第18話 「ピースランド
×舞踏会
×武闘会?」
もしくは俺式真のプロローグ
出発数日前
プシュ!!
「あれ、ルリ、何か用?」
「はい、頼みたい物があるんです。」
「なに?」
「こう言うのを作ってほしいんです。」
私はある画像をラピスに見せる。
「もしかしてピースランドで使うの?
これはさすがに、羨ましすぎるよ。」
それはそうでしょう。
では。
「あら、こんな所にアキトさん秘蔵写真が・・・」
私はラピスが居ない間のアキトさんの秘蔵写真をちらつかせる。
「他ならぬルリの頼みだもん、完璧な物を作って見せるよ!!」
乗ってきましたね、
ま、この写真は元々分けてあげるつもりでしたし。
ラピス心情:写真は貰えるし、これも後でアキトに頼めば良いし、さ、どんなのにしようかな♪
ラピス、こう言うのはシチュエーションが大切なんですよ。
トレーニングルーム
「はぁっ!!」
ドン!!
サブロウタの放った棍をアキトが木刀で受ける。
ヒュン!!バシ!!
更にサブロウタは回し蹴りを撃つがアキトに止められる。
ヒュン!!
するとサブロウタはその掴まれた足を軸にしてサマーソルトを放つ。
サッ!!
アキトはそれを紙一重でかわす。
ヒュン!!
掴めれた足は飛ぶのと同時に棍で攻撃を加えていて外されている。
しかし、いずれの攻撃もアキトに避けられている。
ドン!!
アキトがサブロウタが着地する前に掌でサブロウタを打つ。
ザザザザザザ!!
サブロウタもその攻撃をガードし、地を滑りながらも着地する。
『御強いんですね、サブロウタさん。
とてもナンパを趣味にしている方とは思えません。』
俺の隣でこの戦闘を見ていた、
黒いドレスの様な服を着た、金髪を腰まで伸ばした金色の目の10歳位の少女、
リリスが正直な感想を述べる。
「そうだな。」
リリスは俺がプログラムしたせいで感情がかなり乏しい。
まあ、俺の娘みたいな物だからな、一緒に成長するさ。
「ほんと、私じゃ勝てないや。」
俺とリリスと共に戦闘を見学しているメティも驚いている様だ。
『メティ様が修行を開始されたのは極最近ですから、
あせる必要は無いと思いますよ。』
メティの隣に立っている(この表現は正しくないかもしれない)クオン、
黄金色の髪をポニーテイルにしていてる8歳位の少女、しかしその耳は狐のもので
尻尾もある。
因みに今は戦闘用の巫女服(神官服とも言うのかな?)を着ている。
クオンには服のレパートリーが多いからな・・・
全部メティがプログラムしているはずだけど、なんでその中にメイド服があるかは謎だ。
因みにフィリアは普段と戦闘時は白衣を着ている(ナース服にあらず!!)
(フィリアの白衣は女医か科学者のような物、中は黒のスーツのような物、あと黒の手袋)
(某ラ○ひなの瀬田さんみたいな格好に黒い手袋を加えた物に近い)
あの子も何着か持っている、ディアとブロスも何種類かあるそうだ。
でもリリスは着る物興味がなく、今着ている物だけだ。
この辺も俺のはじめの頃と同じだな。
「なかなかやるじゃないか。」
「はぁ〜・・・全て紙一重でかわしておいて・・・
少しは自信があったんだけどなぁ・・・」
戦闘は小休止に入ったようだ。
「いやいや、ナオさんかシキさん位はあるな。
今はあの二人も強くなってるからな、あの二人と互角なら十分強いよ。」
そうそう、ナオとシキは本当に強くなった。
今や二人掛かりでは俺やルリでは勝てない程に。
油断しているとその内追いつかれるな。
その二人と互角か・・・
サブロウタも要注意だな。
「あやや、私も頑張らないと置いて行かれちゃうよ。」
更にその後ろにはメティが付いている、か・・・
・・・そう言えば何時からだろう、俺が自分自身の強さを求めるようになったのは、
これも俺が人間として成長しているからなのかな?
自分で言う事ではないな。
「まあ、これだけ強ければアキラを任せられるな。
『あの』ハリの兄貴分だから人間性に問題があるかと思ったけど・・・」
『アキト様の言えるセリフでしょうか?』
・・・性格、きつめにしすぎたか?
「兄さん!!サブロウタさんを『あんな物』と一緒にしないで下さい!!」
「一体何をしたハリ・・・」
君が原因だと思うが?
きっかけを与えただけだけど・・・
「それにしても随分と信用しているんですね?
