遺跡の被害者達
第三話 深緑のエステバリスその1
俺の前に一体のエステが立っている。
そのエステは他のエステに比べて一回り大きく、他の機体に比べ異彩を放っている。
パーソナルカラーはあいつ…エリスの瞳の色、深緑。
エリスが設計し、そして作ろうとした俺の相棒。
「…久しぶりだな。相棒。」
一年ぶりに見る相棒は、まったく変わっていなかった。
今、ナデシコは第四次防衛ライン、ミサイルの雨を突破中で、
ルリちゃんのおかげで特に仕事がない私は春海姉に渡された資料を読んでいます。
「…ハァ〜。」
今時珍しい、紙に印刷された資料を前に置き、私は溜め息をつきます。
「…まったく幸助さんは。」
呆れて物が言えません。後でどうなっても知りませんよ、まったく。
彼女達に知れたら、今度こそ確実に殺されますね。確実に!(断言)
「サフィちゃん。何読んでるんだい?」
横で、ルリちゃんと何かこそこそ話していた、テンカワさんが私に聞いてきます。
…あなたコックですよね。なんでいつもブリッジにいるんですか?
それも、エプロン着用で
…まあ、エステのパイロットでもあられるから別にいいのかも知れませんけど。
せめて、エプロンは取ってくるべきかと思います。
後、その笑みを女性に振りまくのもやめておいた方がいいですよ。
幸助さんで免疫ができている私ならともかく、他の女性なら一発で落ちますよ、それ。
落とした後苦労するのはあなたなんですから。
「サフィちゃん?」
「…はっ、すいません。これですか…まあ、読んで見てください」
口で説明するより、その方が早い。それにこれを読んで
テンカワさんがどう反応するかちょっと興味ありますし。
「うん……」
パラ
テンカワさんが資料をめくり、そして固まります。
「…………サフィちゃん、これって…」
「見てわかるとおり、幸助さんの不倫調査表です。」。
それ以外、何があるってゆうですか!
「不倫って…彼は結婚しているのか?」
「結婚はしていませんが、婚約者と二人の娘がいます。」
「え〜〜〜〜〜」(ルリ、サフィ、プロス、ゴート除く全員)
「嘘でしょう、あの年で…子供なんて。」
…ミナトさん、操縦いいんですか(汗)
あと、そんな真剣な顔で私を見ないでください。やったのは私じゃないんですから。
「子供…何歳なんですか?」
メグミさん、服掴ないでください。伸びちゃう。
これからも着ていかなきゃならない服なんですから、伸びちゃ困ります。
「…女の子の双子で…今年で、七歳です。生きていればの話ですけど。」
「七歳!?」(ルリ、サフィ、プロス、ゴート除く全員)
煩いですね。ちょっとは音量を下げてください。
「…ちょっと待ってください。確か幸助さんは艦長より一つ年下では…。」
ルリちゃん。よく知ってるね。データでも見たのかな?
「…一つ下って…19歳!?」
艦長何時の間に横に・・・気配感じなかった。
武術でもやっているのかな?
「ちょっと待ってよ…つまり幸助君って11歳の時にやっちゃったってこと?」
「ええ、そうですよ。…まぁ、襲ったのは幸助さんではありませんけど…。」
今思うとエリス姉って上手い事やったよね。
既成事実作って、幸助さんを自分の物にしちゃったんだから。
…認めたくないけど。
「……嘘だろ。」
テンカワさん大丈夫ですか。顔真っ青ですよ。
他の人も唖然としていますね…ん?ルリちゃん、俯いて何かつぶやいてるし。
「…私と同じ年で子供を作っている人達がいるんです。なら私がアキトさんとしても特に問題はありませんよね。フフフ。」
…ルリちゃん。テンカワさんを犯罪者にするつもり(汗)
青少年保護法に違反するよ。それ。
田中家と違ってナデシコは治外法権じゃないんだから。
…その内なるかも…治外法権。
春海姉が乗ってますから…
「困りますよ。サファイアさん。今、重要な所なんですから。」
「………すいません。」
場が悪かったかな。反省。
「…とりあえず、ルリさんがあれですから代わりに…。」
「ハイハイ、仕事します。」
余計な仕事を呼び込んじゃった。トホホ。
『敵機確認』
「どうもねオモイカネ…艦長、第3防衛ラインに入りました。
同時に敵機デルフィニウムを9機確認。
後、10分後には交戦領域に入ります。」
一応艦長に報告しておきます。
「えっ?…今なんて言った?」
「敵機デルフィニウムを9機確認。
後、10分後には交戦領域に入ります。」
「う〜ん、ディストーション・フィールドがあるから大丈夫だと思いたいけど。」
「今のフィールドの出力では、完全に敵の攻撃を防ぎ切れませんよ。
……でも、まっ、大丈夫ですよ」
「へっ、なんで?」
「彼がエステに乗るからですよ」
画面は見慣れた深緑のエステが発進いく姿を捕らえていた。
なかがき
誰か!英語の勉強の仕方教えて〜〜(魂の叫び声)
代理人の感想
くたばれペド女郎(核爆)。
・・・ちなみに、英語の勉強で本当に有効なものは反復以外にありません。
国語もそうですが、語学と言うのはそういう物です。