第7話 「誰のための歌?」

 

 

 

 








 先ほどテンカワが合流を果たし。

 そして、敵を殲滅しつつ、敵の包囲網から脱出する事ができた。

 が、依然として危機な状態だ。


 パイロットが帰艦したら、すぐ作戦会議を開こうと思ったが・・・


 ユリカ、ルリ、メグミ、リョーコ、アキラの5名がテンカワを引き連れて何処かへ行ってしまった。


 そのため僕はユリカ達が戻ってくるまで食事を取っておこうと食堂まで来た。


「ホウメイさん、火星丼お願いします。」


「はいよ。」


 ホウメイさんの返事はすぐに返って来たが何やら奥が騒がしい。

 エリを他の4人が囲んでなにかもめている。

 まあ、さっきの事だろうけど・・・


「はぁー。」


「どうしたんだい?ため息なんかついて。」


 何時の間にか火星丼を持ってホウメイさんが戻ってきていた。


「いえ、ここでもテンカワの事が話題になっているなぁ、と思いまして・・・いただきます。」


 僕は、箸を取り目の前に置かれた火星丼を食べ始めた。


「そりゃ、あれだけの事をやれば話題にのなるさね。」


「確かにそうですね、さっきの戦闘を難無くこなして、バリア衛星の時のミサイルの雨も、

 火星に突入するときの戦闘だってあんなに危険な状態になったのが彼のせいだとしても、

 そこから逆転して勝てたのはやっぱりテンカワのお陰だ・・・

 本当に彼の戦闘はすごい、僕なんかとは比べ物にならない、まさに天才と言っていい・・・

 ユリカがあいつに惹かれたのも解る気がしますよ・・・」


「天才、か・・・私はテンカワはそんなんじゃないと思うね。

 あいつは何かを覚悟しているんだと思うよ。

 きっと何か大切な物を失って・・・

 大好きな料理も諦めて・・・

 それで強くなったんだろあいつは・・・」


 ホウメイさんの目は何処か悲しげだった・・・


「それにテンカワが女にもてるのは戦闘力のせいじゃないね。」


「そうでしょうか?

 じゃあ一体何が・・・」


「ん〜、言葉では言いにくいねぇ。

 でもあんただって持っている物なんだよ。」


「え?僕も持っているもの?」


 僕もテンカワ同様に持っているも物って一体・・・


「そうさ、まあ意識すると意味が無いけどね、

 でも艦長を射止めるんだったらもっと男を磨かなきゃだめだね。」


 男を磨く・・・

 そうか、そうだな。


「ありがとうございます!!

 そうでした、立ち止まっていたらテンカワに突き放されるだけですね。

 ユリカのために男を磨かなくては!!」


「そうそう、その意気だよ。」


 やる気が出てきたぞ!!


 僕は一気に残った火星丼を平らげ、食堂を出ようとした時・・・


『3・2・1・どか〜ん』

  
 突然僕の前にウィンドウが開く。











 俺はかつて数多のコロニーを襲撃し

 この手で殺めた人の数は万を超え

 死神と恐れられたていた。


「3・2・1・どか〜ん」 


 その俺が・・・


「なぜなにナデシコ」


 その俺が・・・


「良い子の皆さんこんにちは、なぜなにナデシコの時間がやってまいりました。

 説明はイネス フレサンジュと・・・」


「アキトお兄さんで〜す。」


「うさぴょんで〜す。」


 何でこんな事やってるんだろう・・・


 嬉々としてやっているイネスさんと違い、

 俺の顔は引きつっている事だろう・・・自分でもわかる。

 
 因みにうさぴょんはユリカでなくメグミちゃん

 しかもバニーガール姿だ。


 
 その後なぜなにナデシコは、ここぞとばかりに俺にくっついてくる

 メグミちゃんをイネスさんがるりるり特製ハリセンで叩きまくったり。

 ユリカがまた隅でいじけていたりした以外は、おおむね順調に終わった。
 


 ああ・・・何やってんだろう、本当に・・・


(なあルリ、最近アキト情けなくないか?)


