The answer

翼編第10話

 闘いが始まった。同時に、感情のない声がいくつも響き渡る。

<フリーズベント>

<コンファインベント>

 先手を取ってタイガは明人の行動を封じようとするが、明人はそれを打ち消す。

<ファイナルベント>

 そこに、レイヨウ型のモンスター、ギガゼールが大量発生し、明人に襲い掛かる。

「インペラーか・・・。」

<ガードベント>

 明人は法術の力場を作り、無数の突撃を耐え切る。

 そこへ、インペラーの突撃。某キックの鬼ポケモンもびっくりの飛び膝蹴り。

「・・・・・・遅い。」

 が、明人はそれを体を開いてギリギリでかわし、インペラーの背後に回りこむ。

<ソードベント>

 明人の右腕に出現した剣が、インペラーの胴を貫いていた。

 インペラーは苦悶に悶えながら、砂のように消えていく。

「まず一匹・・・ん?」

 ホッとしたのもつかの間、

<ファイナルベント>

 ゾルダのマグナギガによる一斉射撃、エンドオブワールドが明人を襲う。

「・・・ハァーッ・・・。」

<シフトベント>

 ドゴォォォォォォン!!

 激しい爆発の後、立っていたのは明人ではなく、シザースだった。

 彼もまた、苦しみながら消えていく。

「二匹・・・。」

 すぐさま明人は裏拳でファムの顔面を強打、そして押し倒し、何度もストンピングする。

 嵐のように激しい蹴りに耐え切れず、ファムも脱落する。

「三匹だ・・・。」

 そのとき、明人に異変が起こった。

 髪の色が白に戻り、人相も戻り、プレッシャーもなくなった。

「げっ!時間切れか!」

 そう叫びつつも、明人の辞書の中に危険と言う言葉はなかった。

「ていっ!」

 その場からサマーソルト気味の蹴りを龍騎に浴びせ、空に舞い上がる。

<ファイナルベント>

「これぞ!武御雷零式にのみ搭載された人類の最終兵器!」

 明人は空中に停止し、密集していた龍騎、リュウガ、ベルデの動きを法術で止める。

 続いて右手を開いて前に勢いよく突き出すと同時、

「ディストーション!バスタァァァァァァァッ!!」

 かけ声とともに膨大なエネルギーのレーザーが手のひらから発射された。喰らった相手については言うまでもないだろう。

「六匹!」

 明人が地面に降り立ったとき、残りの七人は円状に明人を包囲した。

「ここらで、行きますか!」

 明人は突然ズボンのポケットから大きな銀色のベルトを取り出し、腰につける。

 続いて携帯を取り出して開き、

「コード555・・・よし、エンター!」

<スタンディングバイ!>

 携帯から英語の発音が聞こえてから、片手で器用に携帯を閉じ、一度腰の後ろまで引いてから、頭上に掲げる。

「変身!」

 かけ声と同時、携帯をベルト前部の隙間に装填。

<コンプリート!>

 フォトンブラッドが全身を駆け巡る。そして、銀色の鎧が体を包み、明人はファイズとなった。

 ※作者からの注意です。

 設定によると、龍騎の世界のライダーは20APが一トン(目安)、例えば龍騎のファイナルベント、ドラゴンライダーキックは

 6000APで300トンあることになってますが、ファイズは(現在で)最強の必殺技、クリムゾンスマッシュが17トンしかないことに、

 即ちファイズはかなり弱いのですが、気にしないで下さい。SSですから。

 明人のテンションは、絶好調だった。

「はあっ!」

 明人はガイにナックルを一撃。

「せいっ!」

 また、一撃。

「とりゃっ!」

 そして、一撃。手をパキポキ鳴らし、

「でえいっ!」

 力を込めた一撃。ガイは数歩後ろに退き、そして消えていった。

「七匹!」

 間髪いれず、腰の携帯からミッションメモリーを抜き、腰にあるファイズポインターを取り外して、それにつける。

 それを、右足に装着。さらに、携帯を開いてエンターをおし、閉じる。

<エクシードチャージ!>

 エネルギーの6割が右足に流れこんでいく。

<ファイナルベント>

 同時に、王蛇が蛇型のモンスター、ベノスネークを召還。王蛇は宙返りしてベノスネークの顔の前に跳ぶ。

「クリムゾンスマァァァァァァッシュ!!」

 ファイズのクリムゾンスマッシュと王蛇のベノスラッシュがぶつかり合う。初めは拮抗していたが、

「似たようなキャラはいらんわあっ!」

 という明人の一言に王蛇はあっけなく潰された。

「8!」

 着地の際、メモリーをファイズショットに入れ替え、右腕に装着。

 そのとき、異変が起きた。

 風が、巻き起こる。全てを裁き、吹き飛ばし、切り裂く風が。

<サバイブ>

 ナイトの周囲に竜巻が巻き起こり、ナイトを包み込む。そこから、より豪華な鎧に身を包んだ、ナイトサバイブが現れる。

<コピーベント>

 ライアもまた、ナイトの姿をコピーし、ナイトサバイブとなる。

<ファイナルベント>

<ファイナルベント>

 二人が同じ行動をすると、コウモリ型のモンスター、ダークレイザーが二匹現れる。

 二人がそれぞれ飛び乗ると、コウモリは変形していき、バイクと化した。

 その姿、さながら疾風のごとく。二本の槍が、明人を貫こうとする。

「負けるかっ!俺は負けられないんだっ!」

<エクシードチャージ!>

 バイクの突撃に、拳で真っ向から対決する明人。

「グランインパクトォォォォォォォッ!!」

 ドゴォアッ!!

