ナデシコ内の通路をユリカが上機嫌に歩いている。
向う先はアキトとシンジの部屋。
ちなみに何故アキトとシンジが同じ部屋かというとプロスのコメントによると。

「お部屋と言うのは新たに使うとまたお金がかかるものです。となるとテンカワさんの扶養者立場であるシンジさんにはテンカワさんと同じ部屋で暮らしてもらった方が安上がりなもので」

と言う事らしいがエネルギーに関してはエンジンが出しているから関係ないのでは?と思ってしまう。
とりあえずそれは置いといて上機嫌に歩いているユリカが部屋の前に辿り着く。
コンコンとノックをし中に居るアキトに呼びかける。

「アーキート。アキトー」

返事が無いのに少しむっとしながらもユリカはノックと呼びかけを続ける。
ちなみに中に居るアキトはと言うYとシャワーを浴びている途中で聞こえたノックに仕方なしにシャワーを中断し簡単に着替えようとしていた。
シンジは寝息を立てながら寝ている。
そしてアキトが下着を手にしたその時。

「そういえば私艦長だからマスターキーを持ってるんだっけ」

と聞こえる声。入り口の近くで着替えようとしていたアキトとマスターキーを使い扉を開けたユリカの目が合う。
声すらでずに顔を青ざめていくユリカ。
アキトもまた顔を引き攣らせている。

「いやあああああぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

「ごめんねアキト!私がずっと傍に居なかったからアキトは…」
「だー!何を言ってるんだよ!お前は!!違うって言ってるだろうが!!」
「でも大丈夫!これからは私がアキトのずっと傍に居てアキトを正常に戻してあげるから。だから男の子に走る必要なんて無いのよ!」

そう言ってユリカはユリカの絶叫で起きるはめになったアキトの隣に居るシンジを見る。

(こ、こいつは……)

最早顔を引き攣らせる事も出来ないアキト。
シンジは早々にユリカの相手をすることを諦めているのか静かにお茶を飲んでいる。
正しい選択であろう。

「でもアキトいつ地球に来たの?きてたなら連絡して欲しかったのに。私ねアキトに何度も連絡しようとしたのでもお父様はテンカワはもう死んだって…」
「……よく言うよ…」

静かに言い放ち無表情になるアキト。」

「アキト?」

ユリカの言葉に一切返事を返さずアキトは立ち上がり部屋を出て行く。それに続いて部屋を出て行くユリカ。
部屋に一人残されたシンジはお茶を飲み終えふぅ一息を着く。

「結構良いお茶の葉、使ってるんだ…おいしい」

そして簡単に着替えシンジも部屋を出て行く。
ちなみにシンジは身長が低い方の為合う制服が無かった。
いや、一応合う制服はあるのだが女性用となってしまうためそれはさすがにと艦内を私服で周っていいことになっている。
そして暗くなった部屋の中に静寂が戻った。

 

 

 

 

部屋を出たシンジは別段行くところも無いのでそこら辺をブラブラと歩いていた。
途中でアキトとユリカに関して話している者たちが居たがたいして気にも止めず歩く。
気ままに歩いているシンジが辿り着いたのはブリッジ。
ブリッジに入るとプロスたちが居た。
ウィンドウの前でなにやらゴートと話しているようだ。
自分には関係ないとあたりを見回すシンジ。

「あら君は?」

物珍しげにあたりを見回しているシンジに声を掛けてきたのは分かりやすく言えば大人の女性。

「あ…僕は何もすることが無いので…」
「へーそうなの。でも君ってどこの所属?」
「その人は碇シンジさん。テンカワさんの扶養者らしいです」

シンジに聞いたミナトであったが返事が返ってきたのは別のほう。
思わず声のしたほうを見ると、こちらを見ることなくオペレーター席に着いている少女の姿。

「扶養者?」
「はい。なんでもプロスさんがそうしたみたいです」
「プロスさんが」

ルリの言葉に思わずプロスの方を見るミナト。
シンジはナデシコに乗る際に聞いているので目線をルリより外さずに居る。

「なにか?」

シンジがいつまでも見続けている事に何か用でもあるのかと問うルリ。

「あ、何でもないよ」

慌てた表情で言うシンジ。
だが何でもないという割にはルリから目を離さない。
いや、正確にはルリの髪から目を離さない。
その視線にその視線を送るシンジに僅かに嫌悪の感情を覚えながらルリは髪に関して説明をする。

「この髪は遺伝子操作された為だそうです」
「遺伝子…操作?」
「はい。ナデシコのAIを操作する為には私みたいに遺伝子操作され特別なナノマシン処理を受けた人が必要だそうです」
「そうなんだ」

