「ねぇ、この子のためにもこの研究が実を結ぶといいわね。」

「そうだな、この子だけでなく次の世代の子たちのためにもな。」

「そうね。」


極冠遺跡を見渡せる小高い丘に、大きいおなかの研究員とそれに寄り添う研究者が、夕日をみながら会話を交わしている。

いとおしそうにお腹をなでる女性と、その様子を微笑みながら見守る男性は、ゆっくりと流れる時間のなか、自分たちの研究の行く末とお腹の子の未来を思い描いていた。




火星の空に思いを込めて

     −プロローグ−




「サイゾウさん、昔火星で教わった味なんです。どうですか?」


「・・・・」


ラーメンの味見をしてもらっている少年が、サイゾウの表情を伺う。


「・・・・(カチャ)!」

れんげを置いた音に反応する少年。

その少年の顔をゆっくりと見上げ、難しい顔をし一言、


「店では出せないな。」


がっかりした表情をした少年が、

「そうですか・・・」

とがっかりしながら肩を落とす。


「バカヤロウ。そんなに思いを入れすぎて作ってたら、おめーがすぐにくたばっちまうって意味だ。だから、この味は大切な人のために残しておけってことだよ。何もいうことない満点以上の味だ。」

と、満面の笑みを浮かべながら少年の頭をなでる。


見ず知らずの少年を、1年間も世話してくれた店の主人に感謝の意味と別れの挨拶代わりに作ったラーメンをほめてくれたことを素直に喜ぶ少年。

「サイゾウさん、本当にお世話になりました。」


「おう、これから大変だろうが、これを作った思い入れがあれば望みは必ずかなうだろうよ。何かあったら、いつでも戻ってこい。またこき使ってやる。」

「え〜〜〜! 半人前以下なのはわかりますが、こき使うのは勘弁してください。」

「ははは、そう言うな。おまえを心配しているやつがここにもいるってことだ。元気でやれよ、アキト」


これが、地球にきて1年お世話になった、店を旅立つアキトと雪谷食堂の店主サイゾウとの別れの風景である。




あとがき

 初めまして、”しろくま”と申します。

 はじめて書くSSです。

 自分では、他の人のを真似て書いていないつもりですが、ほかの作品の影響があるかもしれません。

 もし、何か気づいた点がありましたら教えてください。

 ついつい、書き始めましたがどのように進めようか悩んでいます。

 できるだけ続けるつもりですが、遅筆なので更新は遅いです(^^;)


 あと、アキトの話し口調は多少原作と異なりますが、わざとなのでつっこまないでください。

 (つっこみに弱い関西人なので・・・)


 では、また一話でお会いしましょう。




代理人の感想

・・・・まぁ、世の中には納豆が嫌いな茨城県民もいる事ですし(爆)

 

>見ず知らずの少年を、1年間も世話してくれた店の主人に感謝の意味と別れの挨拶代わりに作ったラーメンをほめてくれたことを素直に喜ぶ少年。

 

この文章ですが、「見ず知らず〜」から「挨拶代わりに作った」までは「ラーメン」にかかる修飾なんですよね。

修飾が長過ぎ、また適切に繋がっていないということが一つ。

「見ず知らずの少年を1年間も世話してくれた店の主人に感謝の意味と別れの挨拶代わりに作ったラーメン」

「そのラーメンを褒めてくれたことを素直に喜ぶ少年」

のように分けて書くのがベターではないかと思います。

この文の本体は「ラーメンをほめてくれたことを素直に喜ぶ少年。」という部分ですから、

褒めた主体はサイゾウさんな訳です。

だから、「主人」と言う単語を出すなら「主人が」と主語として扱わないといけないわけですが、

装飾の中で「主人に〜〜作った」と紛らわしい表現を入れている為に

文章全体に違和感を感じてしまうのです。

 

それから、読点「、」の付けかたがいまいち・・というより間違ってるのがもう一つ。

読点は文字通り「読みやすくする為の点」ですから、

意味のある文章ごとに、あるいは修飾ごとにつけるのが本道です。

もちろん、息を継ぐ場所でという役割もありますが。

 

上の文章に読点を付けるのであれば

見ず知らずの少年を1年間も世話してくれた店の主人に、感謝の意味と別れの挨拶代わりに作ったラーメンを、ほめてくれたことを素直に喜ぶ少年。

というあたりでしょうか。

 

それでは最後に。

 

 

精進せいやっ!(爆)