-堕天使と妖精の物語-
TOM-X
ACT11:堕天使と妖精の回想録
〜ルリ・サイド(197/9〜198/8)〜
どうも、ホシノ・ルリです。
宇宙軍に復帰してから早一年になろうとしています。
現在はナデシコBの艦長をしていて、階級は少佐です。
オペレータの時とやっている事は変わっていないのですがね。
その間は、コロニー襲撃など事件はありましたが、世間はいたって平穏でした。
もっとも、コロニー襲撃の犯人はアキトさんとデュオさん、そしてラピスさんなんですけどね…。
それに、実際の被害と公開された被害とでは食い違いが有りますしね。
コロニー襲撃の担当は統合軍がしています。
その理由は、そのコロニーが統合軍の管轄ですから。
…表向きの理由です。
実際は統合軍とクリムゾン・グループの非人道的実験場があるからなんです。
世間には知られていませんが…。
ですから、統合軍は知られたくないんです、世間に。
自分達の立場が悪くなりますから。
実際の被害は…無関係な人達に関して言えば死亡ゼロ人、怪我人数十人って所ですか。
コロニー大破も、実際は火星の後継者による証拠隠滅が理由なんです。
それをアキトさん達になすりつけているだけ…。
ほんと、どうしようもない人達です。
この情報はプリベンターも掴んでいます…というよりプリベンターからもたらされました。
宇宙軍と統合軍は犬猿の仲なものですから…。
で、宇宙軍でこの情報を知っているのは、ミスマル司令、ムネタケ参謀長、秋山さんだけです。
…なぜ、私が知っているのかって?
それは、ヒイロさんが教えてくれたからなんです。
まあ、ハッキングしても良かったのですが。
あっそうそう、ヒイロさんは私が宇宙軍に復帰した時にプリベンターに入りました。
プリベンターの部長と知り合いで、何度か誘いがあったみたいです。
入った理由は教えてはくれませんでしたが、あの時の彼の顔今でも忘れません。
ふふ、彼の照れている顔、すごくカワイイんですよ。
…私を守る為ですよね、ヒイロさん。
「ん、どうしたハーリー?」
「艦長、嬉しそうですね。」
「あっ、これは完全にトリップしているな〜。」
「三郎太さん…。」
「なんだ、ハーリー?」
「艦長って、恋人いるんですか?」
「なぜ、そうな事聞く?」
「え〜と、それは、その…。」
「はは〜ん。
お前、艦長に惚の字なんだろ〜♪」
「ちっ、違いますよ!!」
「だったら何故聞く?
艦長が誰を好きになってもお前には関係無いだろ?」
「ぼっ、僕は、その…、艦長を尊敬しています。
ですから…。」
「…二人とも、うるさいですよ!!」
「すっ、済みません艦長。」
ふ〜、まったく人の色恋沙汰に興味津々な人達なんですから…。
もっとも、三郎太さんはフォローをしてくれたみたいですが…。
いまいち、信用できないんですよね、色恋沙汰に関しては。
一緒にミナトさんの家に居候していたとき、散々からかわれましたから。
あっ、そうそう。
三郎太さんも一緒に宇宙軍に復帰しました。
秋山さんが手引きしたみたいです。
そして、私に弟が出来ました。
名前は、マキビ・ハリ。
私と違って感情表現が豊かな子です。
三郎太さんが言っていたハーリーって、彼のニックネームです。
私がつけました。
…どうもハーリー君、私に惚れているみたいです。
自分では否定してますが、端から見ればバレバレですよ。
…昔の自分でしたら他人の感情なんか解りませんでしたが。
ミナトさんの家に居候して、嫌と言うほど学ばせてもらいましたから。
ハーリー君に告白されたらどうしますって?
もちろん、断りますよ。
私には、心に決めた人がいますから。
…私自身、その人に振られるかも知れないんですがね。
傷ついた心を癒してくれた、ヒイロさん。
何かにつけて不器用なヒイロさん。
私は、あなたが好きです。
そして、あなたに会いたい。
そんな思いを心の中にしまっています。
…定期的にはメールでやり取りしているので問題はないのですがね、ははは。
復帰する前、私は彼に自分の気持ちを打ち明けました。
結果は保留状態ですけど…。
まあ、彼の育った環境で正常な感情が育つ方が無理なものですから…。
かくいう私も似たような環境で育っているのですが…彼と違ってナデシコでの経験で学ばせてもらいましたから。
それに、彼は必ず答えると言ってくれました。
それまで待っています、あなたの答えを。
今は、宇宙でのパトロールが主な任務です。
もっとも、ナデシコBのテストも兼ねているのですが。
私と三郎太さん、ハーリー君の三人と数十人のスタッフでこの艦は運営されています。
ワンマン・オペレーション・システムを使えば一人で運営できるんですよね、この船は…。
「艦長!!
