< 時の流れに福音を伝えし者 >

 

 

 

 

 

プロローグ.少年、新たなる神話の始まり

 

 

 

 

 世界が滅んで・・・・・・どれくらい経ったっけ?

 サードインパクトのせいで僕は人間ではなくなってしまった。

 容姿も綾波やカオル君みたい白銀色の髪に紅色の瞳に変わった。

 

 体は不老不死になって髪はすこし伸びてるが十四歳のままだ。

 おまけにATフィールドが生身で使えるようになって、

 他にもいろんな事が出来るようになった。

 

 そう言えばまだ自己紹介してなかったね。

 僕の名前は、イカリ シンジ。 ネルフって所のエヴァンゲリオンのパイロットをしてたんだ。

 

 建前は世界平和の為って事で闘っていたんだけど、ネルフってほんとは世界を滅ぼす悪の組織の手下だったんだ。

 でもってその悪の組織ゼーレは、僕と僕の乗っていたエヴァンゲリオン初号機を生け贄にしてサードインパクトを起こしたんだ。

 

 ゼーレの目的って、人間を一つにして進化させるつもりだったらしい。

 確かに僕を中心に人間は一つになったけど、

 進化して滅んだんじゃ意味ないじゃん。

 

 ついでに僕の父さん(もう認めちゃいないけど)も、

 母さんに会う為にアダムとリリスを融合させて、別のインパクトを起こしたんだ。

 

 それでアダムにリリス、それに黒い月(ジオフロントのこと)に溜めこんでいた

 第三から第十七使徒までの魂が僕を中心に一つになってしまった。

 

 だから今の僕は全ての使徒と人間の力を一つにした全生命集合体ってとこかな。

 

 まあそんな訳で、僕は使徒以上の存在なんだけど、それでもやっぱ一人だからね、退屈なんだよ。

 だから、暇つぶしにいろんなことをしてたんだ。

 

 まずは自分の力について調べてた。

 わかったことはATフィールドはもちろん、第一から第十七までの使徒の能力が使えた。

 能力については大体こんなとこ。

 

第一使徒 アダム

リトル・インパクト:セカンドインパクトの弱小版。 自身の被害、ほとんど無し。


第二使徒 リリス

生造:自分の望んだ生命体を作れる


第三使徒 サキエル

パイル:両手から光の槍を打ち出せる


第四使徒 シャムシェル

:両手から光の鞭を発生させ操れる


第五使徒 ラミエル

荷粒子砲:加速器によって強化された光線


第六使徒 ガキエル

水中衝撃波


第七使徒 イスラフェル

ゲンガー:自分の分身を作る


第八使徒 サンダルフォン

高温度攻撃


第九使徒 マトリエル

強硫酸:あらゆる物を溶かせる


第十使徒 サハクィエル

ATボム:高圧縮したATフィールドで、ぶつかると爆発する


第十一使徒 イロウル

ATネットワーク:ATフィールドを回線にして何処からでもコンピューターにアクセスし操作できる。
電脳支配:コンピューターなら何でも永久的に支配できるが、直接触れなければならない。


第十二使徒 レリエル

ディラックの海:空間移動、また物の収容が出来る


第十三使徒 バルディエル

生体支配:生き物なら何でも永久的に支配できるが、直接触れなければならない。


第十四使徒 ゼルエル

可視光線:荷粒子砲とそんなに変わらないが、破壊力より貫通力のある光線。
ATコーティング:武器にATーフィールドを纏わせ強化する。


第十五使徒 アラエル

精神干渉:相手の記憶を見たり操作でき、逆に相手に見せることが出来る。


第十六使徒 アルミサエル

融合:機械、生命体の中に入り込める


第十七使徒 ダブリス

絶対領域:ATフィールド外とのあらゆるものの干渉を完全に断ち切る。


 

 使徒から手に入れた能力はこんな所だよ。

 

 それらとは別の能力としてATフィールドを具現化する事が出来る。

 多分これが第18使徒リリン、人間の使徒としての能力なんだろうな。

 

 で、それが終わったら今度は知識の探求を始めたんだ。

 人が一つになった時、僕はすべての人間の知識も手に入れた。

 永遠の時間もあるからそれらの知識をもとに新しい技術を編み出していろいろな発明をしたりもした。

 

 ここ数百年で僕は、新しいエヴァンゲリオンを造ってみた。

 初号機はサードインパクトの生け贄にされた時に、僕の半身のようなものになった。

 だが、その時の衝撃でコア以外の肉体がほとんど壊れてしまった。

 そこでコアだけを残してそこから新しいエヴァを造った。

 

