For desired tomorrow
「木星にて」

 『・・・さて、始めようか』
 『了解、Master。
  ・・・・MISSION STARTまで、5・・4・・3・・2・・1・・START!』
 シュウは現在の相棒とも言えるAI『アレフ』の声と共にナーガを動かした。
 『敵機・・・推定300。
  高速飛行モードを使用しますか?』
 『・・・そうだな、準備はしておいてくれ』
 『了解』
 『さあ、宴を始めよう』
 ナーガが左手をかざすと、光弾が発生する。
 『どこまで耐えられるかな』
 光弾が発射される。
 着弾と同時に撃墜の爆発が巻き起こる。
 『・・10弾、全て命中。連鎖により20機ほど破壊』
 『高速飛行モードに移行』
 『了解』
 『ステルスか、良い物だね。
  でも、僕には意味がないんだよ!』
 ナーガが高速で動き出す。
 『遅い!』
 ナーガの拳がステルス機能搭載のバッタを粉砕する。
 『ゲイン・ドッシュ!』
 胸部から閃光の刃が放射状に放たれる。
 『ゲイン・ドッシュ、残存80パーセント。
  敵機から敵対反応でます』
 『ハハッ、そうこなくては面白くない』
 バッタがステルス機能を止めて、ナーガに群がる。
 ミサイルの雨がナーガに降りかかる。
 『この程度かい?』
 ナーガの両腕が上がり、振り下ろされる。
 ナーガを中心にした衝撃波が巻き起こり、ミサイルを爆発させる。
 『アレフ、ゲイン・ドッシュのチャージを』
 『3秒必要です、急ぐなら直にでも』
 『3秒だ』
 『了解』
 『レーザ砲だけでもバッタは十分だけど、面白みがないな』
 両腕に内蔵してあるレーザ砲から光線を放っていく。
 『レーザ砲残存エネルギー、8割を下回りました。
  ゲイン・ドッシュ、チャージ完了。いつでもいけます』
 『ゲイン・ドッシュ、発射』
 『了解。ゲイン・ドッシュ、発射』
 再度、胸部から閃光の刃が放射状に放たれる。
 『グラビティ・システム、発動』
 『グラビティ・システム、稼働率100パーセント』
 ナーガの周りが何か歪んだ様に見える。
 『空間よ、歪め。
  引き寄せて押し潰せ。
  僕の前にゴミ1つ残さず押し潰してしまえ!』

 ナーガの両腕が同時に振られる。
 空間が歪み、1点へと集中していく。
 途中のバッタを巻き込み、引き寄せていく。
 バッタ同士がぶつかり合う。
 そして、1点に集まった歪みは更にバッタを巻き込んで収縮していく。
 『グラビティ・システム、稼働率10パーセントに低下』
 『・・・・もうそんなに低下しているのか?』
 『このナーガの能力ではこれが限界です』
 高速飛行モードのナーガがバッタに接近する。
 『ラスト!』
 巨大な手から繰り出される掌打。
 『・・MISSION COMPLETE。
  予定通り、バッタは1機以外全て破壊しました』


 「それで、何を言いたい?」
 草壁春樹は不機嫌そうに・・実際に不機嫌なのだが、そう相手に問う。
 「何が言いたいと思う?」
 シュウは余裕たっぷりな顔で逆に聞き返す。
 「このステルス機能搭載のバッタを造るのに幾らかかったと思っているんだ!!
  さっきまで西沢に説教されていた!キサマの所為だぞ!!」

 「それはご苦労な事で。
  用件は簡単さ。取引をしたい」
 「取引だと?」
 「そう、取引。
  僕は地球軍を壊滅させたい。君達、木星も地球軍を倒したい。
  目的は同じだろう?
  だから、暫く君の所で厄介になろうかと思ってね」
 それを聴いて、草壁の血圧が高くなる。
 「ふざけるな!!さんざん敵対行動をしておいて厄介だと!?
  キサマの所為で作戦が失敗したというのが分かっているのか!?」