納得したと言う声を出すシンジ。
ここで初めてルリはシンジの方に向き直った。
説明しても向けられる視線にいい加減苛立ったのだ。
だが振り向いた先にあったシンジの目は今まで向けられていた好奇や奇妙なものを見る目ではなくどこか哀しい色をした目であった。
えっ?と思わずルリは思ったが声には出さず代わりに別のことを問う。

「私の髪…そんなに珍しいですか?」

その言葉にハッとなるシンジ。

「あ、ごめん違うんだ。昔の知り合いに似た髪の色だったからさ…」

自虐の笑みを浮かべ言うシンジ。

「そうですか」
「もうその子は居ないんだけどね」
「だから私の髪を見ていたと」
「うん…君の…ええっと」
「ルリです。ホシノルリ」
「ルリちゃんの髪みたいに綺麗な髪をした子だったんだ」

シンジの言葉に思わず頬を染めるルリ。
ルリは今までこの髪を奇異の目で見られる事はあっても綺麗などと言われたのは初めてだ。
そんな頬を染めたルリを見てシンジもまた頬を染め上げた。
何気なく言った言葉だが思い出してみると結構恥ずかしい言葉と気づいたようだ。

「あらぁルリルリとシンジ君どうしたの。顔が紅いわよ」

そんな二人を微笑ましげに見ていたミナトが頬を染めた二人に突っ込む。
その言葉に更に顔を紅くする二人。
ちなみにこの時点で……。

ルリ:シンジ=20
シンジ:ルリ=30

の好感度となっている。

そんな二人の邪魔をするように入り込んできた銃を持った人達。
気づいてみるとなにやら他のところでも同じような状況になっている。

「この船は私が貰うわ」

ムネタケが兵士達の後ろでそんな事を言う。

「血迷ったか!ムネタケ!!」

提督が叫ぶ。

「大人しくしていてくださいね提督。こんな強力な船を無駄に火星に送るわけにはいかないわ!!」
「こまりましたねぇ。ナデシコはネルガルが私的に使用すると言う事で軍とは話がついているのですが」

プロスが眼鏡を直しながら言う。

「ふん。そんな事私は聞いてないわ。さっさとどきなさい!!」
「そんな人数で何が出来るというのだ」


ゴートが銃を向ける兵士達に警戒しながら言う。
それを鼻でせせら笑いムネタケは言った。

「その心配はないわ」

その言葉と共にナデシコのウィンドウに海よりせり上がって来た艦隊の姿が映る。
送られる通信。

「ユリカアァアアアアアアアァァア」

そしてブリッジに響く大音声。
皆、耳を押さえるはめになった。
そんな大音声の中いつの間に来たのかユリカだけが平然としている。

「お父様!」

どうしてと言った表情でウィンドウを見るユリカ。

「ユリカ少しやつれたんじゃないか?」
「やだお父様ったら。今朝一緒に食事を食べたばかりじゃないですか」

シンジはその会話を聞いて思った。

(この子にして親ありか…)

思わず溜息を吐きたくなったが取り敢えずのところ我慢をする。

「してミスマル提督。これはどういうことでしょう?」

プロスがユリカとコウイチロウの会話に割り込む。

「うむ。ナデシコは連合宇宙軍が徴発する」
「それはまたなぜ?」
「今の地球にそれだけの強さを持つ戦艦をみすみす火星に送る余裕はないということだ」

ストレートなコウイチロウの言い分にプロスは何処か嬉しそうにしている。

「いやーさすがミスマル提督。話が分かりやすい」

そんなユリカとコウイチロウ、プロスの話を聞きながらシンジは隣に居るルリに小声で話し掛けた。

「つまり民間が作った船だから大した事無いって思っていたけど、思っていた以上に強かったから貰ってしまえって事かな?」
「ま、そう言う事ですね。大人って汚い」

ルリの言葉にシンジは苦笑をしながら言った。

「色々大変なんだよ…大人も…子供も…ね」

そして何だかんだでマスターキーが抜かれその力を失うナデシコ。
取り囲む兵士に連れられシンジ達は食堂へと軟禁させられるのであった。

 

 

 

 

食堂内はエンジンの火が落とされている為暗いというのも有るが集められているクルー達の心境も反映しているのか殊更暗く思える。
椅子に座るなり立っているなりとそれぞれだがやはりする事が無いのか皆ぼうっとしている。

「あ!シンジ君!大丈夫だった?」

シンジを見つけたアキト心配そうにシンジに話し掛ける。

「あっ僕は大丈夫です。アキトさんは?」
「俺も大丈夫。けど、どうなってんだこれってさ?」
「はぁなんでも大人の事情って言う奴らしいです」

シンジの言葉に顔を引き攣らせるアキト。

「あれその子は?」

アキトがルリを見て言う。

「ついさっき知り合った子です」
「始めましてホシノルリです」

無愛想な表情で言うルリ。
そんな表情を気にしないでアキトも自己紹介をする。
三人で、といってもアキトとシンジが話してルリが突っ込みを入れている最中。

「なんだなんだ!みんな元気がねぇぞ!」

と大声を上げる。ヤマダジロウことダイゴウジガイもしくはダイゴウジガイことヤマダジロウ。

「よぉうし!俺が元気が出るものを見せてやろう!」

といって取り出したディスクを自慢げにかざすのであった。

 

