今、目の前にいるのは彼だった。

あの時私の目の前で亡くなった、あの人が。

「誰だ君たちは?」

彼は私たちに聞いてくる。

(当たり前か、彼の年格好から見るとまだ私たちが生まれてないかもしれないし。)

私は隣にいるユリエと南斗を見た。

今の時代がどの位の時代か2人も分かったのだろう、私に合図してきた。

(さてと、それよりもあの娘多分アリスさんね。)

私はアリスさんを見てみると彼女は彼の手を握って不安そうにこちらを見ていた。

(負けませんよ)

私は心の中で宣戦布告をすると彼らに言わなければならないことを言う。

「私の名前はテンカワ・ルカ、これから起こる事態を伝えに

未来から来ました。」

そう言って私は私を守るために死んでしまった、

そして私の大好きな人ハーリーさんを見て微笑んだ。

      

        新たなる道筋への序章
             第3話
        受け継がれし者の覚悟
   


       



一瞬の静寂が訪れている。

彼女、確かルカが言った言葉は突然すぎる。

しかし僕はそれが真実だと確信した。

少し違うが僕も同じだから。






「何言ってるのよ?」

私は目の前にいる確かルカとか言う娘に怒鳴った。

私がなぜこんな態度に出たか自分でもわからない。

でも唯1つわかったことがあった。

(それはあの人達はハーリー君や私を知っていて、

ルカって娘は明らかにハーリー君に好意を持っている。)

ハーリー君は気づいていないかもしれないが、ルカが私たちを見る時の眼は

知人や知り合いを見る眼だ。

そしてハーリー君を見る時の眼は私と同じ恋する乙女の眼だった。





「何がです?」

少しの間を置いてルカは口を開いた。

「何がって、全てよ。未来から来た?そんな冗談よして本当のこと言いなさいよ。」

「本当のことも何も先ほど言ったことが真実です。」

「嘘!ボソンジャンプは空間だけで時間は飛べない。

そんなの今時小学生でも知ってるわよ。」

「では、ハーリーさんあなたはどうなんですか?」

急に僕は話しを振られてしまった。

僕自身今は話に入らず相手の情報を聞き出そうとしたのだが。

(やっぱり僕って運無いのかな?)

そう思いながら、ルカの質問に答える。

「・・・・本当だ、なぜなら僕も未来から戻ってきた人間だから。」

「え!」

アリスの驚きは僕にとってなぜか心苦しいものだった。

「僕は今頃の歳に、ある人を捕まえに戦艦を追っていた。

相手は艦長の大切な人で重い罪を背負った人、

そして艦長達にはもう会わないと言い消息を絶った人だった。

僕らは何とかその人を探し追いつめていった。

しかしその人はまた逃げようとしていた。

その時艦長は最後の手にアンカーをその戦艦にぶつけた。」

僕が1度話を切ると周りが静かになっていた。

このフロアにいる人達全てが僕の話に耳を傾けている。

そして僕はまた話し始めた。

「しかしその時相手戦艦はもうジャンプの最中だった。

アンカーは戦艦自体に大きなダメージを与え、

ランダムジャンプと言う最悪の行動が始まってしまった・・・・。

それから気づいたら僕は戻っていた。

この時代に・・・・・・・精神だけが。」




私は話を聞き事実であることを知った。

今のハーリー君の眼はうそを言っている眼ではなかったから。

「で、あなたはどうなんですか?今のことを聞いて。」

あの娘の声が聞こえてきた。

しかしその答えは声を聞く前から決まっている。

「・・・・信じるわ。」

そう、わたしはいつでもハーリー君を信じているから。



(ふ〜、やっぱアリスさんて所かしらね。)

自分でもこの場面でそんなことを信じれるかと言われれば、

多分出来ないと思う。

しかしアリスさんはそれをすぐに信じてしまった。

(これは頑張らないと)

新たな決意をたてた私はあることを思い出した。

「もう良いわよユリエ。」

するとユリエは待ってました言わんばかりにかしこまった態度を止めた。

「は〜〜やっと話せる。

どうもテンカワアキトとミスマルユリカの子供で

テンカワユリエで〜す。

ピース! 」

(やってしまった)

