前回のあらすじ・・・

 『同盟』の魔の手(?)から逃れるべくアキトは逃走に成功。
 その逃走先が、問題の多い部署である墨田区墨東署交通課
 墨東署に向かったアキトは、危うくお茶菓子泥棒で捕まるとこだった。
 全員の紹介後、アキトは辻本夏実、小早川美幸の2人に案内され怪しい発言にて誤解を招く。
 そんな中『頼れる閻魔』こと蟻塚警視正の登場。
 そして、事件が起こった。
 内容はネルガル関係の薬品会社の火災。
 そこでアキト達は住民や一般人の避難と交通整理に向かった。
 しかし・・・  「テロの事ですね。一応、本当です。しかし・・・俺が気になるのは・・・この事件ですね」
 とりあえず、現場に着いたアキト達は夏実の華麗(?)な活躍にて避難活動はすぐに終わった。
 しかし、それだけでは終わらなかった。
 火災ビルに残された女の子を救うため、アキトと何故か夏実は救出に向かった。
 しかし、彼らにはまだ試練が残っていた。
 コンクリートにて道がふさがれたのである。
 アキトは腹をくくりばれても墨東署にいられないわけではない。(開き直り)と確信して・・・
 「はぁぁぁぁぁ!!『縮小・虎牙弾』!!」


 さてさて、今回はどうなることやら・・・・









漆黒の戦神with逮捕しちゃうぞ



第参章 誕生『漆黒』の警察官 後篇












−墨東署 交通課−

 よかった。
 何がよかったって?
 実は、ビル内部の事を夏実さんはほとんど覚えてなかったのだ。
 原因は一酸化炭素中毒によるものと考えられた。

 ラッキィィィィィィィィィィィ

 俺はその事実を知って心の中でガッツポーズを連発していた。

 ちなみに夏実さんの症状は女の子より軽かったのですぐに職場復帰となった。
 女の子は検査入院等のため約1週間の入院だそうだ。

 そして・・・俺は職場復帰した夏実さんと美幸さんと課長に現場で散々起こられ、課長と蟻塚警視正以外は交通課に戻ってきた。

 さらに俺達、3人の机上には始末書が・・・

 美幸さん1枚(やじ馬騒動の共犯の件)

 夏実さん2枚(やじ馬騒動の主犯火災ビル突入実行犯

 そして、俺が3枚(やじ馬騒動の共犯、火災ビル突入実行犯、公共ワイセツ容疑



 ・・・・・・・・
 なんだよ、公共ワイセツ容疑って・・・・
 理由を課長に問いただすと俺の今朝の格好の事で墨東署の各部署から抗議の言葉が上がっていたらしい。



 ぶっ潰そうか?墨東署

 そんな、危ない事を考えながら始末書のきれいな書き方を夏実さん達から教わっていた。

 かなり書きなれているし・・・この2人・・・・





 書き始めて1時間、やっと書き上げた。
 驚いたのは2人とも1枚約3分で書き上げたのだ。
 夏実さんの内容は2枚ともほととんど一緒だった。
 違ったのは題名(何の事で書く事になったか書く項目)だけ。

 いいのか?本当に・・・・

 書き終わった時には3時を回っており皆でお茶の時間を楽しんだ。

 本当にこれでいいのか?墨東署





 今日のお茶菓子は俺が一応持ってきといた饅頭だった。

中嶋「そういえば・・・アキトってどっかで聞いたことがあるよな・・・・」

夏実「あっ私も気になってた」

葵「私も」

頼子「あ、私も」

美幸「実は私も・・・・」

 交通課の全員が「私も」とか「俺も」とか手を挙げている。
 まあ・・・無理もないか・・・・

全員「「「「「うーーーーーーん」」」」」

アキト「あ、あのー」

全員「「「「「うーーーーーーーーーーーーん」」」」」

 無視ですか・・・・

 俺があきらめてコーヒーを飲んでいるとTVに玩具のCMが流れていた。

 その玩具とは今大人気らしいネルガル製『漆黒の戦神シリーズ』のブローディアやリョーコちゃんやガイ達のエステバリスのプラモデル、
 それにナデシコメインクルーのフィギュア(ルリちゃんが1番人気らしい、近日には北斗のまで出るとか)、
 戦闘シュミレーションゲーム『漆黒の戦闘』(Uも開発中)まである。
 中でも1番人気はなんと俺のフィギュア、しかも入荷して5分もしないうちに即売り切れになるほどらしい・・・・
 全部プロスさんやセイヤさんに聞いた話であり、実際に喜ぶのは俺ではなくネルガルなんだけどね。

