『漆黒の戦神』テンカワ アキトが『跳んだ』先は、西暦2178年の火星。
そこで『天枷親子』に出会った。
アキトは博士の助言により、天枷家の養子『天枷明人』として初音島に住んでいる。
そして『朝倉純一』を始めとするいろいろな人物と出会った。
まぁ、こんなドタバタメンバーと毎日を過ごしている訳だ・・・・・・
今回こそ風見祭のクライマックス。
ついに始まった親類抹殺計画ミス風見学園コンテスト。
その裏には杉並の陰謀が隠されていた!!
杉並の陰謀を打ち砕くためにアキトが立ち向かう!!
しかし!! これが終わればアキトは今度こそ某同盟の魔の手に堕ちていく・・・・・・
さてさて、今回はどうなる事やら・・・・・・
これは3会目の逆行をした『漆黒の戦神 テンカワアキト』とその仲間達のマイソロジーである。
FULLMETAL SOLDIER
第8話 ジャム、いりますか?
−風見学園 体育館 ステージ
実況「さぁー始まりました!! ミス風見学園コンテスト!!
今年は違います。 学校公認です、邪魔者はいません!!」
散々な言われようである。
無論、邪魔者とは風紀委員会(音夢や美春)や中央委員会(ことり)等や純一にアキトである。
その中に入る純一は審査員席で椅子に持たれかかっている。
純一「かったりぃ」
そう呟いて呆っと天井を見ている。
いつもの朝礼より激しい色とりどりな照明が純一には眩しかった。
純一「はぁ〜・・・・・・やっぱ、かったりぃ」
そんな中でも実況はどんどん進行していく。
もうコンテストも始まったようだ。
杉並「おい、朝倉」
純一から見て左隣の杉並が声を掛けてくる。
まだ、かったるいのか純一はそのままの状態で「あ゛〜」と唸って返事した。
杉並「流石『かったりスト朝倉』。 しかし、真面目に見ているのか?」
そういう杉並も次々と出てくる参加者に目も向けていない。
純一「別にいいだろ〜 どうせ・・・・・・」
「計画は潰れるんだから・・・・・・」と言いかけた純一だが何とか飲み込んだ。
杉並「どうせ? どうせ、何だ?」
純一「・・・・・・気にしたら負けだぞ」
何に?
杉並「まぁいいが。 朝倉が言いたい事は分かっている。 どうせ優勝は朝倉妹だと言いたいのだろ」
純一「ま、まあな・・・・・・」
一応頷く純一。 その頬は自然に赤い。
実況「はい。 エントリーナンバー17番の田中さんでした〜」
軽い声援に囲まれながら後ろに並ぶ田中さん。
今までの登場した参加者が後ろにずらっと並んでいる。
そんな中、純一は腕時計を見た。
純一(時間が無い・・・・・・一体、何しているんだ? アキトは)
そわそわしながら落ち着かない純一。
純一(参加者は20人で残り3人は音夢達だ。 今、音夢達に印象を付けられるのは困るが・・・・・・)
チラッと左隣の杉並を見る。
純一(こいつに感づかれる訳にもいかない・・・・・・アキト、早くしろよ)
心の中では祈りまくっていた。
杉並「ふむ。 次は朝倉妹の出番だな」
純一は何も言わず手元の資料に目を通す。
一応、彼も審査員なので参加者達のプロフィールが書かれた資料が回されているのだ。
純一(何々、音夢、美咲、ことりの順番が・・・・・・うげっ音夢の奴、こんな事を書くなよな)
純一が見たものとは、
『好きなもの:兄さん 日課:兄さんを起こす事と兄さんの行動を日記に書くこと』
音夢さん・・・・・・それじゃあただの日記じゃなくて観察日記ですww
『特技:一定範囲なら兄さんを見つけ出せる事 趣味:兄さんにお仕置きをする事』
やはり、あの飛び出た前髪はアンテナでしたか!!(もしくはレーダー)
かくいう、アキトも一定範囲なら『氣』で見つける事が出来るそうです。
しかもお仕置き・・・・・・ やはりココのサイトのSSにはお仕置きはかかせませんwww
純一「・・・・・・・・・・( J J J)」
教頭「キミも大変だね・・・・・・」
校長「これからの将来は考え物だよ」
学園長「ほっほっほっ。 仲がよろしいんですね」
普段は関わらない学園長達になぐさめられる純一。
自然に涙が出た事は言うまでもない。
ちなみに風見学園の学園長は物腰の良い、厘とした老女である。(D.C.P.S.参照)
校長や教頭は中年ハゲチャビンにゴマスリ眼鏡である。
純一はタダ笑うしかなかったのだった。 涙して・・・・・・
純一「あはははははははははは(T_T)」
勘弁して・・・・・・と心の中で呟いたのはコレで本日34回目である。
実況『以上、朝倉音夢さんでした〜!!』
音夢「どうも、ありがとうございます!! (これで印象はバッチリね)」
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
会場のテンションはさらに上がっていく。
さすが性格はともかく学園のトップ3の音夢だなと純一は思っていた。
実況『それでは審査員にコメントをもらいましょう。 生徒代表の朝倉純一さん!!』
純一「・・・・・・んは?」
まさか呼ばれるとは思っていなかったのか椅子にだらけている状態を元に戻した。
純一「はいはい。 なんですか?」
実況『兄としてではなく審査員として朝倉音夢さんのコメントを!!』
純一「・・・・・・かったりぃ、なんで俺が・・・・・・(ボソッ)」
――ギンッ!!