 砂煙が晴れたとき、そこに立つのは、銀色の戦士。

「ラスト3!・・・ん?エネルギー切れか。必殺技を打ちすぎたな。」

 携帯をはずし、変身をとく。

<スチールベント>

 更に、タイガからファイナルベントを盗む。そして、ゾルダに目をつける。

「キタオカァッ!!」

<シュートベント>

<シュートベント>

 明人の手から出る法術のエネルギー弾とゾルダの肩のギガキャノンがぶつかりあう。

 だが、連射力の差がものをいい、ゾルダは数発を喰らって沈み込む。

「ラスト2!」

 そのとき、乱入者が現れた。

<ファイナルベント>

 現れた黒い者はバイクに乗って、横回転スピンをしながらタイガに突っ込み、タイガをあっけなく轢き殺していった。

「ちょっと待てえ!オルタナティブゼロはライダーなのかっ!?」

と明人がツッコムと、黒いライダーから返事が返ってきた。

「オーディンは俺が引き受ける。お前は神奈を頼む。」

 黒いライダーは、何と言うか、神奈延年さんっぽい声だった。

 最早俺のやったゲームとはえらく違うが、キャラクターが同じことが救いだった。

 というより、俺がシナリオを変えたんだが。

「任せろ!頼むぞ、柳也!」

「何故、俺の名を?」

「裏葉という人から散々聞かされた!」

「そうか・・・。」

 後ろを柳也に任せて俺は走る。途中振り返ると、オーディンと柳也が互角の戦いをしていた。

「神奈!」

「明人殿!」

 俺は、神奈の近くに駆け寄る。

 圧縮言語で可能な限り詠唱時間を縮めた法術で神奈の戒めを解こうとするが、かけられた方術が複雑すぎて、なかなか解けない。

「神奈・・・もうすぐ・・・だ・・・。」

「明人殿・・・。」

 俺は力を奪われる感覚に必死に耐え、葉を食いしばる。そして、ありったけの力を搾り出す。

「でえいやああああああああっ!!」

「く・・・はっ・・・。」

 柳也が、地に伏していた。黒いオルタナティブの鎧は既に破られていた。

 目の前に立つオーディンは、柳也を悠々と見下ろし、杖にファイナルベントのカードを装填しようとしていた。

 そのとき、オーディンに異変が起きた。否、異変はオーディンだけでなく、この世界全てだった。

 ひび割れが走り、やがて無数に広がり、そして、世界が弾けた。

「ん・・・。」

 眩しさを感じ、俺は目を開けた。そこは、一面の空だった。

 さっきのような囚われの空ではなく、自由な空。天国なんて物がもしあれば、こんなものだろうか、と思ってしまうような場所だった。

「・・・・・・明人。」

 俺を呼ぶ男の声にふと振り向くと、柳也がいた。いや、裏葉も、神奈も。

 3人、まるで家族のように。

「お前ら・・・。」

 が、彼らは、当たり前だが肉体はなく、魂だけの存在であった。

「感謝するぞ、明人殿。」

 神奈の、屈託のない笑顔。

「ありがとうございます、明人様。」

 裏葉の、のほほんとした笑み。

「・・・感謝する。」

 柳也の、不器用な笑い。

「気にするな。俺は俺のやりたいようにやった、それだけだ。」

 俺はぶっきらぼうに告げる。

 が。

「神奈様、明人様は照れて、ワザとあんな事をおっしゃるのですよ。」

 ぬな!?