 

 

 

「ったくよー。こんな旧式よくもってんな。俺が居なきゃどうするつもりだったんだ」

配線をいじりながら言うウリバタケ。
伊達に違法改造屋ではないという事か。

「ほらよできたぜ」
「よぅし!ディスクインサァトォ!!」

ディスク一枚入れるのにポーズをつけるヤマダジロウもといダイゴウジガイ。
そして流れる熱い音楽。

「ゲキガンガー…」

アキトが画面を見てポツリ呟く。
そしてそのまま前に行きガイとなにやら熱く話していたが本編が始まると二人して騒ぎ出した。

「アキトさん…」

そんなアキトを見ながらシンジが顔を引き攣らせる。
どうやらアキトのこんな姿を見るの始めてらしい。
そんな二人を見ながらルリは呟く。

「バカばっか」

尤もである。

 

 

 

 

アニメも最後の方まで来ており恐らく感動的な場面が流れている時。

「くー!やっぱゲキガンガーは良いよな!みんな!このシチュエーションに心動かされるものは無いのか!」

座っている皆の方に向き直り言うガイ。
が全員だらぁとしている。ウリバタケにいたってはジョッキでアルコールかっくらっている始末だ。

「奪われた秘密基地!軍部の陰謀!これで動かなけりゃ男じゃないぞ!!」

が、そんなのは目に入っていないのか叫ぶガイ。

「ようしそこの!一人だけ私服着てる奴!お前はどう感じてる!!」

シンジを指差し言うガイ。突如話を振られたシンジは戸惑いながら言う。

「ぼ、僕ですか?僕はスーパーロボットに分類されてるけどストーリーはリアル系だから…」
「あん?なんじゃそりゃ?」

確かになんじゃそりゃ?であろう。
他の人達も意味がわからないという表情をしている。
まぁ分からなくていいことだ。
そんな中アキトが中華ナベ片手に立ち上がり入り口の方に歩き始めた。

「アキトさん?」

シンジが声を掛けるが聞こえていないのか入り口に立っている見張りに思いっきり中華ナベを振り下ろした。
一種気持ちの良い音がして倒れこむ見張り。
気絶したのを確認してからアキトは呆然と見ている皆のほうを向き直り言う。

「俺、エステに乗って艦長迎いにいくっす!」

凛々しい表情をし言うアキト。

「俺火星に行きたい。火星に居るみんなを助けたい。今まで何やればいいかわかんなかったけど火星に居る人達を助けたい」

静かに皆を見回すアキト。

「皆だって何か出来る事が、やれる事があると思ってナデシコに乗ったんでしょ。だから……」

とアキトが熱弁を振るっている途中で船体に震動が走る。

「うわわ!」

慌てるアキトを尻目に我先と言わんばかりに走っていく皆。
確かにアキトの熱弁の効果は有ったがそのアキトに対する扱いがぞんざいだ。

「アキトさん大丈夫ですか?」

シンジのみがアキトの元へ行き話し掛ける。
がアキトはそれに返事することなく叫んだ。

「俺の話を聞けぇーーー!!」

全くである。

 

 

 

 

何だかんだでナデシコを占拠していた兵士達を縛り上げ配置に着いたクルー。
後はマスターキーを持ったユリカを待つだけだ。
だが座して待つ事は無いとアキトがエステバリスに乗りこんでる。

「マニュアル発進。ヨーイドン」

ルリが読み上げるようにいうとエステバリスが走っていく。

「マニュアル発進って走っていくんだ」

隣でミナトが言う。

「ホントバカばっか」

静かにルリが言う。
言い終えると同時にルリは微笑する。
それを隣で見ていたシンジは自身も笑みを浮かべながら言った。

「そうだね…でもそういうバカは嫌いじゃない」

 

 

 

 

さて走ってナデシコを出たアキト。
ウィンドウからウリバタケが叫んでいるがそれは全く聞こえてないようだ。
それは陸専用といっている。
……からアキトは海に落ちた。
その上を悠々と過ぎていくユリカの乗ったヘリ。
海に沈んでいるアキトはまた飛び上がる。
で落ちる。

