The answer

第四話

>ノーマッド

 愛に生きる人工知能、ノーマッドです。

 我らがナデシコはビッグバリアをラク〜に突破しまして、現在はサツキミドリに停泊中です。

 クルーの皆さんは一部の人々を残し、各々が休息を取るとともに、新たなメンバーや物資を加えているようです。

 ――――え?これで出番終わり?ウソ!

>ユリカを除いた女性陣

「アキトさん、何処にいるんでしょうか?

 ・・・あ、ルリちゃん、アキトさん知らない?」

(やはりあなたもですか、メグミさん。)

「私も探しているところです。

 あっ、ミナトさん。アキトさんは何処へ行ったか知りませんか?」

「アキト君なら、すぐにどこかへ行っちゃったわよ。」

「「え」」

>ジュンとユリカ

「僕達、ブリッジに居なきゃいけないねえ。」

「・・・・・・。」

「暇だね。」

「・・・・・・。」

「どこかへ行きたいねえ。」

「・・・・・・。」

「・・・ユリカ?」

「・・・・・・。」

「・・・まさか。」

「・・・・・・。」

「・・・やっぱり寝てる。しかも立ったまま・・・。」

「・・・・・・。」

>ゼロとウリバタケとガイ

「ゼロ!やっとお前さんの頼んでた機体が出来たぞ!」

「む、そうか。」

「いったい何処の技術だよ、これは?見てくれはエステと同じなのに、IFS要らず、

 単独行動及び単体ワープ可能と来たもんだ!」

「企業秘密だ。すまんな。」

「おおおっ!ゼロ!何だこの黒い機体は!俺も乗っていいか?」

「「無理だ!」」

「な、何故だ!」

「こいつは、今のエステの4倍以上の出力がありやがるんだ!そんなのに人間が乗ったらどうなると思う!?」

「・・・分からん!」

「胸張って言うな、ヤマダ!」

「人間には、かかるGがまず耐えられない。だから、俺でないと乗れない。

 もっとも、スピードの代わりに、装甲は最低だし、DFもついてないがな。」

 今度お前の新型を作ってやるといったら、すぐにあきらめてくれた。現金な奴だ。

「・・・で、武装は?」

「ああ、これが仕様書だ。」

●アルティメットゼロの武装仕様書

 ・基本装備

   ゼットセイバー×2

   フレアキャノン

   ノヴァストライク

   滅閃光

 ・追加パーツ

   中距離ミサイル・中型ビーム砲×6・ハイパーキャノン

   加速用ブースター・アンカークロー×2

   ジャマー・フライヤー×6

   レールキャノン×2・ストライクバースト

   エネルギーシールド・修復用ナノマシン

「・・・ああ、これだな。」

「全部使わなかったりしてな。」

「縁起でもないな、ウリバタケ。」

>アキト

 俺は今、重大なことで悩んでいる。街のど真ん中で。

 決して遺跡をどうしようとか、どうやってみんなを守ろうとか、ましてやどうやって木連と和平を結ばせようとか考えてるわけではない。

 何に悩んでいるのかといえば、何だそんな事か、と言う者もいるかもしれない。

 だが、俺は・・・

 もう(旧)ユリカ達が、嫌になったんだ!

 ああ神様、どうしてユリカと結婚したんでしょうか!?どうしてルリちゃんとラピスが、あんな子になってしまったんでしょうか?

『それはお前のせいだ』

 カッ。ドサリ。

 困ったなあ・・・。

「神槍よ・貫け!」

「!!」

 ドゴォォォォン!

「キャァァァァッ!」

「い、いきなりビルが爆発したぞ!」

 静かな街中に、いきなり起こった轟音。そして、爆発。

 逃げ惑う人々の中、俺はその犯人を捜していた。

(もう少し反応が遅れていたら、全身をやられていた・・・。

 しかし、何を使ったんだ?)

 俺の体は特殊で、物理攻撃を無効化できる。だが、今の攻撃は、俺の右腕をかすっていった。

 相手は、普通の人間ではないらしい。

(・・・いた!)

 俺が視界に捉えたのは、俺をじっと見据えてくる、黒服、黒マント、黒バイザーの男だった。

 俺に対するあてつけか?

「今の攻撃をかわすとは・・・。テンカワアキト、なかなかやる。」

「・・・何者だ?」

 そんな俺の問いを、相手は素敵に無視してくれた。

「だが日本じゃあ二番目だ。」

「・・・お〜い・・・。」

「一番は誰かって?フッ・・・この俺だ!

 って何処に行く!」

 ちっ、逃げようとしたのに。こんな危険な変質者に関わっていたら、身が持たんよ。

・・・はあ・・・。何だ、用は?」

「貴様の力、調べさせてもらう。」

「何?」

 言うが早いか、黒男はマントから長刀を出した。

「真空・・・破斬っ!」

 相手との距離は20m。どう考えても射程外で空振りした横薙ぎの一撃。

 だが、本能的に俺は伏せていた。

 その頭上を、不可視の刃が通り過ぎ、後ろのゴミ箱がバターより滑らかに斬れていた。

「・・・くっ!」

 伏せた状態から全身をばねのように起き上がらせ、一気に詰め寄る。

「菩薩掌!」

 飛んできた何発もの衝撃波をまとめて飛び越し、跳び蹴り一発。

 だが、敵には当たらない。

「壁よ・阻め!」

 ギィィィィン!

「何!」

 相手は、何かしらの壁を張り、俺の跳び蹴りを防いだ。どうもディストーションフィールドの類ではないらしい。

 だが、これで終わりではない!

