・・・・・闇・・・・・
それは心を惑わす物・・・・
・・・・・絶望・・・・・
それは地獄への道・・・・
かつて神はこの世を地獄へと変えるパンドラの箱を残した・・・
しかし神はその中に希望も残していたのだった・・・・
そして・・『彼』はその希望なのかもしれない・・・・・
この世でたったひとつの・・・
機動戦艦ナデシコ
Hell or Heaven
プロローグ
宇宙・・・
それは永遠なる謎を持つ物・・・・そしてその宇宙には二つの白く、美しい白馬がいた・・・漆黒の宇宙にはあまりにも似つかわしくないものである・・・・いや、宇宙が似つかわしくないのかもしれない・・・・
時は西暦2206年
三ヶ月前、「火星の後継者」といわれるテロリストの反乱があり、世界は不安に陥っていた・・・しかしかつて戦争を終わらせた「機動戦艦ナデシコ」の後継機である「ナデシコC」の活躍によりテロは失敗。「火星の後継者」の総帥であり、かつては実質的木連のNO.1であった草壁春樹を逮捕し、戦いは終止符を告げた・・・・
しかし「火星の後継者」の残党は海賊行為を行い、今でも再決起の準備をしていた・・・かつて草壁春樹が夢見た世界を・・・・
しかしここで忘れては困る・・・世界、いや、彼は決してそれを許さないであろう・・彼の復讐が終わるまで・・・・
漆黒の宇宙で二つの戦艦がイタチごっこの用にチェイスしていた・・・・ひとつは「火星の後継者」のテロを防いだ「ナデシコC」・・・・・・ではなくその前の「ナデシコB」である・・・・・・・そしてもうひとつが数々のコロニーを沈め、今は「火星の後継者」の残党を狩っている「ユーチャリス」である・・・そしてそれに乗っているのが彼である・・・
『アキトサン!!お願いです、戻ってきてください!!・・』
星野ルリ
「電子の妖精」といわれる連合軍史上最年少の美少女艦長であり、彼の義娘でもある・・・彼女にとって彼は最愛なる人なのである・・・
『もう「火星の後継者」は全員逮捕しました!ですから帰ってきてください!』
そう、「火星の後継者」は数ヶ月前に全員逮捕されたのである。だから彼の復讐は終わったのである・・しかし彼は自分自身を許せないのである・・・
「俺は今や犯罪者だ・・この汚れた手で君や、あいつを触れない・・・だから俺は消える・・この世から・・」
『・・また・・置いていくんですね・・・あの時のように・・・・』
彼女はもう二度と失いたくないのである・・・
『でもせめて、せめてあの人とは、ユリカさんとは・・・・・!!』
「ラピス、ジャンプの準備を頼む」
彼はルリの言葉を聴かずに一人の少女に言った・・・
「うん、わかったアキト」
そう、彼こそが最愛なる人を守るため、そして自分の人生に追い込んだ人々に復讐をするために生きた男・・・・
復讐鬼 テンカワ・アキト、その人である。
「ルリちゃん、俺はもうユリカとは会う気は無い・・それに俺の命はもう・・・・」
アキトは知っているのだ。もう彼は長くないと・・・・
『でも・・・でもせめて一目会うだけでも!・・』
ルリの気持ちは揺るがない・・
「もう君と会う事は無いだろう・・・」
「アキト、ジャンプの準備できたよ」
「ありがとう、ラピス」
ラピス・ラズリ
宝石の名を持つ少女。彼女もルリと同じマシンチャイルドであるが「火星の後継者」達の実験のせいであまりにも悲惨な過去を持つ小女である。彼女はネルガルの研究所から「火星の後継者」にさらわれたがアキトに救われたのである。それ以来彼女はアキトのことを命の恩人以上に想っているのである・・
「ラピス、ちょっとおいで・・」
アキトはラピスを呼んだ
テクテクテク・・・・
なんとも可愛らしい歩き方である
「よく頑張ったな、もうこれ以上俺に関わんなくていいんだぞ」
それの言葉はもうラピスいらないと言う意味である・・
「・・どうして?!アキトはもう私がいらないの!?」
ラピスは半狂乱になりながらアキトに迫った・・・
「そんな事は無い・・でもお前は本当なら普通の女の子なんだ。俺の復讐に付き合ったせいでこうなったんだ・・・・これ以上俺と一緒にいると戻れなくなる・・今なら遅くない、地球へ戻れ」
