舞歌INメティ&メティINラピスVS三羽烏 メティINラピス視点
作戦に従い、おじさん達と戦う私。
一度はちゃんと闘いたかったんだけどね〜☆
今、私はファミリアをフルに使い、おじさん達と遊んでいる。
『くそぉ!!なんとしてでも倒して、お兄ちゃんと呼ばせてやるからなぁぁ!!』
私の操るファミリアの、遠隔射撃と遠隔斬撃を必死で避けながら、
私との距離を詰めようとする九十九おじさん。
『俺は、兄上様と呼ばせてやるわぁぁぁ!!』
と、九十九のおじさんと同じく必死に攻撃を避けながら叫ぶ月臣のおじさん。
『俺は、別におじさんでいいんだが・・・
ま、勝てたら兄君と呼んでくれると嬉しいな』
一番まともそうなのは秋山のおじさんか・・・
と、そこで、私・・・じゃなかった、舞歌INメティに通信がはいる。
『俺はお兄様と呼んでもらおうかな』
『じゃあ、俺は兄くんで』
『俺は兄チャマでいいぞ』
『え?俺ですか?じゃあ兄ちゃまで』
『そうだなぁ、僕はあにぃか、にいさまで』
『俺は兄貴で頼むぜ!!』
『ついでだから僕は兄やでお願いするよ』
『俺は当然おにいたまだ〜〜!!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
バカばっか。
ホント、ここはナデシコだね。
え?誰がどれって?いうのぉ〜
しょうがない。
上からナオおじさん、シキさん、シュンさん、カズシさん、ジュンさん、ヤマダさん、アカツキさん、
最後が、ウリバタケのおじさん。
ああ、頭が痛い・・・
私は通信画面をいじって、私の顔と声が届く様にして、
「ねえ、アキラちゃん、今私とってもナデシコを攻撃したいな♪」
私は攻撃の手を緩めずに、アキラちゃんと話す。
『ん〜・・・でも私のナデシコが傷つくのは嫌だから、帰ってきてからにして』
ちょっと悩んで答えるアキラちゃん。
「まったく・・・シキさんとジュンさん、はともかく・・・」
私は溜息をつく。
『ちょと、待て、言っとくが俺とシキは同い年だぞ。
しかも、俺とお前はもうすぐ正式に義兄妹になるだろうが!!』
何か言ってるナオおじさん。
「『『『だって、明らかにナオさんの方が老けてるじゃない(ですか)』』』」
私、ルリちゃん、ラピスちゃん、アキラちゃん、4人の少女の声が見事に重なった。
『・・・どうせ俺なんか・・・・・・』
いじけるナオさん。
実際、ナオさんも十分若作りだけど、シキさんはそれ以上に童顔なのよね。
と、そこに、アヤさんからの通信が割りこむ。
『お父様もおじ様も何を言っているんですか〜?』
ちょっと怒ったような口調のアヤさん。
見ると、アヤさんとアキトIN舞歌の戦闘は一時中断の様だ。
『いいじゃないか。
俺だっておじさんよりもお兄ちゃんと呼ばれたいんだよ』
軽いシュンさん。
アヤさんと言う、成人(正確にはちょっと前)の子供がいるのに・・・
『お父様、今年で御幾つになられるか、ちゃんと覚えてらっしゃいますか?』
笑顔で問うアヤさん。
『まだボケとらんよ。
しかぁし!!
