The answer
第五話
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>ゼロ
皆が寝静まったころ、ゼロは自室で一人、何かの機械作りに精を出していた。
目の前にあるものの大きさは、せいぜいティッシュケース大ほどの大きさしかない。
時折、カーンやらギコギコやらピコピコッという音が部屋に響き渡る。
それもしばらくするとやみ、代わりにゼロの独り言が聞こえてきた。
「ふふふ・・・やっと出来た。なんとか火星に着くまでに間に合った。
後はこれを勝手にナデシコに組み込めば、計画はうまく行く。
・・・かどうかはわからんが、行ってくるか。」
やがて、誰もいない廊下に足音が響き、その音も消えていった・・・。
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>アキト
・・・思い出せない。
もう少しで、思い出せそうなんだが・・・。
戻って来た、本当の理由を。
みんなを守るなんていうものじゃない。木連との和平というわけでもない。
恨みを晴らしたかったか?否。もはやその気もない。
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――――そうだ。確か、ジャンプして逃げた先で・・・。
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この世にあらざる世界で、俺はある少女と出会った。
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頼まれごとをされて、それを引き受けたっけ。
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そう、それから、何か力と、物を貰った。
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で、何をしなければいけなかったのか・・・。確か、それをする為に、この時代へ戻されたはずだっけな。
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・・・忘れた原因を、思い出しちまった・・・。
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「これが、昔の俺の体か・・・。うわっ!全然鍛えられてねえ!
やっぱ、あの子が戻したのか?」
「――――――おい!」
・・・ん?・・・声・・・か?
「――――――その体を、渡せ!」
「誰だ!」
・・・って、黒服、黒バイザー。さしずめ、別の未来から来た俺ってことか。
「断る。早いもの勝ちっスよ。」
「ならば、力ずくで戴こう!」
てめえはどこぞの三流悪党かっ!やめいっ!
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(で、大体は追い出したけど、奴の記憶の一部が俺と混ざってきて、またナデシコに乗るはめになった、か・・・。)
今のアキトにとって、やり直すことが悪いとは言わない。が、それは最優先事項ではないのだ。
それを思い出した今のアキトが、まずなすべきこと。
(――――――北辰とさっさとけりをつけて、目的を果たしますか!)
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「・・・北辰。」
「どうした。」
「今ここで、勝負しようぜ。」
「まだ火星についておらぬが・・・よかろう。」
北辰は口をニヤリとさせ、精神を戦闘モードへと持っていった。
無論、対するアキトも。
(・・・ま、ナデシコなら何とかなるだろ。)
「いくぞっ!」
「来い!」
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>ノーマッド
どうも、ノーマッドです。
アキトさんがいなくなったというのに、皆さん、あまりいつもと変わっていません。
ああ、嘆かわしい・・・。皆さんには――――
『ノーマッド、仕事。』
おっとすいません。
あれから数日が経ち、現在火星上空に私たちはいます。
途中クーデターがありましたけど、私から言わせれば、
相手もいないのに何が男女交際云々だっての!相手見つけてから言えっての!
・・・コホン。話がそれました。
って、出番これだけ?
「興味深いわ。オモイカネよりさらにバージョンアップしてるわ、これ。」
「これとは何ですか!私はノーマッドという名前があります!」
イネスフレサンジュが目を輝かせてノーマッドの映像を見つめる。
あれは獲物を見つけた肉食獣の目だった、と後にノーマッドは語る。
「何処で作ったの、これは?プロスペクター?」
「いやはや、艦長がインストールしたものですから、私にはなんとも・・・。」
イネスは今度はユリカのほうへ振り向き、
「もしかして、艦長が作ったの?」
しかし答えは予想を外れたものだった。
「・・・・・・。」
「道に落ちてたから、拾っただって。」
「・・・・・・え?」
呆然とするイネスに対して、ノーマッドは嬉しそうに、
「そうです!思い起こせば数年前、道端にチップとして落ちていた私を拾って戴いたのがそもそもの
っていまはそんな話をしている場合じゃないでしょう!」
ノーマッドの怒鳴り声に、ブリッジが静まる。
「さっき火星の人を救助したんだから、さっさと逃げなきゃだめでしょうが!」
「あっ、そうだった!
180度回頭!地球に帰還する!」
ジュンの声によって、慌てて動き出すブリッジ。それに追い打ちをかけるように、
ヴヴーン!ヴヴーン!
・・・警報。
「遅かったようね。」
「のんきに分析しないで下さい!第一種戦闘配備!エステバリス隊、緊急出撃!」
『・・・ゼロが、勝手に出てる。』
「「え!?」」
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格納庫から既にワープで出撃していたゼロ。何故かナデシコから離れている。
「ゼロ!どういうことだ!」
「ジュンか・・・まあ、見ていろ。」
といって、モニターの前に、リモコン式ボタンを見せる。
『・・・何のスイッチ?』
「!!
ナデシコに仕掛け!?いつの間に!?」
「ノーマッド!少し気づくのが遅かったな!