アキトはもうこれ以上ラピスを巻き込めなかった・・・・
「やだ!!私はアキトの目、アキトの足、アキトの手、アキトの、アキトの・・・・・・・・・」
ラピスは呪文のように自分の存在価値を述べた・・・・・・
「ひっく、だから、ひっく、捨てないで・・・・アキト」
ラピスはアキトのマントにしがみつき。顔がぐちゃぐちゃになる程泣き喚いた・・・・アキトは彼女にとってただ一つの存在理由なのだ・・・・
「・・・・・・・・・わかった・・・・・・・・・」
アキトはあきらめた
「本当?」
ラピスはうるうるな目でアキトに聞いた
「あー、本当さ」(ニコ)
アキトは即答しながら十八番の「テンカワスマイル」を炸裂した
「・・・・・・ポッ・・・・・」
ラピスは顔をトマトのように赤くしながらアキトに見ほれていた・・・(恋する乙女はつらい)
「じゃあ、ラピス、俺はルリちゃん達を止めてくるから先にジャンプしといてね」
「で、でも・・・」
「大丈夫、俺もすぐに追いつくから・・・場所はダッシュに任せてあるから・・・・」
ダッシュ
ユーチャリスのすべての機能を管理している人工知能を搭載したAIである。ナデシコシリーズのオモイカネとはいわゆる兄弟関係なようなものである。
「・・うん、わかった・・・」
ラピスは頷いた
「よし、じゃあ行って来るよ・・・」
アキトはラピスの頭をやさしく撫でながら立ち、そして自動ドアの方に歩いていった。そしてそれをラピスは心配そうな顔で見守っていた・・・・・
プシュー
自動ドアが開き、アキトは格納庫のほうへ歩いていった・・・・・それを見てラピスは彼女専用の座席に座り、アキトの帰りを待った・・・・しかしこの時ラピスは知らなかったのだ・・アキトが一体何を考えていたのかを・・・
カツン、カツン、カツン、カツン・・・・
軍靴のような音を鳴らしながらアキトは格納庫へ向かっていた
カツン、カツン、カッ・・・・・
しかしどうした訳かアキトは途中で止まってしまった。そしてこう言った・・・・
「ダッシュ・・・ラピスと・・・後は頼むぞ・・・・」
<Yes、 Master>
ダッシュは薄黒いウィンドウにそう表示した・・・・
<I hope we can meet again・・・・>
ダッシュはまるで知っているかのように言った・・・・・
「それは・・・無理だろう・・・」
アキトは苦笑しながらそう答えた・・・
ようやくアキトは格納庫に着き、そして見上げた・・・・
彼の愛機、ブラックサレナを・・・・
「ユーチャリスからエステバリス発進を確認しました!」
ナデシコBブリッジ・・・・
そこにはナデシコBの意思決定機関であり、艦長でもある星野ルリ、その補佐官であり、副長であり、エステバリス隊隊長でもある高杉三郎太大尉、そして副長補佐であり、オペレータであり、そしての○た君より不幸と言われ(笑)、「幼き不死者」といわれるマキビ・ハリ少尉達がいた
「識別出ます!・・・ネルガル重工製可変型追加装甲エステバリスカスタム、先行試作機『ブラックサレナ』です!!」
「アキトさん・・・・・・」
ルリは機体の名前を聞いて、ふとアキトの名前を呼んだ・・・・・・
「どうします・・・?」
三郎太がルリに聞いた・・・ルリの決定で三郎太の道は決まる・・・・
「高杉大尉、すぐにエステバリスで発進し、テンカワ・アキトを逮捕してください・・多少攻撃してもかまいません」
「了解!!」
三郎太はすぐさまブリッジを出て格納庫へ走っていった・・
「ハーリー君、ナデシコBを発進させてください・・・・ついでに捕獲用のアンカーも準備しといてください・・」
ルリは次にハーリーに司令を出した・・
「了解」
誰からも見てもハーリーはルリのためにアキトを捕まえようとしているように見えるが本心は違った・・・・・
(何で僕があの恋敵を捕まえなきゃいけないんだ。これじゃいっそう艦長の気持ちがあいつに傾くじゃないか・・・ここで本物のアンカーを出して殺(や)っちゃおうかな〜でもそれじゃ艦長に一生振り向いてもらえないし、どうしよう?あ〜あ、三郎太さんが倒してくれないかな〜・・・・)
・・・・・聞かなかった事にしよう(汗)・・・・
その時・・
ビッー!ビッー!ビッー!