男なんて私達とアキトさん位付き合わなければ、解りませんよ、本当の姿は。」
「それなら大丈夫です!!
もしサブロウタさんが『あんな物』と同じ様な人間なら、
『あの夜』から私は調教されています!!」
・・・・
「なあアキラ、『あの夜』って?」
・・・アキト、その笑い方は怖いぞ。
「・・・今の無しでお願いします。」
「ダメ、さあ、白状しなさい。」
ルリがアキラに迫る。
「ええ〜〜とですね・・・」
サブロウタも言い訳を思案中か?
「サブロウタ君、アキラはもう16歳だ。
もう大人として扱っても良いだろう。
アキラの恋愛に口を挟む気はないが・・・
兄としては相手がちゃんとかわいい妹を守って行けるか試したいな♪」
笑顔で必殺の奥義の構えをとる。
「ま、待ってください、俺はまだ何もしていません!!
アキラの純潔は奪ってませんでしたって!!」
「そんな事は当然だ!!」
ズゴォォォォォンン!!
奥義が放たれ、サブロウタが立っていた場所に半径1メートルのくぼみが出きる。
一応ナデシコの中のトレーニングルームだぞ?戦艦の装甲だぞ?しかも木刀で・・・
まあ、俺もルリもへこませる位は出きるけど・・・
アキトも何時もより威力上がってないか?
あ、因みにサブロウタはなんとか避けた様だ。
ま、攻撃力が上がってる分、命中率は下がってるからな。
「ルリちゃんの純潔は14歳の時に奪ったくせにぃぃぃぃ!!」
「アキラが欲しくば、俺に一撃入れてみろ!!」
ドゴォォォン!!
「はぅ〜兄さん、サブロウタさ〜ん。」
アキラはあたふたしている。
ドゴォォォンン!!
「うわ、ちょっと、洒落にならないですよ〜〜〜!!」
それでも避けているお前は凄いと思うぞ。
ズガシャァァァァンン!!
こりゃ暫く終わらないな・・・
ナデシコ、落ちなきゃいいけど・・・
『バカばっか。』
・・・やっぱり性格きつくし過ぎたな。
廊下
「あ、ルリちゃ〜ん!!」
廊下で私は後ろから声を掛けられる。
「何ですかメティ。」
「やっと出来たよ、ブローディアの呼び出しシステム。」
「あら、随分と早かったですね。」
「伊達に記憶は受け継いでないよ。」
私達のブローディアシリーズは、
もしもの時の為に何処からでも呼び出せる様になっている、が
そのこちらの発信システムが未完成だったのでメティに任せていたのだ。
「で、これがルリちゃんの呼び出し装置だよ。」
と、なにやら羽根の生えた紫の物体を手渡される。
「・・・なんです、これ?」
「何って?呼び出し装置だよ。
因みにこれを掲げて『SET UP!!』って叫んでね。」
「これでは常に持っている事はできませんよ。」
「その点は大丈夫、ツッコミアイテムみたいに取り寄せられるから。」
「2度手間でしょう、それでは。
貴方のはどんな物ですか?」
「私のはこれだよ。」
そう言って首から下げている赤い宝石のような物を指す。
「私の物と随分違いますね。」
「ん〜私の機体の名前も『アテナ』だし、これを使ってもいいんだけど・・・」
そう言って今度は黄色い変なヌイグルミを取り出す。
「何故それではいけないんですか?」
「私だとキャラあわないし、せめて『アフロディテ』ならこっちを使っても良いんだけど」
と、さっきの黄色いヌイグルミと同じタイプの物を取り出す。
「・・・アキトさん達のは?」
「カイトさんは音声認識でコードは『我と共に生きるは霊験なる勇者、いでよ!!』で
アキトお兄ちゃんはこれかこれなんだけど・・・
あと音声認識で『ブローディアーーー!!(パチンッ!!)<指を鳴らす音
でも良いんだけど・・・」
といって変な笛とショルダーガード、それからスライム?のような物を取り出す。
「なんでそんなに作ったの?」
「え?だってロボットの呼び出しだよ、重要なことじゃない。
ん〜こっちなら皆のエステに呼び出しシステムができたら応用が利くんだけど・・・」
スライム?の方を持って悩むメティ。
「・・・まあ良いですけど、因みにアキラとラピスのはもう出来ましたか?」
そう、アキラとラピスもブローディアシリーズ及びガイアを呼び出す事が出来る。
戦闘力が無いに等しいあの子達の緊急の鎧として。
「ん〜ラピスちゃんは何個かあるんだけど、アキラちゃんのがまだ決まってないの。」
「そうですか、まあ、あの子達は暫くナデシコから出ないでしょうからいいでしょう。」
「うん。
でも、私達も出来るだけ呼び出すような事が無ければいいけど・・・」
「そうですね、せっかく、プロスさん達が気をきかしてくれたのですかれね。」
実はブローディアシリーズができる前にプロスさんが人材の『掃除』をしてくれたのだ。
その理由は、私達。
この戦争が終わった後、私達が自由に暮らせるようにである。