(これがアキトさんの本当の姿なんですよ。)


(そうか・・・アキトって情けなかったんだな。)


 二人とも酷い・・・





「つ、疲れたぁ。」


 俺とイネスさんとメグミちゃんはなぜなにナデシコを終えブリッジに戻ってきた。


「お疲れ様ですアキトさん。」
(あの時の私の気持ち、解りました?)


(ああ、よ〜〜〜く解った。)


「さて、これで現状は解ったわね、艦長。

 まあ、後のことは艦長の能力に期待するとして・・・」


「すると、して・・・」 (ブリッジ全員)

 
「流石にお腹が空いたわ・・。

 アキト君、悪いんだけど食堂にでも連れて行ってくれないかな?」


 ご指名されてしまった。

 俺は今後の作戦が気になるんだが・・・


「あの、出来ればプロスさんとかジュンとか・・・ゴートさんもいますし。」

 
「私はアキト君がいいな・・・何だか君とは、初めて会った気がしないのよね。」

 
 それはそうだろう・・・

 記憶は無くても、何故か俺だと気が付いているのか? アイちゃん・・・

 
「そこまで言われるのでしたら・・・俺でよければ。」

 
 まあなぜナデに付き合ったんだしものはついでだな。


「そんな他人行儀な事言わなくても。

 私を抱かかえて敵陣突破をした仲じゃない。」



 ピキッ・・・


 俺はブリッジが凍りつくのを感じた・・・


『じゃ、私もアキトさんに抱かれて敵陣突破した仲ですから。

 もうアキトさんとは他人行儀にする事無いですね!!

 アキトさ〜ん食堂で待ってますよ〜〜!!』


 とウィンドウが開きエリちゃんが頬を赤らめながらも宣言した。



 パキィィィィィィィン!!!!



 何かが・・・何かが砕け散った事を悟った。


「さ、さあイネスさん!! 食堂はこちらですよ!!」

 
「え、ええ、じゃあちょっと食事に行ってきます。」



 俺はイネスさんを連れてこの惨劇の場となりうるブリッジから逃げ出した・・・


「逃げるの?アキト・・・」


「逃げられると思っているのですか?アキトさん。」


「私達から・・・」


「もう逃げられないんだよ、お兄ちゃん。」


「「「「ふふふふふふふふふ・・・・・」」」」






「不思議だなぁ。アキト君を見てると何故か落ち着くのよ。」

 
「そうですか?」

 
 俺の顔を見ながら呟くイネスさん・・・

 俺はアイちゃんにとってヒーローだったんだろうか?

 結局、俺はアイちゃんを助けてあげる事が出来なかったのに・・・

 そしてユリカも・・・


 俺は肝心なときに誰も守れなかった・・・


「それにしてもアキト君、よくこの船に乗る気になったわね。」


 あの話か・・・


「何でです?」


 とりあえず聞き返してみる。


「知りたい?」

 
 俺に近づいてくるイネスさん・・・その時。

 

 ピッ!!

 

『二人共、近づき過ぎ!! プンプン!!』

 
 やっぱり現れたユリカ、今回は待ち遠しかった。


『『何をしてるんですか?』』


 二人の妖精が冷たい視線を送ってくる・・・


 見てたんだね、二人して。


「な、何か用かい?」


 そろそろクロッカスが見つかったころか・・・


「そうそう、アキトとイネスさんは直ぐにブリッジに来て下さい!!」

 
「はいはい・・・じゃあ行きましょうか、アキト君。」

 
 そして俺達は食堂を出た・・・




『姉さん、また兄さんが敵を・・・』


『そのようですね・・・

 本当に最近は見境がありません。』


『兄さんにはご自分の立場をわきまえて頂く必要があるようですね。』


 違うんだ二人とも、信じてくれ!!


