敵7人に囲まれ、戦闘体勢にはいる。

 

「北斗、武器は?」

 

「舞歌の奴が枝織に『もしもの時はアキト君に守って貰いなさい』などと、

 余計な事を吹きこんでたからな、丸腰だ。

 まあ、この程度の人数なら問題無いが。」

 

 確かに俺達相手に7人でははっきり言って少ない。

 が、これだけとは思えない。

 

「北斗、使え。」

 

 俺は手持ちの武器の一つ、つい最近できたばかりの携帯用DFSを北斗の手渡す。

 

「何だこれは?」

 

「携帯用のDFSだ。

 とっとと終らせようぜ。」

 

「そうだな。」

 

 北斗は携帯用DFSを受け取り、構える。

 そして、俺はいつもの鎖を構え、それぞれ敵に向かう。

 

 

 アキトサイド

 

 俺の相手は4人。

 そして、俺はいつもの鎖を取りだし、それに昂気を込める。

 最近知ったのだが、こうすると強度が増す様だ。

 敵はさっきから動かない、敵がどんな武器を使ってくる解らないので迂闊に近づけない。

 が、いつまでもこうしている訳にはいかない、人が来たら厄介だ。

 

 ジリッ!!

 

「はっ!!」

 

 ヒュン!!

 

 俺は鎖を大きく振り、4人をなぎ払う。

 が、勿論こんな攻撃が当る筈はなく、4人とも後退して避ける。

 

 シュッ!!

 

 四人の死神は後退際に何かを俺に投げつけてくる。

 

 これは・・・チャクラムか!!

 

 俺は飛んでくる四つのチャクラムを全て紙一重で避ける。

 

「この遠間で当るわけが・・・」

 

 俺はチャクラムを避け、死神達に近づこうとした、

 その時!!

 俺は危険を感じ、身体を倒す。

 

 シュンシュンシュンシュン!!!!

 

 俺の頭上を通りすぎるチャクラム。

 

 バカな!!いくらなんでも早過ぎる!!

 投げ方によってはチャクラムは戻ってくる物だが、俺が避けて1秒も経ってないぞ!!

 

 投げた本人の手に戻っていくチャクラム。

 結局距離を詰められなかった。

 そして再度投げる体勢を取る4人の死神。

 

 シュン!!

 

 俺に向かい四方から飛んでくるチャクラム。

 

「ちっ!!」

 

 何とか紙一重で全て避ける。

 が、

 

 ピッ!!

 

 服の肩の部分が少し切れる。

 服も含め完全に避けきったのにも関わらずだ。

 俺はもう1度チャクラムと敵を観察する。

 !!

 

「くっ!!」

 

 シュン!!

 

 またありえない時間、ありえない角度で戻ってくるチャクラム。

 それをまた紙一重で避ける・・・が!!

 

 ザシュ!!

 

 変則的な軌道のせいで避けたつもりがかすってしまう。

 だが、これで見極められた。

 敵の武器の正体は

 

 カチャ

 

 敵は戻ってきたチャクラムを取る。

 今度ははっきり見えた、腕に何かリールの様の物を着けているのを。

 そう、敵の武器は鋼線で操るチャクラム。

 単純な仕掛け、正体も解った。

 しかし、厄介な事が判明しただけだ。

 敵の武器は軌道を変更できるチャクラムと、その『鋼線』だ。

 目に見えないほど細いのに、あの勢いのチャクラムを引き戻すだけの強度がある。

 下手に振れれば腕くらいなら持っていかれるだろう。

 更に、こっちには『切る』道具が無い。

 あったが北斗に貸してしまったから。

 

 北斗サイド

 

 シュン!!

 

 俺の避けたチャクラムが再び俺に向かって来る。

 

「手品にも劣る!!」

 

 ネタは割れている。

 俺は携帯用DFSを発動し、避け際に全ての鋼線を切り裂く。

 そして明後日の方向に飛んでいくチャクラム。

 

「はっ!!」

 

 俺は敵の一人に向かって跳ぶ。

 

 貰った!!

