機動戦艦ナデシコSS
Rebellion 〜因果を超えし叛逆者〜
Episode:05 再会の宇宙
「IFS伝達効率チェック・・・OK。反応速度チェック・・・OK。FCSチェック・・・OK。フゥ、これで機体のチェックは全部終わりね。」
手にしたファイルに何やら書き込みつつ、フィリアは嘆息する。彼女はアキトのエステバリスカスタム専属の整備士であり、仕事の総量を見ればウリバタケより遥かに少ない。が、肉体的なものはまだしも、精神的な疲労はかなりのものだった。
「自分のミスで、アキトさんを死なせるような事はしたくないものね・・・」
自分への戒めもかね、口に出して呟く。彼女の言う通り、整備のミスがパイロットの死に直結する。それ故、整備中は絶対に気を抜くわけにはいかないのだ。ましてや、アキトの専用機は現行の技術レベルを遥かに上回る技術をもって製作されている。その為、整備をする際の精神的な疲労もかなりのものだった。そんな作業を、フィリア一人でこなしているのだ。疲れもするだろう。
「・・・何時までも此処に居ても仕方ないですね。食堂、アキトさん居るかなぁ・・・?」
軽く頭を振って気持ちを切り替えると、フィリアは格納庫を出て行く。頭の中で、食堂に居る筈のアキトに何を頼もうか考えながら。
「と言う訳で、アキトさん。カルボナーラお願いしますね。」
「え〜っと、何が『と言う訳』なのかイマイチ解らないけど・・・カルボナーラね。」
食堂に来たフィリアは、早速アキトに注文し、自らはカウンター席に座る。丁度昼のラッシュが終わった後なのか、食堂には殆ど人が居ない。居るのは、フィリアと同じ遅めの昼食を食べている整備班の人間が二人。後は、カウンター奥の厨房で夕飯の仕込を始めているホウメイと、その手伝いをしているホウメイガールズくらいである。
「はい、カルボナーラお待たせ。」
手際良く調理されたカルボナーラがフィリアの前に置かれる。その料理の手際を間近で眺めていたフィリアが、少し悔しげに呟きを漏らす。
「・・・相変わらず上手ですよね・・・。ちょっと悔しいかも・・・」
「ん?何か言った?」
「あ、いえ。何でも無いです。それじゃ、いただきます。」
訝しげに聞き返すアキトに慌てて首を振りつつ、カルボナーラを口に運んでいく。相変わらず、味は最高である。
「美味しいです、ホントに。」
「そう言ってくれると嬉しいよ。そう言えば、俺のエステの整備は?」
「あ、ハイ。さっき終わったばかりなんですよ。大丈夫、何時でも出撃出来ますよ。」
微笑みながら言うフィリア。其処には、先程までの疲労の色など感じられない。アキトの前では、辛そうな顔は絶対に見せない。それがエステの整備に関する事なら尚更。それがフィリアの自分への決め事であった。だが、アキトはそんなフィリアの内面を読んだように、申し訳無さそうな顔になる。
「・・・ゴメンね、フィリアちゃん。君にだけ整備を任せる事になって。」
「そんな!良いんですよ、私が自分で望んでやっている事なんですから!」
「それでも、大変である事には変わりないだろう?」
「それはっ・・・でも、ホントにアキトさんが申し訳なく思う必要なんてないんです。もし本当に私に悪いと思っているのなら、絶対にそんな事思わないで下さい。これでも、私は整備士としての自分に誇りを持っているんです。だから・・・その事で心配されると、却って心苦しいですから。」
(それに、アキトさんの申し訳無さそうな顔なんて見たくないですし。)
そんな想いは表に出さず、言い切るフィリア。それを聞いて、アキトも微笑を浮かべる。
「そっか。俺も、料理して疲れてるときに、慰められたりしたくないもんね。謝るのはお門違いか。なら・・・」
「なら?」
「ありがとう、フィリアちゃん。」
優しい微笑みと共に、礼を述べるアキト。フィリアは顔を真っ赤にしてアキトの笑顔に魅入っている。と、そんな二人の視線を遮るかのように、フェイスウィンドウが開く。ウィンドウには、ルリがかなり機嫌悪そうな顔で映っていた。