純一「――――っ!!」
その時、純一は殺気を感じた!!
まぁ、何処からかは謎ですがwww
実況『さぁ、早く!!』
純一「・・・・・・そうだな、言うならば、まずこんな事をプロフィールに書くな」
ちなみにプロフィールは一般公開までされている。(直筆コピー、盗難・複写禁止)
純一「そして、その日記をよこせ!!」
まったくである。
音夢「・・・・・・・兄さん後でお仕置き」
純一「――――っ!!」
誰にも聞こえない音夢の呟きは純一のみ聞き取れていた。
と言うよりも、ただ単に『お仕置き』の単語に反応したアキトと同じである。
実況『さぁ日記の行方はともかく!! 続いては鷺澤美咲さんです!!』
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
さらに会場のテンションが上がっていく。
純一「あ゛〜右側が熱い・・・・・・」
右に観客、左に杉並に挟まれた純一の現在のコンディションは・・・・・・
無論、最悪だった。
純一(アキト〜早く助けてくれ〜)
目の前では美咲がアピールしている。
杉並「流石はサギーだな。 朝倉妹に引けは取らんプロフだ」
杉並の言葉に何処か引っ掛かったのか自分の資料の美咲の欄を出した。
『今まで1番楽しかった事は?:朝倉君やアキト君の家でネコミミメイドをしたこと』
実際に彼女がした訳ではないのだが・・・・・・
純一「・・・・・・・・・・( J J J)」
いくらなんでもヤバイと悟った純一だった。
右側からの殺気と嫉妬の渦が身にしみるように痛い。
純一「なんで(被害に合うのが)俺だけなんだよ・・・・・・」
純一を盾にしている左隣の杉並は平然としている。
杉並「流石はサギーだ。 我輩のアドバイス通りだな」
純一「貴様か、貴様なんだな、俺の平穏を奪う奴は!!」
杉並の胸倉を掴みガクガクガクと揺らす純一。
杉並「落ち着け朝倉よ。 これを見よ」
純一「ん?」
『感謝している人:朝倉君、アキト君 好きな異性:元は朝倉君とアキト君ゥ 今はアキト君一筋ゥゥ』
純一「・・・・・・・・・・」
純一は複雑な心境だった。
感謝されて照れくさいのか、ミスコン後の自分の安否を祈るべきか。
何故なら、この文面からするとまるで純一が美咲を振ったように思えるからである。
杉並「我輩的には後者だな」
純一「やっぱりそうか―――って、おい!! 人の心の声を読むなよ」
やはりコイツは要注意だと心の中で再確認した瞬間だった。
杉並「しかし、アキトがこの場にいないとは・・・・・・惜しい!!」
何が惜しいのだろうか・・・・・・
純一(俺は胃がキリキリしてきたぞ・・・・・・これ以上、虐めないで・・・・・・)
心の中では滝のように泣いている純一にも関わらずミスコンは進んでいく。
実況「鷺澤美咲さんでした〜 続いては前回チャンピオンの登場です!!」
――わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
さらにヒートアップする会場。
純一「・・・・・・・流石にことりは書かないだろ」
そう信じきった純一はページをめくり、ことりのプロフィールを見た。
『人には言えない他人の秘密は?:音夢のパジャマは朝倉君の着古したシャツ1枚である事』
この瞬間、純一の頭は机にめり込んでいた。
自分をアピールする作戦ではなく他人を落とす作戦に出るとは・・・・・・( J J J)