 話は戻ってこのCMを見た頼子さんが声を上げた。

頼子「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ

夏実「な、何?頼子?」

頼子「アキトよアキト」

美幸「何が?」

頼子「何処かで聞いたかと思ったら、テンカワアキトよ」

全員「「「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」

 一斉に叫ばなくても・・・・

美幸「そーよ、忘れていたわ。テンカワアキトよ」

中嶋「誰だっけ?」

 理解してなかったんですか?中嶋さん。

夏実「知らないの?
   テンカワアキト・・・別名『漆黒の戦神』などの2つ名を持つ男」

葵「地球と木連の戦争を和平に導いた英雄。
  そして世界で『結婚したい人ランキング』『付き合いたい人ランキング』共に堂々の1位」

頼子「しかし、ほとんどの事は知らされず。
   出身地とか、年齢、ちゃんとした顔までもが公開されていないの」

美幸「知られているのは名前とフィギュアとかで分かるバイザー付きの顔のみ。
   まさに謎につつまれたヒーローというわけ」

葵「憧れますね」

女性陣「「「「「はぁぁぁぁぁぁ(ため息)」」」」」

 な、なんか凄いことになってるし・・・・
 噂って恐い・・・・

中嶋「どこがいいんだか・・・・」

男性署員A「そうそう。
      でも、テンカワアキトが凄い女ったらしだって聞いたことがあるぜ」

男性署員B「俺も俺も」

アキト「ぶーーーーーっげほげほっ」

 つい話を聞いていたらそんなことまで・・・あーあ、折角のコーヒーが。

男性署員A「でも、本当に憧れるよな男として」

男性署員B「ああ、きっと、びしっとしたいい男なんだろうな」

 びしっとしないからココ(墨東署)にいるんだよ。

中嶋「けっ、どうせ筋肉むきむきのただの戦闘好きのおじさんだったりして」

 誰が筋肉むきむきの戦闘好きのおじさんだ!!

夏実「あ、それいいかも。渋くて」

 をい、こらまてぃ。

葵「私はきっと普通の男性だと思います」

 確かに・・・俺は普通だ・・・・
 少し特殊な方だけど。

頼子「いやいや、本当は美形でかなりの女ったらしだったりして」

 それはアカツキの野郎だって。

夏実「案外、アキト君が『テンカワアキト』だったりして」

 知らない間に俺、ピーンチ!!

美幸「そんなわけないでしよ」

頼子「名前も同じだし・・・・」

アキト「ちがいますよ」

 無表情で答える俺。

美幸「そーよ。第一、テンカワアキトがなんでこんなとこに来るの?」

 グサッ

夏実「それも、そーか」

頼子「なーんだ、ただ名前が一緒なだけか。ガッカリ」

 言われたい放題だな、これは・・・・

中嶋「小早川も気になるのか・・・その・・・テンカワアキトとかいうやつに・・・・」

美幸「うん」

中嶋「がーーーーーーん」

 気の毒に・・・・

美幸「いろんな話が聞けそうだし、相転移エンジンやブローディアとか・・・・
   もしかしたらブローディアとかの内部を見せてもらえるかも♪
   ふふふふふふふふふ」

 夏実さんが言ってた悪い癖がまた出てるし・・・・

中嶋「なんだ・・・そっちの話か」

頼子「ほっとした?中嶋君」

中嶋「ま、まあな」

夏実「そういえば・・・さっきのガレージでの話の答え、まだだったわよねーアキトくん」

美幸「あ、そうだったわね・・・・」

頼子「なになに、なんかおもしろい話?」

美幸「実はね・・・・」

 なんか・・・ものすごーく、やな予感・・・・
 話がやばくなる前に逃げようかな・・・・

全員「「「「「へぇーーーーーーーー」」」」」

 この時、俺は危険を感じ、気配を完璧に殺し交通課から逃れようとした・・・・

 

