赤黒の女神 ピースランド交戦区域にて
作:天砂
私は森の中でかなり高い木の上に立っている。
まるで、某ル●ン●世の仲間の剣使いのように……
私は空を見ていた。
そこで繰り広げられる戦いを………
今から数時間前………私は会議に出席していた。
まあ思ったとおり、和平反対派が多かった。
彼らは恐らく自分の利益やらを考えているものたちなのだろうが……
彼らは知っているだろうか?
もしも……彼らが本格的な戦争を開始するならば……それが、
太陽系に大きな被害をもたらす可能性を持つなら……私達がその戦いに参加することを……
その時能天気な彼らは気付く。
この世には、死よりおぞましいものがあることを……
私達はそれを与えられると言うことを……
閑話休題。
そんな踊る会議の中……彼が現れた。
ざわざわ、まるでお遊戯のような騒がしさが一瞬で静まる。
彼の精神力……その意思力によって。
これほどの意思力を身に纏うことが出来るとは!!!
私は感動を隠すのに必死だった。
それにしても……あのロバート・クリムゾンもなかなかの人間だ。
あの意思力を受け、無事とは。
人間もなかなか面白いではないか。
……いまいち踏み込みが足りないようだが……
そしてそんな中、予想ドンピシャで……敵が来た。
{カスパー}
私は頭の中でカスパーを呼ぶ。
さすがにここでモニターを出すのは怪しまれるからだ。
[敵のことでございますか?]
連絡の第一声がこれだった。
思わず苦笑する。
{その通りよ。
敵の数はどのくらい?}
それから暫くして、敵の正確なデーターが送られる。
………たいしたことは無いか……
[いかがなさいますか?]
{貴方が私ならどう答える?}
[……準備運動にはもってこい…と言うと思います]
{まあまあね。
現状維持。
手を出すまでも無い}
[了解]
それからテンカワアキトは戦場へ向おうとした時……
……この男は幾つだ?
パール少将と言う人間の言葉に私は疑いの思いを隠さなかった。
まるで小学生の言葉だ。
この程度の人間を会議に置くとは……
……私の経験からして、あのたぐいの人間はほっといてものたれ死ぬだろうから放っておく。
会議はそれから荒れる荒れる。
その時のテンカワアキトの意思力の力に私は本当に胸が躍った。
そして…会議が終わる。
私は出口で耳を澄まして話を聞いていた。
あのルリと言う人間……
彼女もまた素晴らしい意思力の持ち主だ。
普通の人間女性では、自らの身体を獣に捧げるようなことは出来ないだろう。
……最も、そういうことになった場合、私は全力で彼女を助け出すつもりでいるが……
何しろ『彼女』と約束をしているのだ。
私は約束は律儀に守る。
……そのためにアフリカ大陸消滅を代償ととするなら何ら問題なく安いものだろう。
それにしても……彼らがここまで信用するナデシコのクルーとは?
少々気になる……
暫くして会議場からはなれた私は、彼らを見にいくことにした。
あの人間が信用するナデシコクルーとやらを………
私は大急ぎで交戦ポイントに辿り着く。
転移すればいいだろうが、さすがにそれは不味かろうと…空を飛んできた。
背中には、巨大な黒い龍の翼が生えている。
おまけでイリュージョンフィールドを展開しているため、存在がばれることは無い。
適当な木を見つけそこで戦いの時を待つ。
……今回は1人で来た。
メルキオールとバルタザールは仕事に徹してもらっている。
……決して、人気投票で私を出し抜いたことにたいして怒っている訳ではない。
………ホントだよ。
程なくして、敵が現れる。
そして反対方向からまるで馬のような船が現れた…
あれがナデシコか……
私は、多少なりとも感動した。
そこから滲み出す意思力に……
しばらくして、ナデシコから数機のエステバリスが飛び立った。
それからも、素晴らしい意思力が感じられた。
ナデシコクルー達に対して私は高い評価を示した。
戦いは始まった。
……私は本当にわくわくした。
感想……彼らは強い!!
