「もしもし？ あぁプロス君。……ふーん、で、被害は？ ないよね。さすがプロス君とこのスタッフだ。彼もよくやってるの？ うんうん、まぁ、拾ってきたときにはどうなるかと思ったけど、彼にも見返りはあるからね。利用価値がある間はギブアンドテイクってことで。……結構結構。じゃ、もう少しで本番だからね、最終調整、よろしく頼むよ」
ネルガル重工の会長室にて、アカツキ・ナガレは静かに受話器を置いた。
「なにかありましたか？」
傍らに控えていた秘書のエリナ・キンジョウ・ウォンが静かに問いかける。
「あぁ、艦長候補の二人がちょっとね」
「ちょっとって、何ですか一体！？」
「うん、ちょっと、さらわれかけたみたい」
さらりとアカツキが言ってのけたが、言葉を咀嚼してエリナは口に手を当てて絶句してしまった。
そんなエリナをフォローするように、壁際に立っていた青年が口を挟んだ。
「この期に及んで軍の連中がそこまで強行策を取るとは思えないから、嫌がらせかな？」
「そうだと思うよ万丈君。アナハイムの線はないから、多分クリムゾンだね」
ラフなジーンズ姿の青年……破嵐万丈が横目にアカツキを見ると、とってつけたような仕草で肩をすくめていた。
「まぁ、少なくとも地球圏にいる間はいろんな形で降りかかってくるだろうね、この手の嫌がらせは」
万丈がそういうと、アカツキは執務机にひじをつき、両手を顔の前で組み合わせながら、小さく、力強く宣言した。
「だが、我々ネルガルはそれに屈するわけに行かない。火星を手にするための、スキャパレリプロジェクトはこれからなのだから」
アカツキの目の前に浮かぶ、
ＣＧで描かれた惑星を、アカツキは射抜くように見つめていた。
機動戦艦ナデシコ就航まで、あと１週間。
時代は、あとほんの少しで動き始める。
( See you next stage!! )
……おい。
ナデシコ出すんじゃなかったのか俺っ！？(笑)
まだ飛んでないじゃんかよーっ。
こんなペースで終わるのかこの話。
あ、すみません。とーるです。
ユリカ出せばとりあえずナデシコＳＳだと勘違いしているんじゃないかとかんぐってるみなさん。
まったくそのとーりですっ！(爆死)
とりあえず、こーしておけばいいだろうと安直に書いた結果が、この話です。
なんというか、大前提の転換を図らねばならないのですよ。
ユリカが、アキトを追いかけない。
これって、ナデシコＳＳとしては致命的な因子ですよね。
納得していただけるかどうかは、これからだとは思いますが。
まずは、下準備。
あ、なんか謎の新キャラ出てますけど、あまり気にしないでください。
少なくとも、とらいあんぐるハート３とのコラボは考えていませんから。
よろしければまた、次回もお付き合いくださいませ。
「ミスマル・ユリカでーすっ、ぶいっ！」
「あ、アオイ・ジュンです。よろしくお願いします」
「へぇ、あんたらがナデシコのトップ２か。よろしくな」
「……ぼそぼそぼそ」
「……ごにょごにょごにょ」
「おい、いまさら何の内緒話だそれは」
「うーん、プロスペクターさんはどんな基準でスカウトしたのかなーって」
「そりゃパイロットとしての腕前を」
「いや、そういうことじゃないんですよ。ナデシコのクルーの基準って」
「能力は一流だけど、性格に問題あり！」
「完全な能力主義で選出したら、そうなったらしいんですよ」
「あ、いいんじゃないのそれ。天才とナントカは紙一重っていうしな」
「……この人もそうなのか……」
「ジュン君、乗る前から悩んでるとハゲちゃうよ？」
どっとはらい。
代理人の身も蓋もない感想
祝･ナデシコクルー登場！
いや、このSSがナデシコSS（になる予定）だって事を久々に思い出しましたよ（ひでぇ）
そりゃ、黒アキトやらアカツキやらプロスやらは色々暗躍してますけど、
連中はどうもナデクルーって意識がなくて（苦笑）。