 

 俺はそう思った。

 武器を失い、突っ立っている敵に携帯用DFSを向ける。

 が、武器を失った敵はマントの中でなにかをしたかを思うと。

 

 シュン!!

 

 再びチャクラムを投げてくる。

 

 一つでは無かったか!!

 まあ、当然と言えば当然か・・・

 

 バキィィィィン!!

 

 角度が悪く、俺はそのチャクラムをDFSで叩き落すしかなかった。

 DFSを振ってしまったせいで此方は攻撃のタイミングがずれ、

 敵に時間を与えてしまった。

 

 シュンシュン!!!

 

 残っていた二人の敵のチャクラムが俺に迫る。

 俺はそれを下がって避ける。

 その間に距離を取る俺が攻撃した敵。

 

 ほう・・・長距離から俺を潰そうと言うのか?

 

「なら、全て叩き落してやるよ!!」

 

 俺は再度DFSを構え敵に向かう。

 

 再びアキトサイド

 

「はぁぁぁ!!」

 

 ジャリィィィィィ!!

 カン!!カン!!ドン!!バキィン!!

   

 俺は飛んでくるチャクラムを全て鎖で叩き落す。

 が、戻ってきて鎖は傷だらけだ。

 昂気で強化しているのにも関わらずだ。

 さっきから距離を置き、長距離からじりじり責めてくる敵。

 こっちは中距離用の鎖。

 一応フェザーランチャーも持って来てはいるが、アレはあくまで最終手段だ。

 

 シュン!!

 

 もう何度目か、チャクラムが俺に向かって飛んでくる。

 

 ヒュン!! バキン!!カン!!

 

 俺は4発の内2発を叩き落し,2発を避ける、

 が!!

 

 ザシュ!!

 

「ちっ!!」

 

 戻ってきた変則的な動きをするチャクラムが腕をかする。

 

 気のせいか、さっきからだんだんと敵の動きが良くなっている気がする。

 連携も精度が上がってきてる気がするし・・・

 どちらにしろ長期戦はマズイ、こっちの鎖は限界だ。

 それに引き換え向こうは交換している様だし。

 

 こうなったら・・・

 

 俺は拳に昂気を込める。

 そして

 

 ドゴォォォォォォォン!!

 

 全力で拳を地面をなぎ払う様に叩く。

 響く爆音、巻きあがる砂煙。

 俺は地面の石を敵に向かって蹴り、更にかく乱の為に鎖も投げつける。

 そして俺は昂気を消し、気配を断つ。

 

 スゥ・・・

 

 爆音と砂煙に紛れ、俺は敵の一人の背後に移動する。

 

 なんだ、意外と実戦慣れしていないな。

 混乱こそしていないが、そんなんじゃ狙えと言っているような物だぜ!!

 

 俺は消していた昂気を一気に拳に集中させ・・・

 

 ここで敵は此方に気付き、防御をしようとする、

 だが

 

 遅い!!

 

 ドゴン!!

 

 俺の全力の右ストレートで砂煙を巻き込んで吹っ飛ぶ敵。

 

 これで右腕は使い物にならないはずだ。

 

 俺はこの機に乗じ残りの3人の敵に背後に向かう。

 

 その頃北斗サイド

 

 ドゴォォォォォォォン!!

 

 後方、アキトの方から物凄い爆音が聞こえる。

 更に砂煙が舞い上がり、公園全土を覆わん勢いで広がっていく。

 

 なるほど、俺も!!

 

 俺は即座に敵の一人の背後に忍びより、

 

 ブゥン

 

 DFSを発動させる。

 

 ザッ!!

 

 流石に発動音で敵は此方に気付いき、チャクラムを放つ。

 

「甘い!!」

 

 俺はそのチャクラムをスライディングで避け、そして

 

 ザザッ!!ドガァン!! 