「雷神の杖!」

「ガントレット!」

 俺の電気を帯びた蹴りと、相手の気合を込めた拳の一撃がぶつかり、

 ――――相打ち。

 俺は7m近く吹っ飛ばされたものの、宙で姿勢を整え、相手は数m後ずさった。

 奴が遠距離攻撃をする前に!

「鳳凰天舞!」

 だが、奴が少し早かった。

「遅い!ダオスレーザー!」

「スニーク・アタック!」

 ・・・今、女の声が聞こえたが?

 だが、考えている暇はなかった。

「とおっ!」

 レーザーを再びジャンプでかわし、空中でバク転を一回。

 近くに立つ木を思いっきり蹴り、突撃をかける。

「鳳凰天駆!」

「炎の民よ・踊れ!」

 ――――スカッ。

「にょ?」

「が、がお?」

「男がやってもかわいくありません。」

 なんと、二人とも攻撃が空振りしてしまったのだ。

「・・・あー・・・。」

「・・・えーっと・・・。

 さらばっ!」

 ぬあっ!逃げよった!

 しかもワープでっ!流行なのかっ!?

 そのとき、呼び出し音が鳴った。

「もうすぐ出港だ。帰って来い。」

 あら、もうそんな時間か。

「というわけで、ナデシコは再び火星へと進路をとるのであった。」

「妙なナレーションを・・・。ゼロ、最近キャラが変わってきてるだろ?」

 はじめはもっと真面目な奴だと思ったんだが・・・。

「・・・なあ?」

「どうした?ゼロ。」

「俺の逆行に、意味はあるのか?」

「・・・無いような・・・無いような・・・。」

 まずい、と思ったそのとき、ゼロは床に「の」の字を書いていじけていた。

「どーせ俺なんて、次のオリキャラが出るまでのつなぎだよ、ったく。」

「あー、悪い。」

 ヴヴーン!ヴヴーン!

「敵襲!?行くぞ、ゼロ!」

「どーせ俺は・・・ブツブツ。」

 まだいじけているゼロを引っ張って、格納庫へと急いだ。

 新たなメンバーも加わり(例の三人娘)、前通りの相手なら問題はなかったのだが、そうは問屋が卸してくれないらしい。

「チューリップ3つ、及びバッタ多数に、人型機動兵器1つ確認!」

(何でここで夜天光が出てくるかっ!?・・・まさか、向こうにも逆行者が?)

 ・・・仕方がないな。

「俺が人型をやる!皆は他の奴を頼む!」

「俺は構わんぞ(本当は俺がやりたかったがな)。」

 ありがとう、ゼロ。

 他の皆が散って、俺は夜天光と対峙する。

「我に挑むか、そこのパイロットよ。」

「うおっ!この声は!」

 間違いない!奴だ!奴に違いない!そう、忘れるはずもないその声!その顔!

 その名は・・・。

「山ちゃん!」

「違うわ!」

「えー?かないみかさんの夫でしょうが?」

「明確に違うっ!」

「じゃあ、少林サッカーの主人公!」

「蹴り即ち腰と脚の融合・・・さすなっ!

「シュレックのロバ!」

ドラゴンだあーっ!・・・斬るぞ?

「いや、悪かった、北辰。ププ・・・。」

 いやー、いろんな意味で侮れん奴だ、北辰。

 何故あの時恨んでいたのか分からんぐらい面白いやつめ。

「汝の名は?」

「・・・氷上シュン。」

「嘘だな。」

 何故バレた!しかも即答!

「1つ、汝の顔に嘘と出ておる。

 2つ、氷上の声は保志総一朗であって、汝のような声ではない!」

 ・・・北辰よ、ONEを見るのは構わんが、ゲキガンガーはどうした?

「・・・天河明人だ。」

「解った。」

「・・・一つ聞いていいっスか?」

「何だ?」

「何であんたがここに?」

 この時代に夜天光がロールアウトしてるのもおかしいし、六連がいないのもおかしい。

 マトモに答えてくれないだろうと思っていたら、意外なことを口にしだした。

「よく聞いてくれた。実は自分は未来の人間なのだ。」

 おいおい・・・。

「ところが、この前にゲキガンガー以外のアニメを見ていたという理由で、

 草壁のアホが自分を反逆罪にしおった!」

 どんな理由だ。

「仕方がなき故、開発されたばかりの夜天光を少し強奪し、ソロモンよ私は帰ってきたぐらいのノリで跳躍門に飛び込んだら、

 ここに出てきたというわけだ。」

 ということは、この北辰は、敵対する意志なし?

「そうもいかん。」

 お前も心読むな。

「俺の目的は、俺より強い奴に会いに行くことに変わった。」

 あなたはどこぞの放浪空手家ですか。いつのまにか俺になってるし。

「天河明人、俺の勘では貴様は強い。」

 頼むからそんな勘は働かさないで下さい。

 ・・・とは言うものの、闘いたいという気持ちの方が今回は勝った。

「いざ勝負せよ!」

「まあ、いいけど。

 そのまえに、火星よってく?」

「いいねえ。」

「「ラララむ○んくんラララむ○んくんララララ!」」

 ・・・今思うと、何ちゅうノリだったんだろうか?

 壊れてたとしか思えん。俺も、奴も。


コメント

 つまりこの世界の北辰はまだ出てきてません。

 しかし・・・よくこんな謎な文章を書いたものだ・・・。

 

感想依頼が来ましたもので 皐月

汝みたいな声ではないって……北辰だって山寺さんだから――

加持リョウジとかスパイクなんだよなあ。

ヤマサキの声がビシャスと同じ声という時点で、北辰VSヤマサキというネタを思いついた俺も俺だけど。