前回のあらすじ・・・
『同盟』から『自由』へと逃げることに成功したアキト
そして勤務先に選ばれたのは墨田区墨東署交通課。
そこでアキトはいろいろな仲間達と出会う。
墨東署怪力No.2の辻本夏実巡査、とそのパートナーでありプロ顔負けのレーサー、小早川美幸巡査の暴走コンビ。
交通課唯一の常識人で辻本夏美とラブラブの東海林将司巡査長。
小早川美幸とラブラブ(?)で妄想の達人の中嶋剣巡査。
噂好きの二階堂頼子巡査、違和感たっぷりの葵双葉巡査、先輩思いの佐賀沙織巡査。
渋い課長(本命不明)と刑事課の徳野刑事の渋い中年コンビ。
そんな中に入っていくアキト。
さてさて、前回のアキトは・・・・
とんだ事で夏美達と同居になったアキト。
戸惑った同居生活一日目のアキトの感想は『安眠できた』の一言だった。
そして、墨東署に遅刻で出勤した4人を待ってたのは・・・・
静かな怒りの課長と
頼子の噂の嵐だった。
噂に耐え切れなかったアキトは昼食時、屋上にて東海林と出会い話しこんでしまう。
そこでアキトは少し悩んだ。
アキト「やっぱり夢を持つっていいですね」
東海林「アキトさんは無いんですか?」
アキト「・・・・・・・・どうなんだろ、自分でも分かりません」
アキトの夢。それはなんなんだろうと・・・・
これからのアキトの運命の全てはこの作品を呼んでいる読者の感想次第である。
いや、まぢで・・・・
漆黒の戦神with逮捕しちゃうぞ
第七章 出撃せよ『鋼の警察官』 partU
−墨東署 大会議室
俺と東海林さんが到着した時には会議は始まっていた。
課長「おい。2人とも、また遅刻か?仲がいいな?」
課長の皮肉に周りから「くすくす」と笑い声が聞こえる。
恥ずかしい・・・・
夏実「2人ともこっち、こっち」
声のほうを見ると夏実さんと美幸さんが2席隣を開けて待っていてくれていた。
ちなみに場所は前から見て右側の一番奥だった。
俺と東海林さんが着席したのを見計らって課長が会議を進める。
課長「―――っ以上。これで春の交通安全運動の議題を終わる。
さて、次に・・・諸君も耳にしていると思うがこの頃ロボット犯罪が急激に上昇している」
そう・・・戦争が終わって全世界で大量に余った兵器を何者かが売買して犯罪が多くなってきているのだ。
中には『はぐれバッタ』とか『はぐれチューリップ』とかの無人機が暴走したりして騒ぎを全世界で起こしている。
その騒ぎに対応しきれない軍に変わってネルガルが新型機動兵器を警察、及び軍に配備するプロジェクトを立ち上げた。
―――っえ? なんでネルガルが?って疑問に思ってるのか?
実はこの裏売買のルートにグリムゾンの施設が上がったからである。
はっきりとした証拠が無いためにネルガルも動けないがこのままだと史実通りA級ジャンパーの身に危険性が高くなると判断したのだ。
そして、前に没案となっていたこのプロジェクトが発足された・・・・っとプロスさんから聞いている。
課長「―――んであって、我が墨東署にも配備されることになった」
一同『おぉぉぉぉぉぉぉぉ』
一同が少しだけ驚く。まぁ確かにそうだけど・・・・
課長「おいおい。驚いても乗れるという保障はないからな」
そんな課長の忠告を聞かない人が隣に1人。
夏実「ああ〜ん。まいったな〜、今の仕事、忙しいのにそんな〜」
何、顔赤くして妄想してんですか?いい大人が。
そんな夏実さんが恥ずかしい声をだすので周りから注目を浴びている。
美幸「ち、ちょっと〜夏実〜。恥ずかしいから、やめて〜」
夏実「えへへへへへへへへ」
妄想親父1体の出来上がりである。
だめだこりゃといわんばかりのため息をつく俺と美幸さんと東海林さんの3人だった・・・・
課長「・・・・・・・・まぁ、選抜してある。と、その前に紹介しよう。どうぞ、こちらへ」
横の扉から現れたのは・・・ウリバタケさん?プロスさんまで・・・
入ってきたのはまぎれもない、顔見知りの2人だった。
冗談か?と思い目を擦っても錯覚ではなかった。
課長「紹介しよう。ネルガルからの派遣社員のプロスベクターさんとエンジニアのウリバタケ・セイヤさんだ。
この2人は皆が知っているナデシコと共に前線で戦っていた人たちだ」
一同『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
さっきの反応より、さらに強い反応である。
まぁ、横の3人の反応の原因は『ナデシコ』ではなくて『何故、2人がここにいるのか?』という疑問かもしれない。