 

 敵を蹴り飛ばす。 

 少し浅かったがまともに歩けるようなるまでは時間が掛かるな。

 

「剣を持っているからといって、斬撃にばかり気を配るからそうなる。」

 

 さて、砂煙が収まる前に他の二人もやっておっか。

 殺気は無いが位置くらいは判るからな。

 

 俺は再度気配を消し、敵に接近する。

 

 アキトサイド

 

 さっきの砂煙の攻撃から3分ほど経ったか、

 その間にこの『実戦慣れ』していない敵に地形を利用した攻撃を繰り返した。

 その結果何度か決定的とは行かなくとも有効打は与えてきた。

 敵が学習し地形を利用した攻撃が効きにくくなって来ているのはまだ良い。

 そんな事当たり前だからな。

 でも、

 何故だ!!何故一人も倒れない!!

 4人に与えた有効打の数はどう割り振っても一人か二人は倒れても良い数だ。

 痛覚を切っているのか?

 いや、それでも与えたダメージで考えれば敵が全員『立っている』のはおかしい、

 足にも歩けなくなるくらいのダメージを与えた奴はいる。

 全員同じ背丈格好だからどれにどんな攻撃を加えたかは解らないが。

 さっきの攻撃で仮面の一部を壊した奴はいるが、そいつくらいしか見分けがつかない。

 その仮面の一部、頬の部分が割れた奴の頬には『Y』と書いてあるのが見える、

 7人いるから全員数を持っているのかもしてない。

 まあ、そんな事今はどうでも良いか。

 さて、どうしたものか・・・

 

 俺は1歩後退する、すると。

 俺の背に北斗の背が当る。

 どうやら北斗も後退してきたようだ。

 

「ようアキト、苦戦している様だな。」

 

「そっちこそ、一人も倒れていないみたいだが?」

 

 そう、北斗の方も一人も倒れていない。

 DFSを持っているのにも関わらずだ。

 慣れない得物だから?いやそんな事は無い、北斗の実力を一番知っているのは俺だ。

 

「おい、アキト、そっちに右足を引きずって奴いるか?」

 

「いや、いない。

 それよりそっちに右腕を使えない奴がいるだろ?」

 

「いないぞ、そんな奴。」

 

 それはおかしすぎる!!

 さっき俺は確実に骨まで打撃が到達した感触があったんだ。

 あれなら暫くは腕はまともに動かない筈だ。

 あんなダメージを受けてこの3分で動かせるようになるなんて、それこそカイトみたいな

 異常体質の上に薬で体質を強化しないと・・・・・・え?

 今・・・何か・・・

 

「おいアキト。」

 

 北斗の声に俺は意識は現実へと連れ戻される。

 

「あの契約守る気あるか?」

 

 あの契約?

 ああ、アレね。

 

「ああ、一応な。」

 

「じゃあ、もう飽きたしとっとやってしまおうじゃないか。」

 

「そうだな。」

 

「「我は無敵なり 

 我が影技にかなう者なし 

 我が一撃は無敵なり!!」」

 

 俺達の身体に纏う昂気が更に輝きを増す。

 俺は右手にに全ての昂気を集中する。

 さっきより、今度は他の個所の昂気が消えるほどに。

 

「行くぞ!!」

 

「おう!!」

 

 ダンッ!!

 

 北斗が跳ぶ、音だけを残して。

 同時に俺は拳を地面に振り下ろす。

 

「ビックバン・インパクトォォォォォォォ!!」

 

  ドゴォォォォォォォォォォォォンン!!!!

 

 全ての力を使った一撃は大地を揺らし巨大なクレーターを作る。

 

 振動と衝撃波に動きを封じられた敵。

 その一人の背後に降り立つ北斗。

 

「終りだ。

 乱刺!!」

 

  昂気を纏った無数の蹴りが敵に炸裂する。

 

 ドガガガガガガガガンン!!

 

 敵は動けないままほぼ無防備でその無数の蹴りを食らう。

 

  ピキッ・・・ 

 

 敵の仮面にヒビが入っていく。 

 

「おまけだ。」

 

 北斗は最後に敵を思いっきり蹴り上げる。 

 

 そう、俺に向かって。

 

「これで終りだ!!

 裂破!!」

 

 ドゴォォォォンン!!

