『漆黒の戦神』テンカワ アキトが『跳んだ』先は、西暦2178年の火星。
そこで『天枷親子』に出会った。
アキトは博士の助言により、天枷家の養子『天枷明人』として初音島に住んでいる。
そして『朝倉純一』を始めとするいろいろな人物と出会った。
まぁ、こんなドタバタメンバーと毎日を過ごしている訳だ・・・・・・
ようやく風見祭編も終わりいよいよナデシコ編かぁ・・・・・・と思っていたの束の間、
謎のショッカーに美春がさらわれてしまった!!
またもや杉並の陰謀なのか!?
それとも、新たな悪の集団の仕業なのか!?
そして、ショッカーを追い詰めたアキト。 そこに待っていたのは・・・・・・
さてさて、今回はどうなる事やら・・・・・・
これは3回目の逆行をした『漆黒の戦神 テンカワアキト』とその仲間達のマイソロジーである。
FULLMETAL SOLDIER
第9話 でも、ショッカーは組織の名前であって正式名称はショッカー戦闘員
−道路 トラック
追跡する事20秒、連中は美春ごと少し大きいトラックの荷台に乗り込んでいた。
トラックといっても業者が使うような回りに緑色のカバーが掛けてあって後ろがカーテンみたいになっているやつだ。
アキト「追い詰めたぜ」
既に判断力が欠けていた俺はそのままトラックの後ろに飛び乗り、
アキト「観念しやがれ!! ショッカー!!」
と叫びながら後ろのカーテンをバサッと開けた。
そこいたのは・・・・・・
いたのは・・・・・・
杉並「遅いぞ、アキト」
いつものメンバーと・・・・・・
音夢「美味しい紅茶ですね」
ショッカー「キキー」
何故か皆と楽しげにお茶会をしているショッカー戦闘員×6の姿だった。
アキト「・・・・・・・・・・」
俺は文字通りに空いた口が塞がらなかった。
杉並「何か言いたげだな」
でも、何からツッコミを入れたらいいのか分からなかった。
戦闘員にツッコムべきか、お茶会にツッコムべきか・・・・・・
―――よし!!
アキト「おい!! ・・・・・・紅茶でハナナを食べるなよ!!」
見てみると美春が何処からか取り出したバナナを食べながら紅茶を飲んでいた。
純一「そこから、ツッコムのか?」
眞子「まずは現状を良く確認しなさいよ」
何故か冷静な2人に指摘され、もう一度、確認する。
今、トラックの荷台にいるのは乗り込んだまま固まった俺に、
そして、3人の戦闘員と紅茶を笑談しながら飲んでいる音夢ちゃん、ことり、美咲、美春、眞子の女性陣。
女性陣から少し離れた所に純一と杉並と2人の戦闘員が紅茶を飲んでいた。
さらに女性陣と一緒に飲んでいるショッカーの1人の後ろにピッタリと立っている戦闘員。
そして車が走っている事から運転席にも1人いるのだろう。
アキト「よし、現状がだんだん分かってきた」
眞子「そうそう。 冷静になるのよ・・・・・・実はね・・・・・・」
眞子が何か言いかけたが俺は構わず、
アキト「とりあえず、パンチ」
――バキッ
何となく、とりあえず近くにいた戦闘員を殴る。
ショッカー「――げふっ」
そのまま殴られた戦闘員が倒れた。
音夢「ち、ちょっと。 アキト君?」
アキト「何?」
ことり「何で殴るの?」
アキト「悪い奴」
と倒れた戦闘員を指差す。
純一「悪い奴って・・・・・・、確かにその人は悪い奴かもしれないけど」
純一の言葉に一同全員が大きく頷く。
眞子「でもね、この人達はアキト君の知っている人達よ」
アキト「俺にこんな悪の組織の知り合いなどいない」
ショッカー「キーキキーキーキキキーキー」
殴られて俺に踏まれている奴がキーキーと煩い。
アキト「何を言いたいのか分からんぞ」
冷たい目で煩い奴を見る。
???「それもそうですね」
その声は俺の記憶にある声だったがこんな所にいるはずのない人のだ。
ま、まさか・・・・・・
