「あ〜助かった〜」
あの後やっとのことで救助されたアキト。
多少やつれて見えるのは気のせいか?
「ふっふっふっ・・・だがまだ終わりじゃねーんだよ」
不気味な雰囲気を漂わせながらウリバタケとその他整備員が現れた!
「うお!何だ?出迎えか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
ダッ!
アキトは逃げ出した!
何かを察知したのであろうか?
「逃がすかああぁぁぁっっ!!!行くぜヤロウ共!!!!!」
「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」
やけに威勢のいい声が聞こえた気がする。
こうしてアキトVSウリバタケ率いる整備班の『第1回・チキチキ!格納庫で1対多数の鬼ごっこ!』が始まった。
伝説の3号機
その3
ぷしゅ〜
「・・・・・・」
アキトの頭から煙が出ているのはお約束と言えよう。
「ふ〜スッキリした」
「「「「「「「「「「ですね〜」」」」」」」」」」
「全く、オレのゲキガンガーをあんな風にしやがって!」
整備員全員がヤケに爽やかな顔をしている。
途中からガイも参加したようだ。
で、動かなくなっているヤツが約1名。
「・・・・・・・無念・・・・・・・」
「いや〜ゴートの旦那、来てくれて助かったよ」
「別に大したことではない」
「いやいや助かったよ。あの野郎が格納庫から逃げ出す前に出口を固めておいてくれたのはあんただからな。・・・・さぁてと!あの物体X
とっとと回収してくれねーか?整備の邪魔だ」
物体Xって・・・。
「うむ、こちらもヤツに話が有ったからな。では貰っていくぞ」
ズルズルズル・・・・
こうしてアキトは引きずられながら格納庫を後にした。
「・・・・・で、いい加減離してくれないか?」
「気が付いていたのならさっさと声をかけろ。まあ、お前のお陰で大分通路がキレイになったがな」
「オレはモップじゃねぇ!」
「とにかく一度ブリッジまで行くぞ。話はその後だ」
ズリズリズリ・・・・・
「だから離せってば・・・」
シュッ
「付いたぞ」
「結局最後まで離さないで来やがったし・・・」
通路はキレイになったがアキトは大分黒ずんで見える。
「アキトー!!!!!」
「甘い!」
サッ
ガン!
ユリカは壁にダイブした!
「あうううぅぅぅ・・・・」
「ユ、ユリカぁ!大丈夫かい!?」
「全く、いきなり襲いかかるなよ」
「それは違うと思うぞ・・・」
ゴートは少々呆れている。
「相変わらずだな」
「ベン師匠!改めてお久しぶりです!」
「うむ、元気そうだなアキト」
「はい!有り余るほど元気です!今なら妖精とだって話が出来ます!!」
それはヤバイだろ。
「まあまあその辺で。フクベ提督とは後ほどお話ください。それでは早速ですがテンカワさん、あなたの今後の処遇についてお話致します」
「何だ?プさん。オレはコックじゃなかったのか?」
「・・・?何?『プさん』って?」
話に割って入ってきたのは呆れていて操舵を忘れたミナトと呼ばれた女性だ。
「・・・・・・・・気にしないで下さい」
「うむ!教えてやろう!実は・・・・・・・いや何でもない」
「・・・そう」
「そうだ、もう何も聞かないでくれ」
「適切な判断です」
言ってることはまともだが、後ろ手に持ってる棍棒が異様なオーラを漂わせていた。
「色々と大変なのね・・・」
「わかってくれるか、ありがとう」
何故か同情しているミナトに感謝の意を伝える涙目のアキト。
「さて話がかなり脱線しましたがテンカワさん、先ほどのことについてお話しなければなりません」
「先ほど?」
「はい、非常時とはいえパイロットではない者が、エステバリスに乗り戦闘(囮)を行ったのです。問題は山積みですが我々は軍人ではありません。
そこで暫定的な処理として、テンカワさんにはコックとパイロットを兼任していただきたいのですが・・・」
「いいよ」
早っ!