 

 上空で待機していた俺は北斗の蹴り上げた敵に渾身の一撃を放ち、地面に叩きつける。

 これで、もし生きていても全治2,3年は確実だな。

 下では北斗がもう一人倒している。

 

 ピキッ!!

 

 俺が蹴りを入れた瞬間、敵の仮面が・・・

 

 パキィィィィィン!!

 

 砕け散る・・・

 

「・・・え?」

 

 ドゴン!!ダン!!ダンッ!! 

 

 敵は地上で2回バウンドしてうつ伏せのまま動かなくなる。

 

 俺は・・・今・・・ダレを・・・

 

「おいアキト!!敵はもう動けるようになったるぞ、

 ぼさっとしてないで手伝え!!」

 

 北斗の声が聞こえた、その時!!

 

 ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・

 

 空から何か落ちてくるような音が聞こえてくる。

 

「今度は何だ!!」

 

 残った敵に気を配りながらも空を見上げる。

 

 そこには・・・

 

「冗談だろ・・・クソッ!!ファルコン!!」

 

 俺はファルコンを呼び出す。

 

『ヒヒィィィィン!!』

 

 そしてすぐに現れるファルコン。

 

「北斗!!」

 

 俺は北斗を抱き、ファルコンに飛び乗る。

 

「おい!!まて!!」

 

 北斗が何か文句を言っているが無視してすぐに上空に上がる。

 そして、俺達が立っていた場所に

 

 ゥゥゥゥゥン ズドォォォォォォォォォォォォンンン!!!!

 

 巨大な何かが突き刺さる。

 

「アレは!!」

 

 突き刺さった物を見て声を上げる北斗。

 

「アレを知っているのか?」

 

「ああ、あれは木連が開発していた迷彩小型次元跳躍門だな。

 たしかアレは費用があまりに掛かりすぎるからと言う理由で開発中止になった筈だが。」

 

 次元跳躍門?チューリップか!!そう言えば前に北辰を取り逃がした時も・・・

 

 そうこうしている間にチューリップはその口を開く。

 そしてそのチューリップに向かう人影が7人。

 

「マズイ!!」

 

 敵は倒れた二人を抱えチューリップで逃げる気だ!!

 

「間に合えぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 俺はファルコンを全速力で飛ばす。

 

 もう最悪と言っても良い事態なんだ、これ以上暗転させてたまるか!!

 

 敵が俺の射程に入る寸前。

 

 バババババシュゥゥゥゥゥゥン!!

 

 数発のミサイルがチューリップの中から飛び出す。

 

「な!!」

 

 俺はミサイルを避ける為に仕方なく上昇する。

 ファルコンにフィールドがあるといってもこれだけの数を直撃されれば終りだ。

 

 そして,その間に逃げ切ってしまう7人。

 

「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 事態は更に悪いほうへと進んでいく。

 俺の努力を踏みにじって・・・

 

「おい、別にいいだろ敵が逃げただけだ。」

 

 今までの行動も含めて不満そうな北斗。

 

 そうか・・・北斗は見ていないのか・・・

 いや、そっちの方が好都合か・・・

 

「それより変なのが出てきたぞ。」

 

 俺が改めてチュ−リップを見ると、

 何かがはいずり出て来ようとしているのが見える。

 

 あれは・・・バッタ?

 出てきたのは普通より2,3倍くらいあるバッタだ。

 

 巨大なバッタがチューリップから半分出てくる。

 

「北斗、DFSは?」

 

「・・・エネルギーが残っていない。」

 

「何!!」

 

 俺が北斗の出したDFSを見ると、

 あとせいぜい一振り分くらいしかエネルギーが残っていなかった。 

 

「仕方ない、北斗、俺の上着の内側からフェザーランチャーを出してくれ。」

 

 とにかく今は目の前にいる危険物の処理をしなくては。

 とりあえずは出るのにも苦労しているような奴だから直ぐに・・・

 

 カシャ!!

 

 と、言っている間にまだ半分しか出ていないのにミサイルの発射口が開く。

 

「!!こんな街中で!!