『『どう信じろと!!』』


 はぅ・・・







 ブリッジに戻った俺達はクロッカスの発見を聞き。

 そして、イネスさんから提督の事を話した・・・


 今は提督の気持ちが解るので・・・


「もう過ぎた事です。」


 で済ませた。


 提督は俺と同じ傷を持っている・・・

 
 いや俺の方が犯した罪は上だな。



 その後、イネスさん達は今後の方針を話し出した。



 俺は会議を横目にルリとアキラに近づく。


「アキラ、やっぱりクロッカスには生存反応は無い?」


「はい、虫一匹の反応のありません。」


 ・・・まだご機嫌斜めか。

 後でラーメンかチキンライスでも作って、ご機嫌取りをしておくか・・・


 それにしても、虫一匹もって言ってもバッタが一匹いるんだろうけど・・・


「・・・今までの兄さんの浮気記録は全て映像添付のメールで、ラピスに送信しましたから。」


 
 ピキッ!!



 今度は俺自身が凍り付いた


「・・・頼まれたアレもうできましたから、後で直接行ってあげて下さい。」


 そうかさっきからラピスから〈怒〉の感情が来ているのはそのせいか・・・


「・・・ってもう出来たの?」


「はい、ジャンパー体質の人を1から3人程度までしか跳ばせませんが・・・」


「今はそれで十分だよ・・・あっちの方は?」


「はい、リンクの方も解明は終わりました。

 やはり、カイトの体に残っているもので辛うじて繋がっているだけでした・・・

 ですので、カイトに残っていたリンクを参考にしてこんなのを作ってみました。」


 と言ってなにやら円柱状の物を取り出すルリ。


「それは?」


「これはリンク接続及びジャンパー体質化装置です。

 装置と言ってもこの中にはいっている液体を注射するだけですが。」


 そんな便利な物を何時の間に!!

 
 ふとアキラの方を見ると恨めしそうにその円柱状の物体を見ていた。


 って見ているだけ???


「因みにこれは体質が合わないと良くて廃人、悪くて即死します。」


「・・・私は体質が合わない様なので・・・」


 それでか・・・まあアキラまで繋げるわけにはいかないからな・・・

 
「それで私はもう打ちました、アキトさんとラピスも体質に問題ありません。」


 と俺にそれを渡す。

 
「ん?なんで3個なんだ?」


 俺のとラピスので2つで良いはずだが?


「ああ、それは作ってるときに余ってしまったんで予備です。

 一応利用できますからアキトさんが持っていてください。」


「・・・出来れば他の人には使いたくないな。」

 
「そうですね・・・まあ備えあれば憂い無しと言う事で。」


 さて、この先時間があるのは・・・

 過去と同じなら研究施設に行った後か・・・


 直接ラピスに逢うんだから下手な言い訳では納得してくれないな・・・


 などと考えている間に後ろでは先行偵察のパイロットはリョーコちゃん、ヒカルちゃん、それと俺。

 イズミさんは万が一の場合を考え、ナデシコに残ることが決まっていた。



 ・・・誰か忘れてないか??




 偵察中リョーコちゃんの砲戦フレームに襲いかかったバッタを

 俺が瞬殺した以外は偵察任務は滞り無く終わった。


「アキト君すごいね〜、助けを求めるリョーコの前に颯爽と現れ敵を瞬殺。

 アキト君だったらリョーコの王子様にもなれるね。」


「ば、ばっきゃろ〜!! 何言い出すんだヒカル!!」


「はははは・・・」


 この会話がトレースされていない事を祈ろう・・・



「甘いです、アキラ送信の準備は出来ましたか?」


「ばっちりだよ。」




 結局今回もチューリップ5個は提督の意見により

 クロッカスを使う事になった・・・



「アキトさん、やっぱり今回も・・・」


「ああ、しょうがないよ。

 これしか方法は無いんだし。」


 でも大丈夫、きっと今回もまた会えるから。


「じゃあ俺はラピスの所に行ってくるから、

 ジャンプのナビを頼む。」


「了解!三時間で戻ってきてくださいね。」


「ああ、解ってる。」


 そして俺はジャンプフィールドを展開する。



 ヴィィィィィィン・・・



「ジャンプ!」


 俺はルリのナビもとラピス之居る研究所へとジャンプする。




「ふぅ・・・オモイカネ、今の出来事の映像と記録を、全部消去して。」


『OK、ルリ』







(ラピス・・・)


(アキト!!ルリ達から聞いてるよ・・・

 アキトはナデシコで一体何をしているの?)