そーっと恐る恐る視線を声のした方に向けると・・・・・・
アキト「・・・・・・テッサちゃん」
テッサ「はい♪」
相変わらずニコニコした笑顔で元気良く返事するテッサちゃん。
アキト「何、しているの?」
俺の言葉の意味が分からなかったか顔を傾げるテッサちゃん。
アキト「何で、そんな格好をしているの!?」
今のテッサちゃんの格好は顔以外は黒タイツ(骨のイラスト付き)なのだ。
テッサ「そ、それは・・・・・・」
何故かモジモジして恥ずかしげにするテッサちゃん。
???「それは自分が説明しよう」
また、別方向より声がすると、そこにはテッサちゃんと同じ格好をした宗介がいた。
アキト「んで?」
宗介「うむ。 実は人を拉致する時に日本ではこの姿をすれば怪しまれないという事をしってな・・・・・・どうした、アキト」
宗介の話を聞いていて俺は非常に頭が痛くなってきた。
確かにその格好をして拉致したら某番組の仕業だと思うだろう。
だが、それが通じるのは数年前までの話だぞ。
アキト「宗介、その情報は何処から仕入れた?」
すると宗介はスッと俺の足元を指差した。
なるほど・・・・・・
俺は何かを確信すると踏みつけている戦闘員の覆面を無理やり取る。
???「やっほー」
その正体はのん気に笑っている金髪バカだった。
アキト「・・・・・・・・・・」
頭を抱える俺。
マオ「どうしたの? アキト」
やっぱりショッカー戦闘員の格好をしていたマオが俺に話しかける。
これで4人目。 残りは誰なんだろうか?
アキト「こいつが本当は日本人じゃないか? と思ってな」
グリッと踏みつけている足を捻る。
クルツが痛がっているが完全に無視する。
かなめ「確かに・・・・・・以外に日本の事が詳しすぎるわね」
音夢ちゃん達とお茶を飲んでいた最後の1人はかなめちゃんだった。
クルツ「アイタタタタタ―――って、アキト!! 無視してんじゃねーよ!!」
足元が何か煩いのでもう一回、強く足踏みをすると静かになった。
アキト「テッサちゃんにかなめちゃん。 マオ、宗介、バカ・・・・・・で、残り1人は誰?」
さっきから発言を何もしてないショッカー。
そのショッカーがついに自分から覆面を取った。
???「私だよ。 天枷軍曹」
アキト「ま、マデューカス中佐!?」
あまりにも意外な人の登場に驚く俺。
俺以上に緊張しているのが宗介だった。
中佐が覆面を取った、その瞬間から敬礼をしているし・・・・・・
アキト「中佐がいらっしゃるとは・・・・・・」
マデューカス「不服かね?」
アキト「い、いえ!! 決して!!」
ギラリと擬音が聞こえそうなくらい軽く睨まれた俺は内心ビクビクしていた。
マデューカス「大佐御1人だけを行かせる訳にもいかないのでな」
さいですか・・・・・・・
アキト「お言葉ですが、中佐。 何故、中佐までもがそのような格好を?」
俺の言葉に中佐は意識していないと思うが睨みながら答えた。
マデューカス「大佐がどうしても・・・・・・と、おおしゃるのでな」
テッサ「あら? 私は一言も言ってませんよ」
一同『へ・・・・・・・』
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
・
テッサちゃんの言葉に荷台にいた一同の間に沈黙が訪れてしまった。
テッサ「冗談です」
その言葉に一同がガクッと崩れた。
それは、あの宗介までもだった。
美咲「い、一瞬だけ怖い想像をしてしまいました・・・・・・」
俺も・・・・・・・
自分から進んでノリノリでショッカー戦闘員に着替える中佐の姿を・・・・・・・
恐らく、崩れた人全員が同じ事を思っていただろう。
マデューカス「はっはっはっ。 それはお手が厳しいですな。 ミス鷺澤」
中佐はこう見えて兵士以外の婦女子には優しかった・・・・・・・
・・・・・・・今度、男女差別で訴えようかな?