美幸「アキト君は知ってたの?」
アキト「俺も知りませんでした。でも、このプロジェクトにネルガルが大いに影響しているのなら当然の事だと思います」
夏実「えへへへへへへへへへ」
それに、いい加減に正気に戻って下さいよ。夏実さん・・・・
東海林「プロジェクト?一体、何をするんです?」
ずるっといわんばかりに俺と美幸さんが傾く。
美幸「あの・・・巡査長?話、聞いてなかったんですか?」
東海林「いや、途中から分からなくなって・・・・」
この人、唯一の常識人だと思ってたのに・・・・
この後、美幸さんが省略して説明し終えたころにようやく会場が収まり始めた。
プロス「ふぅ〜では、いいですかな?」
課長「どうぞ」
プロス「え〜私は紹介にありましたプロスペクターと申します。プロスで構いません」
すると質問の声が上がった。
高木「しつも〜ん。それって本名ですか?」
プロス「いえいえ。ペンネームみたいなものですよ」
相変わらす、謎の多いおっさんだなぁ・・・・
セイヤ「俺はウリバタケ・セイヤ。ナデシコの整備長をやらしてもらってる」
プロス「さて、自己紹介はほどほどにして・・・本題に入りましょう。
ともかく、商談は迅速に早く、細かくコンパクトにしませんとね」
いつから商談になったんだ?
署員全員に冷や汗が流れる中、このオヤジは話を進める。
プロス「まずはプロジェクトの内容ですが・・・・
先ほど課長がおっしゃった通りに現在はロボット犯罪が多くなってきています。
それで対応しきれない軍に変わりネルガルが以前に没案となったプロジェクトと改良いたしまして発足した訳です。
その名も・・・・『MT計画』と呼称しております」
没案?そんなのあったかな?
プロス「そして、『MT計画』に参加しているのがここにいるセイヤさんなのです」
美幸「『MT計画』とは、ようするに警察にもエステバリスを配備するという事ですか?」
この質問を待ってたかのようにセイヤさんが立ち上がった。
セイヤ「ふっふっふっ。それは違う。
従来のエステはエネルギー供給ラインを超えると、バッテリー頼みになってしまうのが大きな欠点だ。
一流のエステバリダーならなんなくクリアする欠点だが、あくまでもそれは短期の作戦のみ。
長期戦となると供給ラインを超えると、断然不利になってしまう」
確かに・・・俺も一回目の時はその欠点に悩まされたもんだ。
それに、小型相転移エンジン搭載の機体じゃないノーマルのエステカスタムならセイヤさんの言った通りになる。
んじゃ、何を配備する気だ?
プロス「そこでネルガルの科学班と技術班が結集して新たな機体を作ったのです!!」
なにぃぃぃぃぃぃぃ!!
聞いてないぞ!!
美幸「アキト君!!」
アキト「俺にも内緒でよくも、まぁ・・・・」
美幸「本当に知らないみたいね」
東海林「Zzzzzz......」
夏実「新しい機体・・・・ふふふふふふふふふふふ」
傍から見れば不気味な集団である。
プロス「まぁこれを見て貰いましょう」
プロスさんが指をパチンと鳴らすと部屋が暗くなり映写機が作動する。
そこには機体のスペックが載ってた。
プロス「これが新たな技術!!MT(モビル・トルーパー)です!!」
プロスさんの言葉に反応しながらもう一度表示されているスペックを見直す。
−GT−A(グランド・トルーパー−アサルト)
MTの原型。MTシリーズの1番機。陸上用でエステカスタムとほとんど同じ性能。
だが、飛行能力は無い。基本カラーは緑。ディトーションフィールドは装備。
MTシリーズのエンジンは新型の『フルテクエンジン』を使用。
従来のエステの10分の1のエネルギーで可動する。
<装備> 57ミリ高エネルギービームライフル×1
頭部75ミリ対空自動バルカン×2
ニドール×1(左腕)<アルトアイゼン(スパロボimpact)の腕みたいなもの>
アサルドナイフ×1
−GT−B(グランド・トルーパー−バックアップ)
陸上型、中距離支援用のMT。中距離からの精密射撃を得意とする。
基本カラー:青 飛行能力:無 ディストーションフィールド:有
<装備> 57ミリ高エネルギービームライフル×1
頭部75ミリ対空自動バルカン×2
65ミリ中距離型ロングライフル×2<ジムキャノンのビーム・キャノンみたいなの>
ダブルガトリングガン×1(左腕)<ヘビーアームズより抜粋>
フルテクエンジン?そんなの聞いた事ないぞ!?