「・・・・・少し考える時間をあげても宜しいのですよ?というより普通考えるでしょ」
「別にいいよ。コックは、まあやるにしても決まりならしょうがないっしょ」
か、軽い。
「・・・わかりました。ではたった今を持ちましてテンカワさんはコック兼パイロットです」
「という訳でたった今この戦艦のコック兼パイロットになったテンカワ・アキトだ!オレのことは『月を自愛の目で見つめる一本のトーテムポール』とでも呼んでくれぃ!!」
「はいはい宜しくね。ちなみに私は操舵をしているハルカ・ミナトよ」
「あ、私は通信士をしているメグミ・レイナードです」
「オペレーター、ホシノ・ルリです」
「え〜と、副艦長のアオイ・ジュンです」
「ほっほっ、ワシは言うまでもないと思うが提督のフクベ・ジンじゃ」
「うむ、紹介がまだだったな。ナデシコの戦闘リーダーをやっているゴート・ホーリーだ」
「ではついでですから私も、ナデシコ内総務統括をしていますプロスペクターです・・・・・・で、そこで伸びてる方がナデシコの艦長、ミスマル・ユリカさんです」
「・・・・・・・・・・・・・・・!」
ボケを流されて悲しげなアキトだったが、プロスの言葉を聞いて驚愕の表情をした!
「なっなにぃぃぃっっ!!!コイツが艦長!?正気かアンタ!!?」
何だかひでぇ言われようである。
「はは・・・まあ確かに性格は多少アレかもしれませんが、この方は連合大学の戦略シミュレーションで無敗を誇るほどの腕の持ち主なのですよ」
「だからって、ミスマル・ユリカだぞ?ミスマル・ユリカ!?・・・はっ!そうかアンタ、コレは博打だな?大博打だな?!」
「ばっ博打って・・・まあそう取られても仕方ないのかもしれませんが」
チラッっと気絶中のユリカを見るプロス。
「いや!アンタはまごうことなき博打屋だ!はい決定!もう変更は出来ませんのであしからず」
何時の間にかプロスのアビリティに博打屋が加わった!
「・・・・・・・もうどうにでもして下さい」
プロスはたそがれた!
「うん!わかったよアキト!!」
ユリカ復活。
と言うより何がわかったのだ?
「何時の間に復活したんだお前は?」
「ふっふ〜んだ。ユリカはこう見えても強いんだぞ!」
そうなのか?それ以前に答えになってない。
「まあいい、さて自己紹介もすんだことだし恒例のアレいってみるか!」
「「「「「「「「「アレ?」」」」」」」」」
「まず、ハルカ・ミナトさん!アンタ『ハト』ね!」
「は?はと?」
「で、メグミ・レイナードさん!アンタ『メナード』ね!」
「え?え?」
「次、ホシノ・ルリくん!キミは『ノリ3世』だ!」
「ノリ?3世?」
「次!アオイ副長!お前は『アジ副長』!」
「あ、鯵?」
「ベン師匠はもう決まってるので、次!ゴート・ホーリーさん!アンタ『ゴッホ』!」
「は?」
「プさんも決まってるので最後!艦長ことミスマル・ユリカ!」
「は〜い!私は何?何?」
嬉しそうだ。
「お前は『スカ』!」
「わ〜い!」
喜ぶのか?!