 北斗、早く!!」

 

 俺は手綱を引きながら北斗を抱いているため(お姫様抱っこで)手があまり動かせない。

 

「取れにくいぞ!!」

 

  バババババシュゥゥゥゥゥゥン!!

 

 そうこうしている内に発射されるミサイル。

 

「ちっ!!」

 

 俺は被害を抑えるため、上昇し、ミサイルを避ける。

 ファルコンでアクロバットな動きをしながら避けていく。

 

「くっ!!おい、もう少しましな飛び方は出きんのか?」

 

「無茶言うな。」

 

「それなた操縦を代われ。」

 

「それも無理だ。」

 

 俺は北斗にこのファルコンの事を説明する。

 ミサイルを避けながら。

 因みに周りでは一般市民の避難が始まっている。

 

「・・・なんでそんな物を作った?」

 

 呆れている北斗。

 当たり前か・・・

 

「ルリに聞いてくれ。」

 それよりまだ取れないのか?」

 

 北斗はいまだにフェザーランチャーを取れずにいる。

 

「揺らす上に変に厳重に着けるからだ。

 ・・・っと、取れたぞ。」

 

 やっとのことでフェザーランチャーを手にした北斗。

 

「じゃあとっとと片付けてくれ。

 使い方はDFSと大差ない。」

 

「よし。」

 

 フェザーランチャーを構える北斗。

 これなら最大出力でバッタ程度のディスト―ションフィールドなら軽く5匹抜きができる。

 

 ガガガン!!

 

 発射されるフェザー。

 これが命中して終り・・・

 

  バシュン!! カン・・・ 

 

 に、ならない!!

 

 撃ち出されたフェザーはフィールドを貫きはしたがその威力を失い

 本体にダメージを与える事はできなかった。

 

「なに!!」

 

「フィールドが強化されているのか。」

 

「あれは強化ってレベルか?!」

 

 バッタ5匹分のフィールドを貫ける威力があるのに!!

 いくら普通の2,3倍の大きさだからって・・・

 

  カチャ!!

 

 性懲りもなくミサイルを発射しようとするバッタ。

 いや、此方の攻撃手段がない以上、そんな事も言ってられないか・・・

 

 バババババシュゥゥゥゥゥゥン!!

 

 そしてまた俺達に向かってミサイルが・・・

 

 ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!・・・

 

 だが、ミサイルは俺の横を通りすぎて行ってしまった。

 

 な!!まさかアイツ狙いを変えたのか!!

 マズイ!!まだ人がいるのに!!

 

「北斗!!今通りすぎたミサイルを全部撃ち落してくれ。」

 

 俺はファルコンをミサイルの方へ向ける。

 

「何故そんな事をする?」

 

 くっ!!今の北斗に『人を助ける』なんて発想はないからな。

 なら。

 

「なんだ、そんな事もできないのか?」

 

 挑発気味に言ってみる。

 

「見てろ。」

 

 直ぐに乗ってきた。

 お互いの事を分り合えるって便利だ・・・

 

 ガガガガン!!

 ドン!! ドドン!! ドォン!!

 

 全弾正確に落としていく北斗。

 流石だな。

 

 でもこのままではいずれ弾が切れてしまう。

 出来れば俺達だけで解決したかったが・・・

 

「ブローディア!!」

 

 パチン!!

 

 俺はブローディアの呼び出しを行う。

 だが・・・

 

『現在この呼び出しコードは使用できません。

 直ぐに帰艦してください(ハート)。』

 

 などと言うウィンドウが出るだけだった・・・

 

「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺あらん限りの声で叫んだ・・・

 

「・・・」

 

 北斗もかなり呆れている。

 

 そうしている間にもミサイルが街を狙う。

 

「クソ!!ナデシコ!!誰でもいい応答しろ!!」

 

 俺はナデシコへの回線を開く。

 

 ピッ!!

 

『なんだ、アキト、外泊許可か?』

 

 出てきたのはいつもの調子のシュンさんだった。

 

「何言ってるんですか!!敵です!!」

 

『何!!此方には何の連絡も来てないぞ。

 それにオモイカネも何も察知していない。』

 

 そんなバカな!!現にミサイルの爆発が起きているのにオモイカネが解らない筈が・・・

 そんな事は今はどうでもいい!!