『ちなみにあなたのパジャマは?:美春から(買収して)貰ったアキト君のシャツ1枚ゥ』
純一「・・・・・・・・・・(アキト・・・・・・死ぬなよ。 俺は・・・・・・死ぬかも)( J J J)」
会場のテンションは一気に狂気に変わっていた。
「うぉぉぉぉぉぉ。 ことりちゃぁぁぁぁぁん萌え萌えです〜」
「Nooooooo!! 我がアイドル音夢ちゃんがシャツい、1枚・・・・・・ガハッ(吐血) 萌え・・・・・・」
「美咲ちゃん!! 美咲ちゃんは何を御召しにぃぃぃぃぃぃ!?」
とてつもない質問に美咲はサラッと答える。
美咲「私も・・・・・・・アキト君のシャツ1枚・・・・・・です(//// ////)」
『Noooooooooooo!!』
純情なファンは既に姿を妄想して失神している。
「くそぉぉぉぉぉぉ!! 羨ましいぞ!!」
「天枷アキト!! 許すまじ!!」
「今回こそ、天枷アキトに死の天誅をぉぉぉぉぉ!!!」
『おぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 殺せ、殺せ!! アキトを殺せ!!』
ここまで来ると収拾も付かなくなるのはお約束である。
だが、肝心のアキトは何処にもいない。
―――となると・・・・・・
「まずは朝倉純一からだぁぁぁぁぁぁ!!」
「野郎ども!! 続けぇぇぇぇぇぇぇ!!」
『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
――ドドドドドドドドド
もの凄い勢いで純一を亡き者にしようとする人達がステージ目掛けて突進してくる。
逆恨みもいい所である。
純一「俺が何をしたんだぁぁぁぁぁぁぁ!?」
多分、何もしていないだろう。
今は何とか警備員がステージに上がろうとする輩を止めているが時間の問題だろう。
音夢「ど、どうしてこうなるんですかね・・・・・・この学園は・・・・・・」
ことり「美咲があんな事を言うからだよ」
美咲「だって本当の事だもん。 それより、ことり。 幾らで美春を買収したの?」
ことり「え゛・・・・・えっと・・・・・・バナナ57房」
美咲「あー。 私は64房だったよ!! く〜美春めぇ〜」
そんな事を言っている場合じゃないだろう。
音夢「美春・・・・・・案外、ちゃっかりしているのね・・・・・・」
つーか、通算111房ものバナナを彼女はどうしたんだろうか・・・・・・
美咲「いいもん。 オプションとしてアキト君の寝顔写真付きだったし♪」
ことり「あっ、ずるい!!」
音夢「あ、あなた達・・・・・・現状を分かっているの?」
多分、分かっていない。
実況『え〜この場合、どうしたらいいのでしょうか?』
流石の実況も慌てている。
つーか、慌てるだろう。
純一「とりあえず、俺はこの場を去る」
と言いつつ席を立とうとするが・・・・・・
――ガチャ
純一「ん?」
左手の方からする嫌な金属音とひやりとした冷たい感覚に反応する純一。
嫌な予感満載に左手を見ると見事に左手首とパイフ椅子が手錠で繋がっていた。
純一には犯人が直ぐに分かった。
純一「杉並。 何のマネだ?」
杉並「朝倉よ。 敵前逃亡とは情けないな」
純一「何!?」
つーか、敵前逃亡なのか?
杉並「まだ、ミスコンの勝者が決まっておらんではないか」
純一「しかし、このままだと俺の命の安全が!!」
既に警備員も限界近くになっている。
杉並「ふむ、そうだな・・・・・・」
純一「は?」
その時、警備員の壁が崩れてしまった!!