3・・・2・・・1・・・ポチッとな。」
そのとき、ナデシコに変化が起こった。
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「おい!ハッチが閉まったぞ!出られねえぞ!」
ガイの怒鳴り声が、格納庫から。
「ユリカさん!操作系が、作動不能です!」
「ディストーションフィールドが、強制展開してる!」
「ボース粒子、艦全周囲に増大していきます!」
ブリッジの慌てようをよそに、ゼロの声だけが、無常にも響く。
「3・・・2・・・1・・・」
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「ジャンプ」
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「・・・八ヵ月後まで、さよーならー。」
一人でぼやき、ゼロは機体を火星の方へ向ける。チューリップやらバッタやらが、宇宙を埋めている。
「さて、いい加減けりをつけますか。」
ブースターを噴かせたそのとき、突如全ての木連兵器が爆発した。
そして、前に一人の男の影。
「なあ、Σ。」
「人間の兵器など、脆いものよ。そうは思わんか?ゼロ。」
「・・・さあね。とりあえず、お前を倒しておかんとな!」
「倒されるのは、そっちだ!」
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Σの突撃。残像を作りつつの攻撃を、落ち着いてかわしていくゼロ。
「鉄!拳!制!裁!アンカークロー!!」
アルティメットゼロの両腕から放たれた2本の電磁ワイヤー式の爪が、唸りを上げてΣに襲い掛かる。
「ぬるいわ!」
そのとき、Σの両腕から次々と光線が放たれる。とっさにワイヤーを切り離し、光線をかわし続けるゼロ。
それをみて、Σはさらに追撃をする。
「死ね!」
手からの、何百発もの雷球。だが、そこにゼロは隙を見出した。
「ハチの巣にしてやるよ!ストライクバースト!」
ゼロの武器という武器から放たれた、エネルギーというエネルギー、弾という弾を撃ちまくる一撃は、
雷球を吹き飛ばし、次々とΣの体を貫いていく。
「――――――どうだ!」
ゼロの勝ち誇ったセリフに、Σはただ不敵な笑みを浮かべるのみ。
「・・・何がおかしい?」
「ふふふ・・・ゼロよ。これで勝ったと思ったか?」
というと、Σが急にその場から消えた。
「・・・・・・?」
と思いきや、再び現れた。
体にはXのパーツをつけ、大きさもさっきの3倍以上ある、20m程になって。
「・・・反則だろ、それは・・・。」
呆然とするゼロ。
「第2ラウンド開始だ!ゼロ!」
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「でかけりゃいいってもんじゃねえ!ハイパーキャノン!」
ゼロの肩部の砲から放たれたビームの一撃は、
「くらえい!」
Σの目から出される光線にあっけなくかき消される。
「パワーだけはあるようだな、このデカブツ!」
「ほざけ!私には勝てん!」
「どうかな・・・てえいっ!」
脚部からミサイルを一発撃ち込むゼロ。
「気でも狂ったか?この程度!」
Σの放った光弾がミサイルに命中し、爆発。
そのとき、異変が起こった。
「ぬおおっ!レーダーがきかんっ!何も見えん!何も聞こえん!」
「・・・今のてめえにゃ聞こえねえだろうが、言っといてやる。
今のはただのジャマーだ。機械のありとあらゆるレーダーを無効化するものだがな。」
(俺も同じだが、気配で貴様が何処にいるか分かるぜ、Σ。)
「今度こそくたばりな!フライヤーダンス!」
背中から射出された6つのビットが踊り、電磁波とビーム砲で次々と攻撃を仕掛ける。
「ぐおおおっ!」
「続いてもう一発!ハイパーキャノン!」
大口径のビームの帯が、Σを貫く。
「ギャアアアアッ!」
「さらに!閃光双破斬!!」
残りのエネルギーを一気に叩きつけ、そこへ二刀流のゼットセイバーで雨あられのごとく切り刻む。
「はあ・・・いい加減、くたばったか?」
だが、まだ終わってはいなかった。
ボロボロになりながらもΣはいまだ健在。対するゼロはエネルギーも弾も切れかかっている。
「・・・燃料切れか?惜しかったな、ゼロ。」
「・・・らしいね。」
(あとは・・・あれしかないのね。うぐぅ。)
「おとなしくくたばれい!」
Σが攻撃態勢に入ろうとする。が、その前に、
「相転移エンジン、リミッター解除!」
「死ねい!」
猛スピードで突撃するΣ。それをモニターで確認すると、ニヤリとゼロは笑った。
「ただでは死なんさ!S級イレギュラーハンター、ゼロ!突貫する!!」
Σに対抗し、ゼロも最後のエネルギーを使って猛スピードで突撃する。
「まさかっ!キ、キサマアァァァァァッ!!」
その意図に気づき、慌ててかわそうとするΣだったが、大きな体が仇となった。
「ただでは死なんと言ったはずだ!
ラストッ!ノヴァ・ストライクゥゥゥゥゥゥッ!!」
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ズゴオオオオオォォォォォォッ!!!
「ギィヤアアァァァァァァァッ!!」
「・・・ハア・・・やっと、終わったねえ・・・。
・・・じゃあな、X。もう戦いは、しなくていいからな。
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――――――ゆっくり、休め。」
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ドゴオォォォォォォォン!!
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コメント
火星民救助編(?)終了〜。
次回からは少し分岐しますので。
感想代行 皐月
最近の日曜の朝のアニメ他、事情
ギャラクシーエンジェルで心を癒す日々です。
なんせゴキ(隠語)がアレだからな。
全く、アレを作ろうと考えた奴、ちょっと出て来い。
小一時間ぐらい(以下略)