もし、私達があのブローディアシリーズのパイロットと言う事が世間に知られたら、
戦後は私達は『監視付き』ではすまないだろう。
私達のブローディアは地球連合にもその存在を正式には報告していない。
私達はあくまでオペレーターになっている。
さらに、メティをラピスは存在していない事になっている。
だから、この事を握られない様に、何処かと繋がっている人を消したのだ。
因みにアリスシステムを盗まれて直ぐにも行われたそうだ。
そのあとプロスさんは
『もう、あなたの情報を流したり、公表するような人はいませんから、安心してください。』
と言ってくれた。
笑顔で、でも・・・硝煙の匂いを漂わせて・・・
この『掃除』にはゴートさん、シキさん、ナオさんも参加した様だ。
心許せるメインクルー以外の口止めはどうやったかは聞かなかったけど・・・
皆さんの努力を無にするような事はしたくない。
「ルリちゃん、私達ってやっぱり子供なんだね。」
悲しそうにそう呟くメティ。
「そうですね・・・
でも悲しいのは大人の皆さんも同じでしょう。
私達を・・・アキラやラピスを戦争に利用しているのですから。」
「ここの人はいい人が多いからね。
だからかな?
汚い物が、余計に汚く見えるのは・・・」
「そうかも・・・しれませんね。」
それから私、メティ、カイトのブローディアはナデシコには無い。
ラピスが作った『エデン』と言う地球の衛星軌道上に浮かぶ基地に置いてある。
戦闘の際は格納庫のエステの固定台のひとつをリューリップの素材で改造した
転送機から呼び出して乗りこむ。
戦闘が終わったら、修理してまた送り返す。
これはアキトさんの提案。
アキトさんも私達の戦後を考えてくれている。
私達のブローディアのナデシコ内での呼び出しは私達か、
ウリバタケさんかレイナさんがAIズの許可を得ないと呼び出せない様になっている。
因みに『エデン』は『ハデス』の2倍のステルス機能を持っていて、
見つける事は事実上不可能になっている。
私達でも正確な位置はもう解らない。
フィリア達は転送機に付いている特別な中継アンテナから私達の所に現れている。
私達の将来はこうして守られている。
でも・・・
「でも、アキトさんは・・・」
「・・・もし私達からアキトお兄ちゃんを奪うのなら、
私は戦うよ。
例え世界を敵にまわしても。」
「・・・そうですね。
私達は唯守られるだけの女ではありませんからね。」
「そうだよ、その為に強くなったんだから。」
そう、アキトさんは私達が守る。
あの人は傷ついた分だけ幸せにならなければいけないから。
『あの〜シリアスをやっているところ、まことに申し訳ないのですが・・・』
私達の前にフィリアが現れる。
「構いませんよ、どうせ長くは続きませんから。」
「ほんと、切り替えはちゃんとできてないし。
もう少しどうにかならないのかな?」
作:精進します。
「ま、それは置いといて。
何の用ですか?」
『マスターにお客様です。』
「ピースランドからですか?」
『はい。』
「予定通りですね。
ところで、なんで貴方がそれを知らせてくれるのですか?」
『それはオモイカネお兄様がいい経験だからと申されまして、
私達が艦内の仕事を任されているからです。』
「それでオモイカネは?」
『ヤマダ様のお部屋でラピス様とクルーとの交流を深めてくるとのことです。』
・・・余計な言い回しを覚えましたね。
まさか『アレ』が教えたのかしら?
そうですね、共々お仕置きが必要ですね。
「オモイカネは今は置いといて、
対応しなければいけませんから。
艦長とプロスさんに連絡してください。」
『了解しました。』
そして姿を消すフィリア。
「・・・さて、こちらも準備をしますか。」
そして私達はピースランドの大使に会い、
ピースランドを訪れる事になった。
木連との和平の為の交渉も兼ねて。
それで、出発当日。
私達は出発の為に格納庫に集まる。
因みにメンバーは私、アキトさん、シュンさん、ゴートさん、エリナさん、プロスさん。
サラさん、カイト、シキさん、ナオさん、メティ、
メティは途中西欧方面軍の本部に行く際にミリアさんに会いに行くのが主な目的だけど、
シュンさんの護衛も兼ねている。
現在のメティの戦闘力はアキトさんと出会った頃のナオさんかシキさん並だ。
護衛には十分の実力と言える。
因みにナオさん達はあの頃から比較しようの無いほど成長している。
そして、迎えがくるというサブロウタ。
「ルリちゃん、アキト君、行くわよ〜」
ひなぎくからエリナさんの声がする。
「構いません、先に行っていてください?」
「え?」
「ああ、あの二人は専用機があるんだって(怒)
良いから行こう。
ナオさん、出して!!(怒)」
ウィィィィィィィン!!