プロス「え〜それでは、『フルテクエンジン』と『MTシリーズ』開発責任者を紹介しましょう。入ってきていいですよ」
プロスさん達が入ってきた扉から1人の白衣の男が入ってくる。
俺の知らない男だ・・・・
プロス「ハクト・ロンド博士です」
ロンド「どうも」
外見はアカツキよりも少し長い銀髪にりりしい顔付き。身長もかなり高い。
一言で言えば・・・まさしく『教授タイプ』である。
その後、十数分の説明があった。
課長「それで、墨東署に配備されるのは3機だ」
ザワザワザワザワザワ
美幸「3機だけですか?」
プロス「まぁ・・・予算上ですかね」
課長「確かに他の署よりかは少ないほうだか、いたしかたあるまい」
3機だけ・・・テロでも起こったらどうするんですか?
起きるか分からないけど・・・・
美幸「・・・いつから配備ですか?」
課長「本日だが」
美幸「今日!?でも、そんなのどこにも・・・・」
この一言を待ってたかのようにプロスさんの眼鏡がキランと光った(ように見えた)。
プロス「問題ありません。全て計画通りです」
署員全員の頭の上に『?』マークが出現していた。
課長「まぁ、詳しいことは後日ということで・・・これから選抜メンバーを発表する。
尚、この部署を『特別機動部隊』と呼称し、選抜された人員は通常業務も兼ねる事となる」
夏実「どういう事なの?美幸」
いつの間に復活したんですか!?夏実さん
美幸「はぁ〜〜つまり、『特別機動部隊』に所属しているけど通常業務を行い、必要な時だけ『特別機動部隊』の業務を行うってこと」
夏実・東海林「「なるほど〜」」
あなたも分かんなかったんですか?東海林さん。
課長「では、発表する・・・まず、交通課 速水明人巡査」
おおおおおおおおおお
一同の視線が俺に集まる。・・・俺に平穏は無いのか?
作者『ありません』
何か聞こえたな・・・・(汗)
課長「次に同じく交通課 辻本夏実巡査 東海林庄司巡査長」
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
かなり驚きの視線が一斉に集まる。
署員「おいおい。大丈夫か!?」
署員「ああ・・・巡査長ならともかく辻本が・・・・」
署員「絶対、何かやらかすって!!」
署員「くわばら、くわばら」
言いたい放題だな・・・・
夏実「えへへへへへへへへへへへへ〜〜〜〜」
こっちはこっちで浮かれ顔がさらにパワーアップしてるし・・・・
美幸「はぁ・・・かなり心配だわ」
ごもっともで。
東海林「アキトさんはともかく俺達まで・・・大丈夫っすかね?」
アキト「さぁ・・・でも、俺も墨東署の中から選ぶならまず2人は外しません」
美幸「ほら、『あの』アキト君がこう言ってるから大丈夫じゃないの?」
東海林「そうっすね」
課長「尚、オペレーターとして交通課 小早川美幸巡査が就任してもらう。
これにて会議は終わりだ。選抜メンバー以外はそれぞれの業務に戻ってくれ」
ザワザワザワザワザワザワザワザワ
一向に騒ぎは止みそうにないようである・・・・
課長「早く持ち場につかんかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
こうして会議は終了して俺達は課長室に呼び出された。
血管、切れますよ課長。
−墨東署 交通課 課長室
ここにいるのは俺と夏実さん、美幸さん、東海林さんに課長。
そして、プロスさんにセイヤさん、そしてロンド博士だけだ。