「なるほど・・・だからプロスさんは『プさん』な訳ね」
「わかっていただけましたか・・・」
ミナトは納得顔でプロスに同情している。
「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」
「あれ〜?みんな黙っちゃたよ〜?アキト〜」
「はぁ・・・まあ無理もない。オレは謎モノだからな!」
「「「「「「「はあ?」」」」」」」
「「うんうん」」
ユリカとフクベだけは何故か納得している。
「そう、誰だっていきなり未知のモノと出会えば戸惑う。だが!何時かきっと分かり合える日もくるさ!そう『ナマステ』が『こんにちは』のように!!」
「意味わかる?」
ぶんぶん
全員揃って首を振る。
ある意味壮観だ。
「ふっ、ではこの辺で失礼させてもらっていいかな?仕事があるのだろう?」
「は?はあ、構いませんよ」
「・・・・ああ、それとスカ」
「ん〜なぁにアキト」
もう定着している。
「お前、オレの両親について何か知っているか?」
「え?アキトのおじ様とおば様?なんで?」
「知らないのか?」
「何を?」
「・・・・・・そうか、ならいい」
何か前とのギャップが激しいぞアキト。
「さぁて!そーれではまーた後でぇぇぇぇっっ!!」
元に戻ったようだ。
シュッ
ダッシュでブリッジを出て行くアキト。
シュッ
が戻ってきた。
「・・・・」
反対側の入り口から。
「あれ?アキトどうしたの?」
「・・・何時からココの通路は無限ループになったんだ?」
「そんなわけありません」
「迷ったのね」
「と言うより普通迷えますか?」
総ツッコミを入れられてしまった。
ここは食堂
アキト初勤務である。
「テンカワ・アキトです!宜しくお願いします!」
おお!普通の挨拶だ。
「ああ、宜しく。アタシはここの料理長をやってるリュウ・ホウメイだ。で、この子たちが・・・」
「ミズハラ・ジュンコ!18才!身長162cm!体重はヒミツです!3サイズは82-57-85!!」
「サトウ・ミカコ!17才!身長145cm!体重ヒ・ミ・ツ〜!3サイズ、75-55-77!!」
「ウエムラ・エリ!17才!身長154cm!体重はヒミツだよ!!3サイズは80-57-82!!」
「タナカ・ハルミ!18才!身長163cm!体重はヒミツ!!3サイズは84-59-84!!」
「そしてリーダーのテラサキ・サユリ!19才!身長は171cm!体重は聞かないで!!そして
3サイズ!85-59-88!!!さあ!貴方はどうする?!」
「「「「「5人合わせてホウメイガールズでーす!!
宜しくお願いしまーす!!!」」」」」
「・・・・・・・・・」
流石のアキトも圧倒されたようだ。
「ってちょっとサユリ!何時からリーダーになったのよ!」
「そうだよ!そうだよ!ずるいよー!」
「聞いてない!しかも何でサユリだけセリフ長いの?!」
「それにどうする?!って何〜!何がどうなるの〜?!」
「ふ〜んだ!言ったもん勝ちだよーだ!」
もうなにがなにやら・・・。
「あ〜とにかく、あっちはほっといてアンタの腕前を見せてもらおうか?」
ホウメイは何気になげやりだった。
「うし!じゃあ、行かせていただきます!」
職場では真面目になるのか?アキト。
ズダダダダダダダ・・・・・・
シャシャシャシャシャッ・・・・・
ザコザコザコザコザコ雑魚・・・・・
「出来やしたぜ!『ウメ料理長』!」
どうやらホウメイは『ウメ料理長』になったようだ。
「ほう、どれどれ・・・」
動じていない。流石はホウメイ。
「へえ、小松菜チャーハンかい?じゃあ早速・・・・・・・・・・・ふむ」
え?!アキトがまともな料理を・・・。
「ど、どうすか?」
「うーん、皆も食べてみるかい?」
ホウメイの目線の先にはホウメイガールズの面々が揃っていた。
「「「「「え?いいんですか?」」」」」
見事なハモリだ。
「ああ構わないよ。なあテンカワ?」
「そうですね、さあ食せ!遠慮はいるかいらないかわからないぞ!!」
「「「「「どっちなんですか・・・?」」」」」
何故いちいち合わせて喋る?
「さあな!」
自分の発言には責任持てよ。
「「「「「何だかわからないけど・・・とにかくいただきまーす!」」」」」
もう何も言うまい。
パクパク
モグモグ
ガツガツ
モフモフ
スパパパパパパパ・・・・・・
最後のは何だ?