そして飛び立つひなぎく。
「ねえ、二人はどうするの?」
見送りのユリカさんが聞いてくる。
「直ぐに追いつけますよ。
では、アキトさ・・・
ナイト様、お願いします。」
私はアキトさんの方を向く。
(本当にやるの?)
(良いんですか?
なんなら今すぐに・・・)
(やります。)(泣)
往生際が悪いですよ。
「はぁ・・・
来い!!ファルコォォォォォン!!」
パチンッ!!
アキトさんが指を鳴らして直ぐに
『ヒヒィィィィン!!』
バサッ!!バサッ!!
カタン!!
私達の目の前に降り立ったのは・・・
「・・・え〜と・・・
ペガサス?」
皆さん呆然としている中、ミナトさんが呟く。
「では、参りましょう、姫様。」
「はい。」
そして私はアキトさんに『お姫様抱っこ』をされる。
む〜まだ表情が硬いです。
あれ程練習させたのに。
ザッ!!
そして私を抱いたままファルコン(ペガサスの名前)に乗るアキトさん。
シュン!!
「はっ!!」
バサッ!!バサッ!!
アキトさんが手綱を引き、飛び立つファルコン。
ああ、この感じ、この状況。
幸せ〜〜〜
残された者たちは・・・
「な、なによ、アレ〜〜〜〜!!」
絶叫するユリカ。
『説明しましょう(怒)
アレは対人戦闘用の小型機動兵器で
重力制御で空を飛び、ディスト―ションフィールドも張れ、
また、ボソンジャンプで何処からでも現れる、
ペガサス型、対人専用兵器『ファルコン』。
操縦はIFSで行うので、一流のエステバリスライダーなら、
自由に空中戦闘ができるわ。
因みに多少だけど自分の意思も持っているわ。
そして、フィールドおかげで気圧の心配も無く。
また、乗ってさえいれば1000mの深海、マグマの海、
宇宙だって生身で行けるわ。
またこの『ファルコン』自体には武装は無く、
操縦者が武器を持つしかないわ、
武器は今の所、小型フィールドランサー、携帯用DFS、それと新型のGフィストよ。
欠点としては、この『ファルコン』には一人しか乗れない事。
重量的には全然平気だけど、乗る所がない。
よって、これに二人以上、と言っても二人が限度だけど、
乗る場合には、操縦者の上もしくは前に乗らなくてはいけない。
因みにこれにこれの操縦者は限定されていて、
血の契約をしないと操縦者認められないわ。
現在はアキト君、ヤガミ君、それからサブロウタ君しか操縦できない事になっているわ。
製造目的はあくまで戦闘用、(グシャ!!<資料を握り潰した)だそうよ。(怒)』
「アキトは私の王子様なのにぃぃぃぃぃぃ!!」
その頃のアキトの心情:帰って来るまでに忘れててくれ〜〜(泣)
因みになんでアキトがルリの言う事に従ったかと言うと、
前日
『アキトさん、・・・と言う事をお願いしたいののですが。』
『・・・ルリ、いくらなんでもそれはちょっと。』
『そうですか、ダメですか・・・
ところでアキトさん、『アレ』(サイド1参照)、メティにも言ってあげたそうですね。』
『・・・ああ、記憶が繋がってるって不便だな・・・』(遠い目)
『私は『アレ』、もう一人で聞くのも飽きましたから、
皆に自慢しようかと思うのですが・・・』
『!!ちょっと待ってくれ!!
頼む!!皆にバラす事だけは!!』
『どうしよっかな♪
あ、さっき頼んだ事をしてくれれば、私の欲望は収まるかもしれませんねぇ〜☆』
『くっ!!卑怯な。』
『オモイカネ〜『アレ』を艦内全域に最大音量で放送準備〜♪』
『まっ、待ってくれ〜〜』
と、まあ、こんな交渉?のすえ、
アキトは死を先送りする事を選んだのだ。
その頃、ブリッジ
「さ〜て、兄さんが帰ってきたらまず何をしてもらいましょうかね♪」
「そうだね、まずは・・・♪」
帰ってきてお仕置きの後はアキラ達に遊ばれる事が決定された。