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」
一気に純一に襲い掛かる男子御一行様。
しかし・・・・・・
杉並「ポチッとな」
――バチバチバチバチバチバチ
『んぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
杉並が謎のスイッチを押したとたんステージに登りかけていた先頭集団が黒こげになっていた。
純一「こ、これは?」
杉並「ふっ ミスコンが終わるまでの警備システムの電磁バリアだ」
純一「で、電磁バリアって・・・・・・何のために?」
杉並「出場者に万が一の事があって困るからな。 まぁ致死量には満たないが・・・・・・」
純一「一体、何処から、そんな危ない物を・・・・・・」
その時、純一の頭に1人の戦争バカの姿がよぎった。
純一「まさかな・・・・・・」
真相は闇の中である。
純一「つまり、俺の命も安全って事か?」
杉並「ミスコンが終わるまではな」
純一「ミスコンが終わったら?」
杉並「無論、警備する必要が無くなるからな・・・・・・・頑張れ」
ポンッと純一の肩に手を置く杉並。
純一「嫌じゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
観客席を見ると男子がミスコンが終わるのを今か今かと待ち構えていた。
実況『と、とりあえず・・・・・・え〜以上で参加者全員が―――ん?』
突然、黒子が現れて実況に何かの紙を渡した。
実況『え〜なになに? おおっと、飛び入り参加者が現れたぞ!!』
実況の言葉の内容に会場が騒がしくなる。
音夢「飛び入り? そんなの聞いてないわよ」
確かに、前回優勝者のことりだって予選のコスプレ審査を通ったのだ。
飛び入りなんてシステムを彼女達が許すはずがない。
実況『いえいえ、この飛び入りシステムは一般来場者の方々の中からですので』
ことり「なるほど〜」
ポンと手を叩くことり。
実況『そして、我がミスコン委員会が、ついさっきスカウトしたという訳です!!』
男子生徒「カワイイんだろうな!!」
そんなヤジにも実況は自信をもって『YES』と答える。
すると、ことりと美咲の爆弾発言により殺気満々の会場が一気に・・・・・・
『うぉぉぉぉぉぉ!! 早くだせぇぇぇぇぇ!!』
ヒートアップ(笑)
やはり男なんて単純なのさ(クスッ)
実況『会場の熱気が更に凄いですね〜 私としては後ろ(参加者)の殺気の方が凄いと思います』
納得のいかない音夢と美咲はず〜っと実況を睨んでいた。
実況『とりあえず、登場してもらいましょう!! どうぞ!!』
――プシュー
実況の言葉を合図に両方の舞台端からスモークが吹き出た。
音夢「な、なんなんですか!? この演出は!!」
ことり「もしかして、杉並君では?」
杉並「いやいや。 我輩は何も知らんぞ」
流石の杉並も予定外の演出に少々驚いていた。
・・・・・・外見や口調からは判断されないが・・・・・・
そして、次第にスモークが晴れてくると、ステージの中心には1人の女性が立っていた。
実況『あなたが飛び入りの方ですね?』
実況が恐る恐る聞く。
それもそのはず。 それは・・・・・・かなりの美人なのである。
外見からすると20歳ぐらいの女性で、青い髪に長い三つ編みを肩から垂らしている。
さらに『あらあら』と言いながら頬に手を添えている仕草が可愛らしかった。
女性「はい。 そうですよ」
声も口調もお姉さま系好きには、たまらない程である。
「萌えだ・・・・・・・」
その誰かの呟きがスイッチだった・・・・・・
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 最高!!』
会場は更にヒートアップ。 既にアキトと純一の事など吹っ飛んでいた。
実況『会場の男子が暴走していますが・・・・・・ ところでお名前は? できれば軽いプロフィールも・・・・・・』
女性「水瀬秋子です。 歳と職業は秘密です。 趣味は料理です」
ニッコリと微笑みながら淡々と語る秋子。
その答えに会場も更にヒートアップしている。
中には失神者が続出している。
実況『今日は何処から?』
秋子「Keyからです」
こら!!
実況『は、ははははは。(苦笑) では、得意料理は?』
秋子「ジャムです」
更に、こら!!
実況『個人的な話ですが・・・・・・もしや、あなたは・・・・・・』
−回想 某所
何やら薄暗い倉庫の中で黒服の男達がいる。
その中でも偉そうな男2人がトランクの中身を確認していた。
ボスA「それじゃあ、これで取引成立だな」
ボスB「ああ。 野郎ども帰るぞ!!」
2人の号令で男達が撤退しようとした、その時だった!!