交通課は総動員で警邏中である。ちなみに課長命令でデスクワークの人達も・・・職権乱用ですよ。
ユリカの『職権乱用』よりかはマシですけど・・・・
プロス「さて・・・聞きたい事があるんでしょテンカワさん」
そうプロスさんが沈黙をやぶった。
アキト「ええ、山ほど。まずは・・・俺に平穏は無いのか!?」
プロス「あるわけないじゃないですか」
プロスさんが即答で切り捨てる。
美幸「ひどい・・・・」
それ、俺の台詞ですって・・・・
アキト「それに『フルテクエンジン』って何ですか!!」
ロンド「それは私が説明しよう。おおよそは先ほどの会議で言った通りだが・・・我々も解明しきれてない」
我々?しきれてない?・・・もしかして。
美幸「もしかして、開発したのはあなた達、ネルガルじゃないんですか?」
俺の台詞・・・・
夏実「どういうこと?MTってのを開発したのはネルガルでしょ?」
東海林「そうですね・・・おかしいっすよ」
プロス「あなた達には真実を語らなければなりません・・・・」
そう言ってプロスさんは立ち上がり窓際に移動して窓を見つめるような状態で語りだした。
プロス「あなた達は極冠遺跡を知ってますか?」
美幸「ええ・・・一応、耳に挟んだ程度ですけど・・・・」
夏実「あれでしょ!!戦争の原因ってなったヤツ!!」
まぁ、当たらずも遠からずってことだな・・・・
プロス「終戦後、遺跡調査に乗り出した我々ネルガルと木連の有志で行ったところ・・・さらに地下に新たな『遺跡』を発見したのです」
一同(セイヤ、ロンド除く)「「「「「!!」」」」」
アキト「俺、そんな事聞いてませんよ!!」
プロス「そうでしょうなぁ・・・終戦直後、テンカワさんは何者かに拉致されたんですから」
そうだった・・・・
そう思い、俺はガクーンと肩を落とす。
美幸「アキト君・・・生きてれば良い事あるわ、絶対!!」
夏実「そうよ、そうよ」
ありがとう。2人とも・・・・
東海林「でも、アキトさんならそいつらを倒せるんじゃないんっすか?」
課長「おお、そうだ。なんせ『漆黒の戦神』なんだからな」
アキト「・・・聞かないで。お願い・・・・」
涙ぐんで頼む俺。だって、彼女達に歯向かえないんだもん!!
プロス「まあまあ。彼にも都合というものがありまして・・・・」
セイヤ「うんうん。確かに連中は強敵だな」
東海林「テロ組織か何かですか?」
ある意味テロ組織だな『彼女達』は・・・・
プロス「まあ、話がそれましたが・・・発見した『遺跡』を『マーズクレイドル』と呼称し直ぐに調べました」
ロンド「そう・・・そのマーズクレイドルを調査した我々は『ある物』を発掘したのだ」
アキト「ある物?」
プロスさんがこっちを振り向いて言った。
プロス「『機動兵器』ですよ。しかも4体・・・・」
一同(セイヤ、ロンドを除く)「「「「「!!」」」」」
セイヤ「その前に『実物』を見せた方が早くないか?」
実物・・・・?
プロス「そうですね。課長さん、お願いします」
課長は頷いて席を立ち課長の机の表面をカパッと開けてパネルを触りながら・・・・
課長「交通課課長だ」
AI『指紋、音声承認。課長ト認識。ドアロック解除シマス』
すると本棚がずれて大きな入口が出てきた。
夏実「こ、これは?」
プロス「はい。音声、ならびに指紋照合で地下に通じるエレベータが登場します」
セイヤ「どーだ。俺の自信作だぜ」
あんたの仕業がい!!