突然、警報が鳴り始めた・・
「ユーチャリス周辺にボソン反応!」
女性オペレータの報告でルリはふと考えた・・・
(なぜユーチャリスをボソンジャンプさせるのだろうか?そうなればアキトさんは私達に捕まることになるのに。それは、アキトさんだってわかっているはず・・・)
ルリのその事に疑問しながら冷静に指揮をしていた・・・
「ユーチャリス、ボソンジャンプします!艦長、追いかけますか?!」
ハーリーがルリに追いかけよと説得(?)するが・・・・
「かまいません。今はテンカワ・アキトの逮捕が最優先です・・その後でも確保できます」
ルリはあくまでアキトの事を考えていた。その後ろでハーリーは残念そうな顔でユーチャリスを見つめていた(もしこれがあの人の作品だったら即刻お仕置きだろう(汗))その後、ユーチャリスはボソンの光に包まれナデシコBの前から姿を消した・・・と、思ったその時!!
「!?・・・・ナデシコ後方からボソン反応!?」
突然オペレータからの報告でブリッジの全員が手間取った・・・それはルリも同じである・・・
(新しい敵!?まさか「火星の後継者」の残党!?)
ルリは手間取ったが即座に頭の回転を切り替え、適切に、かつ迅速にブリッジに指示を与えた・・・
「エステバリス隊はテンカワ・アキトの逮捕を最優先!ハーリー君、攻撃準備!」
「もう完了しています!」
ナデシコBは180度回転して、グラビティーブラストの砲身をボソンジャンプした物体に向けた・・・
「識別出ます!!・・・・えっ!?」
オペレータが何かに驚いたようである・・・
「どうしました!?」
ルリはすぐにオペレータに聞いた・・・・
「こっ、これは・・・・・・・ユーチャリスです!後方の敵はユーチャリスです!!」
その瞬間、ブリッジはざわめいた・・・・しかしルリすぐに指示を出した・・・
「ハーリー君!!すぐにアンカーを発射してください!!」
「でっ、でもアンカーはテンカワ・アキト用の捕獲アンカーですよ!?ここで使ったら・・・・・」
「早く!!」
ハーリーはすぐさまアンカーを発射し、そしてアンカーは見事にユーチャリスの最先端の部分に突っ込んだ。それもくっきりと・・・ユーチャリスは何とか離れようとしたがアンカーが完全に最先端の部分に突っ込んでいたため、離れられなかった・・・・
(何で後方にジャンプしたのだろう?)
ルリはふと疑問に思った。ボソンジャンプは、完全に通常空間に戻るまでにかなりのタイムラグを生じる。それ上、ボソンジャンプでの奇襲は実にゆう『諸刃の剣』なのだ。戦艦ならなおさらである。それはユーチャリスのオペレータだってしているはず。ルリはそんな事を考えていたその瞬間・・・・・
「艦長!!ブラックサレナから通信です!!」
オペレータからの報告でブリッジは沈黙した・・・
「・・・出してください・・・」
ブンッ!!
スクリーンに映し出された男こそ星野ルリがただ一人愛している男、テンカワ・アキトである・・・・
『・・・・・どうやらユーチャリスは無事捕まったようだね・・・・・』
ルリはアキトの言っていることがわからなかった・・ただわかっているのがアキトはもう逃げられない・・という事だけだ・・
「アキトさん・・もう逃げられません。投降してください・・・」
ルリは素直に聞いた。しかし・・・・・
『・・さっきも言っただろう。もう戻れないと・・』
あくまで戻る事を拒否するアキト
「手荒な真似をしてでも投降してもらいます」
ブラックサレナの周辺に三郎太率いるエステバリス隊が囲んだ
『もうあんたの周りは囲んだよ。もうあきらめたらどうだい、黒い王子様(ハート)』
三郎太はそう言いながらジョジョにブラックサレナとの距離を詰めていった・・・・
『テンカワ・アキト。あなたを逮捕します』
ルリは三郎太が放った言葉を聞いてほっとした。これでやっと終わると・・・・しかし、その瞬間・・・・・
ビッー!ビッー!ビッー!
