エヴァンゲリオン&ナデシコ
第七話 決戦、第3新東京市後編
「これまで採取したデータによりますと一定距離内の外敵を自動排除する物と思われます」
「エリア進入と同時に荷粒子砲で100%狙い撃ち。エヴァによる近接戦闘は危険すぎますね」
そんな事ぐらい言わなくても解るわよ。
「・・・ATフィールドはどう?」
「健在です。相転移空間を肉眼で確認出来るほど強力なものが展開されています」
「誘導火砲、爆撃などの生半可な攻撃では泣きを見るだけですね、これは・・・」
だから言わなくても解るんだって!
「攻守共にほぼパーペキ、まさに空中要塞ね〜。で、問題のシールドは?」
「現在目標は我々の直上、第三新東京市零エリアに進行。
直径17.5mの巨大シールドがジオフロント内、ネルフ本部に向かい潜行中です」
「敵は此処、ネルフ本部に向かって直接攻撃を仕掛けるつもりですね」
何で解ることしか言わないのよ、役立たずね!
「しゃらくさい・・・。で、到達予測時刻は?」
「明朝午前零時零六分五十四秒です。
その時刻には22層全ての装甲防御を貫通してネルフ本部へ到達するものと思われます」
あと10時間足らずか・・・。
『敵シールド、第一装甲板に接触!』
「で、こちらの初号機の状況は?」
『特に問題は無いわ。パイロット次第と言う所ね』
「了解、零号機は?」
『再起動自体に問題はありませんが、フィードバックにまだ問題が残っています』
「実戦はまだ無理か・・・初号機専属パイロットの容体は?」
『現在検査をおこなっていますが、特に以上は無いそうです』
「まともに使えるのは初号機だけか・・・・・」
『敵シールド到達まであと九時間四十五分』
「状況は芳しくないわね・・・」
「白旗でも揚げますか?」
・・・・・嫌がらせのつもりだったら今度リツコに改造させようかしら?
「その前にちょっちやってみたい事があるの」
ペラ・・・ペラ・・・
「・・・なるほどね。それにしても無茶な作戦を考えたものね、葛城作戦部長」
こんな無茶以外の何でも無いものを作戦としての立案が通るなんて。
「そんなこと言わないでよ、残り九時間以内に実行可能で最も確実なものよ〜」
「これがねぇ〜・・・・・」
まあ、こんな無理なことを考えるなんてミサトにしか出来ないことね。
でもなんでそんなに自信をもって言えるのかしら。
一回解剖でもしてみようかしら。
「でもうちのポジトロンライフルでは、そんな大出力には耐えられないわよ」
「なければ借りてくれば良いのよ」
「借りるって・・・もしかして!」
「そう、戦自のプロトタイプよ」
・ ・・なんでこんなに悪知恵が働くのかしら。
やっぱり解剖するしかないわね。
「リツコ、あんた変なこと考えているんじゃないんでしょうね?」
・・・・・ち、ばれたか。
「あなたプロトタイプの回収をするんでしょ?
こっちは出力の計算と改修の準備をしておくから早く徴収して頂戴」
「そんなに急いでも良い事無いわよ、急がば回れって言うじゃない」
「今使うとしたら善は急げよ・・・」
「そ、そうだったかしら?つい最近まで海外に行っていたから忘れちゃったのよ」
「関係ないじゃない」
そう言いながら私はミサトを軽くにらむ。
「あ、それじゃ私徴収に行ってくるから後よろしくね!」
逃げたわね、ミサト・・・。
それより気になるのがこのデータね。
碇シンジ・・・、彼は何者かしら・・・・・。
「・・・それでリツコさん、こんな時に何のようですか?」
「あなたにちょっと用事が有った、ただそれだけよ」
何の用事か知らないが気がついたときにリツコさんの部屋に居た。
月に何人か此処に出入りした人が消えているらしい。
それもリツコさんの陰口をたたいた人のみである。
もちろん噂であるが・・・、いや、今は噂であってほしい。
その中で僕は椅子に縛られた状態で。
アキト君なんか捕まったときのショックで
お、俺が素人の気配に気がつかなかっただと・・・・・。
こ、これは夢だ。夢なんだ、そうに違いない!
・・・・・まあその内に戻るだろうし。
こんなこと慣れてないからね〜、慣れたくは無いけど・・・。
「それでシンジ君、あなたのさっきのシンクロデータがこれよ!」
そういうとリツコさんはモニタにデータを表示させる。
「ここの部分、シンクロが重なっているの。
マヤが見つけたんだけど誰にも喋らない様に口止めしてるわ」
これは・・・、フィールドを張ったときのアキト君のシンクロまで出たのか。
「さて、キリキリ吐いてもらいましょうか?」
「リ、リツコさん。その手に持っているのは何ですか」
「気にしないで、もしもの時の自白剤だから・・・」
「話せる部分は話しますけどそれだけは止めてください!」
「そう、残念ね・・・・・」
中で何かが動いているようなモノを自白剤に使わないでくれませんか?