前方に所属不明艦確認!!
こちらの応答にまったく反応なし!!」
「現時点より戦闘モードに移行。
各員戦闘待機。
三郎太さん、出撃の準備よろしく。」
「了解しました!!」
どうやら、海賊さんのご登場ですね。
それとも無人艦の暴走ですか。
私は、各員に指示を出しながらオモイカネとリンクします。
(オモイカネ、どう思う?)
<そうだね。
十中八九無人艦だね。
どうする、ルリ?>
(グラビティ・ブラストの準備をしといて。)
<了解。>
オモイカネと会話をしていると、無人艦から大量のバッタが出撃してきました。
…オモイカネの言う通り無人艦の暴走ですか。
先の大戦の遺物、…それも厄介な遺物が残っていたものですね。
『艦長。
エステバリスの出撃準備完了しました。』
「三郎太さん、敵を主砲の範囲に引き付けてください。
グラビティ・ブラストで一掃します。」
『了解!!』
三郎太さんの登場したスーパーエステバリスは出撃してバッタの大群に向かっていきます。
敵の攻撃を見事にひきつけてくれています。
流石です、三郎太さん。
瞬く間に、敵をグラビティ・ブラストの有効範囲内にいれくれました。
「高杉機離脱後、グラビティ・ブラスト発射!!」
「了解。
三郎太さん、非難してください。」
『了解、ハーリー。』
スーパーエステバリスが有効範囲外に離脱したのを確認してから、グラビティ・ブラストを発射しました。
あっけない幕切れでしたね。
前の艦では結構苦労したのに…。
これも、時代の流れっていうやつですか?
そう思っているうちに、三郎太さんが帰還してブリッジまで来ました。
「お見事です、三郎太さん。」
「いや、相手が旧式だったからですよ。」
「ふふ、それもそうですね。」
「…ところで、彼には会いたくはないのですか?」
「三郎太さん…!!」
「いっ、いや、別に、その〜。」
「…その話は、ここでは止めてもらえませんか?
給料、凍結しますよ。」
「はっ、はい〜。
ワ・カ・リ・マ・シ・タ。」
三郎太さん、顔が真っ青に染まっていました。
私を怒らせた罰ですよ。
まったく、この人は油断も隙もあったもんではありません。
ハーリー君は?
今の話は…オモイカネの相手をしていて聞いてませんね。
良かった…。
ヒイロさん、今何をしているのでしょう?
「かんちょ〜、かんちょ〜。」
「何、ハーリー君?」
「本部より、通信が入っていますよ。」
「じゃ、繋げて。」
「了解。」
スクリーンに出てきたのは、ミスマル司令でした。
『ルリ君、高杉君、マキビ君、任務ご苦労。
元気そうで何よりだ。』
「司令もお元気そうで何よりです。」
『ありがとう、ルリ君。』
「で、用件は?」
『おお、そうだった。
現時点で君達の任務は解かれる。
地球に帰還してくれ。』
「休暇ですか?」
『まっそう言う事だ。』
「三ヶ月ぶりの休暇だぁ〜!!
ど・う・し・よ・う・か・な?」
「…ど〜せ、ナンパなんでしょ、三郎太さん。」
「なんだ、ハーリー。
人の趣味にいちゃもんつける気か?」
「…べっつに〜。」
「…はは〜ん。
モテル俺様にヤキモチ焼いているんだろ〜。」
「三郎太さん!!」
は〜、この二人、ホントにうるさいです。
相手にしたら疲れるだけですし…。
ま、端から見れば面白いんですけどね。
…でも、久しぶりの休暇ですか。
ヒイロさんの都合と合えば嬉しいんですけどね。
ですが、今回の帰還は新たな事件の前触れでしかありませんでした。
そして、その事件に私とヒイロさんが関わる事もこの時は思ってもいませんでした。
〜ヒイロ・サイド(197/9〜198/8)〜
ヒイロ・ユイだ。
現在は、地球圏統一国家政府情報部―プリベンター―に所属している。
あいつ…ルリと直接会わなくなってから一年近くになるのか。
一緒にいるときは何も感じなかった…いや、一緒にいるのが当たり前だと思っていた。
だから、離れてみてあいつが必要だと、今俺は感じていた。
なぜ俺は、彼女に惹かれたのだろう…。
境遇が似ていた?