「本当は、困った人をほおっておけないだけ。」

 ・・・・・・むう。

「明人殿。これで、余は2人とともに再び一緒にいることが出来る。本当に、感謝している。」

「気にするなって。・・・ああ、気にすることと言えば。

 初めて会ったとき、せめて柳也ぐらいは強くなくては困るといって、無理やり強化された気がするな・・・。」

 ま、結果的に、過去に戻っても、アドバンテージを維持できたがな。

 あの頃の俺や北辰よりも、柳也の方が断然強かったからな・・・。

「う・・・・・・。あれは・・・その・・・。」

 神奈の頭が、申し訳なさそうにうなだれる。結構可愛い。

「いいよ、別に。

 ・・・柳也、2人と、幸せにな。」

「ああ。お前も、あの者と幸せにな。」

「あの者?」

 柳也が指差す方を見ると、観鈴と、俺が観鈴を見守らせる為に創った、そらが立っていた。

「見ていたのか・・・。」

「さっきから、ずっとな。」

 そして、3人の体が薄くなっていく。

「時間だな・・・。」

「そうか。」

 俺には、最早言うべき言葉はなかった。

「・・・じゃあな。」

 3人は微笑みながら消えていく。俺のはなむけの言葉とともに。

 3人が消えた後、俺は観鈴の方を向く。

「・・・帰るか、観鈴。」

「うん!」

 彼女は、俺にいつもの笑顔を見せ、頷いた。

「観鈴・・・。」

「明人さん・・・。」

 2人は、夕日のさす、海岸沿いの堤防の上に、手を繋いで立っていた。

 夏。あの出会いから多くの月日が流れても、まだ夏は終わっていない。

 ふと、2人は空を見上げる。

「あ、明人さん、あれ・・・。」

「ああ・・・・・・。羽だ・・・・・・。」

 空から、はらりはらりと、無数の銀色の羽が舞い降りてくる。まるで、全ての悲しみを、押し流すように。

「・・・・・・観鈴。」

「・・・・・・明人さん。」

 空から舞い降りた羽が、祝福するように舞う中で、俺と観鈴は、誓いの口付けをかわした。

――――――最後には、幸せな記憶を――――――


コメント

私の性格は根本的にシリアスじゃないからなあ・・・。

これで翼編が終わりというわけではありません。

観鈴は何故明人の名を知っていたのか?明人は何故ファイズ装備を持っているのか?TVでカイザは本当に5月頃出るのか?

サリーズは本当にいるのか?コード231のライダーの名は?次回で始め一つだけ明らかになります。

ちなみに、この話でネタに走る人物は5人いて、

明人>アカツキ>????>タクト>新北辰>ガイの順に走りやすくなっております。

????は後に出てくるオリキャラです。

PS ナデシコの年代からだと、1200年前じゃん。

説明の続き。カーズモードに目覚めた理由です。

人形の中にあった多くの悲しみの想いや、過去に跳んだ直後に戦乱の世の空気に中ったからです。

・・・・・・それだけです(爆)

 

 

感想依頼 皐月

 

 

そりゃあ、ライダー側がへなだし。>ライダーキック17t

ある意味ゴキ555も大したものだと思うのは確かだけど。

オルフェノクが主役だよね、ママン? って小さなお子様が聞いてしまいそうな内容と言うのはええ、大した物です。

ってあれ? なんで俺、ゴキ555を吊るしてるんだろ?