それじゃ冗談にもなりませんよ。
「でも今いまは時間が有りませんし話せるのはその一部だけです。時間がたてばすべて分かります」
「いいわよ、それだけでも」
「・・・人類補完計画、これは知っていますよね」
「・・・・・ええ」
あまり驚いた顔はしないな。
これぐらいは予想のうちだったのか。
「その計画をやめさせる為ですよ」
「そんなことが出来ると思ってるの?」
「出来るかどうかじゃありません。
やらなければいけないんですよ」
「それで、あの二重シンクロはどうやったの?」
「僕の肉体には魂が二つ、存在します」
「二重人格・・・と考えていいのかしら?」
やっぱり説明しにくいな。
「少し違いますが今はそう考えてもらっても結構です。
それとこの事は父さんしか知りませんので誰にもしゃべらないでください」
「分かったわ・・・・・、それじゃもう帰っていいわよ」
「その前にリツコさん」
「あら、何か貴方も聞きたい事があるの?」
「この縄、解いてくれませんか」
「・・・・・忘れてたわ」
縄を解いてもらった後に僕はある事を思い出した。
「そうだ、リツコさん。
後でこれを見ておいてください」
「何かしら、これは?」
「別に怪しいものじゃありませんよ。
まあ見てくれれば分かりますから・・・」
そう言うと僕は部屋を出て行った。
午後二三時四十一分
「ミサト準備のほとんどが終わったわよ」
「そう、それで電力ラインはどこまで開通したの?」
「はい、現在北海道・東北・関東・中部・近畿・中国エリアは開通しています。
四国・九州エリアが五分ほど遅れているようです。
双子山の第一次から第七次までの変電・冷却設備もあと十五分で完了する予定です」
ミサトの作戦にしては確率が高いほうだけど流石に今回は時間が足りないわね。
「敵シールドの本部到達まで約二十五分、エヴァ両機の配置は終了。
後は電気が通るのを待つだけね」
敵がそれまで待ってくれればの話だけど・・・。
午前零時零分
『作戦スタートです!』
『シンジ君・・・、日本中のエネルギーあなたに預けるわ。
頑張ってね!』
「はい!」
『第一次接続開始!』
『第一次接続開始します。
電圧上昇中、全冷却システム出力最大へ』
『温度安定、以上ありません』
『第一次接続完了』
『続いて第二次、第三次接続開始!』
『全加速器運転作動、強制収束機動作安定』
『第二次接続完了、問題ありません』
『第三次接続も問題なし』
『最終安全装置を解除』
『撃鉄おこせ!』
『第七次接続完了、エネルギーポジトロンライフルへ!』
『発射八秒前・・七・・六・・五秒前』
『目標に高エネルギー反応!』
『何ですって!?』
『三・・二・・一』
『発射!』
キュゥゥゥゥ・・・
ドシュゥゥゥゥゥゥン
ビシュゥゥゥゥゥン
ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
ズウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
『ミスった!?』
やっぱり外されたか!
2発目に賭けるしかないな・・・。
『敵シールド、ジオフロントに侵入!』
『第二射、急いで!』
『第四次接続から第六次接続間が敵加粒子により破壊されました』
『第三次接続からバイパスを経由、ポジトロンライフルに繋ぐようにしなさい!』
『了解、第三次接続からバイパスを経由、ライフルに繋ぎます。
エネルギー充填まで後20秒!』
『目標に再び高エネルギー反応。
敵荷粒子きます!』
ラミエルの荷粒子砲が零号機の盾で防がれた瞬間に音声が切れていた。
目の前に移るのは無残にもボロボロになっていく零号機とエネルギー充填までの時間。
そして充填が終わったと同時にトリガーを絞る。
数秒後に目の前を覆っていた光が消えて、荷粒子砲で大破した零号機が倒れていく。
「綾波!」
前は無事だったが今回はそれがどうなるか分からない。
零号機のエントリープラグを強制排出し、僕はそこに近寄った。
すると中からすすり泣く声が聞こえ、よく聞いてみると・・・
『え〜ん、暗いよぉ狭いよぉ怖いよぉ〜〜!』
・・・ここは綾波の名誉の為にもこのままにして置こうか?
だがそう言う訳にはいかないのでハッチをこじ開ける。
「あれ、シンジ君?」
「あ、綾波。 何で暗い所や狭い所をそんなに怖がるの?」
「うん、前に起動実験に失敗した時にね、助けてくれた人が・・・イヤアァァァァァ!!」
なるほど、確かに父さんの顔じゃ無理もないな・・・。
僕は綾波をなだめながら回収されるのを待った。
アキト君はと言うと・・・
あはははは♪
綺麗な町長さんだ♪
・・・いつになったら還って来るんだろう?
作者とキャラの懇談会
作:よし、アキトも良い所まで壊れてきたな。
ゲンドウ:ふっ、問題ない。
計画の5%も遅れておらん。
作:何の計画だよ?
ゲ:ふっ、分からんのならば帰れ!
作:いや、あんたが帰れよ。
て言うか誰だ、こんな奴を呼んだのは!?
ゲ:いや、冬月の奴に行けと言われてな・・・。
私のファンの声に応えねばならん。
作:・・・あんたにファンって居たのか?
ゲ:ふん、何を今更。
私のファンはシンジ達の数とは桁違いだ!
作:(シンジ達の方がな)
それより今回は何の用件で来た?
ゲ:決まっているだろう、ファンに応えるためだと言っているだろうが。
サービスとして私の美声を聞かせてやろうと思ってな。
作:(奇声の間違いじゃないか?)ピ・ポ・パ・ポ・・・
ゲ:あー、あー・・・オッホン!
作:ああ、ゲンドウさん・・・。
申し訳ありませんがもうすぐ迎えが来ますんで・・・。
ゲ:ふ、誰であろうと私を止める事は出来ん!
作:あ、来たみたいですね。
ウオオォォォォォォォォォン
ゲ:な、まさかユイか!?
ズシィィン・・・ズシィィン・・・
ゲ:零号機まで、もしや・・・!?
作:それじゃあご達者で〜!
ゲ:ユイ、私が悪かった!
この通り謝る!
だから・・・・・!!
作:さて、邪魔者も帰ったことだし・・・。
それじゃあ次回を楽しみに待ってください。
代理人の感想
(色々な意味で)ダメだこりゃ(笑)。