 「ああ、敵の補給基地の事?
  たかが、あの程度で騒がないでくれない?
  後で破壊しておくよ」
 「軽々と言うな・・」
 「此処に来れた時点である程度は評価してほしいんだけど」
 「・・・確かにそうだな」
 シュウは招待されて来た訳でもない、自分から来たのである。
 途中、何人かの男が邪魔したが、交渉で解決した。
 拳で話し合うという変わった交渉であったが。
 「僕も地球軍に対しては・・・良い感情が無い。
  できれば、僕の手であいつらを殺してあげたいほどだよ」
 「・・・話はよく分かった。
  良いだろう。こちらを利用したいならこちらも利用させてもらう」
 「ああ、悪いけど。
  作戦時の拒否権と戦闘以外での独立行動権、貰うよ」
 「なんだと・・・。
  ・・・・・やけに強気だな」
 草壁の眼光がシュウに突き刺さるが、平然と睨み返す。
 「僕はたまに諦めが悪くなるんだ」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・そうか。分かった、良いだろう」
 この言葉で理解した。
 シュウの白兵戦での実力はこの部屋まで侵入した時点で理解できた。
 先程の『諦めが悪くなる』こちらの要求を呑むまで、手土産代わりに敗北を持ってきて交渉を続けると言う事だ。
 「嬉しいよ。
  やはり、話し合いという物は良い物だね」
 要求が通って、微笑む。
 「とっとと帰れ、西沢に説教をされて書類がまだ終わって(グゥ〜〜)ない」
 腹が空腹を訴える。
 「ハハハ、そう言えばもうお昼だったね」
 空腹を感じていない者の台詞。
 「なら、食堂にでも行け」
 「・・・・その感じから、弁当があったけど忘れたと言った所かい?」

 コンコン

 ドアがノックされる。
 「草壁閣下、失礼します」
 入ってきたのは軍服を着た黒い髪の女性と小さな包みを持った民間人の少女。
 姉妹だろうか、顔立ちが見ている。
 「鈴音に寿々音か。
  いったいどうしたのだ?」
 「・・・はい、これ」
 少女がそれを草壁に差し出す。
 「父上、仕事も結構ですが、寿々音が作ったお弁当を忘れるというのはどういう事ですか?」
 軍服を着た女性が草壁を睨む。
 「う・・・すまん。お父さんが悪かった」
 「・・・・ちゃんと食べてね」
 木連中将 草壁春樹、民間人の少女に頭を下げる。
 アキト辺りが見れば、フリーズしそうな光景である。
 「ところで、こちらの方は?」
 軍服を着た女性が直に行動に移せるように動きながらシュウを見る。
 「僕はシュウ。傭兵というべきかな?
  さっき契約したから、とりあえず敵じゃないよ」
 「・・・そうですか。
  私は草壁鈴音。木連軍中佐です」
 「・・草壁寿々音」
 鈴音が草壁の顔を見て、状況を確かめて、それから会釈する。
 寿々音は注意深くシュウの顔を見ている。
 「そうだ、手品を見せてあげよう」
 「手品?」
 シュウは微笑み、左手を見せる。
 掌を振って、何も無いということを見せる。
 左手をゆっくりと回転させながら、右手で左手を覆い隠す。
 全員の注目がシュウの隠れている左手に集まる。
 「はい」
 「・・・花?」
 「ほぉ、なかなかやるな」
 「・・・隠しているうちに出すとは・・・」
 シュウの左にはガラス細工の紅いバラの花が2輪。
 「さて、ここからが本番」
 「まだ、何かやるの?」
 寿々音はシュウの手品に興味を覚えている。
 「そう、さっきと同じ事をもう1度」
 再度、同じように左手を回転させる。
 「・・・食べる?美味しいよ」
 「あ、ありがとう」
 「「・・・・・・・・・」」
 素直に貰い、礼の言葉を言う。
 草壁と鈴音は現実を認められず、開いた口が塞がらない。
 ・・・ガラスのバラはバラの花を模ったホワイト・チョコレートになっていた。
 「どういたしまして」「・・・・こんな子が多ければ、僕も破壊しなくていいのに・・・」
 「・・何か言ったか?」
 草壁がシュウを睨む。
 「何の事だい?」
 「は、まさか!
  キサマ、娘は、寿々音は嫁にやらんぞ!!
 事務机にダンッ!と足を置いてシュウに掴みかかろうとする。
 「父上、何をしているんですか!」
 鈴音が掴みかかろうとする草壁の足を払う。
 「グッ・・・鈴音、何をする」
 「何をするじゃありません!
  客人にいきなり無礼を働いて、書類を足蹴にするとはどういう事ですか!?