俺達はエレベータに乗り込んだ。
広さは大人8人だが、少しだけスペースがある。
セイヤさん曰く『10人までOK』だそうだ。
−機動部隊基地 作戦室
よくもまあ・・・セイヤさん、言っとくけどエレベータはバンジーと違いますよ。
あれは『降下』じゃなくて、まさしく『落下』そのものだった。確かにあっというまに着きましたけど・・・・
皆がセイヤさんを非難している。
唯一非難していないのは東海林さんだけだった。理由はロッククライミングでなれているとかないとか・・・・
あっ、ロンド博士は目回しているし・・・・
セイヤ「いや〜ちょこっと失敗、失敗」
一同『ちょっとどころぢゃなぁぁぁぁぁぁぁい!!』
ドガッバキッボコッグニョベキッ
セイヤさんへの『修正』も終わり本題に入る。
プロス「こほん・・・さて本題に入りますか・・・・」
ふどころに『チャカ』をしまいながらプロスさんが切り出す。
それと同時に皆さんも『獲物』をしまいこむ。
ちなみに、セイヤさんはスパナ(某宇宙旅行会社の社長の娘愛用)でロンド博士が注射器(青酸カリ+某同盟3人による、とあるサンプル)。
課長が始末書(夏実さん達が今まで書いたヤツ)夏実さんが(釘)バット美幸さんがtoday(ひき逃げ)だった。
ちなみの東海林さんは参加していません。
ロンド「あれを見て下さい」
ロンド博士が指したガラス張りの窓の外が突然ライトアップされて『ある物』が目に入った。
夏実「これは・・・・」
美幸「うそ・・・・」
東海林「うわぁ・・・・」
アキト「これは・・・・」
そこにあったのは見た事のない機動兵器―アーバレスト似(メタリックグレー)―が4体並んでいた。
プロス「そう、これが発見された機動兵器そのものです」
そのもの―――って、まさか・・・・
アキト「こんなのが『遺跡』から!?まるで新型じゃないか!?
それに、そんなのが何故ここに?ネルガルなら研究のサンプルといって研究するでしょうが」
プロス「まあまあ。1つ1つ、お答えしましょう。
まず、初めの質問ですが、本当の事です。我々だって驚きましたよ。新品同様なのが古代遺跡の奥深くから出てきたなんて」
夏実「でも、ボソン・・・なんとかってのは古代遺跡の技術なんでしょ?」
美幸「それを言うならボソンジャンプよ。まあ、確かにあれもオーバーテクノロジーだけどね」
ロンド「確かに小早川君が言う通りに、ボソンジャンプは我々にはオーバーテクノロジーとして解明しきれていない。
だが、今回発見されたコレは別物だ。いくらオーバーテクノロジーといっても解明がまったくできていない」
東海林「どういうことっすか?」
東海林さんがコーヒーを持ってきて質問する―――っか、あんたは何やってんの!?
東海林「お茶入れっす。難しい話なもんで・・・・」
そうですか・・・・っていうかナレーション(アキト心境)に話しかけんな!!
東海林「気にしない〜気にしない〜♪」
ああ・・・唯一の常識人が・・・・
セイヤ「それは俺が答えよう」
あっ話が戻った。セイヤさんの切り出しに一同が必死に聞き入る。
セイヤ「ボソンジャンプの研究には詳しくは知らんが
古代文字で少しの文献が100年ぐらい前に発見され、それを木連が解明したものを基本としている。
問題はこいつだ。これを発見した区域で完璧な文献らしき物を発見したんだが・・・・」
美幸「解明できなかった」
ロンド「90パーセント当たりだ」
夏実「残りの10パーセントは?」
ロンド「解明できた事にはできたんだがな・・・・」
アキト「何か問題が?」
セイヤ「大有りだよ。話じゃ解明された部分は全て現代文字だったんだよ。
それに、解明できない部分の文字は今までの古代文字の例がまったくない」
一同(ネルガル関係者除く)「「「「「!!」」」」」
プロス「皆さんが驚くのは無理もありません。当初は我々も驚きましたから」
課長「何か大事になってきたな・・・・」
今更言わないでください課長。
美幸「解析した文献には何と?」
ロンド「主にこの発見された機体のスペックと簡単な説明。そしてフルテクエンジンの構想等だ。まぁこれでも一部なんだがな」
フルテクエンジンと聞いて驚くのは誰もいなかった。
まぁ確かにココまで聞いて想像していないヤツはかなりの馬鹿だろう。
美幸「まって。おかしいわ。
何故、エンジンの構造だけなの?」
ロンド「分からない。だが、私はそのフルテクエンジンを我々が開発途中だったMTに搭載したところ・・・不思議にも一致したんだよ。
MTの心臓部と機動系接続等に。抵抗も無く」
一同「「「「「!!!!」」」」」
次の瞬間に俺達は言葉が無かった。
セイヤ「ロボット開発のプロでもある俺でも信じ難い事だったんだぜ。
古代遺跡のエンジンが現代の・・・しかも開発中の機体に一致するなんて・・・・
まあ、俺が驚いたのはこんな事が2回目だったからだ」
前回の原因は俺でしたね・・・・
夏実「2回目?」
美幸「セイヤさんが前回も遭遇した事なら何らかの手がかりがあるでしょ?」