アキト「それはともかく。 どうしてテッサちゃんや中佐までもが初音島に?」
テッサ「それは・・・・・・艦で話しましょうか?」
艦・・・・・・・もしかして・・・・・・・
アキト「ダナンにですか!?」
テッサ「ええ」
俺は無意識に 純一達を見る。
その俺の視線に気付いたのか中佐が、
マデューカス「心配ない。 保護者には話は通してある。 それに問題は無い」
アキト「しかし・・・・・・」
そのまま俺の視線は杉並に移っていた。
おそらく、奴は行き先を知っているのだろうか、ワクワクしていた。
マデューカス「問題無い。 見張りを2人つけて置く」
流石、中佐。 俺の考えている事がお解かりで・・・・・・
つーか、2人程度で大丈夫なんだろうか・・・・・・( J J J)
ちなみに運転手のショッカーはカリーニン少佐だった。
−デ・ダナン 艦長室
アキト「美春達をナデシコに乗艦させる!?」
マデューカス「声が大きいぞ、軍曹」
アキト「あっ、すいません」
中佐に注意され口を閉じる。
しかし、到着早々から爆弾発言を聞かされるとは・・・・・・
俺達は港に到着した後、ダナンに乗り込んでいた。
美春達はクルツとマオが艦内を案内している。
その間に艦長室に呼ばれた俺と宗介だが、いきなりの事で気が動転してしまった。
ちなみに艦長室には俺と宗介以外にテッサちゃんと中佐と少佐がいる。
テッサ「驚かれるのは解っています。 確かに軍属でもなくネルガルに関係ない一般人を戦艦に乗艦させるのは危険です」
アキト「なら!!」
マデューカス「軍曹!! 大佐も考えがあっての事だ。 少しは落ち着かんか」
なおさら駄目だ!!と言いかけたが中佐の言葉で遮られてしまった。
アキト「はい・・・・・・ では、理由を教えて下さい」
カリーニン「それは私から説明しよう」
一歩前に出た少佐が語り始めた。
カリーニン「君も彼らがウィスパード候補生というのは知っているな」
アキト「はい」
そう、純一達にはウィスパードかもしれないという疑いが掛けられているのだ。
よって俺が友人をしながら警護もしているのだ。
まあ、何度か組織が狙ってきたが俺の敵ではなくミスリルが流した偽情報で最近では警護する必要も無くなってきた。
何故、彼らが候補生になったかというと俺にはいくつかの心当たりがあった。
―――魔女である婆さん
―――不思議な島、初音島
―――信じられない特殊能力の数々(と言っても不完全なのばっか)
まぁ、これだけあれば誰だって「ウィスパードでは?」と勘違いするわな。
ちなみに本人達もこの事は知っている。
まあ、ミスリルの事も知っているのだから当然か・・・・・・
アキト「しかし、それは・・・・・・」
カリーニン「ここ最近、ミスリルが保護していた候補生達が次々と姿を消している」
アキト「―――っ!!」
かなりの衝撃を受けた。
宗介も受けると思っていたが、その様子が見られない。
多分、事前に話されていたのだろう。
アキト「しかし、姿を消したって言われても、それが何処かの組織の仕業だと?」
カリーニン「確認はされていない。 だが、可能性は高い」
アキト「それに保護したって言っても中には明らかに本物じゃない人だっていたはずです」
マデューカス「それがだ、過去に少しでも候補に挙がった者はほとんど姿を消したのだ」
テッサ「この経緯からして、必ずとは言いませんが少なからず彼ら――純一たち――にも危険が及ぶでしょう」
アキト「では、ミスリルが厳重に保護していてくれば・・・・・・」
テッサ「それが・・・・・・そうしたいのは山々なんですけど・・・・・・」
何か言い難そうなテッサちゃん。
カリーニン「実はクリムゾンが怪しい動きをし始めたという情報が入ったのだ」
アキト「クリムゾンが!?」
以外に早く動いて着たな・・・・・・連中。
カリーニン「そのために護衛できる人員がいないのだ」
テッサ「そこでアキトさんが乗艦するナデシコが今の所は安全ではないか? と思いまして」
アキト「それならばダナンの方が・・・・・・」
あっち――ナデシコ――は色々な意味で危ないからな・・・・・・
マデューカス「確かにダナンは安全だ。 しかし、2年前の事を忘れたのか?」
あっ、そうか・・・・・・
2年前・・・・・・あのクソヤロウがダナンを乗っ取りやがったっけ?