ただ機体が強いだけではない。
それを御して余りある精神力を彼らは持ちえている。
作戦もなかなかのもの。
もう少し成長すれば、私たちといい勝負が出来るだろう。
私は右手に持ったビデオカメラを握り締めていた。
……とりあえずビデオを撮って、帰ったら見せてあげるつもりだ。
私は意地悪だが、陰険ではない。
先程エステバリスの一機が、電子兵器を使った時私はカメラをフィールドで守った。
後少しで、カメラの映像がお釈迦になるところだった。
危ない危ない。
………戦いは続く。
しかし……人間もなかなかやる奴らがいる。
ここまで戦えるとは!!
目眩がするほど素晴らしい!!!!
今日は素晴らしいの連続だ!!
このとき私のテンションはハイになっていた。
そして………一機が山ごと敵の次元門を吹き飛ばし、戦いは終わった。
「もう何度目か知んないけど、素晴らしい!!!!!」
私は背中に生えた羽をぱたぱたさせながら拍手を送った。
さて戦いは終わったし……帰ろうか……ん?
私は少し離れたところにある池の方を向いた。
少し大きめの池が見えた。
その水面が際立っている。
あれは
「……次元門か」
伏兵として隠れていたのだろう。
まあ役にも立つまいが……
「ちょうどいい」
私は微笑んだ。
戦闘欲を解消させてもらおう。
1つくらいつまみ食いしてもいいだろう。
イリュージョンフィールドを池を中心に広範囲に張り巡らした。
そして池に向って飛ぶ。
しばらくして池から巨大な次元門が姿をあらわした。
「テンカワアキト……貴方はまだまだ強くなる」
私はカメラをしまう。
「その貴方が頼りにするナデシコの者達もまた強くなる……だから」
次元門の上までくると、私は左の手で次元門を押さえつける。
これ以上これが上へ行くと彼らにばれてしまうだろう。
私は力を少しいれて、次元門を下に押し返した。
勢いよく水に着水する次元門。
そして再び上昇しようとする次元門の表面に降り立ち、両手を表面に添える。
「だから……私以外に、負けては駄目よ」
両手に力をこめた……
次元門はまるで悪寒を感じたように震える。
そして………
ドガァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!
そして次元門は大爆発をおこした。
……周りには爆発は漏れてばれてはいないようだ。
終乃神流陰の行奥義、『アポカリプス』
目標に超高振動を送り込み、相手を粉砕する技。
……奥義というが、結構簡単な基本的な技だ。
リンゴジュースを作ることから極めれば小惑星を破壊するなど日常生活でも活用可能な技であり、
振動率を調節すれば、肩こりをほぐすのにも使える(私しかやらないが)。
出力を極力使わず5パーセント。
…………まあまあ上出来だ。
『本体』と接続せずにやったにしては………
翼をはためかせ空中に静止しながら両手の汚れをハンカチでふき取り分析する。
真下に出来たクレーターに水が満ちるのを確認すると……
少し森に悪いことをしてしまったか……
ごめんなさいね……
心の中で謝罪しながら、私はピースランドの自室へ帰っていった。
≪続く≫
後書き
はい、天砂です。
自分で書いてて、このイヨと言うキャラクターが怖くなります。
何処まで強くなるのか……
前にも書きましたが、時の流れは段々話が盛り上がってきました。
……こっちの話でもテンカワアキトと直接(または間接的に)あわせてみようかな……
と思ったりしながら、今回は失礼します。
管理人の感想
天砂さんからの投稿第四弾です!!
素手でチューリップを撃破されしまった・・・
間違い無く、最強っすね(笑)
それこそ、アキトと北斗を更にパワーアップさせないと勝てませんて(爆)
でもこれいじょうパワーアップすると、人間じゃないですからね(苦笑)
まあ、現時点でも怪しいと言われてますが。
でも、戦場でビデオカメラは良かった(笑)
では、天砂さん投稿有り難うございました!!
次の投稿を楽しみに待ってますね!!
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