『アキトさんっ、至急ブリッジに来てくださいっ!』
「え、あ、あぁ、解ったよ、ルリちゃん。でも・・・何でそんなに怒ってるんだい?」
『知りませんっ!兎に角、急いでくださいね!』
それだけ言うと、さっさと通信をきってしまうルリ。後にはいきなりの事で困惑しているアキトと、ちょっとだけ残念そうにしているフィリアだけが残された。
「・・・何だったんだろうね、今のは?」
「・・・解らないんですか?」
「?何が?」
「・・・いえ、いいです。それより、早く行った方が良いですよ。あまりのんびりしていると、またルリちゃんに怒られちゃいますよ?」
「う・・・。そうだね、それじゃホウメイさん、俺は先に上がらせて貰います!」
調理中のホウメイに声をかけると、エプロンを外し、食堂を出て行くアキト。一人残されたフィリアは、呆れたような情けないような、複雑な表情でポツリと呟く。
「・・・普段は鋭いのに、何で恋愛が絡むとああも鈍いんでしょうね、アキトさんは・・・」
ルリに呼ばれブリッジを訪れたアキトだが、ブリッジに入った瞬間アキトは硬直してしまう。艦長席からユリカが、オペレーター席からはルリが、その横のサブオペレーター席からはラピスが、其々怖い顔でアキトを睨みつけたからだ。
「え・・・えっと・・・ルリちゃん?ユリカにラピスも・・・何をそんなに怒ってるんだ・・・?」
取り敢えずそんなことを言ってみるアキト。それを聞いたルリとラピスは、何とも言えない表情になる。ユリカも、呆れたような拗ねたような、複雑な表情になる。
「・・・アキトって、昔からこんなに鈍かったっけ・・・?」
「・・・やっぱり天然なんですね・・・」
「・・・天然で済むレベルを超えてるような気もするけどね・・・」
三者三様に暗い呟きを漏らす。自分の何がそうさせたのかまでは解らないまでも、自分に理由がある事位は察したアキトは、何とも言えない息苦しさを感じた。おまけに、メグミも似たような態度を見せるし、ミナトは面白そうに眺めている。ジュンやプロス達は我関せずと言う態度を示してはいるが、目はしっかりとアキトを見ている。そんな状況に耐えられなくなったアキトは、話を逸らす事にした。
「えっと・・・取り敢えず、ルリちゃん。何か用があったんじゃないの?」
「・・・そう言えばそうでしたね。すっかり忘れてました。」
(忘れてたのか!?)
心の中ではそう呟きつつ、決して口に出す愚は冒さない。アキトにだってその程度の分別はある。
「・・・サツキミドリをそろそろレーダー範囲に捉える事が出来ます。」
「!・・・<ラピス、何とかサツキミドリに交信は出来るか?>
<ちょっと無理だよ。私とルリの能力なら本来問題は無い筈なんだけど・・・オモイカネの方が限界なの。せめて、通常の通信可能領域にまで接近しないと・・・>
<・・・って事は、此方からサツキミドリに木連の襲撃を報せるのは無理か・・・。なら、何とかナデシコ自体を早めにサツキミドリに接近させるしか手はないか・・・とは言え、どうやって他の皆を納得させるか・・・>
<ゴメン、私には言い案が思い浮かばないよ。ルリも、ユリカさん達なら兎も角、プロスさんを納得させる理由が考えつかないって。>
<・・・さて、如何したものか・・・>
アキトとラピスがリンクした思念で会話する。その傍らでは、事情を知るルリも心配そうに二人を見ている。会話の起点となっていたアキト達が黙り込んでしまった事で、ブリッジを何とも言えない静けさが覆う。そんな中、その静寂を切り裂くように、通信着信の音がブリッジに鳴り響く。
「え、あ・・・。これは・・・救難信号!?」
「レーダーに反応・・・多数の救命艇がサツキミドリ方向よりこちらに向かって来ます。」
メグミとルリの言葉に、ブリッジが俄かに緊張感に包まれる。メグミが何度も呼びかけると、ノイズ混じりではあるが通信が繋がった。