――ガシャァァァン
突然、シャッターがこじ開けられたように変形した。
そして、その穴から2人の女性が入ってくる。
1人は身長が低く水色の髪に右側にロールを巻いている女の子。
もう1人は身長は普通で栗色のロングヘアーに片手に電子手帳みたいなのを持っている。
栗色「ぢゃっぢゃーん」
栗色の女が景気のいい声が倉庫内に響く。
ボスB「なんだおまえらは!!」
水色「私達は銀河通商関○機構、GOT○所属のESメ○バー、リュミ○ールと」
栗色「エ○レールよ!!」
ボスA「なんだと!?」
『GO○T』の単語に部下連中が懐からレーザー銃を取り出し引き金を引くが何も起きない。
手下A「くそ!! 何だ!?」
見るとリ○ミエールの手から光る糸の様なものが伸びている。
手下B「ソルブリットガンだ!!」
反対側の懐から実弾の銃を取り出す手下達だが・・・・・・
エク○ール「てぇぇぇい!!」
エクレー○が床に口紅で書いた線が突然に鞭となり手下達をなぎ倒していく。
ボスA「これがE○メンバーの実力か!!」
逃げるにしても出口は彼女達が塞いでいるので逃げられないと観念した両ボスはそのまま床に座り込んでしまった。
そして、エ○レールが持っていた電子手帳みたいなものを開き・・・・・・
エク○ール「G○TTのES○ンバーの権限において、あなた達を政管犯罪者として告発します!! 局長、逮捕権執行を申請します」
−回想 局長室
秋子「了承」
エクレー○・リュ○エール『『かましこまりました』』
実況『――――じゃなかったですけ?』
長い回想である。
純一「流石に違うと思うぞ・・・・・・」
つーか、本当にあったら自然に問題なく話は進むだろうな・・・・・・多分。
秋子「あらあら」
相変わらずマイペースの秋子。
実況『こほん。 すっかり個人的趣味に走ってしまいました・・・・・・』
いいのか? 司会者がそれで・・・・・・
杉並「ふむ、我輩なら・・・・・・」
純一「もう回想はいいっちゅうねん」
ビシッと手錠の付いてない右手でツッコミを入れる純一。
実況『そ、それでは審査投票です。 お手元の髪に参加者の名前を書いて前にいるミスコン委員の箱に投票してください』
騒いでいる間にステージ前には5、6人の男子生徒が箱を持っていた。
実況『審査員の方々もお手元の紙を係の者に渡してください』
−10分後
実況『さぁ、結果が出ました!!』
純一「早くないか!?」
確かに・・・・・・・いくら何でも早すぎた結果発表である。
実況『それは・・・・・・』
スッと秋子の前にマイクを差し出す。 そして・・・・・・
秋子「了承」
純一「いいのか!? それで」
いいんです。 SSですから。
実況『それでは、発表します・・・・・・まず、第3位は・・・・・・』
ゴクッと会場と参加者一同が生唾を飲む。
実況『朝倉音夢さんです!!』
『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
純一「音夢が3位か・・・・・・週末の予定は決定だな・・・・・・」
だるそうに週末の予定をチェックし始める純一。
意外と音夢の行動を読んでいるようだ。
実況『それでは音夢さん、一言お願いします』
音夢「えっえ〜と、何て言うか・・・・・・有難うございます」
ペコリとお辞儀する音夢。
実況『ではでは、サイズも気になるのでサッサと進みます!! 続いては第2位!!』
実況『な、なんと・・・・・・』
実況『白河ことりさんと鷺澤美咲さんの同票2位です!!』
『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
信じられない結果に驚く一同。
実況『実に信じられない事です。 まさか、この2人が同票でしかも2位だと!?』
確かに学園No.1、No.2が同じ票で2位という事は・・・・・・
実況『と、とにかく・・・・・・お2人とも一言!!』
ことり「う〜ん、実に惜しかったです・・・・・・」
美咲「実に残念です。 でも『何でも命令できる権利(拒否権有り)』でも嬉しいです」
やはり、ソコですか?
実況『と、ところで・・・・・・賞品は何に使いますか?』
ことり・美咲「「秘密です」」
2人とも口に人差し指を当ててそう言った。
実況『そ、そうですか・・・・・・・それでは、第1位の発表です!!』
――ドンッ ダラララララララララララララ
何処からかドラムの音がする。
――ダダンッ♪
実況『文句無しで水瀬秋子さんだぁぁぁぁぁぁ!!』
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
会場の男どもの熱気が更に30℃上がった。
実況『白熱した戦いにようやく終止符が打たれました!! 水瀬さん、一言お願いします!!』
秋子「了承」
実況『了承されました!! さて水瀬さんには『何でも命令できる権利(拒否権無し)』が授与されます!!』
秋子「あらあら、ありがとうございます」
いつもの頬に手を当てたポーズでマイペースの秋子。
実況『何に使われますか!?』
秋子「そうですね・・・・・なら、杉並さん?」
突然に審査員席の杉並の方を向く秋子。
杉並「ふっ 何でしょうか、お嬢さん」
何時の間にか口に薔薇を銜えた杉並が席を立つ。
秋子「私のお茶を飲んでくれませんか?」
杉並「そのくらいの事でしたら、不詳杉並!! 何杯でも飲みましょう!!」
秋子「それじゃあ、ちょっと待ってて下さいね」
そそくさとステージ端から退場する秋子。
それを見届けた純一が杉並に話しかける。
純一「良かったな杉並。 あんな美人の淹れたお茶を飲めるなんて」
杉並「ふっ 常日頃の行いのお陰だ」
ふさぁと前髪を掻き揚げる杉並。
いつもの純一ならココでツッコミを入れるが、今日は何故かニヤニヤしていた。
音夢(兄さん・・・・・・?)