…確かにそれはあるだろう。
一般に言う世間の生活とはかけ離れた生活をしていたからな。
あいつは、実験動物(モルモット)として…。
俺は、戦闘兵器として育てられた。
俺とルリに共通しているのは、人の感情を知らなかったこと。
そんな俺でもあの戦いや、あいつらとの共同生活で少しずつ感情を取り戻していた…。
…もっとも、あの共同生活は結構騒動に巻き込まれたりしたが。
あいつと離れる直前、俺はあいつから告白を受けた。
…俺が恋愛感情を理解していればこう言っただろう…。
俺も、お前の事が好きだ、と。
だが、あの時俺は言えなかった。
しかし、あいつは待っていると答えてくれた。
今度、直接会うときには答えよう。
もっとも、タイミングが合えばの話だが…。
ん、リリーナの事はどうしたかって?
あいつはカトルと上手くやっている。
意外とお似合いなカップルである。
俺達と違って、仕事でも直接会っているしな…。
…少し羨ましいぞ。
まあ、それは置いといて…
俺は何回か奴ら―火星の後継者―のアジトを襲った。
そして、草壁直属の裏組織…北辰とその部下達と戦った。
…決着はつけられていないが。
ボソン・ジャンプって言ったか、奴らは不利になるとそれを使って逃走する。
…流石に、いきなり消えられたら追いかけるのは無理だ。
奴らの事は、カトル達から聞いていた。
だが、実際戦ってみて思ったが、実力は拮抗していた。
カトル達が苦労した理由がわかる。
もっとも、俺は《ゼロシステム》のおかげである程度奴らの動きを予測出来た分楽ではあったが。
…北辰、こいつだけは許す訳にはいかない。
自分の快楽の為だけに、人の人生を狂わせる事をする奴。
奴の為にどれだけの人間が犠牲になったか。
だが、奴に決着をつけさせるのはあいつ―テンカワ・アキト―が相応しい。
奴に、運命を狂わされた彼が…。
俺も、人の事は言えないが…。
コロニーの為に無関係な人達を殺してしまった。
昔の…いや、ルリと出会わなかったら、今でも罪の意識に捕らわれていたかもしれない。
ルリと出会う事のよって、俺の考えは変わった。
…この平和を維持すること。
それが、俺が殺してしまった人達にできる唯一の償いだからな。
そういえば、ルリは世間的にも話題になっていた。
《電子の妖精》、《史上最年少の天才美少女艦長》と呼ばれている。
…もっとも、あいつは喜びはしないだろうがな。
それは兎も角、俺は今ある任務を遂行中である。
いつものように、奴らのアジトの破壊だが。
《十二時、二時、十時、三方向より敵影確認。》
どうやら、警備隊が出撃してきたか。
《敵識別終了。
十二時方向、ビルゴ2、積尸気混成部隊約五十機。
二時方向、トーラス、エアリーズ混成部隊約百機。
十時方向、ステルンクーゲル約百機。》
相変わらず何処から調達してくるんだ?