俺は心は永遠に26歳なのだよ』
と、のたまうシュンさん。
『冗談は顔だけにしてください』
明るく笑顔で何気に酷いことを言うアヤさん。
親子ケンカはほっといて次ぎ行こう。
『ふ、何を言うか、このダンディなお父さんに向かって。
なあ、サラ君、ミナト君、メグミ君?』
『じゃあ、俺はどうなる?』
『なんでそこで、私達に振るんですか?』
と、今度はヤマダさんか・・・
『最近台詞が少ないから、いいだろう?』
「ヤマダお兄さんとなら呼んであげてもいいよ?」
『う・・・まあ、確かにシュンさんはかなり良線の顔をしてると思いますが』
私は、アキトお兄ちゃんの事は、
最初、兄というものに憧れを抱いていたから呼んでいるのであって、
あまり特別な意味は無いから、おにいさんなら、兄の呼称で呼んでも構わない。
『そうね、白鳥さんほどじゃないけど』
『俺はダイゴウジ・・・っとぉ!!!』
『アキトさんほどじゃないですけど、確かにカッコイイですよ』
と、そこで万葉さんからの攻撃でヤマダさんの言葉が遮られる。
『ふむ、ほら、アヤ、皆も認めてくれてるぞ』
『人との戦闘中に、何を別の女と話しとるかぁぁぁ!!』
『じゃあ、お父様はしょせん顔だけなのでしょう』
『どわ!!なんか急に攻撃が鋭く・・・おわぁぁ!!』
『アヤ〜、俺はお前を親に向かってそんな事言う娘に育てたつもりは無いぞ〜』
万葉さんの猛攻に喋る暇が無くなるヤマダさん。
まあ、自業自得だろう。
『ろくに帰って来た事も無いクセに何を仰いますか!!』
『じゃあ、僕はどうなるんだい?』
『お前が軍の基地内まで潜入してくるからその必要も無かっただろうが』
今度はアカツキさんか・・・なんで皆して兄の呼称にこだわるんだろう?
皆、そう言う趣味なの?
『私はお父様達が帰ってきてくれないから強硬手段にでたんです!
第一、私がいないと、ちゃんと食事も出来ないくせに泊り込みなんかしないで下さい!!』
『ああ、それはね、エリナさんに、
スケコマシのいうことは聞かなくて良いわよ、って言われてるから』
『なぁ、カズシよ、昔は一緒にお風呂に入ることをせがんできた愛しの娘が、
最近では口うるさく育ってしまったよ〜』
本当に、そう言われたのよ、ナデシコに来た時に。
『ははは・・・それについてはコメントが難しいですよ・・・』
『ははは、なるほど・・・』
『な、何を言っているんですかお父様!!』
笑顔で青筋を立てるアカツキさん。
と、そこに百華さんの通信が割りこむ。
顔を真っ赤にして怒るアヤさん。
対して、シュンさんは完全にからかっている。
アヤさんとは言え、まだ親には勝てない様だ。
『シキ様〜私でよければどんな呼び方でも受け入れますよ〜
『ご主人様』でもOKですよ〜〜〜!!!』
『昔はよく抱き付いてきたんだけどな〜、最近では近寄ることすら少ない・・・』
笑顔で危ないことを宣言する百華さん。
シキさんは・・・あ、逃げた・・・
『ははは、それはありますね〜、昔はよく肩車とかもしてあげたんですけどね〜』
『ああ〜シキ様〜何故〜〜〜!?』
『おじ様まで混ざらないで下さい!!』
逃げるシキさんを見てアカツキさんに八つ当りの様に(実際そうなんだろうけど)
猛攻する百華さん。
『結婚の約束までしたあの頃が懐かしいな〜』
『どわぁああ〜〜!!』
『ああ、覚えてますよ、いっそあの時奪っちゃえばよかったかな〜』
ご愁傷様、アカツキさん。