何時もの兄とは違う行動に早く気付いたのは音夢だった。
ことり「何か朝倉君、おかしいね」
同じく純一の異変に気付いたことりが小声で音夢さ美咲に話す。
美咲「そうかな? 朝倉君も大人になったんじゃないの?」
1人、絶対に有り得ない例を挙げるお嬢様。
音夢「何か企んでいるのかも・・・・・・」
そんなこんなしている間に退場していったステージ端から秋子が現れた。
両手でお盆を持っており、お盆の上には紅茶セットと1つ大きなビンがあった。
感が鋭い人はもうお解かりだろうが今はまだ黙っていて下さい。
音夢(あ、あれって・・・・・・)
音夢はそのビンに見覚えがあるようだ。
秋子「それじゃあ、淹れますね」
腕を組んで待ち構えている杉並の前にカップを置き紅茶を注ぐ。
秋子「今日のはロシアンティーなんですよ」
ニコニコと微笑みながらビンからオレンジ色のジャムを紅茶の中に入れてかき回す。
秋子「さぁ、どうぞ」
スッと差し出す秋子。
純一「折角の好意なんだから一気に飲むのが礼儀じゃねーのか?」
杉並「それもそうだな」
そうなのか? と周りは疑問に思ったが杉並は構わずカップを手に取り一気に飲み干した。
結果・・・・・・
杉並「ぐはっ (大吐血)」
――バタン
飲み干した瞬間に杉並の顔が紫色になり吐血してそのまま気絶をしてしまった!!
秋子「あらあら、こんな所で寝ては風邪を引きますよ」
頬に手を当てたポーズでマイペースの秋子。
恐るべし!!
ことり「朝倉君はこの事を知っていたの・・・・・・?」
美咲「それにしても凄い威力ですね。 あの杉並君が一撃なんて・・・・・・」
杉並の状態を見ている2人はジャムの恐ろしさに震えていた。
音夢「あ、あれって・・・・・・やっぱり・・・・・・」
音夢が震える指でオレンジ色のビンを指差す。
ことり「あのジャムを知っているの?」
音夢「あ、あれは・・・・・・伝説の『謎邪夢』!!」
美咲「謎ジャムですか? 確かに謎ですけど・・・・・・」
音夢「あれを食べた某雪国に7年ぶりに帰った少年は次々と奇跡を起こしたという・・・・・・」
ことり「それは凄いですな〜」
音夢の話に聞き入る2人であった・・・・・・
一方・・・・・・ステージ上には秋子と純一の姿が消えていた。
−風見学園 ???
薄暗い教室に数人の人影があった。
秋子「ふふふふふ。 上手く成功しましたね・・・・・・」
純一「まったく・・・・・・成功するなんて思わなかったぞ」
ついさっきまでステージ上にいた2人だ。
純一「まあ、とにかく、これで杉並に一泡吹かせられたな」
秋子「そうですね」
???「それよりも・・・・・・あんたは何時まで女言葉で喋ってんの?」
秋子「おっと、そうだった。 悪いな、マオ」
一瞬にして不陰気が変わった。
部屋には秋子と純一の他にマオ、かなめ、宗介がいた。
かなめ「まったく、見ていたコッチは大爆笑だったわよ」
秋子「えっ、見ていたの? ちょっと恥ずかしいな」
純一「つーか、いい加減に変装を解いたらどうだ?」
秋子「それもそうだな」
――ビリッ
秋子が顔の皮を剥ぐとソコには・・・・・・
アキト「ふー、疲れた・・・・・・」
マオ「しっかし、アキトも無茶な事するわねぇ〜」
アキト「これでも策は練ったんだぜ。 そしたら、たまたまミスリルの忘年会で女装させられた事を思い出してな」
かなめ「前にクルツ君からアキト君と宗介が女装した写真を見せてもらったけど・・・・・・アキト君ってバッチリ似合ってたしね」
マオ「そうそう、あの時はミスリルの男ども鼻の下を伸ばしたさー。 しかもカリーニン少佐やマデューカス中佐まで」
クククククと含み笑いするマオ。