敵ながら感心する。
俺はツインバスターライフルを分割して両手に持ち、二時方向と十時方向に向けてまず発射する。
この攻撃で約九割は消滅した。
ディストーション・フィールドて言ったか、それを装備しているステルンクーゲルも例外ではなかった。
説明好きな、ドロシーと声が似ているドクターに言わせると、超光熱兵器で攻撃するとフィールドが消滅するそうだ。
…威力の弱いビーム兵器はお呼びではないらしいが。
現時点でこのフィールドを破れるのは限られている。
ナデシコ級戦艦の主砲―グラビティ・ブラスト―、ウイングゼロのツインバスターライフル、現在格納庫で眠っているトールギス3、ビルゴ、ビルゴ2のビームキャノンぐらいだ。
ビーム兵器やグラビティ・ブラスト以外の実弾兵器だと威力がかなり落ちる。
実際、俺もマシンキャノンやビームサーベルを使って違和感を感じたからな。
どうやら、十二時方向の敵部隊も近づいてきたようだ。
俺は、両手のバスターライフルを結合して標準を合わせる。
エネルギーチャージが完了したのと同時にトリガーを引く。
前方の敵部隊は消滅した。
もはや、残存部隊は烏合の衆であった。
俺はそれを無視し上空に向かいアジトに向かってツインバスターライフルの標準を合わせる。
「ターゲット確認。
これより、目標を破壊する。」
俺は呟きながら、トリガーを引いた。
発射された出力最大のビームはアジトに直撃し爆発。
近くに有った弾薬庫に引火して誘爆。
連鎖的に火柱が上がる。
見届けた俺は、近くの基地へ向かった。
…結構エネルギーを使ったからな。
帰還した俺は、整備を他人に任せ基地の外へ出る。
そして、近くの喫茶店に入った。
中には意外な人物がいた。
「…ゼクス?」
「…三年ぶりか。
久しぶりだな、ヒイロ。」
「…ああ。」
ゼクス・マーキス…いや、ミリアルド・ピースクラフト。
そして、リリーナの兄。
最後の戦いであいつはリーブラの動力システムを破壊し、行方不明になっていた。
生きている事には、さほど驚かなかったが…。
こう言う形で出会うとは、思ってもいなかった。
「ゼクス、今何をやっている。」
「…旅をしている。
あてもない旅をな。」
「…そうか。
ノインが心配しているぞ。」
「…あいつには、迷惑をかけっぱなしだな。」
「だったら、会ってやれ。」
「…今は出来ない。
俺は死んだ人間だからな。
…それにしても、お前が他人の心配をするとは…変わったな。」
「…そうだな、よく言われる。」
かつて考えの違いから激突した俺とゼクス。
今こうやって話が出来るとは思ってもいなかったな。
「そういえば、ヒイロ。」
「なんだ?」
「リリーナと別れたのか?」
「はぁ?」
こいつは…俺とリリーナがそんな関係だと思っていたのか?
今思えば俺とリリーナの関係って平和を求めていた同士だな。
それに、今の俺にはルリの方が大事だ。
「…違ったのか?」
「俺とリリーナの関係に恋愛感情なんてないぞ。
だいたい、出会いは最悪だし…始めは鬱陶しかったからな。」
「…そうか。」
「…ただ、リリーナのおかげで俺は兵器から人間に戻れた。
それは、紛れもない事実だ。」
「…私の勘違いのようだな。」
「ああ、そうだ。」
俺は、注文したコーヒーを一口飲む。
「お前、プリベンターに入っていたんだな。」
「約一年前にな。」
「それまでは何をやっていた。」
「平穏な生活を満喫していた。
表ではな。」
「裏では、バートン財団と火星の後継者と戦っていたと…。」
「そう言う事になる。
それ以外に、ある少女の護衛もしていたが…。」
「ある少女?」
「今話題の《電子の妖精》と言えば解るだろう?」
「なるほどな。」
ゼクスは納得したように何回か肯いた。
俺は、その動作を見ながらコーヒーを飲む。
しばらく、考えていたゼクスは何かを決意したように話し出した。
「…私も、表舞台に帰るときが来たのかもしれないな。
トレーズの亡霊…いや、忘れ形見と言ったほうが正しいのか…。」
「トレーズの忘れ形見…、誰なんだ?」
「マリーメイア・クシュリナーダ、トレーズの娘だ。
カーンズから聞かされた、デキム・バートンと一緒にな。
ただ、私が知っているのはそこまでだ。」
「…そうか。」
まさか、トレーズに娘がいたとは…。
ゼクスの話だと、その子は今年で九歳。
トレーズが生きていれば二十七歳…十八歳の時に出来た子になる。
…試験管ベビーの可能性が高いな。
デキムに良い様に操られているのだろう。
デキム自身、人望がないのを自覚しているな。
もっとも、奴らの本拠地がわからない今救出するのは無理だが…。
それに、今活発なのは火星の後継者だ。
宇宙の拠点をデュオ達が破壊しまわっているが、奴らの動きは一向に収まらない。
それどころか、逆に激しく動いている。
時が近いのか、切羽詰って暴走しだしたのかは解らないが…。
俺は、しばらくゼクスと世間話をした後、店を出た。
…口止め料として、ゼクスに奢らせたんだが…。
ゼクスが店と一悶着をを起こすとは…。
……ゼクス、現金ぐらい持っておけよ、カードに頼るのではなく。
しかし、この理由を知るのはかなり後の事であるのだが…。
基地に帰った俺は、ウイングゼロの微調整を行う。
こればっかりは、他人には任せられないからな。
自分の癖が解るのは、自分だけだからな。
それにしても、見事に修正されている。
メーザー技師って言ったか、ゼクスが認めるだけの事がある。
こいつと初めて出会ったのは、南極…ゼクスとの決闘を承諾した時か…。
…あの時は、他人なんて信用していなかった。
俺が他人を信用するようになったのは何時頃からだろうか?