 

「直ぐに来てください!!敵はたいした事ありませんが

 俺達では街を守りきれません!!」

 

『解った直ぐに行く!!』

 

 ピッ!!

 

 今から直ぐに来ると言ってもこの距離では10くらい掛かるか・・・

 でもそれまでは守りきらなくては!!

 

 

 その頃ナデシコブリッジ

 

「カズシ、お前は艦長達を呼んできてくれ。」

 

「解りました。」

 

「ミナト君、全速力でアキト君の元に急いでくれ。」

 

「了解!!」

 

 俺は急ぎ司令を出す。

 しかしどう言う事だ?街で戦闘が起きているのに連絡がこないなんて・・・

 まさかまた妨害工作が!!

 

「ミナト君,どれくらいで到着できる?」

 

「十分は掛かります。」

 

「エステバリス部隊は?」

 

「ここからでは遠すぎます!!」

 

 くっ!!それでは街が・・・

 

 と,その時。

 

 シュゥゥゥゥゥ・・・

 タン!!

 

 俺の前に虹色の光が輝き、ナオ君とカイト君が降り立つ。

 

「遅いぞ二人とも、何をしていた!!」

 

「申し訳ない、ナオがちょとミリアに会いたいというから少し寄り道をしていた。」

 

「結局会えなかったんですけどね。」

 

 苦笑するナオ。

 今はそれどころではない。

 

「ところで何を慌てているだ?」

 

「アキト達のいる所にチューリップが落ちたんだ。」

 

「え?チューリップ?それえならアキトにはブローデディアが・・・」

 

「それならさっきルリ君が呼び出せない様にしているのを見たよ。」

 

 彼女もまさかこんな事になるとは思わなかっただろうが、

 とにかく今は少しでも早く行かなくては。

 

「俺が出る。」

 

 そう言ってカイト君は格納庫へと走る。

 

「頼んだぞ!!」

 

 ブリッジを出るカイト君に声をかける。

 そしてカイト君と丁度入れ違いに艦長達が戻ってくる。

 

「遅い!!」

 

「「「「申し訳ありません!!」」」」

 

 そう言ってそれぞれの持ち場に着く。

 

 その頃格納庫では

 

 俺は格納庫に一つだけあいたスペース、

 極秘の呼び出しポイントの前に立つ。

 

「我と共に生きるは霊験なる勇者、出でよ!!」

 

 シュゥゥゥ・・・  ダン!!

 

 そして現れたハデスに飛び乗る。

 

「行くぞ!!リリス!!」

 

『了解、マスター!!』

 

 リリスの立体映像が俺の身体と重なり、ハデスは完全に起動する。

 

 俺は射出装置には行かずここでジャンプイメージを開始する。

 

『頼んだわよ、カイト。』

 

 ルリから通信がはいる。

 

「わかった。

 ・・・ジャンプ!!」

 

 シュゥゥゥゥ・・・・パシュン!!

 

 機体は虹色の光に包まれジャンプを開始する。

 

 

 その頃アキトサイド

 

 ガガガガン!!

 ドン!! ドドン!! ドォン!!

 

 幾度目かの攻防、フェザーも残り少ない。

 ナデシコが来るのは早くて後十分。

 

 くっ!!どうすれば・・・

 今あるのは武装のないファルコン、残り少ないフェザーランチャー、残り一振りのDFS。

 これで出来る事は・・・

 

 ある!!

 

「北斗、次の攻撃で一気に接近して敵を叩くぞ。」

 

「フィールドはどうする?」

 

「俺がDFSでなんとか奴のフィールドを中和する。

 その好きに残った弾を全部撃ちこんでくれ。」

 

「いいだろう。」

 

 バババババシュゥゥゥゥゥゥン!!