さて、親子漫才はまだ続いてるみたいだけど、
そろそろ戦闘に戻ろうかな。
昔話で盛り上がる二人。
アヤさんは肩を震わせて・・・
『だぁ〜〜!!何で普通に会話してるのに、
攻撃の手が全く緩まないんだぁぁ!!』
『もう、ご飯作ってあげないから!!!』
『隙もまったくできやしねぇぇ!!』
と、いって一方的に通信をカットする。
叫ぶおじさん二人。
まあ、私一人で戦闘している訳じゃないしね。
『あ、アヤ!!』
『メティ様、そろそろこの戦法も限界ですよ』
『待ってくれ、アヤちゃん!!』
クオンが私の前に姿を現す。
先ほどから、おじさん達にファミリアを壊されてるから、
そろそろ数が減ってきて、接近され始めたみたい。
と、そこで、
慌てる二人。
その頃アヤさんは、
『ねぇ、おじさん達、舞歌さんってどんな人?』
『すみません、長々と、続き、お願いします』
と、舞歌さんが3人に問う。
・・・まあ、意図は解る。
いつもの調子に戻ってアキトIN舞歌と対峙する。
『っと!!ん?舞歌様か?』
『え、ええ、いいわよ』
『おい、気を付けろ、舞歌様もこの宙域にいるんだぞ』
アキトIN舞歌はちょっと引き攣りながらも続きを始めた。
答えようとした九十九さんを月臣さんが止める。
まあ、舞歌さんの記憶から見た、3人の舞歌さんとの関係を知っていれば、
当然の反応といえるだろう。
そう、下手なことを答えれば死に繋がる。
『大丈夫だよ。
今、プライベート回線にしたから。
いくら舞歌さんでもマシンチャイルド技能を持つ、私のプロテクトは破れないでしょう?』
実際にそう言う回線に切り替えてるけど・・・
ま、私は面白そうだから傍観してよ〜
『ああ、君から見ればおばさんの舞歌様ね』
と、月臣のおじさん、速攻で爆弾投下・・・
『つ、元一朗、お前なんて事を・・・』
『俺は知らんぞ、捲きこむなよ!!』
流石に慌てる二人。
と、その二人をよそに、月臣おじさんは、何かを警戒する様に、構え、
当りをきょろきょろと見まわし、少しして、
『よし、聞こえてるなら絶対に報復があるのに無いぞ!
本当に舞歌様には聞こえていない様だ』
などと、胸をなでおろす。
ああ、因みに、舞歌INメティの笑顔が引き攣りまくっているのは、言うまでも無いよね?
映像を弄ってるから、3人には解ってないと思うけど。
『お前、試すのにそんな特大の爆弾を投下するなよ』
『全くだ』
二人も同じく安心する。
『でもこれで聞こえていないことは確証が出来たわけだ』
と、笑顔の月臣おじさん。
『解ったでしょ?
私も秘密は護るよ。
で、舞歌さんの事はどう思ってるの?』
と、改めて問う舞歌INメティ。
『いや〜あの人もあの性格でなければいい司令官なんだけどね〜』
しみじみと語る九十九のおじさん。
あ、そうそう、因みにこの会話の間も私達の戦闘は止まってないからね。
3人は器用に、全力戦闘をしながら会話をしてるんだよ。
他の皆もそうだけどね。
まあ、私の場合は、ちゃんと会話ができるように少しだけ攻撃を緩めてたりしてるけど。
『おいおい・・・』
九十九おじさんの言葉を制止しようとする秋山おじさん。
『そうだ、俺達は幾度、あの人の趣味で弄ばれた事か・・・』
やけにしみじみと言う月臣おじさん、まあ解るけどね、知ってるから。
『俺は知らんぞ、俺を巻き込むなよ!!』
対照的に慌てて二人との関わりを否定する秋山おじさん。
まあ、正しい判断だけど、多分無駄だよ?