あの時は大変だったからなー
マデューカス「また、乗っ取られるとまでは言わないが、ダナンは緊急時に危険になり彼らも邪魔になる」
確かに・・・・・・タダでさえ狭い廊下をうろちょろされたら邪魔だわな・・・・・・
テッサ「それに宇宙に行くナデシコなら安全ですしね」
まぁ宇宙に出れば組織に狙われる心配は無いわな。
しかし、蜥蜴に狙われる可能性が高くなるが・・・・・・
それに向こうには性格はおかしくなったけどルリちゃん達がいるしな・・・・・・
考えてみたら打倒策だ。
テッサ「解っていただけましたか?」
アキト「はい」
テッサ「それとアキトさん達には『ミスリルからの出向部員』という事にしておきます」
どういう意味だ?
テッサ「つまり、アキトさん達はネルガルや軍からの命令を拒否する事ができるという意味です」
マデューカス「相手は企業とはいえウィスパードを悪用しないとは言い切れんからな」
なるほど、ネルガルには直接の命令権は渡さないという訳か。
テッサ「もし、ネルガルが彼らに手を出したら・・・・・・」
宗介「はっ、全力をもって敵を殲滅します」
一歩歩き、敬礼しながら殺る気満々で答える宗介。
―――って、まさか・・・・・・
アキト「宗介もナデシコに?」
テッサ「はい。 貴方方のアーバレスト2機も偽装してナデシコに乗せてあります」
アーバレストまで・・・・・・・
テッサ「詳しい事は明日、再度説明します」
カリーニン「では改めて君達に任務だ。 『<ネルガル所属艦 ND−001>ナデシコにてウィスパードを警護しつつ本来するべき事をせよ』」
アキト・宗介「「了解!!」」
しかし、ココで気になった事があった。
アキト「そういえば候補生ではない眞子と美咲と杉並は?」
テッサ「彼女達だけ残したら可哀想でしょう?」
なるほど。
アキト「それと・・・・・・さくらちゃんは?」
そう、忘れてはならない人物。
芳乃さくら―――容姿は小さい頃のままだが天才かつ魔女だった婆さんの血を直接、受け継いでいる。
最もウィスパードに近い存在だ。
カリーニン「彼女の方もミスリルで保護している。 だが、ちょっとしたトラブルでこっちに来るのには時間がずれてしまった」
アキト「じゃあ、どうするんですか!?」
カリーニン「彼女1人ぐらいならコッチでなんとかなるだろう」
確かに・・・・・・あの性格からして大丈夫だろうな。
こうして、純一達のナデシコ乗艦が決まったのだった。
しかし、問題は次の日――乗艦の日――に起こったのだった。
−移動中 特別バス
無事、佐世保に到着した俺達一行は待っていたバスに乗り込んでドックに向かっていた。
バスの中はかなり広くキャンピングカーみたいに部屋もあったのは驚きだ。
乗ってるのは乗艦する予定の俺、宗介、かなめちゃん、純一、杉並、音夢ちゃん、ことり、美咲、美春、眞子の10人。
それに運転手さん、テッサちゃん、カリーニン少佐の合計13人乗っているがまだ余裕があった。
ちなみにマデューカス中佐はダナンでもうすぐ来る襲撃に備えていた。
備えると言ってもテッサちゃん達の回収だけだけどね・・・・・・
こんな所で歴史を捻じ曲げたくないし。 (もう、遅いです)
テッサ「到着するまで時間がありますから、これに着替えて下さい」
そう言って配られたのは紙袋だった。
テッサ「中にはナデシコでの制服と身分証明書にIDカードが入っています。
カードはそのままキャッシュカードになっていますので無くさないで下さいね」
一同『はーい』
そう言えばナデシコ艦内で紙幣とか現金とか見なかったっけ・・・・・・
やべぇ、ナデシコの事を少しずつ忘れているよ・・・・・・
10分もしない内に着替えが終了して皆が出てきた。
ちなみに色は宗介はツナギ服、俺と音夢ちゃん、ことり、美咲、美春、かなめちゃんは黄色の制服。
眞子は白を主張とした制服で、問題なのは残り2人だった。
アキト「ちょっと待て!! お前ら、その制服・・・・・・」
そう、2人ともパイロット用の赤い制服を着ていたのだった。
純一「な、なんだよ、アキト」
杉並「まさか、朝倉とペアルックなのが羨ましいのか?」
