西暦2185年、火星、ユートピアコロニー宇宙港・・・
少年の目の前で、二人の男女が体から赤い液体を流しながら倒れ伏していた。
辺りは、何者かが仕掛けた爆弾からの炎により、赤色に染まっている。
その光景を、少年は焦点の合わない瞳でみていた。
「テンカワ博士の息子か。
・・・どうする?」
漆黒の戦闘服をきた3人――この惨劇の原因の一部――のうち1人が、少年に銃をつきつけながら、仲間に尋ねる。
「上からは、テンカワ家全員を殺すよう命令が出ている。
殺すしかないだろう。」
「・・・そうだな」
仲間からの答えに、自分に言い聞かせるかのように呟く。
上からの命令とはいえ、子供を殺すのは良心が咎める。
そんな自分に、「仕方ないことだ」と言い聞かせ、手に力を込める。
「ちょっと待て!」
引き金をもう少しで引ききり、少年を『眠らせよう』としたが、もう1人の言葉によって行動が止まる。
「どうしたんだ?」
「いや、たしか研究所の奴等が実験体を探していただろ。
それ、コイツでいいんじゃないか?」
「・・・なるほど・・・
そいつはいいな」
―――ふう・・・
どうやら、直接殺さなくてすみそうだ・・・
そんな事を考えながら、男は銃をしまった。
話に出てきた研究所は、人体実験を行っており、その死亡率は限りなく高い。
そんな所にいれようとするのも良心が咎めるが、自分の手で殺すよりか、なんぼかマシだ。
そしてその後3人は、いまだ焦点の合ってない少年を連れて、その場から立ち去った。
そして時は流れ―――2196年―――
サセボシティーの坂道を、一人の少女が歩いていた。
年はだいたい14〜5歳。長い黒髪に金色の瞳をしており、美少女といっても過言ではない。
腰近くまである髪を無造作に縛り、黒を基調とした男もの服を着、不釣合いなほど大きな荷物を背負っている。
「まったく、リョウのせいだぞ。せっかくの仕事やめる事になったの・・・
・・・ん?まあ、腹が立ったのは俺も同じだけど・・・だからってな〜」
この場に他に誰かいたら、顔をしかめていただろう。
今、少女の周りには誰もいない。
それなのに、まるで誰かと話しているかのように呟いている。
「まあ・・・済んだ事は仕方ないか・・・
・・・しかし・・・
これからどうする・・・?」
傍から見るとかなり怪しいが、少女はかまわず呟き続ける。
どうやら、少女にとってはごく当たり前の事らしい。
「・・・ナデシコ・・・?
・・・ああ。あの子が言ってた戦艦か。
でもあれ、あのネルガルが運営してるんだろう・・・
・・・いや、別にもう怨みがあるというわけじゃないけど・・・
ただな〜」
そんな風に呟いている横を、一台の黒塗りのベンツが、猛スピードで通り過ぎ・・・、そしてそのベンツから大きな旅行用の
トランクが落ちてくる。
「―――は?」
二度目になるが、ここは坂道である。当然落ちた荷物は坂の下へと向かう。
そしてその直線上にいたのは、大きな荷物を持った一人の少女。
ごん!!
考え事をしていたため、トランクに気付くのが遅れ、頭にぶつかった。
そして、そのまま気を失った・・・
あとがき
はじめまして、俊と言います。
よくここの作品でおり、今回無謀にも投稿してみました。
素人の為のHTML講座を見ながら四苦八苦しながら書きましたが、おかしい所が多々あると思われます。
また、書くスピードがかぎりなく遅いので次はいつ投稿できるか分かりません。
そんな情けなく、文才もない者ではありますが、これからもよろしくお願いします。
代理人の感想
HTMLですが、取り合えず見た限りでは問題ないですね。
ご協力ありがとうございます。
作品のほうですが・・・・取り合えず第一話からかな、感想は。
ではまた。