 いつの間にかドアで仁王立ちしている夏実さんに捕まってしまった。

 完璧に気配は殺したはずなのに・・・恐るべし、墨東署交通課婦警。

夏実「どこ行くの?アキト君」

 今、分かった・・・
 ここって某戦艦並に恐ろしい所だと・・・・

アキト「えーと、課長達のお出迎えを・・・・」

 ちなみに課長と蟻塚警視正は詳しい現場検証に立ち会うためと夏実さんの始末(やじ馬騒動の件)のために現場にいる。

夏実「そんなこといいから」

美幸「さーさー、こっちへおいで」

 満面の笑顔で迫ってくる2人。
 俺は知っている。この後、何が起こるかを・・・・

 だって・・・笑顔がお仕置き前の『彼女達』の笑顔にそっくりなんだもん。

アキト「はい・・・・」

 こうなっては流石の俺でもお手上げである・・・・(泣)

 そして、俺は予想通り抵抗できなくなり、

 椅子に座らされ、

 後ろに手をまわして手錠を掛けられ、

 荒縄でグルグル巻きにされた後

 尋問が始まろうとした、その時・・・・

蟻塚「なにをしているのか」

全員「「「「「蟻塚警視正!!」」」」」

 声の方向を見ると今入ってきたのだろう蟻塚警視正と課長が入ってきていた。
 とりあえず、助かった・・・・





 ありがとう頼りにならない神様頼りになる閻魔様(爆)


蟻塚「なんで彼が縛られてんだ?」

課長「しかも、全員で囲んで・・・一体、何があった」

 かなり、いい質問です。

夏実「実は・・・・」

 さっき皆に説明したことを課長達にも説明している・。

 んっ・・・説明・・・?





−某研究所−

某マッドサイエンティスト「はっ、説明」





−墨東署 交通課

蟻塚「なるほど・・・それで尋問を」

美幸「はい」

 一通りせつ・・・話が終わったようである。

葵「でも、縛ることは・・・・」

夏実「甘い、葵ちゃん。
   さっき、交通課から出て行こうとしたアキト君は気配を完璧に消していたのよ」

頼子「でも、よく分かったわね。出て行こうとしたのが」

 それは俺も知りたい。
 あそこで勘付くのは北斗並じゃないと厳しいのに・・・・

夏実「え・・・いや〜美幸達、話に夢中になってて・・・・
   お茶の途中だったでしょ? だから給湯室にお茶菓子が無いかと思って・・・・
   こっそり行ってきたんだけど・・・これまたお茶菓子が無くて・・・・
   落ち込んで交通課に戻ったら、皆が真ん中に寄り集まって美幸の話に夢中だったでしょ・・・・
   そしたらアキト君がこそこそ逃げようとしたからなんとなくとっ捕まえた。エッヘン!!」