アリスさんとハーリーさんが呆れているのを見て、

私は頭を抱えそうになったが、何とかそれを止めて南斗に眼で合図を送った。

合図を見た南斗はユリエに近づき。

「それはやめろ」

と言って殴った。




僕らは唯見ているしかできなかった。

なぜなら

「何するのよ〜、痛かったよ。」

「それはそうだ痛いようにやったんだから。」

「何で〜?」

漫才みたいだから・・・・

「はいはいそこまでにして、ユリエ、南斗。」

何時までも続きそうだった話をルカは一言で止めたのを見て。

(この中のリーダーなのかな?)

そんなこと考えていたら3人は元の位置に戻っていた。

「自己紹介がまだだったな。俺の名前は天川南斗、テンカワアキトと北斗の子供だ。」

「私はもう言ったけど、テンカワユリエです。」

「そして、私はテンカワルカ、テンカワアキトとホシノルリの子供です。」

3人が自己紹介したので僕たちも

「僕は知っているだろうけどマキビ・ハリ。」

「私の名前はアリス、アリス・コスモです」

自己紹介をした。

「アリスさんも知ってるよ。」

「あ・ユリエ何言ってるのよ。」

なぜかユリエの一言に初めてルカが動揺した。

僕はなぜかわからないがその話題は避けようとしたが。

「どうして私のこと知ってるんですか?」

アリスはユリエに聞いてしまった。

「え〜と、アリスさんは私たちの時代ではハーリーさんの奥さんなんです。」

僕は聞いてはいけないことを聞いてしまった。





(うそ〜〜〜)

私はとても嬉しくなっていた。

自分でも無理だと思っていたハーリー君との恋は

まだ負けてないと言うことがわかったから。

「本当なんですか?」

すごく緊張しながら私はユリエに聞いた。

「うん、そうだよ。」

その言葉はなによりも嬉しい一言だったが。

「でもこの世界は私たちの居た世界とは違うのでそうなるとは限りません。」

その一言はルカが私の敵であることを再認識させられた一言であった。




(なぜこんな事になっているんだろう。)