やはり、ルリとの出会いが俺を変えたのかもしれない。
微調整を終えた俺は、自分の与えられた部屋に向かう。
そして、パソコンをつける。
「ん、ルリからか…。」
俺は、ルリから来たメールを読んだ。
あいつが、久しぶりに帰ってくるのか。
あいつと会うのは俺自身楽しみにしている。
ただ、都合がつくかは運次第だな。
都合がつけば良いのだが…。
俺は、近々大きな事―火星の後継者の反乱―が起きる事は予想していた。
だが、それが再びルリと一緒に行動する事になるとは思ってもいなかった。
そして時は動き出す。
〈後書〉
TOM-X :「毎度どうも、ご無沙汰しております。TOM-Xです。」
ルリ :「お久しぶりです、ホシノ・ルリです。」
ヒイロ :「久しぶりだな、ヒイロ・ユイだ。」
ルリ :「前回の約束通り、私とヒイロさんの回想でしたね。」
ヒイロ :「それに、ハーリーとゼクスが登場していたな。」
TOM-X :「まあね、こいつらの登場を待っている人は多いからね。」
ルリ :「でも、良いんですか?」
TOM-X :「何が?」
ルリ :「ハーリー君は兎も角、ゼクスさんの扱いですよ。」
ヒイロ :「奢り云々は兎も角、カード払いと現金払いでいざこざするのは…。」
TOM-X :「ちょっとしたギャグ…と言うより、現実で起きた出来事なんだよ、マジで。」
ルリ :「へ?」
TOM-X :「この前の会社の飲み会で幹事が店にカードで払おうとしたんだ。」
ヒイロ :「だが、その店は現金払いでしか認めなかったわけだな。」
TOM-X :「そうなんだ。」
ルリ :「で、結果は。」
TOM-X :「集まった人達から回収してその場をやり過ごした。」
ヒイロ :「…まぁ、当然の結果だな。」
TOM-X :「そうだな。」
ルリ :「で、アキトさんはしっかりテロリストになっていますね。」
TOM-X :「原作と違って、無関係な人間の被害は皆無だが…。」
ヒイロ :「だが、物の見事に祭り上げられているな。」
TOM-X :「まっ、しゃ〜ない。」
ルリ :「…その言動、何かたくらんでいますね。」
ヒイロ :「おそらく、統合軍を破滅させる為の理由にするつもりなんだろ。」
ルリ :「まあ、良いですけど。」
ヒイロ :「それにしても、ようやく第一部の終わりか。」
ルリ :「第二部の始まりでもあるんですけどね。」
TOM-X :「まっ、空白の三年間を駆け足で書いたようなものだからな。」
ヒイロ :「それにしても、俺の…いや、ウイングゼロの活躍がなかったな。」
TOM-X :「…他の機体より強力過ぎるからな…。」
ルリ :「某ゲームで言うフル改造っていうやつですか?」
TOM-X :「早い話、そうなんだけどね。
他にも、ディストーション・フィールドの設定とかで問題があるもんだからね。」
ヒイロ :「…確かに、何でもかでもはじき返されたらたまったものじゃないからな。」
TOM-X :「そう言う事。」
ルリ :「…ところで、代理人がダーク属性否定しましたけど。」
TOM-X :「いや、代理人の代表作『北斗異聞』が
あまりにもダークだった物で…
って、お前が言い始めたんだろ!!」
ルリ :「なっ、何の事ですかな〜ははは。」
TOM-X :「笑って誤魔化すな!!」
ヒイロ :「それは兎も角、代理人熱いのが好きなのでは?」
ルリ :「どうしてそう思えるのです?」
ヒイロ :「代理人のもう一つの代表作
『機動武闘伝Gナデシコ』、これが証拠だ。」
TOM-X :「俺が高校受験(中学三年生)の時の作品が元ネタだな。」
ルリ :「確か、この作品って賛否両論が激しかった奴ですよね。」
ヒイロ :「俺が出ていた作品も賛否両論が激しかったよな。」