「チクショウ!飛べったら!」
「だから陸専用って言ってるだろうが」

もはや呆れた声を届けるだけのウリバタケ。

「だぁぁぁああああぁぁぁ!!」

叫んで飛び上がるアキト。
それを狙い触手を動かすチューリップ。
落ちては飛び落ちては飛び…を繰り返すアキト。

「ピョコピョンピョコピョン…まるでバッタね」

ミナトがそれを見ながら呟く。

「アキトさぁん…はぁ」

シンジが顔を手で押さえながら続く。

「お待たせしました!!」

とユリカの登場。初めてナデシコにきた時のようだ。
マスターキーを差込再びエンジンに火が点る。
明るくなる船内。

「状況は!」
「テンカワ機。交戦中です」

交戦といっても跳ねてるだけだが。

「アキト…そんなまた私達の為に…」
「また…ですか」

そうまた!別世界に行くユリカをみてシンジが呟く。当然ユリカの耳には届かない。

「「クロスガンガー!!」」

ウィンドウより響く声。
飛行ユニットで出撃したガイとアキトが合体したようだ。

「行け!アキト!」
「ゲキガン…フレアー!!」

叫びながら触手へと向っていくアキト。
断たれる触手。

「ほう。高密度のディストーションフィールドによる体当たりですか」

プロスが冷静に呟く。

「こちらも負けずに行きます。ミナトさん!ナデシコの進路をチューリップに!」
「ホントにやるのぉ?」
「やります」

そしてナデシコはチューリップへと向っていく。

「おいちょっと待てぇ!!」

それを見て叫ぶアキト。
脳裏によぎるのは先程吸い込まれたクロッカスだ。

「おい!ユリカ何考えてんだ!」

返事は返ってこない。
ナデシコのブリッジではチューリップ内の幾何学的な色が渦巻く光景が映し出されている。

「大丈夫なんでしょうか?」

ルリが呟く。
その声に不安の色は無い。

「さぁ?けど何とかなるんじゃないかな?」

シンジがお気楽な返事を返す。

「グラビティブラスト、チャージ!」
「はい」

徐々にその姿が飲み込まれていくナデシコ。

「おいユリカ!!シンジ君!!」

アキトの声がコクピット内に響く。
そして飲み込みその花弁を閉じるチューリップ。
その途端にチューリップの外殻に走る光。
そして…爆ぜた!!
現われる無傷のナデシコ。

「内側からグラビティブラストだぁ!?」

信じられないとアキトは言う。
そしてアキトの方に向うナデシコ。

「それじゃあアキトの機体を回収してください!」
「ヤマダジロウさんの機体も出ていますが」
「……ついでに回収してください」
「ダイゴウジガイだ!!」

と水が入り込んでくるコクピットで叫ぶガイ。
無論聞いているものは居ない。

「そういえばさ…」

ふとシンジが思い出したかのように言う。

「はい?」

隣に居るルリがその声を聞きとめる。

「もう一人居なかったっけ?艦長と行ったのって?」

ユリカ、プロスそして……そして?

「そうでしたっけ?」

ルリが無情の言葉を紡ぐ。
本当に気づいていないのだろうか?
取り敢えずは戦闘も終わり邪魔するものも居なくなったナデシコは悠々と進む。
既に兵士達は適当な部屋に放り込んでいる為誰も気にしていない。
何時ものお気楽ムードが漂う。

「そういえばルリちゃん」

またもシンジ。

「なんですか?」

ナノマシンの光を手に走らせながら聞き返すルリ。

「さっき笑ったよね?」
「…私も大概バカだなと思ったんで」

その言葉に苦笑するシンジ。

「そうなんだ。だけどルリちゃん…」

言葉を切るシンジ。

「もっと笑おうよ。笑顔で居られるの良い事だから。それに勿体無いもの…ルリちゃん、笑えばもっと可愛いのに

優しい眼差しを向けるシンジ。
後ろを向いているルリの表情は見えない。
つまり顔を赤らめているルリの顔が見えないということで。

「何…いうんですか」
「ごめん…」

結局シンジも顔を赤らめるのであった。
いずれは彼も第二のアキトとなるのだろうか?
顔を赤らめるシンジとルリ。それを見て面白そうな表情をしているミナト。
様々な想いを乗せてナデシコは進んでいくのだった…。





次回予告

色々あったがナデシコを取り戻した皆。

だが地球を出るにはまだまだ障害ある。

それを突き破っていくナデシコの前に立ちはだかるジュン。

彼は言う。地球を守るべきだと。

だがそれは聞き入られる事の無い言葉。

そしてなんだかんだでナデシコに戻るジュン。

だがそこでユリカに告げられる言葉にジュンは悲しみに身を浸す。

周りを巻き込んだ彼氏彼女の事情。

その中でガイは……。


次回予告!!

「だって友達なんでしょう?」





 

 

 

 

代理人の咆哮

 

あんなものはスーパーロボットではないっ!

認めない、私は認めないぞぉォォォッ(笑)!

 

 

 

 

・・・・巨大ロボットには違いないが「スーパーロボット」と分類されるのはなにか違うと思うぞ(笑)