機動戦艦ナデシコSS 二人のテンカワ

 

第三話  明かした真実

 

 

 

 

 

 

 

ネルガル研究所、特1研究室内

 

 

[ねーカイトクン、この船体の形状って、ナデシコとは、かなり違うわね。]

 

カイトに、質問する、マリ。

 

「ええ、これは、強襲揚陸戦艦ですから、ナデシコのような形だと、

 敵のレーダーに、掛かりやすいですからねー。」

 

と、答えるカイト。

 

『このヒマワリは、一人のオペレーターで、動かす事を、前提に設計してますから、

 余分なものは、排除して、考えられる、理想的な形を作っただけです。』

 

カイトの答えに、付け足すように、答えるアキト。

そう、この戦艦は、アキトの別の世界での、記憶を元に作っている。

名前こそ、ヒマワリと言う名だが、その形は、ユーチャリスと、同じ形をしている。

 

【よく、こんな形状の戦艦が、思いついたわねー】

 

感心した様に呟く、イネス。

 

『ええ、何故か寝ている時に、夢に出て来たんですよ。』

 

と、なんとか、ばれないように、嘘を言うアキト。

 

【そうね、夢で見たものを、実現させると言うのは、この業界じゃ、

 珍しい事じゃないからねー。】

 

と、まんまと、アキトの嘘に、騙されるイネス。

 

「ですが、まだ設計段階ですから、本当に作れるか、別ですよ。」

 

冷静に、イネスの言葉に、返答する、カイト。

 

[でも、それを、作ってこそ、科学者でしょ。]

 

カイトの答えに、つっこみを、入れる、マリ。

 

「それも、そうですね、あははっ。」

 

その答えに、思わず、笑うカイト。

 

【だけど、戦艦の方は、良いとして、機動兵器の方はどうなの?】

 

『そっちの方は、順調に進んでますよ、イネスさん。』

 

「ええ、相転移エンジンの小型化の方は、もう少しで、できます。」

 

【そうなの?】

 

[いつの間に、その作業を、進めていたの?]

 

『それは、自分達の部屋に、戻ってからも、進めていましたから。』

 

【でも貴方達、部屋に戻ってからは、機動兵器を、操縦するための、

 体力を付ける為に、訓練していたんじゃないの?】

 

『はい、訓練もやりながら、設計の方も、やってました。』

 

[じゃあ、いつ休んでいたの?]

 

「それは、簡単な事ですよ、寝る時間を、削って作業を、進めていましたから。」

 

[寝る時間を、削ったって!体のほうは、大丈夫なの?]

 

『ええ全然、大丈夫ですよ。』

 

「学生の時から、何日も寝ずに、研究したなんて、数え切れないぐらいありますから。」

 

[そうなの?]

 

『はい、それにあまり、時間がありませんから。』

 

【時間がない?】

 

『はい、時間が無いんです、先のことは、言えませんけど、

 確実に研究が出来なくなるんです。』

 

【何か知ってるのね。】

 

『………。』

 

[ねえ、何を知っているの?]

 

『マリさん、それは、聞かないで下さい。』

 

[……解ったわ。]

 

その場の空気が、その事について誰も聞けないようになっていた。

 

その日の夜アキト・カイトの部屋

 

コンコン(ドアを叩く音)

 

「は〜い。」

 

『兄貴、ちょっといいか?』

 

「なんだ?アキト」

 

『昼間の話事なんだけど。』

 

「昼の話って、時間が無いとか言うあれのことか?」

 

『ああ、本当は、話さない方が良いいんだけど。兄貴にだけは、

 話しておこうと思って。』

 

「良いのか?無理しなくて良いんだぞ。」

 

『ああ……、兄貴には、やってもらいたい事があるから話すよ。』

 

「やってもらいたい事?」

 

『実は、あと少ししたら、この火星に敵が攻めてくる。』

 

「敵!!木星蜥蜴が攻めてくるのか?」

 

『みんなには、絶対話さないでくれよ。これをみんなに話してしまったら、

 歴史が変わってしまうから。』

 

「歴史が変わる?なんでだ?」

 

『兄貴の事だから、薄々は気がついていると思うけど……。』

 

「……アキトには、変わり無いが、何処か別人みたいか?」

 

『やはり気がついていたのか。兄貴は、昔から感が良いからな。』

 

「これでも、お前の兄貴だからな。」

 

『俺は、ボソンジャンプの事故で、この世界に来た。』

 

「ボソンジャンプの事故?この世界?」

 