『大体、あの人は人の色恋沙汰に口を出して弄ぶんだからな〜
まったくもって性質が悪い』
と、かなり遠い目の九十九おじさん。
『まったくだ。
まあ、それで俺はあいつに出会えたわけだが・・・
出会いは無理やりだったからな〜』
『そうそう、第一、舞歌様自身、相手がいないというのに、
何故、人のにちょっかい出すんだろうな?』
『経験も無いのに指導してるしな、
いや、経験が・・・まさかな、あの人に付いていける様な男は木連にはおらん。
無理やり連れて行こうとしても廃人になるのが目に見えてるな』
・・・あ〜なんか、舞歌さんの笑顔が怖いな〜・・・
因みに、秋山のおじさんは、二人から離れて行動する様になっている。
『まったくだ、舞歌様のあの性格に付いていくなど、それこそテンカワ アキト位の、
内外の強さが必要だよ。
いや、でも自分が行き遅れてるのを僻まれるよりかはましかな?』
行き遅れって・・・ああ、そうか木連の適齢でいうと・・・
っと、何でも無い何でも無いよ〜〜(汗)
『そうだな。
実は、自分が行き遅れてるから、部下のそっちの面倒見がいいのか?』
『おお、そう考えればまあ優しいのかな?』
『自分が行き遅れた故の優しさか?』
『ははは、意外とそうかもな〜』
笑う二人。
・・・さようならおじさん達、もうあわないだろうね。
あ、秋山のおじさんは本気で背を見せて逃げてるし、でも逃げられないよ。
(メティちゃん・・・取り合えず、今は貴方がやっちゃって)
了解。
私は、映像をいじって、先ほどと同じ様に私が、メティとして映る様に細工して、
二人に通信をいれる。
「ねぇ、もう他の所では決着が着き始めてるから、
そろそろ決めるね♪」
『『え?』』
私は全てのフェザーを呼び戻しはじめる。
ついでに、逃げようとしている秋山のおじさんも二人のいる位置まで持って来る、
フェザーの嵐で後退させて。
『後生だ〜!!行かせてくれ〜!!
今逃げないと俺まで巻き込まれるんだ〜〜〜〜!!』
悲痛な叫びをあげながら、
私の思惑通り二人と同じ位置まで移動せざるえない秋山のおじさん。
どうせ、もう手遅れだって。
「じゃあ、ちゃ〜んと防御してね。
じゃないと死んじゃうよ♪」
元の状態に戻ったフェザーを再度射出し、小剣型DFSに、
鞭の様に長く、しなやかに動く様に集結させる。
一応リボンというつもりなんだけどね〜
『あ、あの、ナンでしょうか?その見た事のない武器は・・・』
ちょっと顔を引き攣らせている九十九のおじさん。
「フェザーリボンって言うんだよ。
さあ、踊ろう♪」
私はアテナをフルバーストモードにする。
そして現れる光の翼、それに呼応するように輝くフェザーリボン。
私は二つのリボンを新体操でやる様に回しながら、
移動する。
『あれ・・・遅い?』
それを見た月臣さんの感想がそれだった。
まあ、そう見えるだろうね〜
『いや、違うな、アレは』
秋山のおじさんは解ってるみたいだね〜
あ、諦めたんだ、秋山のおじさんが向かってくるよ。
秋山のおじさんは戦斧を振りかぶり、
ブンッ!!
思いっきり振り下ろし、切り裂く。
アテナの残像を。
私は踊っているだけだよ〜
『何やってるんだ、源八郎?
この速度なら!!』
と、いいながら突進してくる月臣のおじさん。
ヒュン!!
その攻撃も虚しく空を斬るだけだ。
ん〜、中途半端に邪魔しちゃやだな〜
女性からダンスのお誘いなのに、焦り過ぎだよ〜
『・・・流水の動きってやつか?』
『そうだな、緩急自在で、捕まえるのは難しいな・・・だが』
『攻撃に転じる瞬間を突けば!』
3人は私から一旦距離を取って3人固まってカウンターを狙っている。
ん〜、解ってるみたいなんだけどね〜
私の武器が剣だったら、それは正しいと思うよ〜
それに、私が無意味に動いてるとでも?
私は、今ただ3人の周りを舞っているだけの様に見えるけど・・・
さて、前奏はこれくらいにして、そろそろ行こうかな、
ヒュン!!
私は今までと変わらぬ動きで、2本のリボンの軌道を内側、
つまり、3人に向ける。
バシ!!