TOM-X :「だが、あのシリーズでテレビ、ラジオ、OVA、劇場と完全制覇を成し遂げた作品はないぞ。」
ルリ :「私が出演した作品も、テレビ、劇場だけですよ。」
ヒイロ :「『ゲキ・ガンガー3 熱血大作戦!!』を忘れていないか?」
ルリ :「あれは論外です!!」
TOM-X :「何故に?」
ルリ :「最後に少しだけしか出ていませんから。」
ヒイロ :「…確かに、本編とは関係ないな。」
TOM-X :「そう言う事にしておきましょ。」
ルリ :「ところで、この後書…趣向が変わってません?」
ヒイロ :「しっかり脱線しているな。」
TOM-X :「…ばらすネタが無いから。」
ヒイロ :「…情けないな。」
ルリ :「……情けないです。」
TOM-X :「うっさい!!」
ルリ :「ところで、次回からは私がメインになるんですよね?」
ヒイロ :「確かに、劇場版が元ネタだと…俺の出番は少ないな…。」
TOM-X :「ルリメインなのは事実、こればかりは変えようがないからな。」
ルリ :「…で、ヒイロさんの活躍は?」
TOM-X :「おいしい所をかっさらっていく。」
ヒイロ :「…出番はあるのか。」
TOM-X :「もっとも、状況的にお二人さんのラブラブ話は書けんぞ。」
ルリ :「…どうしてです?」
TOM-X :「大体な、火星の後継者の反乱を鎮圧しに行くのにそんなことできると思うか?」
ルリ :「ナデシコだからできるんですよ。」
ヒイロ :「…確かに、テレビ版は戦争そっちのけでやっていたからな。」
TOM-X :「(ぐさっ)げっ、劇場版ではそんな余裕はないと思うぞ…」
ルリ :「と言いながらも作者は書いてくれますよねぇ〜?(ギロッ)」
ヒイロ :「大の甘党だからなぁ〜。(ジロッ)」
TOM-X :「二人ともそんな目で見ないでくれぇぇ〜。」
ルリ :「最後に、何故ヒイロさんと離したのです。」
TOM-X :「離れた事により認識できる部分があるから。」
ヒイロ :「一緒にいれば気づかなかった事が、気づくようになると?」
TOM-X :「そう言う事。
早い話、朴念仁のヒイロがどれだけルリが大切なのか認識させる為の措置だ。」
ルリ :「そう言う事ですか。」
ヒイロ :「では終わりに。」
TOM-X :「毎度の事ながら、感想を書いてくださる方本当にありがとうございます。」
ヒイロ&ルリ :「それでは、次回をお楽しみに。」
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代理人の感想
ゼロカスタムって強力だけど燃費が悪いんですよね、α外伝以降だと(笑)。
もっとも、あの無茶苦茶な攻撃力で燃費が良かったらそれこそゲームバランスの崩壊に繋がりますが。
>北斗異聞がダーク
ダークを「書ける」のとダークが「好き」なのとは別ですよ(笑)!?
まぁ、そもそも「ダーク」と「ハード」はどう違うのか、とか。
えぐみのあるのがダークで、キッチリ終わっているのはダークじゃないんじゃないかとか。
まぁ、そんなこといってたら切りがないですが。
「滅びたものは美しいが、滅びるものは無惨でしょう」 〜『一夢庵風流記』より〜
「滅びの美学」という言葉があります。
生命としての本能に逆らい、破滅への道を歩む事を美化する思想です。
私がダークが好きであるとしたら、それはその破滅の刻へ向かって収束する緊張感が好きなのであって、
破滅それ自体や破滅の過程が好きなわけでは決してありません・・・・と思います(苦笑)。
陰惨な話を見聞きしたいなら新聞なり週刊誌なりでも読めばいくらでも転がってるわけですからね。
無論、熱いのは大好きです(笑)。