別に羨ましくないし、ペアルックを着ている奴など見かけない。
なんか『ペアルック』の単語に音夢ちゃんが反応していたが・・・・・・それ所ではない。
アキト「説明してくれるよな・・・・・・」
流石に俺もコレには納得がいかなかった。
テッサ「と、取りあえず、落ち着いて下さい。 ちゃんと最初から説明しますから」
大きな冷や汗をかきながら俺をなだめるテッサちゃん。
テッサ「まず、皆さんの部署をお知らせします」
ことり「部署?」
テッサ「なんせ、タダで乗艦するんじゃなくて『ミスリルからの派遣社員』という事で働くんですから・・・・・・
安心して下さい。 保険の手続きもしてありますし、給料も高いですよ」
何の保険かは一同は突っ込むべき所ではないと思い無視する。
テッサ「まず、相良さんには整備員として潜入してもらいます」
宗介「パイロットではないのでありますか?」
テッサ「アーバレストは非常に機密の高い機体ですから、あまり・・・・・・」
確かに、ブラックテクノロジーの塊だもんな・・・・・・
テッサ「万が一の時はアーバレストを使って下さい。 偽装させて乗せてありますので」
宗介「了解しました」
テッサ「アキトさんには以前の潜入任務で使った調理師免許を使って調理師として潜入してもらいます」
アキト「んで、万が一の時は・・・・・・」
テッサ「かまいません」
アキト「了解」
つーか、最初からピンチになる事決定だもんな・・・・・・
テッサ「かなめさん、音夢さん、ことりさん、美咲さん、美春さんの5人には食堂でウェイトレスをしてもらいます」
―――って事は、ウェイトレスが10人になる訳か・・・・・・
テッサ「ちょうど、5人程の人員募集をしていたので助かりました」
―――って、一般募集かよ!!
ん、まてよ・・・・・これでホウメイガールズ総入れ替えだよな。
んふふふふ。 これで同盟の戦力が落ちたな。
あー、外道とか言わないでね。
調理場での彼女達の監視がこれで無くなるしな♪
行く先々が輝かしい・・・・・・
眞子「私は? 何か制服が違うけど・・・・・・」
テッサ「眞子さんには医療班に行ってもらいます」
眞子「私1人で大丈夫かなぁ・・・・・・ことりとかの方がいいんじゃ?」
確かにイメージ的に眞子には似合わないよな。
一同『・・・・・・・・・』
ん、なんだ? 何で静まっているんだ?
おい、純一よ。 何故に手を合わせている・・・・・・って他の皆まで。
ことり「アキト君、思っている事は口にしない方が見の為ですよ」
ハッ!! この迫り来る殺気にことりの助言・・・・・・ま、まさか・・・・・・
アキト「もしかして・・・・・・喋っていた?」
美咲「そりゃあもうハキハキと」
ぐはっ。 マジかよ・・・・・・
眞子「ア〜キ〜ト〜君」
後ろからする声は爽やかだが俺は騙されない。
振り返れば、そこに夜叉がいる事を確信していた。
眞子「いいのよ、振り返らなくても。 ただ、言い残した事ある?」
アキト「え・・・・・・え〜っと、『ボクの事を忘れて下さい』」
――バキッ
相変わらず、いい拳だなぁ、と思いながら俺は意識を手放したのだった。
美咲「大丈夫? アキト君」
目をさました時、俺が見たのは天使だった。
ああ、俺って天国に着たんだな・・・・・・つーか、天国に来れたんだ、俺。
美咲「あの・・・・・・死んでないよ」
あれ? 良く見てみると美咲ではないか。
おれの間の前には美咲の顔のアップと2つの大きな山があった。
しかも、この後頭部のフニフニ柔らかい感触は・・・・・・・
もしや!!
アキト「膝枕ッスか!?」
美咲「は、はい(//// ////)」
顔を真っ赤にして美咲が答える。
しかし・・・・・・いい眺めだなぁ・・・・・・
眞子「何、いつまで美咲の膝を堪能しているのよ」
何処からか聞こえた声で我に返った俺は直ぐに美咲の膝から退いた。
アキト「ご、ごめん。 重かったろ」
美咲「い、いや。 そんな事ないよ・・・・・・ せっかく勝ち取ったんだもの」
アキト「何か行ったか?」
何か後半部分がごにょごにょと何も聞こえなかった。
ことり「な、なんでも無いんだよ、アキト君」
何でことりが弁解するんだ?