第1撃目は九十九おじさんの右腕に当たり、
九十九おじさんの腕が少し下がる。
『くっ!!』
その瞬間に他の二人は反撃に出ようとしたのだろうが、
『・・・』
『・・・』
私が攻撃に移っても行動できない2人。
それは・・・
『え〜っと・・・どれが本物だ?』
そう、今の3人には、無数の私に囲まれている様に見える事だろう。
私は残像を残しながら移動し、更に、ちょっとしたトラップを撒いていたのだから。
『レーダーにまで映る残像ってなんだぁぁぁ!!』
そりゃあ、『質量のある残像』だもの〜♪
さて、その残像に囲まれている中、一斉攻撃をしたらどうなるでしょう〜
ヒュン! ヒュン! ヒュン! ヒュン!
残像だから当然だけど、全方位から同時にリボンが襲いかかってくる。
『『『なにぃぃ!!』』』
バン!! ドン!! バシッ!!
3人に襲いかかる無数のリボン。
一撃のダメージは、カイトさんの一撃が全力鉄拳なら、私のはデコピン程度だろう、
しかし、
『ぐぁ!』
『ぐぇ!』
『どわぁ!』
全方位からの同時にしかも無数のともなればどうだろうか?
そして、攻撃を受けた部位は少なからず動く。
腕に受ければ受けた方向へと腕が動き、脚に受ければ脚が動く。
今、3人は、あたかも滑稽に踊っている様に、リボンに動かされているのだ。
「私はまだ、奥義は使えないから、通常技の連携で申し訳無いけど、
そろそろ止めだよ!」
私は、踊っている3人を、たたき上げ、
その上がっている3人より早く、3人が向かっている方へ先回りし、
「えい♪」
二つのリボンをまとめて回す。
3人が中に入るように。
そこでフェザーの部分をDFSの柄から分離させ、
3人を包んでいるフェザーはフィールドの嵐となる。
『『『ぐわぁぁあぁぁあぁぁあ!!』』』
多分中は揺れて目が回るだろうな〜
最後に、フェザーは一箇所に収束・・・
シュゥン・・・バンッ!!
弾け飛ぶ。
そして、残ったのは瀕死の3人の機体。
「ん〜まだまだかな〜」
3人が一応生存しているのを確認し、私は今の技の構成を反省する。
(そうね、もっと長く苦しめなきゃだめよ。
ふふふ・・・ふふふふふ・・・)
ああ、さようならおじさん達。
多分、次ぎは無いよ。
いっそ、ここで楽にしてあげた方が良かったかも・・・
私はそう思いながらも、他のメンバーの戦闘を観察する事にした。
カイトINアキトVSサブロウタサイド ディア視点。
無数にも見える飛び交う棍。
サブロウタさんは、棍を全て分割し、それをあたかも2本の鞭の様に使い、
私に乱撃をしかけてくる。
マスターに入ってるカイト姉は全の攻撃を紙一重で避けてはいるが・・・
ちょっとブリッジの会話でも聞いてみよう。
『ねぇ・・・アキト君が押されてる様に見えるんだけど・・・』
と、少し驚いているミナトお姉さん。
『確かに・・・九節棍を分割して鞭の様に使い、接近させない、
近づいても、手に持った部分の棍や鎖で受けられてしまうから、
兄さんは・・・』
少し悲観的なアキラ姉。
『でも、なんであんな風に攻撃できるならルリちゃんとの戦闘でアレを使わなかったの?』
と、メグミ姉さん。
『それは、姉さんにアレをやっても速度で簡単に逃げられてしまうし、
姉さんには遠隔攻撃武器があるから・・・』
自分の兄の敗北を想像してしまっているアキラ姉。
『じゃあ、アキト君じゃサブロウタ君に勝てないって事?』
あ〜あ、なんかブリッジじゃあ私達が負けるとかいってるよ〜
悲しいな〜
『ねぇ、マスター、皆私達が負けると思ってるよ?』
流石に耐えかねて、私はマスターに入っているカイト姉に事の次第を報告する。
「まあ、確かにこれでは俺が劣勢に見えるだろうな」
こんな状態でも落ち着き払っているカイト姉INマスター。
『どうした!何故攻めてこない!!』
逆に、優勢であるはずのサブロウタさんの方が少し感情が高ぶっている様だ。
それに、カイト姉INマスターは
「そうだな、そろそろいいか」
と、余裕を見せている。
『このぉぉぉぉ!!』
その余裕がカンに触ったのか、サブロウタさんの感情が更に揺らぐ。
でも、攻撃に隙が見えるわけではないので、あまり挑発の意味は無い様だけど・・・
と、そこで、カイト姉INマスターは、手に持っているDFサイズの刃のイメージを切り、
背中にその柄を装着する。
つまり、唯一の武器をしまったのだ。
『なに!』
『『『ええ〜〜!!』』』
その行動に驚くサブロウタさんとブリッジの面々。
それに私も驚いている。
「・・・」
カイト姉INマスターは相変わらず無表情で、何を考えているか解らないが・・・
・・・
動いた!