全員「「「「『エッヘン』ぢゃなぁぁぁぁぁぁぁぁい」」」」」



 そ、そんなくだらない理由で捕まったのか。
 しかも・・・なんとなくって・・・・

美幸「捕まえた理由はどうあれ・・・夏実の話だとアキト君は・・・・」

中嶋「かなり腕のたつ強い奴というわけか」

 なかなかの推理(?)力で。

頼子「それなら、今朝の美幸の罠の件も納得がいくわけだ・・・・」

夏実「そういえば・・・そうだったわね・・・・」

美幸「さあ、今度こそ白状しなさい!!」

 もう全員の目がすわっていた。
 課長や蟻塚警視正に視線で助けを求めたが今の彼女達を止めることなど無理に近かった。

 そして・・・・



 プルルルルルルルルルルル

 電話が鳴った。

 ガチャ

課長「はい。交通課」

 しばらく会話が続き・・・・

課長「わかった」

 ガチャ

課長「○○駅前と○×の×丁目交差点で交通事故だ。
   総員、ただちに現場に急行せよ」

全員「「「「了解!!」」」」

 そして、どたばたと課を出て行く交通課署員。
 ―――って誰もほどいてくれないし。

課長「大丈夫ですか?」

 忘れられて少し涙ぐんでいる俺に課長が話しかける。

アキト「はい・・・なれてますから」

課長「すいません。うちの部下が・・・・」

 いきなり口調が変わる課長。

アキト「そんな、こっちこそ厄介になっている身ですし・・・・
    それに、その口調・・・やめてもらえます?
    なるべくは普通に・・・・」

課長「はぁ・・・・
   ところで、さっきの辻本達が言っていたことは本当なんですか?」

蟻塚「エステバリスの事は私も知っている。
   しかし・・・テロ対策とは聞いてなかったな・・・・」

アキト「俺もプロスさんに少し聞いただけですし・・・詳しい事は分かりません。
    ところで・・・さっきの火災の現場検証の結果と捜査結果は?」

蟻塚「現場検証の結果・・・発火したのは・・・1階にあった薬品倉庫。
   原因はまだ分かりませんが放火の可能性が非常に高いようです」

課長「警察の関与はここまで。残りの捜査はネルガルの諜報部がやるそうで・・・・」

アキト「なるほど・・・捜査は打ち切りか・・・・」

蟻塚「あそこはネルガルが結構、関与していましたからね・・・・」

アキト「ネルガルか・・・・」

課長「――――っまさか、今回のは・・・」

アキト「ええ。その可能性は低くはありません。
    地球にも木連にも互いを反発している人は少なくありませんし・・・・」

 考え込む俺達。―――って、どうでもいいから誰か解いて荒縄・・・・

 そんな時、交通課に夏実さんが飛び込んできた。

夏実「ごめん!!アキト君。すっかり忘れていた

 俺は縄を解いてもらい、隅っこでいじけ始めた。

アキト「どうせ・・・俺なんて・・・・」

夏実「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。ごめんって言ってるでしょ。行くよ!!」

 ズルズルズルズルズルズルズルズル

 こうして、俺の初日の仕事は終わった。





−墨東署 交通課

 交通事故の整理が終わり俺は交通課でただ1人残って報告書を書いていた。
 他の人達はさっさと帰ってしまった。
 まったく・・・白状なものである。

 ふと時計を見るとすでに7時30分を過ぎたとこだ。
 そろそろ夕御飯でも食べないとと思い、俺は仕上げた報告書を課長の机に乗せると食堂に向かう。

 無論、この時間に食堂が開いているはずはない。
 俺が用があるのは食堂の厨房である。

 実は俺・・・今、宿無しなのである。
 下手にアパートやマンションを借りるとすぐにばれる危険性が高いため、そこまでアカツキも手を回せなかったのである。
 そういう事で俺は墨東署に当分の間は住む事になったのである。



 無許可だけと・・・・



 一応、厨房の許可は下りている。一応ね・・・・





−墨東署 廊下

 俺は厨房で何を作ろうか考えながら歩いていた。

アキト「何がいいかな〜軽く炒飯でもいいか♪」

夏実「何の話?」

 後ろから話しかけたのは夏実さんだった。
 夏実さんの後ろには美幸さんに頼子さんまでもいた。

アキト「あれ?夏実さん、帰ったんじゃ・・・・」

夏実「残念。私達、今日は夜勤なの」

頼子「それで私達、これから夕食のカップラーメン作りに給湯室に行こうとしていたの」

美幸「アキト君は?今日は夜勤じゃないし・・・・」

アキト「いえ・・・ただ小腹が空いたんで厨房に夕食を作りに・・・・」

夏実「『夕食』!!