テッサ「コホン・・・・・・続きを説明てもいいですか?」
アキト「は、はい。 どうぞ・・・・・・」
何か引っ掛かるような・・・・・・
ちなみに俺が気絶していた時間は5分だったようだ。
テッサ「本題は純一さんと杉並さんの部署でした。 何処も満員で入る事が出来なかったんです」
アキト「ま、まさか。 それで・・・・・・」
テッサ「はい。 彼らにはパイロットをしてもらいます」
一同『エェェェェェェェッ!!』
驚く俺達の中に純一の姿もあった。
どうやら、初耳だったのだろう。
杉並は・・・・・・何故か喜んでいるし・・・・・・
テッサ「でも安心してください。 お2人には私が設計した『M9−カスタム』に搭乗してもらいますから。
ちゃんと、素人でも操縦できるOS付きですので。 万が一の場合に『保険』もありますから・・・・・・」
興奮する音夢ちゃん達の女性陣を必死になだめるテッサちゃん。
もう既に興奮していない純一は「ま、いっか」と諦め半分だった。
杉並は・・・・・・
杉並「ふっ。 これで我輩も地球を救うヒーローだな」
言ってろバカ。
アキト「まーまー音夢ちゃん達も興奮しないで・・・・・・」
仕方なく俺もテッサちゃんの手伝いをする事にした。
音夢「だって、兄さんが危険になるんですよ!!」
他の娘達も「そう、そう」と頷いている。
アキト「確かにそうだけどさ・・・・・・杉並はどうなの?」
音夢「別に杉並君は殺しても死にませんし」
他の娘達も「死なない、死なない」と頷いている。
杉並よ・・・・・・これからお前を『ガイ2号』と呼ぼうか?
アキト「と、とにかく、杉並の事は置いといて・・・・・・テッサちゃんが言うんだ、何かの対策ぐらいはあるだろ?」
テッサ「もちろんです。 『M9−カスタム』にはラムダドライバを搭載させていますから」
はははははは、なるほど〜そりゃあ安心だぁ〜―――って、おい!!
アキト「ラムダドライバを搭載させた!?」
あまりの衝撃にお兄さんビックリだよ。
テッサ「もう、搭載させたとしてもあくまで非常用ですから通常では使用できません。
それに御二方にはアキトさん達同様にラムダドライバの耐性がある事が分かりましたので使用しても大丈夫です」
「そうか、よかった」と皆が胸を下ろしている。
ラムダドライバ―――搭乗者の攻撃衝動を物理的な力に変換するシステム。
最初にこの装置の存在を知った時には初音島の不思議並に『バカバカしい』と思っていた。
だが、その性能に流石の俺も驚いた。
この装置には俺の愛機ブローディアも手も足も出ないだろう。
その時、俺は初めて『ウィスパード』の存在を恐れた。 そして、同時に『護らなければならない存在』だと悟った。
恐らく、草壁達も彼女達の存在を知り『ラムダドライバ』が連中に渡ってしまったら一貫の終わりだ。
ナデシコでも歯が立たないだろう。
だが、ラムダドライバにも弱点があった。
1つは搭乗者がウィスパードでなければならない(らしい)
コレはウィスパードでない俺達でも作動できるのでコレはあくまで立証されていない。
2つめは対抗できるのはラムダドライバのみ。
しかも、搭乗者のイメージが強ければ強いほど、それ相当の攻撃が放たれる。
つまりは精神力の勝負である。
3つめは機体と搭乗者の問題。
まず、何にでも搭載すれば良いというものではない。 もし、無理をした搭載をした機体は搭載した方がバラバラになるだろう。
そして、搭乗者の精神にも大きな負荷を与えてしまう。 よって長時間の使用はできない。
まったく、火星でドンパチしている間に地球にはこんなオーバーテクノロジーがあったなんてな・・・・・・
あーくん、驚きだぜ。
やべっ、あーくんって・・・・・・ま、いいか♪
アキト「ところで、俺と宗介がパイロットになればいい事じゃないの?」
テッサ「そこらへんはお約束です」
何のお約束だよ。
それからしばらく皆で笑談していると俺に異変が起こった。
???<アキト!!>
アキト「―――?」
眞子「ん、どうしたの? アキト」
アキト「いや、何か頭の中に声が・・・・・・」
この時、俺の顔が急速に青くなっていった。
なぜなら・・・・・・
―――ラピスの存在を忘れていた。
しまった、ミスリルに頼んでマシンチャイルドを解放して貰う事をすっかり忘れていた!!