「聞こえますか!?此方ナデシコ、応答して下さい!聞こえますか!?」
「・・・ザザッ・・・此方・・・ザーッ・・・サツキミドリのクルー、現在サツキミドリは木星蜥蜴の襲撃を受けている!至急救援を頼む!・・・」
「ミナトさん、ナデシコ全速前進!ルリちゃん、グラビティブラストスタンバイ!ラピスちゃんはディストーションフィールドの制御をお願い!」
「任せて!」
「解りました!」
「了解だよ!」
サツキミドリのクルーの言葉が終わるや否や、ユリカが素早く指示を飛ばす。それを受けて、其々が其々の仕事をこなし始めた。ルリはグラビティブラストの準備をする傍ら、艦内にエマージェンシーコールを流している。アキトは、既に格納庫に向かって走り出していた。
<・・・敵の襲撃が早いな。これも歴史の変動の一つか?>
<解らないよ。だけど・・・前回は助けに向かう間も無くやられちゃったんだよね?なら、今回は少しでも救える可能性がある分、マシだと思わなきゃ。それに、襲撃が早かったと言っても、逃げ出してくる余裕はあったんだよね?それなら、望みはあると思うよ。>
<そうだな。ラピス、ナデシコの防衛は任せたぞ。>
<うん!アキトも頑張って!>
リンクでラピスと会話しつつも、走る速度は緩めない。格納庫に向かう途中、同じ様に走って格納庫に向かうガイと合流する。
「アキト、今のエマージェンシーコールは何なんだ!?」
「これから合流する予定のサツキミドリが敵の襲撃を受けている!」
「ンだと!?って事は宙間戦闘か・・・」
「経験は?」
「シミュレーターで何回か。実際に宇宙に出たのは、1回だけだな。」
「おいおい・・・。0G戦フレームの操縦は?」
「任せろ!バッチリだぜ!」
「解った。急ぐぞ!」
「おう!」
会話しつつも全く立ち止まらない二人。会話が終わるや、更に速度を上げて走る。アキトは兎も角、ガイは腐ってもパイロットと言った所か。流石に、ただの熱血バカでは無かったようである。
格納庫に到着した二人は、其々のエステに乗り込む。ガイの機体も、既に0G戦フレームに換装済みだ。アキトの機体は、全地形対応型のフレームの為、換装の必要は無い。
「発進準備・・・OK。エステバリスカスタム、テンカワ=アキト、出るぞ!」
「ダイゴウジ=ガイ、出るぜ!!」
カタパルトから、2機のエステバリスが射出される。まだ不慣れな部分があるのか、ガイのエステは少しふらついていた。アキトはそんなガイの様子を確認し、また、サツキミドリから脱出してきたのであろう、20隻近い救命艇の群れを見、素早くガイに指示を送る。
「ガイ、お前はサツキミドリからの脱出者の護衛に回れ!そんな動きじゃ、足手纏いにしかならん!」
『クッ、悪い!』
通信を送ると、アキトは機体を加速させる。スピードを落とし、サツキミドリから離れようとする多数の救命艇に並行する形で飛ぶガイを尻目に、見る間にサツキミドリの傍に回り込むアキト。其処には、大量のバッタがサツキミドリに群がっている光景が広がっていた。その更に後方には、2隻の無人戦艦も見える。時折上がる火の手は、サツキミドリに居る筈のリョーコ達が応戦しているものだろう。3人のパーソナルカラーに染め上げられたエステバリスが、弾幕を張りながら、何とか敵の侵攻を抑えているのが、視界の端に微かに捉える事が出来た。
「善戦してはいるが・・・数が多過ぎるな。ならば・・・先ずは数を減らす!!」
ドドドドドドドドドンッ!!
ドゴォォォォォォォォォンッ!!
敵陣深く斬り込みつつ、ラピッドライフルを乱射し、バッタの群れを薙ぎ払っていく。フルオートで乱射しているにも関わらず、恐ろしいほどの命中率で、バッタを駆逐するライフルの弾丸。更に、エステカスタムの肩部分に装備された多弾頭ミサイルポッドから、マイクロミサイルを発射する。
ドンッ!バババババババッッ!!
ドドドドドドドドドォォォォォォォォン!!!