プロス「確かに・・・私もセイヤさんと同意見で2回目なんですが・・・・」
一瞬、俺をチラっと見て一言。
プロス「手がかりが無いと言ったら嘘になりますが、確証がありません。なんせ・・・相手は『古代遺跡』ですから」
話を無理やり終わらせるプロスさん。
確かに前回と同じならその遺跡は・・・いや、そんな事はないだろう。
戦争が終結してからそのような反応は出ていないと聞くし・・・・
プロス「さて、2つ目の質問の答えですが・・・簡単です。あなた達3人にはこの機体に乗ってもらいます」
夏実「やっぱり・・・・」
美幸「もう、分かるわよ。プロスさん」
東海林「へぇ〜」
課長「お前ら、少しは緊張感を出さないと相手に失礼だぞ」
もう、驚き疲れててんな〜
プロス「・・・これを見て下さい」
半分、呆れてたプロスさんが机に広げたのは数枚の写真だった。
それを皆で囲って覗き込む。
アキト「!!!!」
夏実「アキト君?どうしたの、顔色が悪いわよ」
そう・・・俺が驚いたのは写真に写っている黒い機体のせいだった。
美幸「こ、これは・・・・」
東海林「美幸さん。知ってるんっすか?」
美幸「ええ。『漆黒の戦神』テンカワ・アキトの前の愛機、『ブラックサレナ』と似ているわ」
そうだった。微妙に形は違うがそれは『ブラックサレナ』だった。それも写真で写っているだけで5機。
プロス「ほぉ。ブラックサレナをご存知とは・・・見直しましたな。やはり、スカウトしとけばよかったですな」
後日談、夏実さんと美幸さんの2人にネルガルからスカウトが来ていたらしいが交通課の方が楽しいと拒否したらしい。
美幸「いえ・・・ただ、ネットサーフィンしてて、ナデシコのコアな情報が掲載している面白いサイトを発見しまして、そこで・・・・」
「ほぅ・・・・」と呟きながらプロスさんの眼鏡がキラリと光る。
プロス「ちなみにサイト名は?」
美幸「え〜っと、たしか『某組織開放区域〜TA抹殺委員会の心の広場〜』でした」
俺とプロスさんの白い視線が1人の人物に向けられたのは言うまでもない。
夏実「いかにも怪しいサイトだねぇ〜」
美幸「まあ、翌日には消滅し・・・データをDLしていて正解だったわ」
・・・視線をぶつけていた人物が視線だけで消滅したのは言うまでもない。
東海林「それで、この機体か何なんです?」
ロンド「写真の現場はとある小さな島国だ。そこを突如その機体5機が攻めてきた」
課長「写真からでも、そうとしか言いようがないですな」
プロス「攻められてから1時間後、この国の軍事施設が壊滅。連邦軍、統合軍共に増援を出しましたが・・・・」
夏実「無理だったのね」
ロンド「戦局は一方的に軍が不利となった。そこで軍は1つの強攻策に出た」
美幸「まさか・・・・」
プロス「その、まさかですよ。軍は所有している108発の核弾頭ミサイルを島国に発射しました。
結果は・・・・」
ロンド「島国は消滅。残ったのはサレナモドキの5機だけだった」
美幸「ひどい・・・・」
夏実「ナデシコは!?ナデシコは一体何していたの!?」
プロス「ナデシコに情報は入ってきませんでした。
軍のトップがこの事を揉み消したんですよ」
一同(セイヤ、ロンド除く)「「「「「!!」」」」」
プロス「まぁ真実を知ったのは、後日たまたまハッキングしていたら真実があったというオチですよ」
十分なオチですな・・・しかも、ハッキングかい!!
夏実「まぁ、何ともいい難い・・・・」
東海林「え?美幸さんもやってることじゃないですか?」
美幸「巡査長しー!しー!!」
口に人差し指を立てて『だまって』という合図を出す。
課長の視線が美幸さんを直撃しているのも言うまでもない。
プロス「しかも、この機体の事が文献にも記名されていたんですよ」
一同(セイヤ、ロンド除く)「「「「「!!!!!!」」」」」
アキト「それは、『予期されていた事』という事ですか?」
課長「ふむ、普通ならそうだろうな」
美幸「新型の機体・・・未完成の機体に一致する謎のエンジン・・・そして『予期されていた事』・・・・」
夏実「話が大きくなって分かんないけど分かった事があるわ!!」
突然、爆弾発言する夏実さん。あなた、馬鹿じゃなかったんですね(酷)。
美幸「夏実・・・いい加減な事を言うと・・・・」
美幸さん、怖いから目を細めないで。この部屋の室温が5度下がった気がした。
セイヤ「なんか、怖いな・・・あの目つき見たことないか?」
セイヤさんが俺だけに耳打ちしてくる。確かに・・・あれは『彼女達』の目だ。
夏実「つまり・・・結果から言うとあの4機の新型はサレナモドキを倒すために造られて、
私達はそれに選ればれた勇者なのよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
一瞬、寒かった。
一同が唖然と呆けている。ちなみに美幸さんは何かを準備し始めているが・・・・
東海林「そうだったんですか!!流石は夏実さん!!」
あんたも馬鹿だ!!