かなめ「そ、それに比べて宗介も意外と似合っていたのがマジでウケタわよ」
マオ「あれは皆で大爆笑したわ。 何せ黙って動かなかったら美人なのに動くと何時もの宗介だから・・・・・・」
宗介「ちょっとまて、アレは無理やりにマオと大佐殿が・・・・・・」
アキト「そうだよ。 2人が「面白いから」って言って無理やりやったんじゃないか」
流石に黙っていられなかったのか宗介とカーテンでし切って着替えているアキトが抗議する。
純一「しかし、この『ジャム』何処で手に入れたんだ?」
オレンジ色のビンを弄りながらアキトに聞く。
マオ「いくらなんでも手作りじゃないわよね?」
恐る恐るマオが聞く。
アキト「いや・・・・・・通販だ」
アキトの意外な答えに驚く一同。
かなめ「・・・・・・本当?」
純一「よく、そんな無機物兵器が通販で出回っていたな・・・・・・」
アキト「たまたま、早朝のTVでやってたから・・・・・・・」
マオ「何処の会社なの?」
アキト「たしか・・・・・・テレショップみなせだったような・・・・・・」
アキトの答えに更に黙る一同。
アキト「そういえば解説していた人は女性だったな三つ編で・・・・・・」
かなめ「あーもういいです。 お願いだから、それ以上言わないで・・・・・・」
純一(そんな事までしているのか・・・・・・)
彼女の職業等は一切、謎である。
宗介「今度、俺も見てみるか」
マオ「やめときな。 あんたが関わると更に酷くなるから」
彼女と結託して武器を売りそうだし、とまでは言わなかったマオだった。
こうしてアキトの計画は見事に成功したのだった。
ちなみに謎邪夢のキャッチコピーは『これを食べて、あなたにも奇跡を!!』だったそうな・・・・・・
皆さんも怪しい商品には手をださないように・・・・・・
−放課後 桜並木
アキト「話はまだまだ続くよ」
美春「お兄ちゃん、何言っているの?」
アキト「あ、あはははは。 幻聴だよ美春」
と、とにかく・・・・・・
俺の作戦が成功した後、やる事も無い俺はサッサと帰宅していた。
まぁ、ミスコンが最後だったし残る必要は無いんだけどね。
そして、ちょうど校門で出会った美春と帰る事になったのだ。
美春「お兄ちゃん、この頃ブツブツ何を言ってるの?」
アキト「だから、幻聴だろう」
美春「そう? そういえば、ミスコン凄かったみたですね〜」
『ミスコン』の単語にドキッとする俺。
アキト「へ、へぇ〜 俺はかなめちゃん達を案内していたから・・・・・・」
美春「何でも謎の女性が現れて優勝を持っていかれたとか、音夢先輩達が悔しがっていたとか、
杉並先輩が美しさのあまり失神したとか、色々噂しているよ」
いや、杉並が失神したのは謎邪夢のせいなんだけどな・・・・・・
アキト「美春は見なかったのか?」
美春「女子が入れるほどの勇気が無いですぅ・・・・・・」
そういえば会場は男子一色だったな。
アキト「確かに学園のアイドル以上の女性が出て来たんだから噂にはなるよな」
まぁ、それが俺って事だっていうのは悲しいが・・・・・・
そんな事を話していると・・・・・・
???「キキー」
突然に角から全身黒タイツの変な人が出てきた。
よく、見るとショッカーだった。
美春「えっ? まだ学園祭の続きですか?」
アフターケアーって言うやつか?
注:違います。
アキト「お前ら、何者だ!!」
とっさに身構えて美春を俺の後ろに隠す。
ショッカー「キーキキーキー」
ショッカーが俺に向かって突進してくる。
それをかわしつつショッカーの腹の蹴りを入れようとするがブロックされた。
アキト「中々やるな」
次にショッカーが右、左、左、右と次々とパンチを繰り出してきた。
何と言うか・・・・・・早い!!