発射後、無数の小型ミサイルに分離し、周囲のバッタを撃ち墜とす。更に残った敵をライフルの連射で掃討していく。瞬く間に大量の無人兵器は駆逐されていき、サツキミドリの傍で戦闘を行っていた3機のエステバリスへの道が開かれた。
「其処の3機!聞こえるか!?」
『!?ナデシコのエステバリスか!?』
「敵は俺が引き受ける!君達は早くナデシコの方へさがれ!!」
『ありがてぇ!』
『助かったぁ〜!』
『ぎりぎりのタイミングだったわね』
三者三様の反応を返しつつ、アキトが築いたナデシコへ至る道を通り、後退していく。彼女達の返事、特にイズミのそれを聞いたアキトは、思わず首を捻ってしまった。
「あのイズミさんがこの局面で駄洒落を言わないなんて・・・シリアスモードだったのか?・・・まぁ良い、こっちはこっちの仕事を済ませるか!!」
「敵戦艦2隻、グラビティブラスト射程内に入りました!」
アキトがパイロット3人娘と合流した頃、ナデシコは敵戦艦を討つべく、接近していた。ルリの報告を受け、ユリカが次の指示を出す。
「ルリちゃん、2隻を一度に狙える座標を算出して、それをハルカさんに回して!ハルカさんは、そのポイントにナデシコを向けて下さい!ラピスちゃん、ディストーションフィールドの出力は一定を保ちつつ、出力をグラビティブラストの方に回して!」
「了解です!」
「おっけぇ〜!」
「うん!」
ルリ達の返事を確認したユリカは、次に格納庫から脱出艇受け容れの指揮を取っているジュンに通信を繋げた。
「ジュン君、救命艇の収容状況は!?」
『ほぼ完了したよ!現在、ナデシコ周辺のバッタを落す為に、パイロットのヤマダがエステで出撃中だよ!』
『コラ!俺はヤマダじゃなくて、ダイゴウジ=ガイだって言ってんだろが!!って、んな事より艦長!ナデシコ周りの露払いは終わったぜ!今から帰艦する!』
突如通信に割り込んできたガイに面食らいつつも、頷くユリカ。前方を見据え、今度はメグミに指示を出す。
「メグちゃん、アキトに通信繋げて!」
「ハイ!アキトさん、聞こえますか!?アキトさん!」
『・・・こちらテンカワ。如何した?』
「今からグラビティブラストを最大出力で撃つの。射線軸のデータを送るから、回避して!」
『了解だ。』
通信が切れ、一瞬ブリッジに静寂が訪れる。そして・・・。
「テンカワ機、グラビティブラスト射程外への離脱を確認しました!」
「よぉ〜し、グラビティブラスト発射!!」
ドゴォォォォォォォォォンッッ!!!
重力波が宇宙を貫き、残存無人兵器ごと、戦艦2隻を見事に沈める。それを見届けた後、ブリッジを解放感が包み込んだ。
「ふぅ〜・・・終わったよぉ〜・・・」
「いやはや、中々立派な指揮ぶりでしたよ、艦長。」
「えへへ・・・。あ、そうだ、ルリちゃん、ナデシコの被害は?」
「外部装甲に若干の被弾を確認しましたが・・・問題ありません。損傷率2%未満。相転移エンジン他各種内部機関に異常は無し。人的被害は0。但し、サツキミドリ側の負傷者は、軽傷32名、重傷10名、死者は・・・幸いな事に、0です。」
死者0。ルリのその報告に、ブリッジのクルー、特にメグミやミナトといった、元々一般人だったクルーが安堵の溜息を漏らす。外見上は冷静を保ちつつも、ルリやラピスもまた、内心では喜んでいた。嘗て、サツキミドリに居た人達は、僅か3名を除き全員死亡してしまっていたのだ。救えなかった命を救う事も目的の一つである彼女達にとって、今回の結果は十分満足のいくものであった。
「アキトさんの帰艦を確認しました。」
「残念ですが、サツキミドリでの補給は不可能ですな。仕方ありません、艦長、先を急ぎましょう。」
「そうですね。それじゃ、ナデシコ進路を火星に向け、発進!」
「よっ、さっきは助かったぜ。」
ハンガーにエステを固定し、アサルトピットから降りたアキトに、不意に声がかけられる。先程合流したリョーコ達が、アキトに近寄ってきた。
「正直、結構やばかったもんね。私、アマノ=ヒカル。宜しくね。」
「俺はスバル=リョーコってんだ。宜しくな。」
「よろしく、リョーコちゃん、ヒカルちゃん。・・・あれ?もう一人居なかったっけ?」
もう一人、イズミが見当たらない為、キョロキョロと視線を巡らせるアキト。と、ヒカルが自分の後ろを指差している事に気付き、後ろを振り向く。目の前に、イズミの顔があった。
「のわぁっ!?」
奇声を上げながら仰け反るアキト。そんなアキトの反応に、イズミは若干不機嫌そうな顔になる。
「・・・人の顔を見ていきなり仰け反るとは良い度胸ね?」
「あ、いや・・・ゴメン。」
「無理もないと思うけどねぇ。」
「うんうん。いきなり真後ろに立たれてたら、誰だって驚くって。」
「・・・まぁ良いわ。」
リョーコとヒカルが擁護したからと言う訳でも無いだろうが、元の無表情に戻るイズミ。次に来る台詞を予想し、アキトは一瞬の早業で耳栓をつける。勿論、刻をも凍らせる破壊力を秘めたイズミの駄洒落対策の為だ。
「マキ=イズミよ。宜しく。」
が、アキトの予想(経験上の記憶とも言う)とは裏腹に、イズミの自己紹介は至極普通のものであった。意外と言えば意外な展開に多少呆然としつつも、アキトも挨拶を返した。
「あ、ああ・・・宜しく・・・。」
アキトの返礼が終えると、イズミは何事も無かったかのように、歩き去っていった。
「や〜れやれ、あいつも相変わらず無愛想だな。」
「ま、イズミは真面目だからねぇ〜。案外、アキト君に驚かれた事を根に持っているのかもよ?」
若干呆れ気味に言うリョーコと、心底楽しげに言うヒカル。両者の性格の違いを如実に表していた。そんな彼女達の声に意識を傾けつつ、アキトは自分の思考に嵌っていた。
(・・・何やら色々と違いが出ているみたいだが、今回はサツキミドリの人達も助けられたし、リョーコちゃん達も無事に合流出来た。次は火星に取り残された人達か・・・さて、如何したもんかな?)