突然警報が鳴り始めた・・・・・
「ブラックサレナ周辺にボソン反応!!」
ルリは混乱した・・・・
「このままではブラックサレナはジャンプします!!」
その瞬間、ルリはわかった。なぜユーチャリスが後方にジャンプしたかを・・・・
「三郎太さん!!全速力でブラックサレナを捕獲してください!!」
ルリはすぐに三郎太に指示を出した・・・・
『了解!!』
三郎太はすぐさまブラックサレナに突進した。彼もわかったのだろう・・・
「いっ、一体どういう事ですか!?」
ハーリーは未だにわからなかった
「・・・・・アキトさんは最初から一人で消えるつもりだったんです。誰も巻き込まず、誰にも干渉せず・・・・」
ハーリーはルリの言葉を聞いて気付いた
「じゃ、じゃあユーチャリスを後方にジャンプさせたのはオペレータを僕達に保護させようと・・・」
「そういう事です。あの人らしいやさしさです・・・・・」
その時、突然ウィンドウが開き、アキトに叫ぶ少女がいた・・・ラピスである・・・・
『アキト!アキト!どうして!?連れてってくれるって言ったじゃん!』
(彼女がアキトさんのパートナー・・・・私と同じ目・・・・彼女は私が知らないアキトさんの過去を知っている・・)
ラピスは涙を流しながら必死でアキトに叫んだ。そしてそれを見ながらルリは嫉妬に似た感情をふきだしていた・・・
『ごめん・・ラピス。やっぱり俺はお前を巻き込めない・・』
あくまでも他人を巻き込みたくは無いアキト・・・それはラピスにも同じである・・・・
『どうして!?やだよ!!やだよ!!私はアキトと一緒にいたい!!アキトが必要なの!!』
必死で叫ぶラピス
『俺と一緒にいれば必ず不幸になる。お前には幸せな人生を送ってもらいたい・・・』
この世でアキト一人がラピスの将来と人生を心配しているのである・・・
『やだよ!!ひっく、やだよ!!じゃあ、私は、ひっく、どうやって生きればいいの!!』
ラピスは顔がぐちゃぐちゃになりながらアキトに叫んだ・・・・
『大丈夫・・・ルリちゃんとユリカがお前を見てくれる。それにエリナだっている・・・』
そう言いながらアキトはジャンプの準備をした・・・しかしやはりあきらめないラピスである
『やだ!!私はアキトといたい!!』
ラピスはアキトを止めようとユーチャリスを動かそうとするがナデシコのアンカーがユーチャリスの行動を拒むのだった。そして・・・・
『もうお前と会うことは無いだろう』
アキトは別れの挨拶をした・・・永遠の・・・
『アキト!!』
ラピスは必死でユーチャリスを動かそうとするがやはり無理だった。それでも動かそうとするラピスを見てアキトは強行手段を開始した・・・
『ダッシュ・・・』
<Yes, Master>
ビーン!
ガチ!!
突然、ラピスは誰かに両腕をつかまれ、動きを封じられた。ラピスはさっと後ろを見ると機械の腕がラピスの両腕をつかんでいた。ラピスはそれがダッシュの仕業だとすぐわかった
『な、何をするの!ダッシュ離して!!』
<Refuse>
ダッシュは薄黒いウィンドウにそう拒否した。それを見てラピスはふと気付いた・・・・
『!!もしかしてユーチャリスがナデシコの後方にジャンプしたのは・・・・・』
『そう、俺がダッシュに命令したんだ。お前を巻き込まないために・・・』
そう。すべてはアキトの仕業なのだ・・ダッシュにナデシコの後方にジャンプさせて、ラピスをルリに保護させたのだ。そこまでアキトはラピスを巻き込めたくなかったのだ・・・・
『は、離して!!離してよ!!』
ラピスは必死で離れようと暴れるが所詮は子供・・・機械に肉体的に勝てるわけが無い。それを見てアキトは・・・
『ダッシュ・・』
<Yes, Master>
ビリビリ!!