「「「「「美味しかった〜!」」」」」
「本当か?!嘘だったら月で石拾いさせるぞ?!」
何処まで拾えばいいんだよ・・・。
「「「「「本当に美味しかったよ〜?」」」」」
「そうか・・・でウメ料理長、オレはどうでしょう?」
「そんなの言うまでもないだろ?あの子達が美味しいって言ってるんだ、それ以上何を言う必要がある?」
「そうですね・・・よぅし!やってやるか!」
「頑張りましょうね!テンカワさん!」
「宜しくね〜」
「テンカワさん、頑張ろう!」
「チャーハン美味しかったですよ」
「今度私に作り方教えてください!」
「はっはっはっ任せろ!『ミジンコ』!『トミカ』!『ラリリン』!『ナカミ』!『ユリ繋がり』!」
「「「「「は?」」」」」
時が止まったようだ。
カチャカチャ・・・
ホウメイは我関せずといった風で後片付けをしている。
そして時は動き出す。
「え〜とテンカワさん?」
「何だ?『ユリ繋がり』」
「・・・・・・・・何故?」
「気分だ!」
「「「「「き、気分で人の名前変えないでくださーい!!」」」」」
「遠慮するなよ」
「「「「「遠慮させてください!!」」」」」
「却下」
問答無用だ。
「大体何で私が『ミジンコ』なんですか?!そんなに小さくありません!」
「何で『トミカ』ー?!私おもちゃなんて作ってなーい!」
「『ラリリン』なんてやめてー!何かアブナイ人みたいだよそれじゃ!」
「『ナカミ』って、外側はどうでもいいんですか〜?!」
「頼みますから『ユリ繋がり』だけはヤメテー!!変な誤解うけるー!!!」
「はっはっはっ、明日は晴れるかなぁ?」
完全無視に入ったようだ。
哀れホウメイガールズ、アキトに会ったのが運の尽き。
アキト・・・・いやホウメイガールズ運命はどっちだ!?続くような続かないような思わなくも無きにしも非ず。
あとがきです。
皆さんこんにちは!彼の狽ナす。
・・・・・・なんじゃこりゃ(大汗)
いけない、このままじゃいけない、アキトが関わる人物人物が皆壊れていく・・・・どうしよう。
しかしホウメイガールズには参った(汗)
資料探すだけでも一苦労。
ネットで検索3時間!やっと下のような設定が出来た。(大したもんじゃないですけどね・・・)
設定が出来たと思ったら今度は作中で大暴れ!もうどうしよう?!
・・・・・と、とにかくここまで読んでくださってありがとうございます!
ではまた何時かお会いしましょー!では!
皆さん!感想ありがとうございました!この場を借りてお礼を申し上げます!!
補足:ホウメイガールズ設定資料ー!というより身体表か。
名前 | あだ名 | 年齢 | 身長 | 体重 | B | W | H |
テラサキ・サユリ | ユリ繋がり | 19才 | 171cm | 52.5kg | 85 | 59 | 88 |
ミズハラ・ジュンコ | ミジンコ | 18才 | 162cm | 48kg | 82 | 57 | 85 |
ウエムラ・エリ | ラリリン | 17才 | 154cm | 38kg | 80 | 57 | 82 |
タナカ・ハルミ | ナカミ | 18才 | 163cm | 51kg | 84 | 59 | 84 |
サトウ・ミカコ | トミカ | 17才 | 148cm | 41kg | 75 | 55 | 77 |
※この資料の一部は空明美さんにご協力いただきました。空明美さん!本当にありがとうございました!!
補足2:
前回管理人さんや掲示板でのご指摘の通り投稿していたファイルが不味いものでした。
その1、その2、また今回の投稿とも全て正しいファイルに改定致しました。
ご迷惑をおかけしました。
管理人の感想
彼の狽ウんからの投稿です。
ここまで激しく自己主張をしたホウメイガールズを、始めて見ました(笑)
資料集めに苦労されたんですねぇ(そっと涙を拭う)
それにしても、出会う人物全員に渾名をつけないと気がすまないのか・・・アキトよ?
こうやって見ると、ユリカってますますアレな人物に見えるなぁ(汗)
・・・ミスマル提督なんかは、どうなるんだろう?