バシッ!!
一瞬、目にも止まらぬ早さで、自然体の状態から右から首を狙っていた一番端の棍を、
右手で捕まえる。
『!!』
サブロウタさんは、その行動に驚きながらも、
腕を巻き取りにかかると同時に、左側からも棍を薙ぐ。
しかし、
カイトINマスターは、右の棍は絡め取る動作より早く、操作し、3つを連結させる。
そして、左は、右でやった様に、手で掴んでしまう。
更に、サブロウタさんが左を絡め取る動作に入る前に連結し、動けなくする。
この行動が行われた時間は1秒程しかかかっていない。
『くっ!!』
サブロウタさんは連結された棍を支点とし、私に蹴りを放ってくるが、
そんな攻撃に当たるカイトさんな訳は無く、
棍を手放し、1歩退いて避けると、それと同時に背負っていたDFサイズを掴み、
背負っている状態から振り下ろす。
もちろんただ振り下ろすだけでは無いが・・・
それをサブロウタさんは、蹴りを放った状態からなので、できる事といったら、
棍を完全に連結させ、迎え撃つ事くらいだ。
カッ!!
そして、接触し、閃光が辺りを支配する。
私は見えていたが、恐らくブリッジのメンバーからは何が起こったか解らなかっただろう・・・
閃光の後、お互いに背を向けた状態で佇む二人。
ジ・・・ジジ・・・ドゴォォン!!
首から右腕にかけて切り裂かれた深緑皇。
対して、私は・・・
ドォォン!!
爆発する左腕。
『・・・俺の負けか』
悔しそうだが、あっさりと負けを認めるサブロウタさん。
「機体性能差もある。
気にするな・・・と言うのは無理か」
たった数秒、そう、10秒にも満たない時間で、決着が着いたのだ。
例え機体性能差があったとしても・・・
『・・・』
サブロウタさんはその後は何も口にはしなかった。
アキラ姉もかける言葉が解らないと言った感じで、黙っていた・・・
あ〜暗い・・・
さて、残るは・・・
ルリINカイトVS北斗サイド ブロス視点
双剣と単剣との激しい技の応酬。
状況は、僅かに北斗の方へ向いている。
俺にはそう見えた。
「北斗ぉぉぉぉ!!」
『はっ!この程度か、女!!』
なんだろう・・・北斗はさっきの挑発があるから感情が揺らいでるのは解るけど、
ルリ姉さんも何か・・・そう、何かを思って闘っているな。
向かってくる北斗のDFS。
それをルリ姉さんは双剣を重ねて受ける。
重ねて受けるしかない、と言った方が正しいか・・・
ガキィィィィィン!!
激しい衝突、それに乗じて発生する衝撃波。
「ちぃぃぃ!!」
『ははは!!どうした女!