アキト(反撃の隙も与えないという訳か)
パンチをかわすのに乗じてしゃがんで相手の足を払うが相手が倒れるまでいったが直前で手を着いて空中で前転しながら着地する。
この間、わすが数秒の出来事である。
アキト「只者じゃねーな。 ―――っ!?」
次の瞬間、ショッカーが取り出して何かを投げた。
それが地面に落ちたと同時に凄い勢いで辺り一面に煙が舞い上がった。
アキト「スモークグレネードだと!?」
スモークグレネードだと判断した俺は左手でなるべく煙を吸わないように口を塞ぐように当てた。
そして、後退しながら煙が届かない範囲まで移動する。
アキト「美春、大丈夫か!?」
後退しながら、後ろにいるはずの美春に声を掛ける。
しかし、いくら待っても返事は無い。
アキト「美春?」
振り向くがソコには誰もいなかった。
アキト「―――しまった!!」
ようやく晴れ始めた煙の方をみると遠いところに美春を2人係りで運んでいるショッカーが見えた。
アキト「ちっ、最初から美春が狙いだったのか!!」
ショッカーの企みにやっと気付いた俺はまだ晴れきっていない煙を突っ切ってショッカーを追跡した。
−道路
追跡する事20秒、連中は美春ごと少し大きいトラックの荷台に乗り込んでいた。
トラックといっても業者が使うような回りに緑色のカバーが掛けてあって後ろがカーテンみたいになっているやつだ。
アキト「追い詰めたぜ」
既に判断力が欠けていた俺はそのままトラックの後ろに飛び乗り、
アキト「観念しやがれ!! ショッカー!!」
と叫びながら後ろのカーテンをバサッと開けた。
そこいたのは・・・・・・
今回の話はココまで!! 起立!! 霊!!
to be continued
この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。
−後書きコーナー
拝啓
今回早めに第8話をお届けしました。
入院したせいか、この所体の調子が良くなって10日間で書き上げちゃいました。
中には手を抜いた部分も有りますが・・・・・・
まあ、題名を見た方はソコで話の内容が読めたと思います。
1番、楽だった部分でしたので。
もう、2話ぐらい前から決めていたぐらいですから♪
それでは、後書き反省会スタートです。
−音夢達のプロフの真相−
まずは音夢のプロフですが。
話の中でもあったように私は『Action=時の流れに=お仕置き?』
みたいな新しい法則(?)に基づいてお仕置きを入れました。
まあ、お仕置きの詳細は不明ですwww
次に美咲のプロフは前に説明した通りですので省略と・・・・・・
本題はことりのプロフにあった『純一の古着のシャツがパジャマ』という事実ですが・・・・・・
D.C.をやった事のある方には有名な話だと思います。
知らないという方はこの件は事実だという事を覚えていて下さい。
−美春の111房のバナナの行方は?−
無論、美春の胃の中www
少しは朝食でアキト達に分けたと思いますが・・・・・・
彼女にとってバナナが主食ですからね、ホウメイさんあたりと結託してはバナナ火星丼なんて作ったりしてwwwww
−真打登場!! 水瀬さん家の奥さんの謎−
今回、何故に秋子さんだったかと言うと・・・・・・
アキトを女装させて優勝させるというネタはあったんですけど、名前をどうするか?という事で悩んで・・・・・
アキエ、アキナ、アキゾウ、アキノ(パクリ)、アキムラ、アルカイダ、アキ(プライド?)、
と色々考えて、『アキコ』と思ったとき一瞬、浪花のゴットネーチャンの姿を思い浮かべてしまい、
『アキコに決定!!』とまでは良かったんですけど・・・・・・
浪花のゴットネーチャンをミスコンで優勝させるのは難しいと判断して、
終いにはKanon最強説のある『水瀬秋子さん』が登場したのだ。
だって、ねぇ・・・・・・
まあ、そのお陰で色々とネタが出来たんですしね。
「了承」といったら彼女しかいないですよ〜
あの謎邪夢の成分は今だに不明ですけど・・・・・・
ちなみに職業、年齢共に不明ですので案外、謎ジャムで暗殺しているかも・・・・・・
−途中の回想コントは?−
いや・・・・・・友人から元ネタのやつを進められて。
面白かったから今度、書こうかな〜思って・・・・・・
取りあえず、見逃してください。( J J J)
−ミスリルの忘年会−
いや・・・・・・絶対にやっているでしょ、あの隊なら。
−次回予告−
ようやく、病院の魔の手から逃れる事ができました。
それは兎も角・・・・・・謎のショッカーに美春をさらわれたアキト。
何とかショッカーを追い詰めるアキトだが、そこにあった物とは!?
今、アキトが始めて知る悪の影が動き出す・・・・・・
新たな敵に立ち向かえアキト!!
次回『さらば、風見学園!! こんにちは新たな敵、田楽マン―――って、そんな訳無いじゃん!!』に続く!!
次回もお楽しみに!!
あ〜嘘、嘘。
2004年03月11日
敬具
管理人の感想
TAKUMAさんからの投稿です。
えっと、何時にも増してハイテンションでしたが、ナデシコに乗り込む日はまだなんでしょうか?(苦笑)
宗介達とまだ遊んでるし(汗)
私はKeyの作品をプレイした事がないので、ちょっと話題に付いていけませんが例の物体がよほど恐れられているのは伝わりました。
とゆーか、本当に食する事を目的に作られているんでしょうか?w