アキト「は、はい」

 俺の『夕食』という単語に敏感に反応した夏実さん。
 それはともかく・・・よだれたらしてウルウルした目で俺を見つめないでくれよ・・・・

夏実「夕食夕食夕食夕食夕食・・・・

 だめだ、完全にトリップしている・・・・
 美幸さんや頼子さんもお手上げの様子だ。

アキト「よかったら、みなさんにご馳走しますよ」

夏実「本当!!」

アキト「ええ」

夏実「こうなったら、湿っぽいカップラーメンよりかアキト君の自慢の料理よ!!そうと決まったらさっそく出発、出発」

美幸「そうね・・・・」

頼子「カップメンよりはそっちの方がいいかも・・・・」



 ―――――そして俺達はそのまま食堂に向かうのであった・・・・





−墨東署 食堂

 俺は厨房に入りあらかじめ用意した材料で軽く野菜炒めと炒飯をつくった。

一同「「「「いただきまーす」」」」



 ガツガツガツガツガツガツ



アキト「な、夏実さん・・・もう少し穏便に・・・・」

美幸「無駄よアキト君」

頼子「そうそう。夏実は食べる事になると人1倍凄くなるんだから」

 確かに・・・食べるスピードが―――速いっ

夏実「ふぅーご馳走様でした。美味しかったよアキト君」

アキト「は、はあ・・・・」

 凄い・・・大盛りの10人前分はあったのに・・・・

美幸「コレ位で驚いては墨東署の交通課にはいられませんよ。
   まあ・・・私達は夏実の胃袋には別の未確認生物が住み着いている信じていますから・・・・」

 酷い言われようだな・・・夏実さんの胃袋・・・・
 仕方ないけど・・・・

美幸「それはともかく・・・アキト君、こんな時間まで何していたの」

アキト「今日の事故の報告書を書いてました」

夏実「そんなの明日にすればいいじゃん」

頼子「夏実じゃあるまいし・・・・」

夏実「何か言った?頼子」

頼子「い、いえ何も言ってませんです・・・はい」

美幸「じゃあ、終わったからこれから帰るの?」

頼子「そういえば家は何処?教えて!!」

 いきなり質問攻めする頼子さん。
 しかし・・・左手に持っているのは警察手帳、右手にはいつの間にか持っていたボールペン。
 別に質問するのはいいですけど・・・何故、警察手帳に書こうとするんですか?



 後日、葵さんに聞いたところこの警察手帳に書かれている内容は他人の知らざれる秘密や合コンの予定帳、
 気に入ったイイ男の情報、噂になりそうなネタだらけらしい・・・・



アキト「実は・・・東京に来たのは今朝でそのまま出勤だったんですよ。
    それに、東京の方にアパートやマンションを借りようとしたんですけどいろいろな事情でそれができないんですよ」

美幸「いろいろな事情って・・・・」

 こうなったら嘘で通す。

アキト「実は・・・俺の実家、鹿児島にあるんです。
    でも、両親は農業を継げと言って俺を東京に行かせてくれなかったんです。
    俺はどうしてもこの生活がしたかったんです。
    だから・・・・」

美幸「家出同然でやってきた」

アキト「いえ・・・俺の知り合いのおじさんの協力で警察官になれたんですけと、住むところまでは間に合わなかったんです。
    とはいえアパートやマンションなんて借りたら両親にばれるし・・・
    俺・・・どうしても警察官になりたかったんです。
    およよよよよよよよよ(泣)
    なるべくはこの事はご内密に・・・・」