 

 敵のミサイルが発射された。

 

「行くぞ!!」

 

「おう!!」

 

 俺はファルコンを一気に降下させ、敵に接近する。

 

 そしてその間にミサイルは全て撃ち落す。

 

 ガガガガン!!

 ドン!! ドドン!! ドォン!!

 

 至近距離でのミサイルの爆発はファルコンのフィールドで持ちこたえ、

 次の攻撃が始まる前に距離を詰め。

 爆炎から出た瞬間。

 

「いけぇぇぇ!!」

 

 シュン!!

 

 俺はDFSの残ったエネルギーで敵のフィールドを破る。

 そのフィールドの切れ目に

 

「今度こそ終りだ!!」

 

 ガガガガン!!

 

 フェザーは全て命中。

 

 バン!!ドゴン!!ズガァァァァァン!!

 

 そして爆発炎上するバッタとチューリップ。

 だが・・・

 

 思っていたより爆発が大きい!!

 

「くそっ!!絶対今日は厄日だ!!」

 

 俺愚痴を吐きながらファルコンのフィールド全開にしつつ全力で上昇しようとするが、

 さっきの爆炎を通った時の影響でフィールドの出力は下がり、

 上昇も遅い。

 

「おい!!」

 

「解ってる!!」

 

 迫り来る爆炎、このままでは飲みこまれてしまう!!

 炎が直ぐ後ろまで迫ったその時。

 

 バサッ!!

 

 音と共に視界が闇に包まれる。

 

『アキト、無事か!!』

 

 暗闇の中,カイトからの通信ウィンドウが開く。

 これは・・・ハデスのアクティブクロークか。

 

「ああ、なんとかな。」

 

『敵は・・・片付いたみたいだな。』

 

「ギリギリだったよ。

 カイト、すまないがこのままナデシコへ運んでくれ。」

 

『了解。』

 

 俺達はハデスに抱かれ、ナデシコへ帰艦した。

 

 

 格納庫

 

 ナデシコに着き俺はハデスとファルコンから降りる。

 

「流石に疲れたな。」

 

「まったくだ,無駄に疲れてしまった。」

 

「なんならこのまま運んでやろうか?」

 

 俺はまだ北斗を抱いたりする。

 

「冗談、早く下ろせ。」

 

 最も俺もそんな体力は残ってないが。

 

「はいはい。」

 

 俺は言われた通り北斗を下ろし、二人で医務室へ向かう。

 途中で皆と優華部隊の人達に出くわしたが、疲れているので後にしてもらい、

 医務室のベットに倒れこむ。

 

 今回のデートで考えなければいけない事がまた増えてしまった、

 だが俺は今日の事を考える暇もなく眠りに落ちていく。

 

 

 

 あとがき

 

作:おひさしぶりで〜す。

  なんかあとがきを書くのって凄く久し振りなきがするな〜。

ル:まったくね、1話書くのに何日かけてるの? 

ア:しかもまとまりに欠けまくってるし。

作:まあ今回はそれは置いといて。

ル:置いておけるような問題?

作:置いといて。

ア:はいはい、置いといて?

作:読者様にお伺いします

  1.サブロウタの相手は三姫オンリーである。 

  2.サブロウタの相手はアキラが良い。

  3.サブロウタは両手に花を持つべきだ。

  のどれが正しいでしょうか? 

ル:わざわざこんな事拡大しなくても・・・

ア:目立つ様にでしょ?

ル:今までくだらない事書きまくったからあとがき読まない人多いでしょうね。 

作:と言う訳でメールで答えてくれるとかなり嬉しいです。

  1、と2だけでも構いません。

  どうか1票を。

  因みに今は1と2が同票です。

ル:6通来たんだからもう良いんじゃない?

作:感想を頂いてるのにこの件に触れていない方がいますので、ではおねがいしま〜す。

作:まあ一応この事感して何も触れていない感想を送ってくださる読者様もいますので。

 

ル:何も反応がなかったらどうするんです?

 

作:あああああああ、今神を降臨させよと大魔王様からのお告げが!!

 

  でも神を召喚するには3人の生贄が必要だ!!

 

ア:危険思考、殺しておくか?