アレだけの大口叩いて、この様か』
嘲笑う北斗。
キィィン!!
二人はお互いに剣を弾き、距離を取る。
この際、ルリ姉さんは少し多めに下がった。
「ブロス!!リリス!!」
どうやら、アレをやる様だな・・・
『『了解!!』』
俺とリリスは二人で、とある機構をフル稼働させる。
『どうした、来ないのか?
ならこっちから行くぞ!!』
動かない俺達を見て、突進してくる北斗。
そして、あれはおそらく、刺突系の奥義、虎王牙突斬だ。
あれを受けたら、おそらく、ルリ姉さんでは・・・
『ハァァァ!!』
ザシュ!!
無防備に立っていたハデスに突き刺さるダリアのDFS。
しかし!!
『なっ!』
それはハデスの全フェザーとハイパージャマ―で使って作った、『分身殺法』だ!!
そして、ダリアはそのフェザーの塊に突っ込んでしまったのだ、
俺とリリスの操るフェザーの檻にな。
ダリアを取り囲む様に旋回し、ダリアを切り裂くフェザー。
『このぉぉぉぉぉ!!』
何とか脱出を試みる北斗だが、そう簡単には逃がさないぜ!
そして、
「ハイパージャマ―には、こう言う使い方もあるんだぁぁ!!」
北斗の上方に姿を現す俺達。
ルリ姉さんは、ハデスをフルバーストモードにし、
全力で北斗目掛けて突っ込む。
そう、止めを刺す為に。
だが、
『舐めるなぁぁぁ!!』
北斗のその声と共に、
バシュゥン!!
俺とリリスの操作していたフェザーが全て吹き飛ばされる。
『にぃ!!』
『・・・』
思わず声を出してしまった俺と、珍しく表情を曇らすリリス。
だが、ルリ姉さんは、そんな事を気にしていないのか、
速度を落とす事も無く、突っ込む。
「北斗ぉぉぉぉ!!」
『カイトォォォォ!!』
キィィィン!!
そして交差・・・
状況的に優位だったのはこちらだった・・・
俺達だったのに・・・
バコォォォォン!!
爆発を起こす俺、つまりガイア クロノス。
そして、ハデス。
動力部を損傷・・・暴走こそ起こさないが・・・
完全に戦闘不能だ・・・
もう・・・俺も、リリスも・・・動けない・・・
「く・・・」
それが解ったルリ姉さんINカイト姉さんは、それだけ口にすると、沈黙してしまう。
『ははは!勝負あったな』
こちらを振り向き、構える北斗。
そこへ、
『ああ、両者戦闘不能で痛み分けってところだな』
カイト姉さんINマスターが割りこんでくる。
『両者戦闘不能だと?』
そのカイト姉さんINマスターのセリフを聞き返す北斗。
『ああ、お前は今何を振りかぶろうとしているんだ?』
と、カイト姉さんINマスターはダリアの腕を指す。
ドォォォン!!
『・・・』
吹き飛ぶダリアの右腕とDFS。
数秒の沈黙。
そして、
『・・・ハハハ・・・ハハハハハ!!』
笑い出す北斗。
楽しそうに、
『そうだな、確かに痛み分けだ。
今日のところは引き下がろう』
心底楽しそうにそう言う北斗。
『また逢おう、アキト。
そしてカイト、お前の事覚えておくぞ』
そして、シャクヤクへと退いていくダリア。
『ああ』
それにちゃんとマスターの様に答えるカイト姉さんINマスター。
ダリアに続き、優華、優人部隊も引き上げていく。
そして、向うの撤退が終了し、
カオスがこちらを向く。
『帰ろうか、カイト』
(帰ろう、ルリ)
そう、呼びかけるカイト姉さんINマスター。
ルリ姉さんはそれでも無言だった。
代理人の感想
ん〜。
あらためて思ったのですが、パロディやオマージュ自体は構わないとしても、
それをそのまま使ったらギャグにしかならないのかもしれません。