夏実「分かったわ・・・・頼子」

頼子「ビクッ・・・な、何、夏実」

夏実「今、必死に手帳に書きとめたページを破りなさい」

頼子「はーい」

 夏実さんには逆らえなかったのか素直にページを破る頼子さん。
 そして、破ったページを夏実さんが奪う。

美幸「それと、頼子・・・もし、この事を喋ったら・・・どうなるか分かってるわね」

頼子「ど、どうなるのかな」

美幸「1ヶ月間、私のお仕置きね♪」

夏実「あの電気ショックはきつかった・・・・」

頼子「わ、分かった。分かりました」

 夏実さんの述べた感想にビクつきながら答える頼子さん。

夏実「さて・・・口止めは終わったとして」

美幸「問題はアキト君の住む所ね」

頼子「中嶋君の家に居候させたら?」

夏実「だめ。アキト君みたいな青少年をあんなゴミだめの代名詞のような中嶋君の部屋なんかに居候させたら・・・・」

頼子「そうか・・・ごめん・・・納得」

美幸「あなた達・・・中嶋君のこと馬鹿にしていない?」

夏実「じゃあ、美幸はあの部屋でこのアキト君が住む事を反対する理由に対して反論できるの?」

美幸「うっ・・・・反論できない。ごめん、アキト君は別の場所に居候させましょう」

 うーんとまたもや考えこむ3人。

アキト「別に墨東署に寝泊りしても・・・」

夏実「駄目。いくらなんでも警察官が家にも帰らず警察署に寝泊りしているってばれたら警察の名が泣くよ」

頼子「まあ・・・TV局の人たち−特にAD−は家に帰られない人達が少なくないらしいけど・・・」

美幸「頼子『帰らない』じゃなくて、あの場合は『帰れない』が正しいと思うわ」

夏実「そんなことより、問題はアキト君よ」

美幸・頼子「「そうだった」」

 そうだったって・・・・

夏実「『ZAPPER』はどうかな・・・・」

美幸「うーん。でも、空き部屋あったかしら・・・・」

頼子「そういえば・・・無かったわね」

夏実「そうそう。大丸さんの買ったパーツだらけで無かったわね」

頼子「美幸は欲しそうな目していたけど・・・・」

美幸「頼子・・・煩い」

アキト「俺は別に・・・」

夏実「・・・アキト君」

 突然、真剣な目をして俺の名前を呼ぶ夏実さん。

アキト「はい」

夏実「何が得意?」

アキト「え?」

夏実「何か得意なこと家事とか・・・・」

アキト「えっと・・・料理に洗濯、掃除・・・一般家事なら一応は・・・・」

頼子「夏実、何でそんな事を聞くの?」

夏実「・・・・・・・・」

 俺の身体をジロジロ見ながら何やらブヅブツ呟く夏実さん。
 そして・・・・

夏実「アキト君!!ウチに来ない?」

アキト・美幸・頼子「「「は?」」」

 俺達3人はまだこの時点で気づかなかったわけで・・・・

夏実「だから、私達の家で居候をしないか?ってことよ」

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・

 ・・

アキト・美幸・頼子「「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」



 突然の夏実さんの爆弾発言に驚く一同。
 そりゃ誰だって驚きますよ。今日始めて会った異性を簡単に部屋に居候させるかなんていい出すなんて。

美幸「ち、ちょっと夏実!!どういうことよ!!」

夏実「いや〜さ、葵ちゃんや頼子の所は流石にまずいと思って・・・課長の家は知らないし・・・家事をやってくれるならOKかな〜って」

美幸「それでも!!今日始めて会った男性に普通そんな事を言う!?」

夏実「美幸・・・考えてみて・・・今、美幸が食べている炒飯・・・美味しい?」

美幸「そ、そりゃあ・・・美味しいけど・・・・」

夏実「でしょ・・・だから!!こんな美味しい御飯が毎日食べられたらと思って・・・・」

美幸「そうね・・・少なくても私達よりは美味しいわね。でも!!それはそれ。これはこれ!!
   夏実・・・本音は?」

夏実「実は・・・今月、3ヶ月2割カットの減給されたでしょ私達・・・おまけに今月かなり出費があってさ・・・今月の家賃ピンチなのよ。
   美幸もこの前、車のパーツ買って家賃が危ないって言ってたじゃない」