しかし、このバカップルに動じない人がいた。
プロス「大よそは夏実さんが予想した通りですよ」
アキト「は?勇者がですか? 」
プロス「違う!!・・・こほん、我々も推測する限りあの機体は夏実さんが言う通りにナレナモドキに対抗するために造られたと思います」
セイヤ「確かにな、それを裏づけするように俺達にはあの機体は動かせられないから」
美幸「どういう事ですか?」
ロンド「機動実験をしようとパイロットを搭乗させ試みたのだが、まったく動かなかった。
いや、それ以前に音声認識で個人データが既に登録されていたみたいなんだ」
夏実「んで、それが私達〜♪」
プロス「・・・くやしくもそうです。そして、私達は前々からテンカワさんが計画していた脱出計画に兼ねて我々も動いたのです」
セイヤ「だから。俺達が無事なのか」
納得です。
セイヤ「まぁ、取り合えず機動実験はできなかったが・・・これからすればいいし、機体にはこっちで追加装備もつけた。
オプションパーツも開発中だ。詳しくは・・・・」
それ以上、言葉は続かなかった。何故なら・・・・
AI『軍ヨリ警視庁ニ入電。東京湾ネルガル所属第7番倉庫ガ襲撃』
前の巨大モニターに現場の地図が表示される。
プロス「いけない!!あそこにはナデシコが停泊しているんです!!」
アキト「今、ナデシコは確か北欧にいるって・・・・」
セイヤ「それはダミー情報だ。万が一のためにナデシコの武装を強化していたんだ」
課長「現在の状況を提示しろ」
AI『現在ノ戦況ハ、現存ノ敵ガ3機。撃破数2機。
ナデシコノ機動率50%以下ニ低下中。現存見方機1機』
何だって!!あのナデシコが・・・・
プロス「ナデシコのエステバリス隊は?」
AI『記録ニヨルト出撃後、20分内ニ出撃シタエステバリス撃破。残存機体ハ『ダリア』ト判明』
アキト「ダリアの状況は」
AI『4機ニ囲マレ機体破損率46%。状況ヨリ5分後ニハ撃破サレル可能性96%』
アキト「ダリアがいるってことは優華部隊は?」
プロス「いえ・・・シャクヤクは現在ドック入りでして。動かせられないと・・・・」
セイヤ「エステだってオーバーホールしている機体もあったからな。くそっ!!裏をかかれた」
夏実「そんな事より。相手がサレナモドキなら私達の出番でしょ」
課長「そう言ってもなぁ・・・・」
アキト「迷っている暇はありません。セイヤさんマニュアルは?」
セイヤ「マニュアルは無い。とりあえず搭乗しろ、それから説明する」
東海林「と、とりあえず搭乗しましょうか?」
セイヤ「右から1号機、2号機、3号機、4号機だ。1号機にはアキト、3号機には夏実ちゃん、4号機には東海林が乗れ」
アキト「2号機は?」
セイヤ「搭乗者がココにいない。俺達はあの『ジェイローダー』で追いかける」
こうして俺達はそれぞれの機体に乗り込んだ。
−1号機 コックピット
俺は座席に座り胸当て―アーバレストのコックピットの胸当てのような物―を下げてヘッドギアをつける。
AI『声紋チェック開始。所属、姓名、階級ヲ』
え?所属、階級?えっと・・・・
アキト「墨東署交通課、速見アキト巡査」
AI『・・・・・・・』
モニターには照合中と出ている。まずかったかな?
AI『パイロット。テンカワ・アキトト確認。機動開始』
その時、ヘッドギアからマニュアルの情報が脳に流れ込んでくる感じだった。
でも・・・なんだが気持ち悪くない。この機体、俺に会っているのか?