 「あ・・・・・・」
 書類を踏んだと言う事には気付いていなかったようだ。
 「ハハッ、草壁君は慌て者だな」
 「草壁君?」
 聴き慣れない敬称をつけれて、思わず聞き返す。
 「ありがとう。
  ええと、鈴音君と呼んで良いかな?」
 「まあ・・良いですが。
  作戦中は鈴音中佐と呼んでください」
 「・・・うん、覚えておくよ。鈴音君。
  それにしても綺麗な・・・・・!!」ウ、嘘だろ!?・・・・こんな人が軍にいるなんて・・】
 シュウの表情が突然、驚愕に染まる。
 「どうかしましたか?」
 「あ、いや・・・ゴメン。
  少し喉が詰まってね」
 「・・・下手なごまかし方だな。
  まさか、鈴音に手を出そう言うつもりか?」
 僅かに殺気を出しながら、シュウに詰問する。
 「フフフ、少しは謎があった方が面白いとは思わないかい?」
 「思わん!」
 「そんな事で人生、面白い?」
 「娘達が幸せならそれで十分だ!!」
 「怒ってばっかりだと、娘さんに嫌われるよ」
 「何!?」
 「父上、大声で喚かないでください。
  寿々音が呆れています」
 寿々音が冷めた眼で草壁を見ている。
 「わ〜〜、お父さんが悪かった!
  だから機嫌を直してくれ。この通りだ」
 半狂乱になって、土下座までして愛娘に許しを請う。
 「・・・・・無双の親バカだね」【・・・・あ、そう言えば地球軍にも親バカは居たか】
 「・・・よく言われます」
 冷めたツッコミに鈴音が相槌を打つ。
 「苦労しているようだね」
 「え?」
 「皆は君の事を草壁 鈴音中佐ではなくて、草壁中将の娘として見られていないかい?」
 シュウの視線と鈴音の視線がぶつかり合う。
 「・・そうですね。よくそういう眼で見られます。
  でも、慣れましたから」
 「よく居るよね。
  肩書きや高官の子供だから特権階級を気取る者。
  それを増長させる様な社会を作る者。
  ・・・・君はそれを背負わされた者なんだね」
 「別に同情して欲しくはないのですが・・。
  とにかく、心配してくれてありがとうございます」
 草壁は必死に寿々音に謝っている。
 「草壁閣下、先ほどから騒がしいようですが」
 ノックも無しに入ってきたのは軍服を着た女性。
 「あ・・・・・お取り込み中でしたか?」
 必死に草壁が寿々音に土下座までして謝っているのをを見て、行動を止める。
 「舞歌先輩、どうしたんですか?」
 「あら、鈴音じゃない。久しぶりね」
 「そうですね。先輩が仕事に没頭していましたね」
 鈴音と舞歌が楽しく世間話を始める。
 「・・・鈴音君、悪いけどそちらの女性を紹介してくれたら助かるんだけど」
 会話を邪魔するのは悪いと思ったのか控えめに鈴音に尋ねる。
 「・・世間話に没頭していましたね。
  先輩、こちらはシュウ殿。
  ・・・・そう言えば、何の為に此処へ?」
 紹介中にやっと自分がシュウの事を草壁中将に会いに来た人ぐらいしか知らないのに気付く。
 「君達の厄介になろうと思ってね。
  僕が戦場に出て、地球軍を潰す代わりに居場所を提供してもらう。
  そういう契約を草壁君と交わしたんだよ」
 シュウが此処に来た目的を簡単に説明する。
 「草壁君・・・面白い響きね」
 舞歌は口元に手を当てて、微笑む。
 「それで・・シュウ殿、こちらは東 舞歌先輩。
  木連エリート部隊、優人部隊、そして今度結成される優華部隊の司令官です。
  それに軍の士官学校では戦術、戦略ともに他の追随を許さなかった方です」
 「鈴音とは士官学校時代に知り合った仲よ。
  でも、鈴音・・・・1つだけ違うわ」
 「え・・・・あ、八雲司令官ですか」
 「ええ、兄さんは私なんかより頭が良かった。
  司令官の席だって、本当なら兄の物だったのに・・」
 「悪いが、話を変えて良いかな?
  こんな重い話は好きじゃないんだ」
 シュウが場の空気を感じて、話を無理やり折ろうとする。
 「そうね。こういう話をしても気が滅入るだけね。
  ところで、北辰殿の部下や一般兵が廊下で倒れていたけど何かあったのかしら?」
 「まだ覚醒してないんだ。
  僕が少し通してくれって、言ったら攻撃したからね。
  話し合いで解決したけど・・・・あまり楽しくない話し合いだったな」
 「・・・・やっぱり貴方だったのね」
 シュウが話し合いで倒した者・・木連一般兵10人、北辰の部下7人。
 「一般兵はともかく、その北辰君の部下というのは暗部かい?
  部下の教育がなってないよ」
 「・・・シュウ殿は北辰殿の恐ろしさをまだ知らないから言える」
 「鈴音の言う通りよ。
  貴方が倒したのは暗部の中でも下の存在よ。
  生きていたいのなら調子に乗らない事ね」
 「・・覚えておくよ。
  さて、僕も人探しをしないといけないからね。
  これくらいで失礼させてもらうよ」
 「人捜し?」
 鈴音が興味を持ったようだ。
 「高杉 サブロウタ、そういう名前の男を知らない?
  知っていたら教えてほしい」
 「あら、高杉君なら私の所の優人部隊にいるけど」
 「本当?
  何処にいるか分かる?
  会って、話をしたい」
 「どんな話かしら?
  部下を危険にさらすような理由なら会わせる訳にはいかないわ」
 「個人的な話さ。
  そう、個人的な話。
  危険といっても、話の展開で1発殴るか殴らないかぐらいだよ」
 シュウの答えを聞いて、舞歌は考えた。
 【面白そうね。
  私も何があったか知りたいし・・・・・1発ね。
  高杉君も流石に死にはしないだろうか良いわよね?
  さて、白鳥君辺りに連絡して何があったか監視させないと】
 「先輩、良かったら道案内兼監視として私が連れて行きましょうか?」
 「え?」
 考えを迷いと受け取って、鈴音が立候補する。
 「・・・鈴音君が?」
 シュウも何故か驚いている。
 「そうね。それじゃ、鈴音に任せるわ。
  今は休暇中だから宿舎に行けば会える筈よ」
 「ちょ、ちょっと待ってくれ。
  僕は彼と2人だけで話をしたいんだ」
 「我慢したらどうですか?
  本来ならこんな事、ありえないんですから」
 「・・・分かった」
 鈴音の言葉にシュウは白旗を振った。


