこにあるのは、エステバリスに似、緑色の装甲を持ち、しかし決定的な何かが違うロボットの姿だった。
突撃優人部隊の精鋭様が、対木星蜥蜴の基地行きか。……俺は俺で好きにさせてもらう」
 そして彼らは分かれた。

 紡ぎ出されるは、深い違和感に彩られた言葉。
「……この光景……俺たちは、本当に正しいのか……」
 場に残った男の名を高杉三郎太。彼の眼前にあるのは、深い悲しみにくれた、人のぬくもりの失われた街だった。
「……行くぞ<蓮華>……街へ」
 彼の言葉に呼応したのか、機体の目に光が灯る。薄緑色の鎧を着た、侍を思わせるそれの目が。


 後日談。

「……で、何であなた方がここにいるんです?」
 棘の生えたアキトの声に飄々と答えるのはオオサキ・シュン。
「いや、こないだお前が落としたチューリップ。結構でかい瓦礫が基地に落ちてな、ここに前線基地を張る事になったんだ」
 そう言って「ゆ〜とぴあ」の隣の倉庫に搬入されていく資材を指差した。
 その後ろにタカバ・カズシ。
「それとな、調べたら色々と出てきてな、うちの基地の人員、元の4割しかいないんだ。……その時は頼むよ」
「俺からも頼む」
 どうやら、つかみ所の無いシュンと、それをサポートする苦労性のカズシという図式らしい。副官は皆、苦労性なのだろうかと言う事をつい考えてしまうアキトだった。
 そして連れ立って現れたのはサラとアリサ。
「と言う訳でアキトさん」
「これからはお隣さんですね」
 そう言って、楽しそうに笑う双子の姿がとても綺麗で印象的だった。
 そして、その指にはめれた金の指輪と銀の指輪が、彼女たちのこれからを象徴するかのように輝いている。



あとがき
 自分よりも腕の良い方が何人も「時の流れに」の三次創作を書かれているこの状況から差別化は必要だと思い、同じ事件を違う形で書く事にしました。具体的には、二話をミックスして一話に書き直すという風に。スケールダウンしないように頑張りますね。

 ちなみに今回からEXは試作機(TypeX)から高級品(Exective)に呼び方が変わります。
 更に名前の無かった砲戦改に名前がつきました。なぜ今更、もう西欧編に入っているのに、と思われるかもしれませんが、これには意味があるんです。
 ヴィンツブラウト(Windsbrout):独・旋風の意。

 アリサ用のシルバーエステバリス。
 主武装がランス、ということだったんですがこの時点では「フィールドランサー」は存在が怪しいため、オリジナルのランスを装備する事にしました。

 そういえば……シュン達が所属する基地って何所にあるんでしょう?
 とりあえずEUが上手く機能してヨーロッパの垣根が薄れ、色々な人間がここに集まっているくらいに考えています。海や山が近いようにも感じられるし。
 それと、本編では英語を使っているそうで、ナデひなでも上達せざるをえなかった、とありました。
 ここでは、アキトの育ったユートピアコロニーでは「公用語:日本語」「準公用語:英語」で慣れている、としています。幾らアキトたちが日系とはいえ、開拓地であるコロニーで日本語だけと言うのは違和感がありますから。

 ダッシュの端末、キュッパチ(98:遊撃)がモデルです。
 彼の存在はこれから重要なのです。本体だって、行方知れずですし。……ニヤリ。

 

 

代理人の感想

 

・・・・・やっぱりカズシは殴られるのか(爆)。

副官ってのはつくづく報われない存在なんだなぁ(笑)。

 

これは珍しい三郎太の真面目バージョンも登場して・・・・

シリアスだけどなんかドタバタになりそうな気がするのは気のせいでしょうか(笑)。