セイヤ『アキト、大丈夫そうか?』
アキト「ええ、無事に起動しました」
セイヤ『よし、いまからこの経路を使って射出する。他2機をサポートしてくれ』
アキト「了解した。夏実さん東海林さん、聞こえますか?」
俺の声に反応して2つのウィンドウが開く。
夏実『何とか起動したわ』
東海林『こっちも大丈夫です』
美幸『全機、起動したわね。射出ルートは12番ルートを使うわ。それと隊長機はアキト君で文句無いわね』
アキト「了解」
当然だよな・・・・
夏実『意義なし。早く行こうか』
アキト「フェイスシフト作動」
夏実・東海林『『フェイスシフト作動』』
メタリックグレーが白を基本とした色に変わっていく。
美幸『んじゃ射出するけど頑張って。先に言ってるわ』
ジェイローダーは専用に射出口から発進していく。
アキト「これが2人にとっては始めての戦闘だ。それにこの機体は謎に包まれている。
無理はするな。可能な限りだけで行動しろ」
夏実・東海林『『了解』』
アキト「俺の発進後、夏実さんが10秒後、さらに東海林さんが10秒後発進だ」
夏実・東海林『『了解』』
アキト「発進する!!」
俺の機体の上が開いて発進していく。―エヴァの発進と同じ―
これが俺達の初戦だった。
to be continued
この作品はフィクションです。実在の原作・人物・団体・事件なとには、一切関係ありません。
−脅威!!レギュラーとなった作者お気に入りキャラによる座談会−
ワーワー パフパフ グチュグチュ ゴキッ
作者(以下:作)「またもや、始まったこのコーナー」
アキト(以下:ア)「始まったのか・・・・」
北斗(以下:北)「なんか嫌そうだな」
零夜(以下:零)「その割には北ちゃんは楽しそうに見えるけど」
北「ここでしか、今のとこは出番がないからな」
零「そういえば・・・テンカワさんは3本とも出演しているんですよね」
ア「でも・・・噂では『逮捕』と『SEED』には北斗も出演するって・・・・」
作「『SEED』はだいぶ先の話だがな」
北「でも、俺達の機体ぐらいはできたんだろうな?」
作者に凄む北斗と零夜。
作「それはまあ・・・問題が発生しまして・・・・」
ア「問題?」
作「うむ、アキトと北斗の機体のアイデアはもらったのだが・・・強すぎる」
一同「「「は?」」」
作「今日(土曜)本編を見ていたら、ふと『このままじゃアークエンジェル部隊が最強以上になって敵がいなくなくなる』ってね」
ア「確かに・・・・」
北「それをどうにかするのが作者だろ?」
作「うむ・・・・そこで俺は1ヶ月、修行の旅(缶詰ともいう)をやろうと思っている」
ア「という事は・・・・」
作「1ヵ月間、ココ(Action)にアクセスできないという事だ(ネットカフェなので)後は突っ込まないで」
零「身勝手ですね」
北「次にアクセスは9月か?」
作「その頃には10話以上は更新できると思う。宿題と免許教習が予定内に終われば・・・・」
ア「いろいろ、あるんだな?」
作「苦労を知らないのは君達だけだよ」
北「少しは次回の予告ぐらいはしたらどうだ?」
作「次回の『逮捕』は何故、北斗だけが残っているのか?という事なのでナデシコ視点でお送りしたいと思います。
『パラレル』は指摘がありまして、『AI止ま』の軽い説明を入れた戦闘シーンになると思います。
『SEED』は結構好評のようなので、地球編までバーッと書きたいとこなんですが、途中でアキトにはとある人物と出会いが必要なのです。
以上、予告終わり!! それではまた・・・」
作・ア・北・零「「「「約1ヵ月後次の話で!!」」」」
管理人の感想
TAKUMAさんからの投稿です。
なんだか話が大事になってますね。
・・・これから犯人逮捕ではなく、戦闘になるというのに軽いノリの夏美達が浮いてます(汗)
いくら警官とはいえ、いきなり戦闘に向かえと言われると、反発くらいしそうなんですがね?
ま、その辺は話の都合上仕方がないとして(苦笑)
何やら謎の予言に謎の敵に謎の機体と、謎のオンパレードですな。
今後、どのような展開が待っているのか、一ヵ月後を楽しみにして待っていますね。