ラピス<アキト・・・・・・?>
ラピスの声が微妙に疑いの声になっていた。
まずい、ラピスに現状を悟られないようにしなければ!!
ことり「アキト君?」
アキト「ち、ちょっと待っててな」
不安そうに俺に声を掛けてきたことりをなだめる。
恐らく能力を使って俺の異変に気付いたのだろう。
とりあえず、1回目の逆行と同じようにすればいいだろうな。
アキト<ら、ラピスか? 久しぶりだねぇ〜 あはははははは>
ラピス<? どうしたの? アキト。 何か変>
あからさま過ぎたか!!
アキト<大丈夫だ。 ところでラピス、何か異変はあるか?>
バレないように話を誤魔化しながら次のラピスの言葉を待つ。
ラピス<うん!! 今、私が昔いた研究施設にいるの・・・・・・どうしてなの?>
アキト<何ぃ!! 昔の研究施設に戻っただとぉぉぉぉぉぉ!?>
ラピス<アキト・・・・・・驚き方がワザとらしい>
ぎくっ!!
アキト<そ、そんな事ないぞ・・・・・・>
ラピス<そう? それより、私の身体が6歳に戻っちゃっている>
アキト<そうか・・・・・・どうやら、俺達は過去に戻ったみたいだな>
まるで今、考えたかのように間を空けてラピスに説明する。
ちなみに俺は1回目の逆行で戻った野原にいる事にしている。
無論、五感の事も話したがラピスは何だか不機嫌そうだった。
「私はもう要らないの?」なんて馬鹿な事を聞いてきたが、ちゃんと『家族』だと説得しておいた。
アキト<ラピス、今の年月日と時刻を教えてくれ>
知ってはいるが一応、聞いておかないと何処でボロが出るか解らないからな。
返答された答えはまさしく今の時間を指していた。
アキト<ラピス、俺は今からナデシコAに向かう。 過去を変えるために、手伝ってくれないか?>
ラピス<もちろんだよ!! 私は何時でもアキトを信じているしアキトの味方だよ>
ありがとう、ラピス・・・・・・
今の俺は1回目とは違って多くの仲間がいる。
だが、ラピスの言葉は心に響いた。
こんな・・・・・・・お前――ラピス――の事を忘れいてた奴の事を許してくれるなんて・・・・・・
大人になったな、ラピス・・・・・・
ラピス<・・・・・・どうしたの? アキト>
俺の返答が無くなった事に不安になったのかラピスの声が少し心配そうになっていた。
アキト<あ、ああっ。 これからの事を考えていたんだ。 ラピスの事とかな>
ラピス<私はどうしたらいいの?>
ラピスには1回目同様にブラックサレナとブローディアを造ってもらうか?
いや、アレでも結構、危険な目に合うからな・・・・・・よし!!
アキト<ラピス、良く聞いてくれ。 たった今、偶然に出会った人がラピスを助けてくれるそうだ>
これで誤魔化せたなら凄いが・・・・・・
ラピス<え!? 世の中には良い人がいるんだね!!>
良し、誤魔化せた!!