そんなことを考えながら

僕の目の前でアリスとルカが言い争っていところを見ていた。

原因わからないので僕は何も口出しできなかった。

「おい、そろそろ本題に入るぞルカ。」

南斗のその一言で争いが終わった。

「ありがとう南斗。」

「気にするな、どうせお前が原因だからな。」

「へ?」

南斗のその言葉が理解できなかったが、

これからのことを考えなければならなかったので

その事は一時おいとくことにした。




私にとってそれを話すのは苦痛でしかなかった。

いや私ではなく私たちである。

しかし言わなければまた同じ事が起きてしまう。

あの悲劇が・・・

「おいルカ。俺がかわってやる」

「ううん、いいこれは私が言わなきゃいけないことだもん。」

「そうか、それなら俺は何も言わない。」

南斗の心遣いは嬉しかった。

でも南斗も同じ苦しみを持っている、だから私だけ苦しみから逃げてはいけない。

「では私たちがここに来た理由をお話しします。」

これは私が通らなければならない道なのだから。





「これから話すことはこの時代にくるであろう人物5人についてです。

そのうち4人はハーリーさんが知っている人物ですが、

異なる存在です。」

それについて僕はある考え過ぎった。

「それは僕らと同じ平行世界からやってきたと言うこと?」

「そうです。そしてその人達はテンカワアキト、北辰、ホシノルリ、

ラピスラズリです。」

僕は北辰の名前に驚いてしまった。

他の3人は考えられたがそれと一緒に北辰が居るのか見当が付かなかった。

「それはどういう事なんだ?」

僕はもしかしたらルカが知っているかもと思い聞いてみた。

「そこの所は詳しくはわかりませんが、しかし事実です。

そしてもう1人シャフト、E・シャフトと言っていた男が居ました。

そいつが黒幕です。」

「なぜその事を知っているんだい。」

僕はなぜルカがその事を聞いたのか気になった。

「それは・・・私がそいつに殺されそうになったからです。

でも・・・私はその前にハーリーさん助けてもらいました。」

そしてルカは何も言わなくなってしまった。

その顔には苦しみがある。

「ルカもういい、これからは俺が話す。」

「そうだよ、ルカだけに辛い思いするつもりはないよ。」

「でも南斗、ユリエ。」

「大丈夫だ、ルカだけに任せるつもりはない。」

「そうそう、じゃあ話すね。

ルカが襲われた時私たちも同じように襲われたの。」

「俺は北辰に、ユリエはテンカワアキトいやダークネスに。」

「そして・・・私たちを守るために零夜さん、

ジュンさん、ハーリーさんが・・・亡くなったの。」

その言葉に僕は凍り付いた。

僕は未来で死んでしまうそんなことは今はどうでもなかった。

自分が信じて行ったことだから。

しかしこの世界にもやってくるのだそいつらが。

「でその時シャフトは言ったわ。」

今まで下を向いていたルカだったが今はそれを一時忘れようとするかのように、

話し出した。

「『俺はこれから色々な世界でお前達テンカワアキトに関わる奴ら不幸にしてやる。』」

「それから父さん達は必死になってあいつらの行方を捜した。」

「そしてここへ来るのがわかった。

だから私たちは行こうとした

でも父さん達は賛成してくれなかったから無断で来たの、

なぜならここへ来てしまったらもう帰れないし、

あちらからもこれ以降来れないから。」

「君たち・・」

「いいの、私たちはどの世界にいっても生きていく、

そしてあいつらの陰謀を阻止するの。」

その言葉を聞いて

「わかったよ。」

僕はそれしか言えなかった。

そして一瞬辺りに静寂が訪れた。

「・・じゃあどうすればいいの?」

「アリス、君は・・・・」

「ううん、ここまで来た以上一緒に手伝うわ。」

アリスの決意は固いそれなら。

「わかった、それじゃあこれからどうすればいい?」

「あいつらが来るのはこれから2年後のこと、

それまでに力を身につけたい。

私を守る時ハーリーさんは知らない力を使ったの。

それはこの遺跡から手に入れたと言うことをアリスさんから聞いたわ。

だからこの遺跡を探せば何かしら対抗策がたてると思うの。」

「わかった、ところで他に聞いたことはなかった?

たとえば・・」

『後継者よ』

「と言うような声が聞こえたって・・?」

『時は満ちるあの闇がくる』

辺りに声が響いてくる。

「どういう意味だ?」

しかし返事は帰ってこない。

『力が欲しいか』

その言葉を聞いた瞬間僕は無意識のうちに答えていた。

「ああ」

その瞬間辺りは真っ白になった。

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作者の部屋の座談会 
聖:どうも聖竜です
ルカ:長いですね。
南斗:長い。
ユリエ:長い長い。
聖:そう言うわけで座談会のゲストはアキトの子供達です
ルカ:逃げましたね。
聖:(ぎく)まあ今回は一応敵のオリキャラとなぜこの世界に来たのか
  そしてこの3人の役割が書いてます。
南斗:俺はつっこみか?
ユリエ:私ボケ?
ルカ:私はリーダー?これじゃあトリオじゃないですか。
聖:それは違う、ルカはまとめているけど心の中では悲しみを胸に抱いてる。
  ユリエは一見明るいが意外と真面目だとか、
  南斗は自分の痛みより人の痛みの方が辛い奴だったりする。
南斗:この話だけでそこまで出てるか?
聖:まあそれ程出てないが基本コンセプトとしてはそうするつもりだ。
ルカ:まあ第3話でそこまで要求するのは難しいでしょう。
   ところでなぜハーリーさんだけでなく零夜さん、
   ジュンさんを死なしたんですか?
聖:まあそれは色々と。
南斗:作者何か考えていないか?
聖:それではまた、あとBA-2さんTOM-Xさん感想ありがとうございました。
そう言って聖竜は逃げた。
南斗:おい何隠している。

 

 

 

代理人の感想

・・・・・トリオじゃ無いですか(笑)。

個々の性格はともかく、三人集まってユニットとして機能してる(爆)んですから。