(・・・戦争だよ。

 人間のエゴとエゴのぶつかり合い、欲と欲のぶつかり合いさ。)


(誤魔化すの?)


「信じてくれないのかい?」


(これを見てどう信じろ・・・え!!)


 俺は研究所内にある、ラピスの個室にジャンプアウトした。


「久しぶりだね、ラピス。」 
 


「アキト!!アキト!!」


 俺に体当たりする様な勢いで抱き付く、ラピス。


「ジャンプフィールド発生装置が完成したんだね。」


「そうだよ、それに・・・」


 俺はリンク接続及びジャンパー体質化装置の事を話した。


「ん〜、でも今はできないよ。」


「どうして?」


「だってここでは毎日のように検査されるから。

 今ジャンパーになるとまずいよ。」


「あ!そっか。」


 肝心な事を忘れていた。


「じゃあいっそのこと今からナデシコに・・・」


「え?だって今からナデシコは8ヶ月間音信普通になるでしょ。

 その間に例のプラン終わらせなきゃいけないからそれも無理だよ。」


「そっか・・・すまないな。

 また暫く寂しい思いをさせる。」


「私は大丈夫だよ。

 その代わりこっちに返ってきたら早く助けに来てね。

 それから助けに来るときはちゃんと乗り込んできてね。」


「ああ、出来るだけそうするよ。」


「うん、待ってるよ。

 後これの説明はしていってね。」


 と笑顔のまま俺にナデシコでの浮気記録と題した

 俺が女性とくっついている全ての記録を映し出した。


 ・・・何時の間に撮ったんだい?二人とも・・・


「で、釈明は?」


「だから誤解だ!!」
 

 その後俺は二時間以上ラピスに許しを請い、釈放された・・・





 俺は何とか作戦時刻に間に合い、提督をクロッカスに送り届けた・・・


「クロッカスより通信!!」

 

 ピッ!!




『アキト君、君過去は知らないが君はまだ若い。

 君には未来をつかむ権利がある!!

 その船に乗っていればきっと君の求める答えが見つかるはずだ!!

 だから、何時までも自分をせ・・めては・・いか・・ん・・・・』



 最後まで聞けなかった提督の言葉。

 そして、レーダーから消えるクロッカスの反応・・・


 大丈夫、また会えますから、

 その時は同じ傷を持つもの同士、酒でも飲み交わしましょう。



 そしてナデシコはチューリップに吸い込まれていく・・・










 あとがき


 どうも、TーSAKAです、いや〜ついにナデシコもスパロボ参戦ですね、でも「時の流れに」とかの設定

じゃないからエステの武器貧弱になりそうですね、使えるのは戦艦だけかな。

 相転移砲は絶対アトミックバズーカーより範囲が広くて威力も高いはずだし何より連射可能・・・とまでは

いかないんだろうな〜。それじゃ本当に無敵だし・・・

 エステの方はフィールドランサーでもオーラ切りを超えてるとは思えないし機動性もテレビを見る限りオーラ

バトラー以下に思えるし・・・どうなるんだろう。

 それよりなんでGBAなんでしょうね、そう思いません?画面もαやった後だとちょっと・・・かなり買うかどう

か悩んでます、いま。

  

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

T-SAKAさんからの投稿です!!

本編に沿いつつ、所々が違ってきてますね〜

しかし、どうしてバニーガールなんだ?

もしかして、T−SAKAさんの趣味なのか?(笑)

う〜ん、謎だ(爆笑)

 

それでは、T-SAKAさん投稿有難うございました!!

 

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