アキト<そうそう、そしてたまたま、その人が秘密組織の上層部の人で俺達の計画に強く賛同してくれて、協力してくれるみたいなんだ>
ラピス<え〜凄い、凄い!! 私達って付いてる!!>
ありがとう・・・・・・・俺は感謝していた。
ラピスのまだ純情な心と人生経験の無さに(←凄く失礼)
俺だったら絶対に疑うぞ・・・・・・
アキト<ラピスはその人達と共に、これから言う計画のサポートに回ってくれ>
ラピス<分かったよ、アキト!! ・・・・・・それから、何時でも話しかけていいよね?>
アキト<ああ、何時だって話し相手になってやる>
それから、軽く別れの挨拶をした後、リンクを切った。
ふぅ、久しぶりのリンクだから維持するのに疲れたぜ・・・・・・・
ことり「アキト君、何か疲れていない?」
・・・・・・流石、ことり。 表面に出してないのにバレバレだな。
アキト「ありがとう、ことり。 それから、1つ忠告しておいてやろう」
ことり「何?」
アキト「これから出会う人達、特に整備班の心の中を無闇に聞くなよ」
ことり「え? え?」
突然、ズイッと顔を近づけて訳の分からない事を言われたことりは訳が解らなかっただろう。
アキト「何が何でもだ。 もし、覗いたら・・・・・・死ぬぞ」
死因はいろんな意味でのショック死だろうな。
美咲「そ、そこまで言うんですか・・・・・・」
アキト「言う」
キッパリと断言できる。
なんせ、風見学園の男どもの戯言だけで倒れたぐらいにことりの心は繊細なのだ。
ましてや、あんな妄想の塊の代名詞の整備班の心の中なんて・・・・・・・
絶対にことりが無事ではあるまい。
アキト「分かったな!!」
純一「アキトがここまで言うんだ。 よっぽどの事があるんだろ?」
音夢「ことり、了解しておいた方がいいよ」
ことり「う、うん・・・・・・分かったよ」
よろしい。
アキト「話はまとまった所で・・・・・・テッサちゃんに頼みがある」
テッサ「何でしょうか?」
俺は何処からか紙を取り出しラピスのいる研究施設の情報を書いた。
アキト「ココに俺の知り合いが囚われていますので救出して下さい」
その後、ラピスの詳しい事と計画について簡単に話した。
テッサ「分かりました。 マオとウェーバーさんに行ってもらいましょう」
アキト「ありがとうございます」
カリーニン「どうやら、着いたようですな」
窓から外を見るとドックの真ん前だった。
アキト「それじゃあ・・・・・・行ってきます!!」
と、ココで敬礼。 それに他の皆も真似して敬礼をする。
さぁて、いっちょ暴れますか!!
to be continued
この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。
−後書きコーナー
拝啓
今回かなり早い第9話をお届けしました。
約、1週間でしたね。 前回を書き上げて。
でも、前回を12日に送信してから更新されてなくて、感想が分からなくて、ちょっとショックでした。
多分、管理人さんにも都合があったのでしょうか?
もしくは前回のネタが危険だったからではないでしょうか?
更にはイジメだったりして・・・・・・(ナイナイ)
さてさて、今回はまだナデシコに乗艦していません。
つーか、乗艦できなかった。 (T_T)
取りあえずラピスとの接触には成功したから良しとしましょう。
それでは、後書き反省会スタートです。
−ショッカー戦闘員の謎−
やっぱり拉致といったら彼らでしょう。
いろいろな芸人さんが拉致られましたからね。
でも、戦闘員って結構いるんですね。
ショッカー戦闘員(骨)からショッカー科学員、ゲルショッカー戦闘員、ゲルショッカー科学員。
ショッカー戦闘員(赤)(黒)、ショッカー戦闘員強化体(赤)(黒)。
こんなにいても雑魚は雑魚ですからね。
−純一達のナデシコ乗艦とウィスパード候補生−
まぁ、当然でしょうな。
そういう話ですし、皆さんも想像していた通りです。
ウィスパード候補ですが・・・・・・まだ、秘密です。
−ラピスは・・・・・・−
とりあえず彼女はミスリルが保護できましたが・・・・・・
アキトが忘れていたのは・・・・・・まぁ平和ボケって言うやつです。
−次回予告−
やっとの事で登場したナデシコの姿に一同は呆然としていた。
ただ、アキトだけは懐かしみ、過去の中間達との出会い、そして再開に心を踊らせていた。
そんなアキト達を休ませないように敵の襲撃が起きる。
1回目同様に出撃するアキト。
だが、そんなアキトを待っていたのは謎の視線・・・・・・
そして、ガイの魔の手によってアキトはピンチに立たされた。
遅い来る無人兵器に手を出せないアキトとナデシコ。
そんな時にアキトのとった行動とは――――!!
次回、『『鋼』の銘を背負う者』
うわっ、久々にマジっぽい次回予告だよ・・・・・・
2004年03月19日
敬具
管理人の感想
TAKUMAさんからの投稿です。
あ、やっぱり宗介達も乗り込むんですか(苦笑)
まあ、あれだけ作中に顔をだしておいて、今後出番が無しでは可愛そうですからね。
今回はテッサが目立ってましたが、カナメはまともな台詞が無かったような・・・
それにしても、ラピスの存在を忘れて自分だけが平和に浸るとは、酷い主人公がいたもんだ(爆)