 「ところで、鈴音君?」
 「なんですか?」
 「鈴音君は注目されるのに慣れている方?」
 「視線ですか?
  父の名前の所為で慣れました」
 「・・ゴメン、無神経だったね」
 2人は優人部隊の宿舎を歩いている。
 木連中将草壁春樹の娘だけあって、注目されやすい。
 実際は彼女の魅力というのもあるだろうが、彼女はそれは父の威光から来た物だと思っている。
 ある程度の部屋を素通りし、1つの部屋の前で止まる。
 「高杉中尉の部屋はここです」
 「ありがとう」

 コンコン

 「はい。なんですか?」
 「草壁鈴音です。
  高杉中尉に面会を求める者を連れてきました」
 「え?・・・あ、はい!
  ・・・今すぐ開けます」
 最初は驚いた声だが、最後は落ち着きを取り戻している。
 それから、ドタバタと部屋を走る音。
 「はい。お待たせしました。
  草壁中佐、何か御用ですか?」
 サブロウタがドアを開けて、敬礼する。
 「いえ、私の用ではなく、面会希望者を連れて来ただけです」
 「なんだ、デートのお誘いなら何時でもO.Kですよ」
 「高杉少尉は冗談が好きですね」
 「・・・・まあ、とにかく部屋にどうぞ」
 ドアから他の優人部隊の隊員が興味深げにこちらを見ている。
 「そうだね。通行の邪魔にしかならないな」

