The answer
第一話〜鳴りっぱなしの電話をよそにノイズだらけのRadio〜
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暗く、決して太陽の光が入らないとさえいわれる一つの街があった。その街は、暴力と金と武器とが飛び交い、闇と欲望に包まれた、平和な者達には一切無縁の場所
であった。
その街に、彼らはいた。とある古ぼけたアパートの一室に、特に誰とも関わりを持つ事なく、黒い男と蒼い男が棲んでいた。
抗争が絶えないこの街で、珍しいことに、この場所は住人達にとって<聖域>となっていた。つまり、誰もが手を出さない。
以前に手を出した街一番のギャンググループの首領が、建物に部下と共に入っていった後、3分で文字通り「灰」にされて袋詰めゴキブリ添えで返ってきたかと思う
と、10分後にはそのグループ自体が建物ごと消滅していた事はこの街の人間なら誰もが知っていることだからだ。
本人達にとっては、安眠妨害をされたからという理由だけなのだが。
そんな噂で有名な当の彼らは、今眠っていた。正確には眠っていないのかもしれないのだが。
ともかく、黒い男はソファーに転がって、蒼い男は木の椅子に座って寝ていた。寝るときでさえ、鎧を付けている姿は、いささか奇妙ではある。
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ふと、黒い男が何かに弾かれたように飛び起き、向かいの入り口のドアに向かって銃を突きつける。決して外から開かれることのない扉が開き、その向こうには、短
いひげ、小さな眼鏡をした、スーツ姿の中年男性がいた。
「やっと見つけましたよ。おっと、その銃はしまっていただけますか?ちょっと商談にきたのですから。」
黒い男は銃をしまうことなくつぶやく。
「――――プロスペクター。
裏の世界では道化師と呼ばれ、恐れられる男が、俺、いや、俺たちに何のようだ?」
全く恐れていない口調で言いながら、別の思考を脳裏に組み立てる。
(――――まあ、原因はわかっているさ。あの『ナデシコA』に乗れというのだろう。
まあ、べつにそれでも・・・
――――――やっぱ、やだなあ。)
「おや、そこまで知っていましたか。まあ、その話は今回別にしてください。
今日は、あなた方を雇いに来たのです。
あなた方には、我々ネルガルの誇る、戦艦『ナデシコ』に、戦闘要員として。
そう、火星での戦いにおいて、軍が手も足も出なかった『木星トカゲ』の大群を、たった二人で壊滅寸前まで追い込んだ『X』と『ZERO』のお二人なら、と思い
まして。」
と言って、契約書を神速で懐から取り出す。
(前も思ったんだが、どんな速さで出しているんだ?)
既に目を覚ましているXに、アイコンタクトをしたが、ただ首を横に振るだけ。
(ば、ばかな・・・。0,01秒単位で物を捉えられるXの目を持ってしても、速すぎるというのか!?)
頭が痛くなってきたので、この話題を脳内のXファイルにほりこみ、取り敢えず銃をしまってから、目の前の敵である契約書と対峙する。
先ほど思ったように、別に契約しなくてもよかった。否、したくなかったはずだった。だが、心の奥底の何かがそれを許さない。
3分間の心の葛藤の後、
――――負けた。
しぶしぶながら二人分サインをする。注意事項に目を通したが、特に消すところはない。
――――1つ、追加しておくか。
「ここに、これを追加してくれ。」
「これをですか・・・まあ、いいでしょう。」
「頼む。」
「ところで・・・『X』と『ZERO』は、さすがに本名ではないでしょう?」
「それを言うなら、プロスペクターも同じようなものだと思うが?」
しばしの沈黙が部屋を包み込む。
「――――まあいい。」
先に沈黙を破ったのは、ZEROだった。
「『ZERO』というのは、コードネームだ。
俺の名前は、『真田タクト』だ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(・・・・・・やはり、わざとらしいか?)
「――――そうですか。」
(いいのかよ!)
「では、そち「言っておくが、『X』に本名はない。加えて言うが、俺たちの経歴を調べるのも不可能だ、プロスペクター。」」
「どういうことです?・・・調べてみましょう。」
プロスペクターはそう言って、短めの棒を懐から取り出し、差し出した腕に棒の先を軽く当てる。
「・・・・・・・・・・・・・・。
!? これは!!」
叫ぶや否や、タクトのほうへ突き刺すような視線を向け、――――タクトも平然と受け止めるが――――
「・・・・・・そういうことですか。」
「そういうことだ。」
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所変わって、とある研究所。
ナデシコ出航を10時間前に控え、Xと自分の装備の最終点検と、木星付近への先制攻撃のために立ち寄った。
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Xは、レプリロイドと呼ばれる、人工の知性を持ったアンドロイドの一種である。製作者が不明の上、ブラックボックスが多く、一言で言うと謎に包まれたロボット
だ。
研究所のデータによると、過去の21××年に、イレギュラーと呼ばれるレプリロイドの地球規模の大反乱が幾度となく起きたが、そのたびにXがそのリーダー、
『Σ』を倒し、平和を守ってきた。しかし、幾度となく続く戦いの後、限界が来たため、完全に封印した、とある。実際、タクトが見つけたときには、戦闘データ以外
の全データが消滅しており、今でも声すら出せないのだ。感情はあるのだが。
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また、研究所には、空に向かって大きくそびえたつ、長い砲塔がある。
その名を、エニグマ。ギガ粒子砲の一種で、後に出るナデシコのグラビティブラストを上回る出力を持ち、単発だが、打てばコロニーを消滅させる事もできる。
今までにも、地球上から、火星へ進撃する木連軍へ何度も放ち、絶大な効果を挙げている。
もっとも、今ではあと一発打てば壊れるほど老化しているが。
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ところで、なぜタクトが『ZERO』と呼ばれているか?
それは――――
「エニグマ、発射準備、完了しました。目標、木星圏。
・・・ファイア。」
サポートAIの声が響き、轟音とともに光の柱が星空へ伸びていく。柱の片方が地上側から途切れたあと、エニグマもまた轟音を立てて崩れ去る。同時に、遥かかな
たの空で、星の瞬きが多数見えた。
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整備が終了したXを起こし、ナデシコの待つサセボドッグへワープする。
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さくしゃのこめんと
以前の感想より。
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>月姫&歌月十夜ですか。
・・・何、それ?(爆)
すみません・・・全くわかりません。
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>蒼い男?ラストの少女?
ラストの少女は半オリジナルです。蒼い男はわかる人にはもうわかったと思いますが人間ではありません。
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>気のせいです<どっちが?
・・・・・・にゅ?謎にゅ。
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PS 次からナデシコですが、一応時ナデを読んでるものとして進めていくので、省略多数でお送りします。
もしかしてクロスオーバーのするネタがマニアックすぎるから誰も何も言えないんではなかろうかと思い始めてきた今日この頃でした。
この感想は皐月がお送りします(笑)
>・・・何、それ?(爆)
>すみません・・・全くわかりません。
人として!
人として!!
人としてぇえええええええええぇぇぇ!!
間違っている!!!!(核爆)