頼子「そういえば、夏実と美幸・・・減給くらっていたわね」

美幸「そりゃ・・・家賃はピンチだけど・・・」

アキト「でも・・・異性を居候させるなんて・・・・」

夏実「大丈夫。私も美幸も心に決めた人がいるから」

美幸「ち、ちょっと!!夏実ぃぃぃぃぃ」

 顔を真っ赤にして夏実さんに反論する美幸さん。

頼子「本当のことじゃない」

美幸「ちょっと頼子まで!!」

夏実「それに・・・アキト君って何か硬派のような感じなんだよね」

 こ、硬派って・・・・

アキト「俺は硬派なんかじゃありませんよ」

夏実「ごめんごめん。言い方間違えた。硬派じゃなくて・・・遊び人みたいじゃないってことかな・・・・」

頼子「つまりチャラチャラしていない・・・・」

美幸「確かに・・・チャラチャラしていないし―――ってそれだけじゃ・・・・」

夏実「それに・・・ぷらすでアキト君の秘密を全部教えてもらうってのは」

アキト「え゛・・・・」

美幸「うーむ。ギブアンドテイクってことか・・・・・・・・しょうがないわね。
   私だって知りたいものアキトに隠された秘密・・・そして、正体・・・・」

アキト「・・・・・・・・」

夏実「アキト君には否定権があるけど・・・どうする?」

 俺としては有難い申し出だけと・・・女性の家に居候というのは・・・・

 しかし・・・墨東署に住み込んでいるってばれたら課長にどやされるし、もし、マスコミとかに『警察署に住み込んで働く優秀な警察官』なんて記事にされたら・・・・
 ばれる確率がかなり高く・・・いや100%調べる。

 それなら・・・まだ夏実さんの提案を受けて・・・でも正体を教えないといけないし・・・・
 うーむ。





 俺は心の中『お仕置きの可能性が高い』『女性と同居しかし正体を教える』天秤にかけていた。





 無論、答えは『女性と同居しかし正体を教える』だ!!(0.5秒)





アキト「分かりました・・・夏実さんの提案でお願いします」

美幸「―――――って事は・・・もちろんアキト君の秘密も・・・・」

アキト「ええ、洗いざらい言いますよ。でも絶対に秘密ですからね」

夏実「分かったわ」

頼子「同じく」

夏実「ちょっとまてぃ。頼子」

頼子「な、何?夏実」

夏実「なんで頼子まで聞くの?」

頼子「え、何の事かな〜」

美幸「頼子ったらどさくさに紛れて聞こうとしたわね」

頼子「別にいいじゃない。私だって知りたいし」

夏実「私と美幸だけよ、聞く権利があるのは」

頼子「え〜何で」

美幸「当然のことでしょう」

頼子「ぶ〜」

夏実「それに頼子、もしあんたに教えても翌日には皆知っていて秘密にならないもんね」

頼子「夏実・・・酷い」

アキト「まあまあ、夏実さん。んじゃこの話はまた今度ということで・・・・」

美幸「いや・・・早いほうがいいわ明日は皆非番だし明日にでもアキト君の引越しをしましょう」

夏実「それ、賛成。『は急げ』って言うし」

美幸「それを書くなら『は急げ』でしょ」

アキト「それじゃ・・・そういうことで」




 こうして・・・俺の新生活が始まろうとしていた・・・・





to be continued







この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。







−後書きコーナー−

 拝啓

 どうも始めまして。TAKUMAといいます。
 この作品は『時の流れに』を読み終わり『ナデひな』を読んでいる最中にふと思いついたものでした。
 まあ・・・俺よりかも先に考えていたお方もいたようですけど・・・(もしかしてこれってパクリなのか?)
 619さん御免なさい。

 さて・・・これからの話なんですが、実はこの話・・・ギャグじゃないんです。
 むしろ、俺に文章でギャグができるほど文章力は高くないんです。
 なんせ・・・俺、理系だもん。
 この話は続きを読めば分かるんですけど・・・まあ、ワケの分かんない作品という事は絶対である。

 さてさて・・・元ネタですけど・・・ご存知の通り『逮捕』と『時の流れに』
 まずはこの2つのファンのみなさまとりあえずは御免なさい。
 今後、この作品(または別の作品)に使おうとしている予定のネタをここで大暴露ぷらす謝罪。
 『ガンダムシリーズ』『仮面ライダークウガ』『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』『スーパー戦隊シリーズ』『ああっ女神さまっ』
 『スーパーロボット大戦シリーズ』『勇者シリーズ』『勇者聖戦バーンガーン』『ヴァルキリー』
 その他・・・もろもろ使う予定です。
 多すぎないか?と思われる方は続きを読めば分かります。
 それらをすべてふくめてここで謝罪をしておきます。
 ごめんなちゃい。

 文章力がなくて読みにくいと思われますがそこはなんとか皆様の想像力を働かしてなんとか読み取ってください。
 こんな馬鹿な俺ですがこれからも応援をして下されば幸いです。

 敬具