 「それで、どちら様で、俺に何の用でしょうか?」
 「僕はシュウ。君に伝言を持ってきたのさ」
 「伝言?」
 シュウの言葉に反応したのはサブロウタではなく鈴音。
 「うん、とても大事な伝言。
  それじゃ、言うよ。1回しか言わないから心に刻み付けておいてくれよ?」
 ここで一端言葉をきり、シュウはサブロウタの眼を見る。
 「続きをどうぞ」
 「『俺はお前を怨んだりはしていない。お前がそうしたのは譲れない事情があったからと思う。
   だから、お前は後悔のない生き方をしてくれ。それが、俺の望みだ』

  これで、伝言は終わりだ」
 「1つ聞いて良いですか?」
 「なんだい?」
 「それは誰からの伝言ですか?」
 「ああ、そう言えば、誰からは言っていなかったね。
  君の行動の所為で優人部隊を捨てなければならなかった男からだよ」
 「どういう意味ですか!?」
 「鈴音君?」
 「優人部隊を捨てるとは・・・仲間を捨てる者など木連の人間にはいません!
 「でも、実際に居る。【・・・・彼女は・・・なんで、こんなに悲しいんだ?】
  彼の行動の結果、その男は軍を辞めねばならなかった。
  彼だって辛いと思うよ。居場所としていた所を離れるのは」
 納得したのか、していないのか鈴音は黙って、考える。
 「シュウ殿」
 「何?」
 「その辞めてしまった男は今何処で何を?」
 「それは言えない。彼は君に会いたくはないそうだ。
  ただ、今後の道を探しているとだけ言っておこう」
 「それなら、会ったなら・・・
  伝言は確かに承った。お互い今後の為に精進しよう。
  そうお伝えしてくれませんか?」
 「・・・・・良いだろう。その伝言、確かに伝えよう」
 サブロウタの顔を見て、満足したのかシュウは軽く笑みを浮かべる。
 「あ、そうだ。
  そろそろお昼ごろですから、一緒に食堂行きませんか?
  誘ったのは俺ですから奢りますよ」
 退室しようとする鈴音にサブロウタは声をかける。
 「すみませんが、妹は家に連れて帰らなければなりませんので」
 「僕も行って良いかい?寿々音君とも少し話がしたいんだ」
 「・・・・そうですか。分かりました」
 2人は来たときと同じように帰っていく。
 「・・・・・ハァ、疲れた。
  知らない奴からの伝言は来るし、デートのお誘いは断れるし、
  今日はついてないな」
 サブロウタはドアにもたれかかりながら呟いた。
 ・・・彼は知らない。この呟きを聞いた者が居る事を。
 その者達から木連男児の在り方というお話が直に来る事を。

                                   終
 後書き
 作者:・・・・・書き終わった。
 鈴音:ご苦労様です。今回登場した草壁鈴音(くさかべ りんね)です。
寿々音:妹の草壁寿々音(くさかべ すずね)です。
 作者:この2人、SSを見ていて・・・・なんか、草壁の戦闘理由、薄いな・・そう思ったから出来た。
 鈴音:・・・いい加減な動機ですね。
 作者:そうか?まあ、置いといて。
    この話では自分の娘の幸せを第一に考えすぎる人です。
寿々音:さりざなく、凄い事、言ってる?
 作者:どうせなら、ミスマルコウイチロウ並みの親バカを、とでもね。
 鈴音:完全にオリジナルキャラになってませんか?
 作者:・・・・・アキトの思い通りの世界というのを描くのも癪だな〜、と思ってね。
寿々音:・・・性格、悪いって言われない?
 鈴音:・・・・・ある意味で外道ですね。
 作者:道という物は大勢の者が通るからこそ出来る。
    最初からできる物ではない。正道、外道なんて、所詮は数の正義なんだよ。
 鈴音:シリアスに決めようとしても、似合わない気がします。

 

 

代理人の感想

少々暴走気味かな?

もう少し「他人が読んでどう思うか」を考えながら書いた方がよろしいかと思います。

特に前半の後書き。

 

それと、戦闘理由(草壁の戦う理由とおっしゃりたいんだと思いますが)が逆によくわからなくなりました。

娘が大事だと何故戦争を起こすのか?

理想を振りかざす独裁者とか、非常手段をとる為政家とか、権力を渇望する野心家とか、

そっちのほうが余程わかりやすいと思うんですが。

どう見てもギャグの設定だし・・・って、そうか、これはコメディSSだったのか(爆)。