 これまでのエヴァは兵器と言っておきながら、ATフィールドと自身の筋肉だけが武器だった。

 だから今度はエヴァ本体に火器等を融合させ半機械の体にした。

 

 動力はもちろんS2機関、背中にスラスターをつけて翼を広げて飛ぶ時に加速できる。

 外見は鎧を着た様な装甲になり重心も下げているので、固定しなくても立たせられるようになった。

 大きさも無理に大きくする必要も無いのでかなり小さくしている。

 操作法は変わらないが、コクピットはエントリープラグじゃなく腹部にとりつけ、LCLに浸かる必要も無くした。(やっぱりLCLは好きになれないから)

 

 だけど苦労をかけて造ったはいいんだけど、乗って何処に行っても地球上には何もないから宝の持ち腐れ状態なんだ。

 

 だから思い切って別の惑星にエヴァで行ってみることにしたんだ。

 エヴァのS2機関ならエネルギー切れになることもない。

 ディラックの海なら一瞬でいけるけど、エヴァに乗って行かないと意味がないからね。

 

 それで三週間くらい経ってやっと、太陽系第四惑星、火星についた。

 やっぱり火星にも何もなくて今の地球ほどではないけど、死の惑星だった。 

 

 

 

 

 火星に降りて一週間くらいたった。

 散々歩き回ったけど、新たな発見というものはなかった。

 もうそろそろ次の惑星に行こうかなーって時に、ついに新たな発見と呼べるものを見つけたんだ。

 

 そこは火星の極冠だった。

 それは封印されているかのように厚い氷の壁に閉ざされていていた。

 

 エヴァで氷に手を触れると

 使徒の能力を発動する。

 

 「アビリティ、『サンダルフォン』」

 

 僕はサンダルフォンの高温度攻撃を使い、一瞬で氷を溶かした。

 

「そう言えばアダムも地球の極冠の地下にいたんだっけ。 まさか火星のアダムがいるのかな?」

 

 僕は不意に思いついたことを呟いていた。

 

 そして氷から変わった水蒸気がはれると、そこには巨大な空洞が開いていた。

 しかし、この空洞はどう見たって自然のものではなく、明らかに誰かに作られたものだ。

 

 僕は中に入ろうとエヴァを飛ばしたが、途中で見えない壁に衝突した。

 

「な! バリアだって! よーし、ならこっちも【バリア】で対抗してやる。」

 

 僕はATフィールドを円錐状に発生させ、その頂点を前に向けてバリアに突進した。

 

「いっけぇぇぇぇぇ!!!」

 

 バシュン

 

 ATフィールドを前に穴を守るバリアも軽く貫かれた。

 

 そのあと何枚ものバリアがあったがすぐに貫いて、僕は巨大な空洞の地下にたどり着いた。

 

「どうやらこれがこの空洞の中心部分みたいだけど、何だろうこれ?」

 

 僕はエヴァから降りてみた。

 そこには、一辺三mくらいの四角体の構造物があった。

 しかも、縄を重ねてた様な模様をしている。

 

 僕はそれのそっと触れると、突然その四角体が光りだした。

 そして、僕のからだに違和感があらわれた。

 

 僕はその四角体から何かが入ってくるのを感じた。

 だけどサードインパクトの時に流れこんできた力や知識のようなものではない。

 直接、体に染み込んでいくような感じだ。

 

 体に染み込みで広がっていくにつれて、四角体の光も弱まっていく。

 収まりきるとさっと体を見まわす。

 

「何だったんだろう、今のは?」

 キュイィィィン

 

 その時、四角体が機動音のようなものと共に、再び光を放つ

 そして僕のからだに地上絵の様な線の模様が浮かび上がった。

 

 「こ、今度は何なんだ!?」

 

 その後、僕の視界は光で溢れる。

 次の瞬間、そこにあったのは四角体と残されたエヴァだけだった。

 

 僕はこれから何処へ行くんだろう?

 ・・・まいっか。 退屈しないですみそうだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

第一話に続く

 

 

 

 


 

 あとがき

 どうも、SIMUと言うものです。

 この話はBenさんの【時の流れに】とエヴァ劇場版後を混ぜたものです。

 まだまだ素人ですが頑張って書きますので、次回話も見てください。

 それとBenさん、【時の流れに】を話のもとにさせていただく御許可、ありがとうございました。