突然、機械から電気が流れラピスに感電し、機械の腕がラピス離した・・・・
『ア、ア・・キ・・・ト』
そしてラピスは最愛なる人の名前を呼びながら床へ崩れていった
『ごめん、ラピス』
アキトは謝罪しながらラピスをやさしく見つめた・・・・
『じゃあ、ラピスを・・・頼んだぞ、ダッシュ』
アキトはダッシュにラピスのことを頼んだ・・・現時点でラピスの話し相手はダッシュただ一人(?)なのだから・・まるで昔のルリのように・・・・・
<I protect her forever>
ダッシュは誓った・・・・
『頼むぞ・・・』
アキトはそれを見てほっとしたその時・・・・
<Have a nice life・・・・>
『それは無理だろう』
アキトはダッシュの問いにまたもや苦笑した・・・・その後アキトは再び一部始終を見ていたルリに話しかけた・・・
『ルリちゃん、ラピスを頼む』
ルリはその言葉を聞いて再び嫉妬に近い感情が吹き出てきた・・あんなに愛されているラピスが憎いと・・・でもアキトの大切な子だから守らなきゃと・・・だからそのためにはアキトを連れて帰らなきゃいけないのだ・・・それは自分のため、ラピスのため・・・・
「アキトさん!!どうしてですか!?お願いだから戻ってきてください!!私や、ラピスはあなたが必要なんです・・・だから・・・だから!!」
『ただ・・これだけは言いたい。俺は・・・君や、ラピス、そしてユリカを愛した事を永遠に忘れない・・・たとえ死のうとも・・・・』
アキトの言葉の後、ブラックサレナ周辺のボース粒子が増大していった。これはアキトがジャンプすると言うことだ・・・・
「アキトさん!!アキトさん!!・・・・・・ちっ、三郎太さん!!まだですか!?」
ルリはまもなくジャンプするアキトの事に焦りジョジョに近づいている三郎太に急ぐように聞いた・・・・
『もう少しです!!』
三郎太のエステバリスはもはやブラックサレナから肉眼で見える所にいる・・しかしもう間に合わない・・・・
『じゃあ、さよならだ・・・・』
ブラックサレナはボソンの光に包まれていく・・・・
「アキトさん!!」
『くっ、間に合わない!!』
三郎太のエステはブラックサレナを捕まえようと腕を伸ばし、全速力でブラックサレナに向かった。そして腕がブラックサレナの目の前まで来て、捕まえようとした瞬間・・・・・
「・・・・さよなら・・・・・そして・・ごめん・・・・」
エステの腕がブラックサレナを掴もうとした瞬間・・・アキトは悲しく、小さな声で謝った・・・・そしてブラックサレナはルリの前から姿を消した・・・・それは永遠に会えないのか・・・また会えるかは・・・神のみ知る・・・・・
「アキトさんーーーーーーん!!!」
冥王星の外側、つまり太陽系の外周に一機の黒い機動兵器がいた・・ブラックサレナである・・・・彼はここで終わる気だろう・・・自分の物語を・・・・
「これで・・・・・終われる・・・」
テンカワ・アキトはげっそりした顔でコクピットのイスに沈んでいた・・・
「これで・・・・・・・死ねる・・・・」
人体実験で半死半生の状態のアキトにとって死ぬ事は唯一の安らぎなのである。そうすれば今までの苦しみから解き放たれるのだ・・・・それが今、実現されようとしている・・・・
「ユリカ、ルリちゃん・・・・」
アキトはかつて娘と愛した子、妻として愛した人のことを思い出していた・・・・幸せだったあのころ・・・・笑ったり、遊んだり、愛し合ったり・・・・・でももうそれは戻ってこない・・・・なのに自分はそれを期待している・・・自分は愛する資格なんて無いのに・・・そんな自分が許せない・・・・だから死ぬのだ・・・・そう考えながらアキトは目をつぶった・・・そして・・・・
「・・・・・・・・・・・さ・・よ・・・なら・・・・・・・・・」
アキトは涙を流しながら自分の時を止めた・・・・・・
もういいの?
ああ・・もういいさ
そう、よかったわね・・・
そしてテンカワ・アキトが駆るブラックサレナはボソンの光とは違うやさしく、思いやりのある光に包まれこの世界から姿を消した・・・・・・・・・
第一話へ続く・・・・
あとがき
つかれた・・・・・
ただそれだけ・・・・・・・
しかし〜やらなければいけないのだ(涙)
この作品はあるアニメとの融合物です・・ヒントはラストにありますので考えてみてください(ま、簡単だけど)・・・・正解者にはなんと1億円が当たります!!!
(注:そんな金無いので信じないで下さい(信じるかツーの))
では次回作をお楽しみに〜!!!
管理人の感想
タツぼんさんからの投稿です。
なんか、英語で話すダッシュとゆーのも新鮮だなぁ(笑)
他の作品では、たいていラピスの漫才の相方みたいな存在だし(苦笑)
それにしても、この時点でハーリーは不死身と呼ばれる特異性を発揮していなかったはずなんですが。
・・・イネス先生に改造でもされたのか?
さて、とあるアニメの融合ということですが。
多分、アレでしょうねぇ(ニヤリ)
では、タツぼんさんの次の作品をお待ちしております。