考え込むアキトを現実に引き戻したのは、コミュニケの着信音であった。通話機能をオンにすると、小さなウィンドウに、ホウメイの顔が映し出される。
『テンカワ、帰艦して直ぐで悪いんだけどね、厨房まで来てくれるかい?避難者の分の料理も至急用意しなきゃならないからさ、人手が足りないんだ。』
「解りました、直ぐに行きますね。」
通信を切ると同時に、厨房に向かうアキト。
(まぁ・・・今から悩んだ所でどうしようもないか。俺は俺に出来る事を全力で為すだけだ・・・!)
自分で自分に納得させると、アキトは厨房へと歩いていった。その足取りは、心なしか軽くなっているように見受けられた。
Episode:05・・・Fin
〜後書き〜
刹:どうも、刹那です。第5話をお送りしました。
ア:なぁ?随分と遅くなったな?
刹:ぐっ・・・いや、ホントはこんなに遅くなる筈は無かったんだけどね。4月から回線工事があって、何故か終わったのが6月。その間、ネットも何も出来なかったから・・・。何で2ヶ月もかかりますか・・・?
ア:まぁ・・・運が悪かったと言うべきか?
刹:それだけで片付けたくは無いけどね。それと、回線工事を行うに当って、4月8日以降以前のメールアドレスが使用不可能な状態にありました。その為、以前のメールアドレスに送られたメールは、読む事が出来ません。もし以前のメアドにメールを送ってくださった方がいましたら、お手数ですが新規メアドの方に再度送っていただけると嬉しいです。本当に、面倒をお掛けして申し訳ありません。
ア:メアドが使えなくなる状態になる事くらいは、先に報告しておくべきだったな。それはそれとして、話の内容についてだが・・・。
刹:はいはい?
ア:今回登場のパイロット3人娘。イズミさん、俺との挨拶の時に駄洒落言わなかったな?というか、そもそも性格変わってないか?
刹:・・・まず謝っておきます。ゴメンナサイ。
ア:何に対してだ?
刹:いやね、初めはイズミはちゃんと原作どおりの性格だったんだよ。自己紹介の時に、時を凍らせる駄洒落を言ったりもする。
ア:ふんふん。何でそれが、あんな感じに?
刹:・・・書けないんだ。
ア:は?
刹:いや、だから。イズミの駄洒落を書けないの。より正確に言うなら、私にはああいった類の洒落とかそう言うのが、全然考えつかないんだよ。
ア:・・・元々そう言うの、苦手・・・ってか、全然駄目だったもんな、お前。
刹:そう。ンで、下手に無理な事をやって破綻をきたすより、初めからある程度の変化を持たせた方が良いかな、と思って。元々イズミにはシリアスな一面もある訳だし。とは言え、結局は私の力不足が原因な訳だし、あの駄洒落がイズミの最大の特徴だという人も居るでしょう。もしこれを読んで下さっている方の中にイズミファン、それもあの駄洒落が好きだという人がいらっしゃったら、今此処で謝っておきます。ゴメンナサイ、このSSにおけるイズミは、駄洒落を言ったりはしません。
ア:力量不足もいいところだな。ま、こんな作者の作品ではありますが、広い心でお付き合い願えれば幸いです。
刹&ア:それでは、引き続きEpisode:06をお楽しみください。
代理人の感想
ま、書けない物はしょうがないですね・・・私だって書けないし(笑)。
むしろイズミがシリアスであることに何らかの意味を持たせて、
禍転じて福と為すのがベターでしょう。←言うは易し、である。