『そう、俺は2205年から来た。』

 

「2205年?ああ、お前の雰囲気が変わった時に、口走った年号か。」

 

『ああその時、俺は、木星軌道上で戦闘中だったんだ。』

 

「…………。」

 

『ボソンジャンプで、補給に戻る時に、敵に襲われて、その時、

 どうやら、ランダムジャンプしてしまったらしいんだ。』

 

「…………。」

 

『そして、この世界に着いたんだ。』

 

「アキト、お前、この世界に着いたって、言ったな?この世界ってどうゆうことだ?」

 

『……実は、俺がもと居た世界では、兄貴は死んでいるんだ。』

 

「俺が死んでる!」

 

『ああ、今より十年前に事故で……。でもその兄貴が生きてるとゆう事は、

 俺がもと居た世界ではない、と思ったわけ。』

 

「……なるほど。で、俺にやってもらいたい事ってなんだ?」

 

『ある人達に、接触してもらいたいんだ。』

 

「ある人達?」

 

『そう、これから火星に攻めてくる奴等の中にいるんだ。』

 

「おい!それって、敵に投降しろってことか?」

 

『ん〜似ているけど、ちょっと違うな。投降と言うよりは潜伏と言った方が近いかな?』

 

「投降も、潜伏もあまり変わらないだろーが!」

 

『まあまあ、少し落ち着いて、潜伏と言っても、連絡はとらないから。大丈夫だし、

 その接触してもらう人達は良い人達だから。』

 

「連絡はとらない?お前、俺に敵になれってことか?」

 

『簡単に言えばそうだけど、少し違うかな?その人達は、今は敵だけど、少〜ししたら、

 仲間になる人達だから。』

 

「仲間になる人達って?後、少〜しって言ったけど、どれぐらいかな〜?アキト?」

 

『あっ、やっぱり気になった?う〜んそうだなー、三〜四年、て所かな?』

 

「三〜四年ね〜。それで、肝心の接触する人達の名前は?」

 

『そうだった、白鳥九十九、月臣源一郎、秋山源八郎の三人に、接触してほしいんだ。

 特に、白鳥九十九には絶対に、接触してほしい。』

 

「その三人で、白鳥九十九ね〜。何故、白鳥九十九には、絶対会わなければいけないんだ?」

 

『ああ、それには、少し理由が、あってね。白鳥九十九と、仲良くなってもらいたいんだ。』

 

「仲良くなる?友達になれって事か?」

 

『そう言う事。後、白鳥九十九と、仲良くなれば、月臣源一郎とも、仲良くなれるからね。』

 

「でも、どうやっていくんだ?」

 

『それは大丈夫、考えがあるんだ。』

 

「考え?」

 

『うん、俺が、兄貴と一緒に、一度ボソンジャンプで、敵の本拠地に行って、

 兄貴を置いてから、もう一度ボソンジャンプする。』

 

「そんなこと、可能なのか?」

 

『可能だよ。俺が居ればね。』

 

「じゃあ、それがうまく行ってから、俺はどうすればいいんだ?」

 

『う〜ん、それは、兄貴が自分で考えて、行動してくれ。』

 

「自分で考えるって、どうやって、接触するんだ?」

 

『う〜ん、とりあえず、敵に捕まってから、記憶喪失なんです。

 とか言えば良いんじゃない?』

 

「そんなの、すぐにばれるばろうが!!」

 

『い〜や、案外あいつ等は、単純だから、大丈夫、大丈夫。』

 

「おいおい。」

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

ど〜もTAKAです。

年明け、一発目の投稿です。恐らく、第二話と一緒に公開されていると思います。

実は、ずーと忘れていました。(だって、ものすごく仕事が、忙しかったんです。)。

忘れている時に、第三話が、後少しで出来あがる、所だったので、

一緒に送る事にしました。

第四話は、出きるだけ、早く出せるようにしますね。

後、感想など頂けたら嬉しいです。

それでは、第四話のあとがきで、お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

TAKAさんからの連載投稿第四話です!!

カイト君は木連に飛ばされますか(爆)

う〜ん、難儀な人生だね〜

それにしても、九十九達も根が単純って・・・

そう思っていたんだな、アキトお前は(苦笑)

さてさて、今後は木連の世界で苦悩するカイト君に注目ですね!!

 

それでは、TAKAさん投稿有難うございました!!

 

さて、感想のメールを出す時には、この TAKAさん の名前をクリックして下さいね!!

後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!

出来れば、この掲示板に感想を書き込んで下さいね!!