<時のながれに+α 導き無き者>
第壱話 <起床>起きてみれば、迷子?
「ふぁーぁ」
肌寒い外気を感じて、目を覚ます。ぼやけた視界で見回すと、見覚えのあるような無いような所のベンチで寝転んでいた。
「どこだここ?」
確か、ユーチャリスの中にいたはずだ。
2、3回頭を振り、寝ぼけた頭を覚醒させ起き上がろうとして、
ドサッ!
ベンチから落ちた。
「痛〜〜!」
起き上がりながら、打ち付けた義手の左手をさする。
「はぁ〜。この義手もそろそろ限界かな?兄さん「必要最低限の物を買えるよう、給料は入れておくよ。」
なんて言っていたけど、義手が買えるほどの金あるかな?あれ?」
そこまで言って、何か違和感に気づく。いつもなら、人の腕とは、違うものでできた偽物の腕の触感なのに、
まるで人の腕を触るような感じが、かえってくる。
それよりも、左手だ。戦闘では必要ないと思い痛覚を無くした義手から、なぜ痛みを感じる?
自分の左手を、目の前にかざして俺は目を見張った。
「馬鹿な!なぜ左手が、しかも生身の?
俺に左手があるはずが無い!あの呪われたシステムを使いこなすため、
俺は左手を切断し、義手にしたはずだ!夢か?」
今までのことを思い出そうとする。
たしか・・・
昨日は、起きたら何時もどおり、ナデシコCに追いかけられていて、
(しかし、いいのか宇宙軍?あんな痴話喧嘩のために、現時点最強の戦艦ナデシコCを使って?そんなに暇なのか?)
朝食をとって、格納庫に向かったんだよな。
ブレック・サレナの整備をしながら、アキトさんとあの少女?星野ルリだったかな?の話しを聞いて・・・
ムカッ!
思い出した!アンカー打ち込まれてユーチャリスに傷をつけられたんだ。
それから、ジャンプユニットが暴走して、アンカーを切断しようとエステの所に向かって・・・
ムカッ!!!
俺のエステまでも、破壊してくれたんだった。
(なんか、恨まれることでもしたか?俺。)
そして、ナデシコごとジャンプした。
しかも、ランダムジャンプ!
気づくと、公園のようなところのベンチで眠っていて、左手が生えてた?
まぁ、ボソンジャンプ自体まだ完全に解明されていないから、ランダムジャンプで何が起こっても不思議じゃないけど・・・
普通腕が生えてくるか?遺跡を作ったやつの顔を見てみたいよ。
「ふぅ〜。まぁ生えてしまった物は仕方ないとして、ここはどこだ?」
ユーチャリスでないことは確かだ、たぶん地球上のどこかだろう。
周りを見渡すと、ブランコや滑り台なんかがあるし、霧も少しあるから、朝方の公園かな?
そこまで考えて、俺はポケットあたりをさぐる。四角い箱のようなものの感触がかえってくる。
「おっ!あった。」
ポケットの中から、たばこを取り出し、火をつける。
一息すって、
「?この前買ったのって、これだっけ?結構前に変えたはずなんだけど。」
いつもとは、違う銘柄のたばこを吸いながら、ベンチの上に置いてある、たぶん枕として使っていた新聞に目を通す。
「う〜ん、なになに、ネルガル社製新戦艦バリア衛星を破壊!地球連合軍・・・・・っておいおい何年前の新聞だよ。」
一息ついて、とりあえず、ここがどこなのか?ということを知るため
公衆端末を探して歩き始める。
公衆端末というのは、昔風で言う公衆電話みたいなもので、そこからさまざまなネットワークにアクセスできるものである。
現金の預貯金から、現在位置の確認、各種情報の提供など、さまざまなサービスを提供する。
まさしくスーパー端末機!結構手数料がかかるのが玉に傷だけど。
「おっ!あった。」
しばらく歩くと、ほどなくして目的のものが見つかる。
中に誰もいないことを確認して、中に入る。
入った瞬間、さまざまな情報サービスのウィンドウが開く。
読んでもあまり役に立たない情報なので、無視!
とりあえず、手数料のことを考えて、貯金の残高を確かめる。
「暗証番号をいれて、残高確認っと」
ゴンッ!
「おい」
壁に打ちつけた頭をさすりながら、自分の周りを飛び回るウィンドウに目を向ける。
そのウィンドウには、ウィンドウに大きく赤字で、
「現在の残金マイナス2万円です!!
最寄の端末で、早めに入金ください!」
て書いてあった。
自慢じゃないが、あまり借金はしないほうだぞ!
確か最後にしたのは、4,5年ぐらい前のことだ。
とりあえず、無料のサービスから、現在位置を確認する。
どうやら、アジアの日本辺りらしい。
しかたない。バイトでもして金を稼ぐか。連絡をとるにしても、金がないとだし。
世間的には死んだ人間ってことになってるから、警察の厄介になるわけにも行かないな。
いつまでも考えていてもしかたないため、歩き始める。
公衆端末から取り出したデータによると、近くに商店街があるらしい。
まぁ、そこへ行けば、何かしら仕事はあるだろう。
できれば住み込みかな。整備士の資格はもっているから、工場でバイトでもするか。
しかし、やけに瓦礫が多いな。
戦争もおわって、もう4年近くたつはずだ。復興の早い遅いはあるにしろ。少し遅すぎないかこの辺?
戻ってきた左手。
ジャンプによってここにきた訳。
残金が借金になっていた口座。
いろいろな謎がでてきたけど、とりあえずバイトだな・・・
2話に続く
こんにちは、SINです。
やっぱり、自分の作品がHPに載るとうれしいですね。
書いていて思ったんですけど、皆さんは、1話で大体どのくらいの長さにします?
さて、今回の話一人称でした。せりふが無いからすごく大変だった。
下手な文章ですが、これからもよろしくお願いします。
管理人の感想
SINさんから投稿です!!
およよ、主役は誰も出てきませんでしたね?
しかし、いい加減鈍いな・・・このマヤさんって(苦笑)
どうやらお兄さんが居るようですが、出演する機会はあるんでしょうかね。
それでは、SINさん投稿有難うございました!!
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